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すっかり忘れてました。小学校PTAの「広報誌」の原稿・・・・締め切りはとうに過ぎてるんですけどね、何とか今日提出します。広報部の皆さん、ごめんなさい 「カラオケ」の一坪ほどの部屋に3人で入りましたが、なんとなく息苦しくて、入ったとたん出たくなりました。慶子と育美は慣れているらしく、すぐにリモコンの操作をして歌を選曲しましたが、健太はトイレに行くふりをしていったん部屋の外に出ました。「もしかしたら、慶ちゃんたちの化粧品の匂いがあわないのかな?」そう思いながら、2~3分して戻ります。そんなに長い時間トイレに隠れているのも変だし・・・・歌はそんなに得意じゃないから、健太にとっては気が重いのですが・・・・「106号室」と書かれた部屋のドアを開けようとしたとき、ふと隣の部屋でノリノリで歌っている人の隣で曲を選んでいる女性と目があいました。神崎蓉子です。同年代の女性二人と男性一人・・・・4人で隣の部屋にいたのです。窓越しにお互い会釈しましたが、それに気づいた後ろ向きの男性が、健太を振り返りました。なぜか、こちらを睨んでいるような気がしました。(彼氏と一緒に来てるのか・・・)健太はその男性にも会釈して、自分の部屋に戻りました。「誰か知り合いでもいたの?」育美に聞かれましたが、「まあね・・」と軽く受け流し、自分でも選曲をしようとリモコンを手に取ります。数曲歌って、まだまだ帰りたくなさそうな慶子と育美をせきたて、出口に向かうとき、隣の部屋を覗いたのですが、もう蓉子たちはいませんでした。 スマン急用・・・続く
2007.05.31
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最近、その気になって「カラオケ」を歌っています。もちろん歳ですから、新しい歌なんか知りませんし、最近の歌はみんなキーが高いから無理です。私が若いころ歌った物や、「クラブ歌手」のときに歌っていたものを探し出しては歌っています。 浩美が塾から帰り、叔母の家で兄妹で夕飯をご馳走になったのですが、その家の娘・・・慶子からのお誘いで、健太は居酒屋に出かけることになりました。「お兄ちゃん早く帰ってきてね」冷蔵庫に、叔母からもらってきた父親の夕飯のおかずを入れながら、浩美は少しさびしそうに健太を送り出します。「ああ、お兄ちゃんもそんなに飲めるわけじゃないから、慶ちゃんの顔を立てたらすぐに帰って来るよ」慶子の友達の「育美」が、「どうしても健太と一緒に飲んでみたい」という話しをしたから・・・そんな理由で引っ張り出されたのです。そんなに長居するつもりもありませんでした。「居酒屋ムラサキ」は、川沿いにあります。健太の家からは歩いて15分ほど・・・・ゆっくり川を眺めながら歩きました。店に着くと慶子が手招きするのが見えます。そしてその隣には育美の姿がありました。「遅かったじゃない・・・・」「だって親父がまだ帰ってなかったし・・・」そういいながら時計を見ましたが、5分遅れただけ・・・・「マアいいわ・・・あたしの言うことを聞いてきてくれたんだからね・・・ア、育美は知ってるんだよね?」育美が健太に会いたいといったから・・・・という理由だったのに、そんなことはおくびにも出さず・・・・育美を紹介する慶子・・・・(あれ?育美が僕と一緒に飲みたいって言ったんじゃないのか?)「ああ、隣町の畳屋さんとこの人だよネ・・・・」健太も慶子に併せて、育美に呼ばれたんじゃないというフリをしました。「ああ、慶子の従兄弟だったよね」育美にいたっては、紹介されなければ健太のことなどわからなかった・・・というような風情・・・・・まったく知らない人が見たら、慶子と育美が2人で楽しく飲んでるところに、偶然健太が店に入ってきて、慶子を見つけて一緒に飲み始めた・・・そんな感じに見えるような・・・・・・そんな演出をする必要はないじゃないか・・・健太はそう思いました。「ねえなに飲むの?」「そうだなあ・・・僕はビールがいいな」すぐに家に帰るつもりだったので軽くビールを飲んでごまかそうって思ったのです。ジョッキで生ビールを頼んで、一杯だけのつもりで飲み始めました。すぐに育美が話しかけてきます。「ねえ・・・健太君って東京の大学でしょ?」「うん、そうだけど」「都区内じゃないのよね・・・・」(あ、この女、もうすっかりリサーチ済みだ)「以前は23区ないにあったんだけど、今は多摩地区にあるんだよ」「ねえ・・・東京に行ったら案内してくれる?」「案内っていったって・・・・僕はあまり山手線の内側のほうは知らないんだ」「でも、新宿や渋谷くらいなら知ってるでしょ?・・・楽しみだなあ」育美はもうすっかり、東京に行って健太に案内させる気でいます。それからも育美は、積極的に健太に自分をアピールしてきました。最初のとっつきにくいような仕草はなんだったのでしょうか?「あたしねえ・・・年下の子と付き合ったことはないんだ・・・でもね・・・健太君って年下を感じさせない、頼りがいっていうのかな?・・・そんな雰囲気あるんだよね。」しかし、健太はもちろん付き合う気もなく、ずっと受け流すだけでした。一時間ほどして健太が帰ろうとすると、それを感じ取ったのか慶子が・・「ねえ。今度はカラオケに行こうよ」そう誘ってきたのです。無理やり・・・そう無理やり健太は引きずられて行きました。カラオケボックスは「居酒屋ムラサキ」カラ歩いて5分ほどのところ・・・・途中の自販機で缶ビールを買っての移動です。 あ、寝ます。
2007.05.30
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いやあ。。。サボるって怖いですねえ・・・・・昨日なんて「訪問者数1/10」ですよ!恵さんは、来れなくなるって言うし・・・・これからどうなるんでしょうね? 家族3人で訪れた「お正月の温泉」・・・・健太の家族にとっては初めてのことでした。母親が半年前に亡くなって、まだ一年もたっていないから「おめでとう」とはいえない・・・だから自宅にいてもしょうがないと言うことでの家族旅行でしたが、けっこう優雅な気持ちになれるなあ・・・健太は温泉に浸かりながらそう感じていました。「それにしても、あの、仲居さん・・・中村さんっていったっけ・・・あの写真の女の子の顔にそっくりだよなあ・・・」それは健太だけが感じていたことで、一緒に写真を見たはずの父も妹も何も言いませんでした。風呂からあがると、健太は「大浴場」の前に設置されていた「マッサージ機」に腰を下ろしました。宣伝のためにおいてある「マッサージチェアー」のはずなのに、担当者は誰もついていず、勝手に使ってもいいようでした。「マッサージ機」を思いっきり「リクライニング」して、健太は顔の上にタオルをかぶせ、機械を動かしました。 別に肩が凝っているわけでもないのですが、一度やってみたかったのです。その時顔の上のほうから声がしました。「健太君・・・・ほんとに大きくなったわねえ」健太がタオルをどけると、そこには「中村さん」の顔がありました。「ああ、どうも・・・・・」大きくなったと言われても、初めて会ったような気がする人ですから、なんとも返事の返しようがありませんでした。「アア、ごめんなさいね・・・・ほんとに懐かしかったものだから・・・」「おばさんは、うちの母さんの友達なんですってね」「そう、・・・中学時代からの・・・ね・・・・」彼女は昔を思い出すように遠くを見つめながらそう話しました。「もしかしたら、おばさんの家の子なのかな・・・女の子がいませんでしたか?」健太は思い切って写真の女の子のことを尋ねました。「え?・・・・恵理のこと覚えているの?」「覚えているっていうか・・・・僕のアルバムにどうしても誰なのかわからない女の子の写真があって・・・その子がおばさんに良く似てるなって思ったもんだから」「そう・・・恵理のこと、覚えていてくれたの」「やっぱり、おばさんとこの子だったんですか」「ええ・・・でも今はもういないの・・・・・」健太は(まずいことを言ったかな)と思い、返事が出来ませんでした。「あなたより一つ小さかったんだけどね・・・・よくあなたのあとを追いかけては、あなたのお嫁さんになるって・・・言ってたのよ」「じゃあ、僕とは何度もいっしょに遊んだんでしょうね」健太にはまるで覚えがありませんでした。「ア、ごめんなさいね・・・話し込んじゃって」「いえ、もう少しお話ししてもいいでしょ?」「そうはいかないのよ・・・・大晦日でしょ?・・・だからお休みの人も多くって、けっこう忙しいのよ。・・・・もし時間があったらまたお話ししましょう」そういって中村さんは、忙しそうにその場を立ち去りましたが、その後、けっきょく帰るまで、彼女と話をする機会はありませんでした。明けて元旦・・・・・朝食は「おせち料理」でしたが、食事のお世話をしてくれたのはほかの女性・・・・「あれ・・・・昨日の仲居さんと交代になったんですか?」「申し訳ございません・・・・急にお休みを取ることになりまして・・・」新しい係りの女性は忙しそうに食事のセットをすると、あわただしく出て行ってしまいました。お正月の温泉旅館は、いろいろなイベントが企画されていて「郷土芸能」やら、「歌謡ショー」・・・子供向けの「凧揚げ・凧作り大会」などお客さんを退屈させないように趣向を凝らしていましたが、健太の家族にとっては温泉に浸かるだけでゆったりとした時間が流れていきました。1月2日・・・・けっきょく「中村さん」とはそれっきりで家に戻ります。家に直接帰る前に、健太たちは慶子の家に寄りました。「おばさん・・・・A温泉の”鯨餅”・・・買ってきたよ」浩美は慶子の家の玄関を開けると、声もかけずにズカズカと家の中に上がりこんでしまいました。「おや、帰って来たのかい・・・・お帰り・・・よくおばさんの好きな”鯨餅”覚えてたね」満面の笑みを浮かべて、叔母は健太たちを迎えてくれました。そこへ、慶子も登場しました。「ア、健太・・・明日夜8時・・・新町の”居酒屋ムラサキ”って知ってるよね・・・そこへ来て?」「なんだよ・・・僕はいくっていってないのに・・・・」「たまには年上のオネエ様の言うことは聞くもんよ・・・あたしの顔も立てなさいよ・・・学生さんにお金を出せとはいわないんだから」勝手にそういうと、そのままどこかに出かけてしまいました。「なんだね・・・あの子ったらおじさんに挨拶もしないで・・・まあ。いつもの勤務と同じだからお正月っていう気もしないんだろうけど・・・・」慶子はデパート勤務なので、正月でも休みはなく、通常通りの勤務体系・・・・・したがって昨日も今日も、いつもと同じような生活なのだそうです。叔母のすすめもあって、その日の夕食は叔母の家でごちそうになりました。翌日3日からは、浩美の「塾」が受験対策用の講習を始めたし、父も仕事がありましたから、健太は家でひとり留守番することになったのです。健太は、あの「中村さん」のことを考えてアルバムを見直していました。(そういえばなんとなく・・・・知ってる子の様に思えてきたなあ)壁にかかっていたゴッホの「ひまわり」の複製・・・・(浩美も見覚えがあるって言ってたから、きっと一緒に連れて行かれたんだろうなあ・・・)「健太君のお嫁さんになる」その女の子がそう言ってたような気もしてきたのです。昼食もとらず・・・・健太は寝転がったまま、そのアルバムを見続けていました。父から電話が入りました。「今日は仕事がたまってるんだ・・・・浩美が帰ってきたら今日だけおばさんの家でごちそうになろう・・・明日から家政婦さんが来るから。」そういうと返事も待たずに電話をきりました。夕方、叔母の家に行き、夕食をごちそうになりました。慶子が帰ってくるのはまだ遅いということでしたが、叔母から・・・・「今日はまっすぐ居酒屋に行くから、健太にも送れずに来るようにって言付かってたよ」そう言われてしまいました。 つづく
2007.05.30
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黙ってましたけど、実は今日はこれからうちの従業員のお葬式なんです。従業員といっても私の同級生・・・先日一級したの同窓会の副会長を失ったばかりだったので、こんなお話はしたくなかったんですけど・・・ほんと若くして、まだ一人前になってない子供を残してこの世を去るのは心残りだったろうと思います。昨日は、もし運動会があれば、会長として反省会に出なければならなかったんですけど、お通夜には出席するつもりでした。合掌・・・・ 蓉子と話しをしているところに、高校時代の友人がゆっくり・・・30分遅れでやってきました。それを機に蓉子は立ち上がり、私達の元を離れて行ったのですが、友人が初めて会った蓉子の事を聞いてきます。「誰なんだよ・・・・この辺の女じゃねえな!・・・東京から連れてきたのかよ?」「そんなんじゃないよ・・・親父の友達のとこの子でね・・・・俺も良く知らないんだけど、話し掛けられたんだよ」「へえ・・そうかい・・」友人は半分疑いながら、話しはそこで終わり、一緒にボーリングへ行って、昼過ぎには帰りました。温泉に出発したのは午後二時過ぎ・・・・車で二時間ほどですから、4時過ぎには着くはずでした。途中、まだ開いていた弁当屋でおにぎりを買い、缶ジュースで流し込むという昼食でしたが、家族3人の温泉旅行なんて初めてです。それはそれで楽しい思い出になります。年末の車の渋滞で、温泉宿に着いたのは一時間ほど遅れ、5時ちょっと前でした。A温泉のN旅館・・・・江戸時代からある古い温泉宿でしたが、いまは改築に改築を重ね、近代的なホテルのようになっていました。父は組合の旅行などで何度か利用していたようで、旅館に入ると女将さんが出迎えてくれました。「内山様・・・・本日はようこそお越しくださいました。・・・・このたびは奥様が・・・本当に残念でしたわね・・・係りのものに申し付けてございますから、ごゆっくりなさってくださいね」そう言って、係りの仲居さんに部屋へ案内させました。10畳ほどの広い部屋・・・・窓が海に面していて、夕日がとてもきれいでした。仲居さんはお茶を煎れてくれ、部屋を立ち去ろうとしましたが、父が呼び止めます。「もしかしたら中村さんじゃないですか?」「ご無沙汰いたしております」その仲居さんは、呼び止められたことで、そこに座りなおしました。「健太・・・知ってるだろ・・・お母さんのお友達の中村さんだ・・・小さかったから覚えていないかな?」「お葬式には参列できずに申し訳ございませんでした。・・・奥様がなくなられたことを伺ったのがつい最近でして・・・・それに・・・あたしもいろいろあって、あの町には顔を出せないようになっていまして・・・・」「そのことは伺っています・・・・でも、家内が亡くなるまであなたのことを話してましたよ・・・・気になってたんでしょうね・・・・」「このお若い方が健太くんですのね・・・・そして、こちらの女のお子さんがお嬢さん・・・人伝には聞いてましたけど・・・健太君が小さい頃、あの町を離れてしまったものですから・・・お嬢さんのことはあまりよく存じ上げなくて・・・」あまり昔の話もしたくなかったようで、その中村という女性は、それだけいうと席を立ちました。「ねえ・・・お母さんのお友達って?」浩美は、母親の友達にここで会えたことで興味を持ったようでした。「お母さんの高校時代の友達でな・・・・旦那さんが飲食店を経営してたんだが、一時は羽振りが良く、いろいろなことに手を出して・・・・」父はそのころの事情を詳しく話してくれました。「まあ羽振りがいいといっても、まだまだ若かったからなあ・・・無理をしたんだろう・・・・騙されて会社をなくし・・・それから行方知れずになっていたんだ。・・・お父さんはここに何度か来ているけど初めて会ったから・・・・最近ここへ勤めたんだろうな・・・」「お父さん・・・あの人・・・」健太は「あの写真の女の子に似ている」と言いたかったのですが、なぜか言いよどんでしまいました。 ア、時間だ・・・ちっとも進まないなあ
2007.05.28
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今日は雨のため、「運動会」は延期・・・来週の土曜日になりました。朝、5時からPCで天気図をチェック・・・早々に「延期」を決定しましたが、会場の後始末が残ってて・・・・50人ほどのお父さんと一緒にやったんだけど、反省会用の「煮込みうどん」も既に作ってあったんで、最後にみんなに振舞いました。先生方と併せて60人前・・・・ 大晦日の「ミスド」で、神崎蓉子のような可愛い子とお話ができようとは、健太も思ってもいませんでした。「昨日の朝刊に写真が載ってましたよ?」「新聞?・・・あたしがですか?」「一昨日の列車で帰省して来たんでしょ?」「ああ、駅に着いたとき写されてたんだ・・・・疲れてたから、気がつかなかったんでしょうね・・・知らなかったわ」「僕もね・・・あの日ついたんだけど、駅のホームにはテレビ局が来てたもの・・・」「あら、あたしもテレビカメラには気がついたんだけど・・・・もしかしたら同じ列車だったのかな?」「ああ、もしかしたらそうかもしれない」同じ列車だったかもしれない・・・それだけで健太は急に親近感がわいてきました。蓉子も気持ちは同じだったのでしょうか・・・・「ねえ、東京では何処に住んでらっしゃるの?」「ぼくはF市のH駅なんです。」「あら、あたしその隣駅のT駅よ?」彼女はそこから上りの電車・・・しかし健太は下りの電車ですから同じ電車に乗り合わせることもめったにないはずです。でもこのことですっかり打解けあったのでした。 ダメだ、調子が出ない・・・・また明日。
2007.05.27
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毎日の飲み会で、だいぶ疲れています。今日は、「青森県知事選挙」の街頭演説会が3時50分からあり、終わったらすぐに、ある総会に出席のため移動します。俺っていつ、仕事してるんだろう? 12月31日・・・・大晦日になって家族旅行に出かけます。生まれて初めて「お正月」を自宅以外で過ごすことになりました。父が運転して車で二時間ほどの温泉に出かけます。朝ごはんは、昨日と同じようにパンと紅茶ですませ、出かける時間まで家族それぞれが好きなことをして過ごすことにしました。健太は高校時代の友達の家に電話をし、遊びに出かけることにしたのですが、いつも行っていた喫茶店も大晦日ということで休業・・・仕方なく地元デパートの化粧品売り場の前にある「ミスド」で待ち合わせることにしたのです。大晦日ですから店内は買出しの主婦であふれていましたが、逆に「お茶を飲んでいる時間がない」ということでしょうか、「ミスド」はすいていました。「あいつ、・・・いつも遅れてくるからな」時間にルーズな友人は、今日も時間通りには来ません。コーヒーが半分冷めかかったころでしょうか・・・「あら?・・・内山さん・・・だったよね?」声をかけてきたのは、待っていた友人ではなく、先日「ボン・ボヤージュ」で一緒になった神埼親子の姉娘でした。「ああ、先日は・・・」健太はどきどきしながら答えました。彼女は、健太の許可を得ることもなく、目の前に座りました。「神崎蓉子です。・・・・お名前は・・・健太さんでしたね?」「アア、そうです・・・内山健太・・・・O大学の工学部の一年です」「じゃあ、あたしと一緒だ。・・・あたしはA女子大の英文科一年・・・と言うことは年は一緒かな?」「昨日新聞で見ましたよ」「新聞?」蓉子は昨日の地方紙の朝刊に、自分の姿が撮影されていたことを知らなかったようです。 明日万時かんだ・・・今日はこれ以上かけないかな?続く
2007.05.25
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今日は飲み疲れしてます。で今日は、うちの総会・・・・・安全運転管理者協会のね・・・・まだ挨拶の原稿作ってません・・・いらないかな・・・・・ アルバムをめくっていくうち、糊付けしていない一枚の写真が途中のページに挟まっていた。写真の裏を見ても何のキャプションもない一枚の写真・・・・「だれなんだろう・・・・?」写っていたのは見たことのない女の子の写真でした。4~5歳の写真でしょうか?色あせたその写真からは、いつごろ撮影されたものかまったくわかりませんでした。知らない女の子の写真が、私のアルバムにはさまっている理由もわかりません。しょっちゅう見るものでもありませんでしたから、最後にアルバムを見たのはいつだったか思い出せませんが、その時はこんな写真ははさんでありませんでした。「アルバム作りは、母さんの仕事だったから、挟んだのはきっと母さんなんだろうけど・・・・・」知らない女のこの写真が自分のアルバムに挟まれてある理由・・・それはいくら考えても思いつきもしませんでした。翌朝目覚めたのは、もう8時を回っていました。今日から父も休みのはずです。居間が静かなところをみると、まだ誰も起きていないのかもしれません。居間に行き、テレビをつけようかと思いましたが、隣の部屋では父がまだ寝ているのを思い出し、玄関から新聞を取ってきて読み始めます。田舎の地方紙なので、「帰省客ラッシュ」の文字が躍っていました。「昨日は混んでたもんなあ・・・」自分はもう早くから帰省することを決めていたので、JRのチケットは早めに買ってありましたから、ゆったりと座って帰ってくることができましたが、自由席からあふれてきた幼稚園児らしい子供を連れた母親が、「座りたい」とぐずる子供を叱っている様を思い出しました。(子供がいるなら早めにチケットを買って置けばいいのに・・・)そう思いましたが、なんとなく自分が座っていることに罪悪感を覚え、健太は終着駅まで目を閉じ眠ったふりをして帰ってきたのです。新聞の記事と一緒に写っている写真には、あの母親のように疲れきった顔をした帰省客が大勢写っていました。「あれ?・・・この子・・・」その写真の中に、昨日「ボン・ボヤージュ」にいた神崎親子の姉娘らしい女性が写っていたのです。「高校生だと思ったのに・・・・大学生だったのかな?」帰省列車に乗ってきたということは、まさか高校生のうちから東京に進学させないでしょうから、きっと大学生に違いありません。健太は現役合格した大学一年生・・・・ということは彼女は自分と同い年か年上ということです。(幼い顔つきだったから年下に見えたのかなあ・・・・)「おお、起きてたのか・・・・おはよう」父親がパジャマ姿のまま起きてきました。「ねえ、父さん・・・俺のアルバムに知らない子の写真が挟んであるんだけど、だれなんだろう?」「ええ?お前のアルバムなんて見たことないからなあ・・・・ちょっと持って来てみなさい」健太は部屋にアルバムを取りに行きました。その時、浩美も起きてきたのです。「お兄ちゃん、なにバタバタやってるの?」「アア、浩美・・・お前のアルバムなあ・・・ちょっと一緒に持って来てくれないか?」2人はそれぞれのアルバムを持って一緒に居間に戻りました。朝の挨拶もそこそこに、浩美が言います。「ねえ・・・朝からアルバムって何があるの?」「いいからちょっとお前のアルバム見せてくれよ」浩美がアルバムを開くと、浩美が生まれてからの写真が健太と同じように貼ってあり、コメントが記入されています。健太と同じ写真もありましたが、コメントは違っています。健太のあとを浩美が追いかけている写真・・・・健太のアルバムのコメントには「浩美の面倒を良く見るお兄ちゃん」と書いてあり、浩美のものには「お兄ちゃんをいいお手本にしようね」と書いてあります。ほかの写真にも別々のコメントが・・・・・しかし、浩美のアルバムにはその女の子の写真は挟んでありませんでした。「でも、この子、どこかで見たことあるよね・・・?」突然浩美が言い出しました。「父さんにはわからないなあ・・・・・」「どこかで、会った事があると思うんだけど・・・・・ほら、後ろに写っている壁の絵、・・・・この絵にも記憶があるんだけど」その絵は、遠くてわかりませんが「ひまわり」の絵のように見えました。「これ、”ゴッホのひまわり”の絵だろ?・・・複製だもの、どこにでもあるよ」「そうかなあ・・・でも、ほんと、どこかで会ってるんだけどなあ・・・」浩美は首をかしげました。「じゃあきっと、母さんの友達の子の誰かだろ?・・・・母さん、友達の多い人だから、そこに浩美を連れてって、その家の子供の写真でも撮ったんだ・・・浩美は小さい頃は落ち着きのない子だったからね・・・一緒に写真を撮ろうって言ったのに、きっとほかのものに興味があってそっちへ行っちゃったんじゃないのか?」「ひどい!父さん」浩美はちょっぴりすねて見せました。「さあ、朝飯食ったら大掃除するぞ」父は聞こえなかったふりをして、浩美に食パンを焼く様に指示しました。そして自分はカップ3個に、ティパックを入れ、紅茶を煎れはじめたのです。それから、健太が神棚と仏壇を掃除し、父は掃除機をかけ、浩美は拭き掃除やら、冷蔵庫などの台所まわりの掃除をしました。一日がかりの大仕事でしたが、一年のほこりを払ったので清々しい気分です。昼は近所のラーメン屋で済ませたのですが、夕食は、台所をせっかくきれいにしたので汚したくないということから、また外食しようと相談がまとまったところに、慶子から電話が入りました。「ねえ・・・今日はうちのお母さんが一緒にご飯食べようって・・・」気のない誘い方でしたが、慶子はいつもそんな話し方でした。父の妹である慶子の母が、明日から旅行に出かける健太一家の食事を心配してくれたようです。遠慮なく慶子の家に行くと、叔父が待っていました。「義兄さん、今日はもう寝るだけでしょ?・・・いっぱいやりますか?・・・どうだ健太、お前だって大学生だから飲めるんだろ?・・・付き合うんだよな?」こうして、男3人で酒盛りが始まりました。叔母の用意してくれた夕食は、もう既に正月用のおかずでした。「健太・・・・お前は小さい頃、叔父さんの現場に来てはよく見てたよなあ・・・俺が”叔父さんの仕事がすきか?”って言うと目を輝かして”叔父さんのところで大工さんになる”ってよく言ってたもんだが、ケッキョクは”車屋”さんになるのか・・・」飲むほどに酔うほどに・・・・叔父は昔話を言い出しました。叔父は「工務店の社長」・・・ようするに「大工さんの棟梁」でした。娘が慶子のほかにもう一人・・・高校生の敏子がいるだけで「跡取り」がいません。健太が小さい頃の父は、自動車ディーラーの整備士として勤めていたので、叔父は健太を「跡取り」にしたいと思っていたようでした。その当時、この町はちょっとした「建築ブーム」で、叔父の羽振りもよく、この好景気がいつまでも続くものと思っていたようです。それが徐々に景気も落ち込み、父が自分の工場を持ったときには「跡取り」の話もすっかりあきらめたようです。そのうち叔父はスッカリ酔い、父に景気の悪さを訴え始めました。「最近では、大手のハウジングメーカーが乗り込んできて、注文住宅なんてさっぱりなくなっちまって・・・・」大手ハウジングメーカーと銀行の悪口を言い始めたのです。それを機に、健太は父と叔父の元を離れ、台所仕事をしていた叔母のそばに行きました。「叔母ちゃん・・・・いつもありがとう・・・浩美や父さんが世話になってるんでしょ?」「健太。そんなこと気にしなくていいんだよ・・・・あんたのお母さんに頼まれたんだもの・・・それに、兄さんとはたった二人っきりの兄妹だし・・・」「それでも、父さんだと浩美の相談には乗れないことだってあるし・・・叔母ちゃんがそばにいてくれて助かってます。」そこへ慶子がやってきました。「ねえ、健太・・・・温泉から帰ってくるのはいつだっけ?・・・・昨日、育美に健太が帰って来てるっていったら、一緒に飲みに行きたいって言うんだけど・・・」断ろうと思いました。「健太、こうやって絶世の美女達がおごってやろうっていってるのよ?・・・まさか断らないわよね・・・・」そういうと、後ろで慶子の妹と話しをしている浩美を振り返り・・・「浩美、・・・温泉から帰ってくるのいつだっけ?」「2日の夜に帰ってくるよ」浩美が答えると、「じゃあ決めた!・・・3日の日ね・・・場所は連絡するから」勝手に決めてすぐに育美に電話をするために部屋を出て行きました。 つづく
2007.05.24
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Team MKNサン、公演の大成功、おめでとうございます。観劇してきた皆さんの興奮が、皆さんのブログの端はしから伝わってきます。ようやく「魔法の木」も最後まで読んでいただいたと言うことで、ちょっとお聞きしたいんですが?「魔法の木」のマスターご夫妻を想像して書いた、私の「魔法の木」なんですけど、お2人ってどんな方でしたか?「魔法使いノブ」のように優しいマジシャンだったでしょうか?「お姫様」のように気品あふれる美人の奥様だったでしょうか?間違いはないと思いますが・・・・・・・・ 「ボン・ボヤージュ」の食事は、健太にとって満足できるものであった。食事の美味しさもさることながら、偶然とはいえ、ほかのお客さんを含め、みんな父の知り合いというのも、健太にとっては「大勢の家族」に囲まれている充足感があって、とても楽しい食事の時間だった。一組だけ、健太の知らない家族も来ていたのだが、その家族の父親も、父の友人らしい。両親とその娘が2人・・・・(一人は高校生・・・もう一人は、浩美と同じくらいかな?)「アア、お前、神崎は知らなかったヨなあ・・・・・お父さんの高校時代の同級生で、今年の春、お前と入れ違いにこっちに帰ってきたんだ・・・・県の役人だから、また出て行くんだろうけどな」「君の事は、お母さんの葬式のときにあってるんだよ・・・・よろしくな」神崎が挨拶すると奥さんや娘達が一緒に会釈する。神崎・・・・・どこかで聞き覚えがある名前だった。父から聞いたのか・・・それともほかの誰かだったかな?・・・そう思いながら健太もペコリとお辞儀をした。脇のほうから、農協に勤めている「吉崎さん」が声をかける。「内山・・・・今年の正月はどうするんだ?・・・・どうせやることもないだろうからマージャンでもするか?」そういうと、父は・・・「いや、31日から2日まで・・・家族で温泉に行くことにしてるんだ」「そりゃいいな・・・・温泉か・・・・」「今年は正月もできないからな・・・・それに家政婦さんだって休むから、飯も作れないだろ?。。。」今年だけの問題ではない・・・・来年も再来年も・・・・家のことを考えると、父の再婚のことも考えなくちゃならないのかな・・・・3年後、もし浩美が大学に行くようになれば、父はこの土地で一人で暮らさなければならないのだ。家に戻り、健太は父と浩美、そして自分の分のお茶を煎れた。「ねえ、父さん、ほんとに温泉に行くの?」「アア、もう予約は入れてある」「いいね、温泉・・・あたし、夏に修学旅行で北海道の温泉に行ったでしょ?・・・大きなお風呂で・・・・いいよね」浩美が年寄りじみたことを言う。「そのためにも明日、大掃除しなきゃならないからな・・・・ふだん家政婦さんが掃除機をかけ、おばちゃんがこの前も大掃除をしてくれたんだが、仏壇や神棚の掃除は自分達でしなきゃ」その日は、帰ってきたばかりの健太の様子を、父も浩美も聞きたがり、深夜まで談笑して過ごした。自分の部屋に入ったのがもう午前一時を過ぎていた。しかし、どうも寝付けない・・・・・健太は自分の本棚から、昔読んだ小説を引っ張り出し、読み始めようとした。その時、ふと目に留まったのが「自分のアルバム」であった。「細かな活字より、母さんの作ってくれたアルバムを見よう」そのアルバムは、母が撮影して一枚一枚にコメントを書いてくれたアルバムだった。健太が生まれたばかりのころ、写真館で家族3人で撮った写真・・・父も母も、まだ20代前半で、若々しい・・・・「健太・・神社へお参りして・・・お父さんとお母さんの宝物」・・・そんなコメントが書いてある。七五三の写真・・・こいのぼりと一緒に写っている写真・・・一歳の誕生日のときの写真・・・かなりこまめに撮影されていて、その一つ一つのキャプションが面白い。幼稚園の入園式・・・「幼稚園に行きたくないよう」大泣きしている健太の顔が、アップで写っていた。「赤ちゃん誕生、病院にて・・・・お母さんと赤ちゃんと健太」この写真は浩美が生まれたとき、まだベッドに寝ていた母と、生まれたばかりでまだ名前もついてない浩美、・・・そして健太が写っている。この写真は父が撮ったものだろう・・・・ ア、時間だ・・・続きは明日。
2007.05.23
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どうも、身体から「魔法使い」が抜け切れてないようです。今度の「小説もどき」はシリアスにしようと思ってるんだけど、あらぬ方向に行きたがる傾向があり困ってるんです。まだ、浩美は帰ってこない・・・・・もう9時を回っているというのに・・・・そこへ一本の電話が鳴った。「もしもし、浩美か?」「健太・・・・浩美を探してあげて・・・・」それは紛れもない母の声だった。・・・半年前に亡くなったはずの・・・・ってな具合でね・・・どっちかというとSFっぽくなっちゃうんだよね・・・・困ったもんだ。 「ねえ、育美がね・・・今度健太が帰ってきたら、一緒に飲みに行こうって言ってるんだけど?」慶子が台所にいる健太に呼びかけた。しかし、健太は聞こえなかったふりをした。女性に興味がないわけではないが、正月休みは家族だけで過ごそうと決めていた。「ねえ聞こえてるの?」慶子はもう一度呼びかけたが、健太は「今、母さんにコーヒーを上げてくるよ」そう言って母が愛用していたマグカップにコーヒーを淹れた。仏壇は一番奥の部屋にあった。コーヒーをお供えして、お線香を上げる・・・・・お線香の香りとコーヒーの香りがミックスされて一種独特の匂いになったが、かまわずに手を合わせる。「母さん、ただいま・・・・」仏壇の上に飾ってある遺影が微笑んだような気がした。いつもカメラを持ち歩き、健太や浩美の写真を写すことが生きがいのようになっていた母だが、なぜか自分の写っている写真は少なかった。この遺影にしたって母が35歳のときのもの・・・・祖父の還暦の祝いのときにみんなで記念写真を撮ったときのものだった。「母さん・・・若いよなあ」亡くなったときが42歳だから7年も若いときの写真である。ぼんやりしていると仏間の襖がそっと開いた。「お兄ちゃん、何してるの?」いつの間にか帰って来ていた浩美だった。「アア、お帰り・・・いや・・今母さんの写真を見てたんだよ」「そう・・・・」「毎日、受験勉強大変だな」立ち上がりながら健太は、もう一度母の遺影を見た。居間に戻ると、慶子はもういなかった。「慶ちゃんね・・・・お兄ちゃんに話し掛けても返事もしないっていって怒ってたわよ。」そういってケラケラと笑った。「せっかくコーヒー淹れたのに・・・・」「じゃああたしが飲むよ」そういうと浩美は立ち上がり台所に向かった。「ねえ・・・お兄ちゃん、いつまでこっちにいられるの?」「冬休みは短いからな・・・1月10日ぐらいまでかな?」「へえ・・・大学って休みばっかりかと思ってた。」「帰れば後期の試験があるから、あまりノンビリもしてられないんだ」「試験が終わればすぐにまた帰ってくるんでしょ?」浩美はお盆の上に2つのカップを載せて、コーヒーを運んできた。「帰ってきたいんだけどな・・・夏休みのバイトできなかっただろ?・・・免許取らなくちゃならないから少しバイトして金貯めたいんだ。」「お父さんとこでバイトすればいいじゃない」「それじゃお小遣いもらうのと同じだろ・・・自分で稼がなくっちゃ」浩美はしばらく黙ってしまった。「でも、お前だって高校にはいるじゃないか・・・そうしたら東京に遊びに来ればいい・・・」そう言ってやると、浩美はたちまち元気を取り戻した。「うんそうする」それから2人はユックリとコーヒーを飲んだのだった。夕飯の支度は、いつも家政婦さんがやってくれているらしい・・・・しかし、今日は健太が帰ってくるということで父は外食すると決めていたらしく、家政婦さんを断っていた。「お父さん遅いねえ」浩美は何気なく言ったのだが、仕事で父が遅くなるときは浩美はこの家で一人ぼっちでいるのだと思うと、健太は妹をかわいそうだと思う。「お前・・・東京の高校も受験したらどうだ?」「いやだよ・・・友達だって誰もいないし・・・こっちの高校じゃなきゃ・・・それに、お父さんを一人ぼっちにできないもの」自分がいま妹にした心配を、妹は父のために思っている。もしかしたら、自分よりしっかりしているかもな・・・健太は思った。家の外に車が停まった。エンジンの音がブルブルッとかかったままで、玄関の戸が開き、「おおい、飯食いに行くぞ・・・出かけるから出てきなさい」・・・父の声が響いた。「わーい、外食なんて久しぶり・・・お兄ちゃんが帰ってきたおかげかな」浩美は大げさに喜んで見せた。こんな田舎には似つかわしくない本格的なフレンチレストラン「ボン・ボヤージュ」は、フランスで修行したという三宅という料理人が経営していた。町の人たちは「偏屈な料理人」だといわれていたのだが、健太の父とは妙に馬が合って母が生きていたころはしょっちゅう食べに来ていた。味はすこぶる良い・・・・・子供のくせに健太はそう思っていた。「今日は三宅さんに、健太が帰ってくるって言ってあるんだ」父は、前もって予約してくれたらしい。店に入ると、三宅と奥さんが待っていてくれた。「おお、健太・・・大きくなったなあ」「おいおい、大きくなったはないだろう・・・もう大学生だぞ」三宅と父の会話に、ひとしきり笑い声が起きた。店の中にはほかにも客はいたのだが、みな父の友人だった。 ごめん、またお出かけだから・・・続く
2007.05.22
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さっき、青森市から戻ってきました。これから続きをチョコット書きます・・・・・出だしが「重い」って言うご意見が多いようですね。何の気なしに書いちゃってから私もそう思いましたけど、このまま続けちゃいます。父の工場に着くと、やはり数台の車が修理を待っていた。4人の従業員が忙しく動き回っていたが、ひとりは健太の中学時代の同級生だったので、健太に気付くと父親を呼びに行ってくれた。奥からつなぎの作業服を着た父親が出てきた。「おお悪いなあ・・・今日は早く帰ろうと思ってたんだが・・・・ご覧のとおりだ・・・夕べ雪が降ったからなあ・・・」父親はそれだけ言うと、ポケットから家の鍵を取り出し健太に渡した。「浩美は受験生だから・・今日は塾だ。・・・休むなんていってたんだが私立の高校へやる余裕なんかないからな・・・塾へ行けって言っといたんだが、今日はおれも早く帰れればよかったんだけど・・・・・」予定では工場を従業員に任せて、自分は家で健太を待ってるつもりだったらしい。「慶ちゃん、悪いんだけど、健太を家まで送ってってくんないか?」「いいわよ」悪びれもせず、慶子は明るく返事をした。今来た道を今度は、慶子と話帰ってきた。「ねえ・・・あたしの友達の育美知ってるでしょ?・・・ほら隣町の・・・・」「ああ、畳屋さんの子だね」「あの子ねえ・・・夏に健太が帰ってるとき見たんだって・・・かっこよくなったねえって言ってたんだよ」中学生当時の育美の顔は思い出したが、夏休みに出会った記憶はなかった。「ふーん・・・」健太は興味がなさそうにカラ返事をした。「でも健太って叔母ちゃんに似てたからなあ・・・浩美は叔父ちゃん似だし・・いいよなあ、美男美女のカップルに生まれた子は・・・うちの母さんと叔父ちゃんは兄妹なのになんで母さんはあんな顔なんだろう?」「そんなことないよ・・・慶ちゃんだって高校生の時もててたじゃないか」「もててた?・・・あたしが?・・・そんなお世辞なんか言う様になっちゃって・・アハハハ」屈託のない笑いというか・・・・慶子はこのあけっぴろげな性格で健太の同級生たちにも憧れの目で見られていたのは確かである。家に着いて車を降りると、慶子も車を停めて遠慮なく一緒に家の中に入ってきた。浩美はまだ帰っていない。「ねえ、コーヒー淹れてよ」「ああ、僕も飲みたいと思ってたんだ・・・今淹れるよ」健太は台所に立ってコーヒーの準備をした。コーヒーメーカーは冷蔵庫の上のほうに置いてあり、ふだんは父も妹も飲まないことを思い出したのだが、健太が帰ってくるということで買置きしてくれたのだろう・・・・真新しい「コーヒー豆」の袋が置いてあった。家でコーヒーを飲むのは母さんと僕だけだったもんなあ・・・・そんなことを思い出しながらコーヒーミルで豆を挽いた。 あ、寝なくっちゃ・・・つづく
2007.05.21
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なんとなく、書き始めてみようかなって思いました。今まだだって、中身を決めないまま初めても、何とか終わることが出来たんだもの・・・今回も何とかできそうかな?タイトルは「かくれんぼ」「韓国ドラマ風」といいながら、やっぱり「和風」になっちゃうのかな? 健太が実家に戻ったのは半年振りだった。大学の夏休み・・・・・車の免許が欲しいと思ってバイトを始めた矢先、母が交通事故で亡くなったのだ。けっきょくその夏はバイトも辞め、残された家族と一緒に過ごしたのだが、9月に大学に戻る時は、妹に泣かれてしまった。妹は中学生・・・・母親を亡くすにはあまりにも早すぎると思う。その涙のせいかもしれない・・・・正月はすぐに実家に帰ろうとその時思っていたのだった。実家に着いたのは年の瀬もおしつまった12月29日だった。家に着くと鍵が閉まっていて誰もいない・・・・近所に父の妹がいるのでそちらへ回って見ると、おばが正月の準備で忙しそうに動いていた。「あら、健太・・・帰ってきたんだね・・・・・浩ちゃんが今日帰ってくるって喜んでたよ・・・会ったかい?」妹の名前は「浩美」・・・・中学3年生だった。「いや・・・家に帰ったら鍵がかかってて・・・・だからこっちに来てみたんだけど・・・」「あら?変ねえ・・・・兄さんも”健太が帰ってくるから今日は早退してくる”って言ってたのに・・・・」父は自動車の板金塗装と修理工場をしていたが、この時期は雪の降り始めで、けっこうスリップ事故が多く・・・・飛込みの修理がけっこう多いのだ。「工場へまわってみるよ」「ア、だったら車を貸そうか?・・・免許とったんだろ?」「いや・・・・まだとってない・・・・」おばは、健太が免許を取ろうとしていたときに母親を交通事故で亡くしたことを思い出した。「そっかあ・・・母さんが交通事故だもんねえ・・・車もいやだよねえ」ただ単に、夏休みに免許を取ろうとして、母親のことがありとりそびれただけだったが、おばは勝手に誤解していた。大学だって機械工学科に進み、将来は自動車メーカーの設計をしたいと思っているのだ。「アアそうだ、慶子がいるよ・・・・慶子!・・慶子!!」奥から気のない返事がした。「なによ・・・・うるさいなあ・・・・せっかくの休みなんだからユックリさせてよ!」従姉の慶子は健太より2つ年上で、高校を卒業してから地元のデパートに勤めていた。「おじさんの工場まで健太を送ってっておくれよ」「あら、健太・・・帰ってきたのね・・・・いいわよ」「慶ちゃん・・お久しぶり」健太は慶子を見違えていた。高校時代・・・・・ちょっとしたワルだった慶子は、よく健太を挑発するようなしぐさをしてからかっていた。「乗っていいわよ」駐車場から車を出し、慶子は健太に助手席を勧めたのだが、手には小さなボストンバックを持っていたので後部座席に乗り込む。「あら、まだ純情なのね?」またからかうように軽口を叩いた。父の工場は、町の郊外にあった。健太が子供のころは、家の裏が工場だったのだが、街中では工場は狭すぎたし、中古車の販売も手がけるようになっていたので思い切って4年前、郊外に土地を求めて移ったのだ。経理をしていた母は、自転車で通勤していて、父より先に家に戻り夕食の準備などしていたのだが、ある日の帰り道、わき見運転の車に轢かれたのだった。慶子の車が、母の事故にあった場所を通過する。健太はそっと、手を合わせた。 おっと会議だ・・・続きはあとで・・・・・
2007.05.21
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なんとなく今月は忙しいですね。今日もこれからお出かけしまして・・・・帰るのは夜中の予定。「韓国ドラマ風」っていっておきながら、なかなか前に進みません。昨日は、同じ学区の中学校の「体育祭」。小学校の会長として、出席させていただきました。でも、750人の中学生の息吹っていうんですか・・・・やっぱり若いってすばらしいですよね。「マンモス校」ですから、様々な問題も抱えていますけど、一人一人の個性が光っていました。5時半に家にいたら、中学の「PTA会長」から電話・・・・・「これから反省会があるから出て来い」っていうんですよ。今日ぐらい休肝日・・・って思ってたんですけど、うちの小学校の保護者もたくさんいるんで行きました。「小学校のナイト会長から乾杯の音頭を・・・」そう言われたんで、去年のことを思い出して少し話しました。「去年私は大雨なのに、花火を打ち上げてしまいました。・・・・そのあとの天気予報では8時過ぎにはじゃっかん良くなる・・・でもけっきょく良くなることはなく、そのまま中止しました。今日も朝方のお天気を見ていたんですが、5時ごろ降ってましたよね?私は、中止だなって思ってましたら花火が打ち上がりまして・・・・・あら、去年の二の舞か・・・なんて思ってたんですけど・・・皆さんの熱意が通じ、どうにか終了することができました。本当におめでとうございます。皆さんには、来週行われる小学校の運動会が、無事開催されるようお祈りいただきまして、あわせて田名部中学校ますますのご発展ご活躍と、皆様お一人お一人のご健勝を祈念いたしまして乾杯いたします。」「なんだ、ナイト会長は自分の小学校の運動会が晴れるようにお祈りしたかったんじゃないのか?」そんな声も聞こえてきましたが・・・・「もちろんその通り」です。今週は「運動会大成功」のために動きます。というわけで、もしかしたら、「韓国ドラマ風」は書けないかも・・・よろしく!
2007.05.21
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予告編まで書いてタイトルも決めてたんだけど、ちょっと考えていることもあって、中身もタイトルも変更しようかと思ってます。勝手に大騒ぎしてごめんね・・・・たいした文章力でもないのに・・・書くのは明日からという事にして、昨日は久しぶりに飲み屋街を徘徊してきたので、その辺のご報告を・・・・・昨日は「警察友の会」って言う会合に「来賓」という事でご招待を受けました。で5時からの会合だったんですが、総会に一時間・・・そのあとの懇親会は6時からだったんですよ。「来賓」ならすぐに帰ったんだろうって?ところがね・・・・私、この会の会員でもあるんですよ。だから「総会」には会員として「議決権」を持ってるんですけど、「懇親会」は「来賓」としての「挨拶」もあるわけです。これって、変なもんなんですよ!だって、さっきまで「賛成・反対」ってやってたのに、「懇親会」では・・・「総会が無事終えられたとの事、まことにおめでとうございます・・」なんて挨拶してるんですよ。これも「役目」なんでしょうがないんですけどね。懇親会が終わったのが8時だったんですけど、そのあと先輩たちと二次会、三次会・・・・あちこち回りましたよ。最初行ったお店は、「会長」がよく行くお店で、銀行の支店長さんたちとお供しました。このお店には、50代のママさんがいて、同級生くらいの女性と3人でやってるお店なんですけどね・・・ボックス席に座ったとたん・・・「あら、今日は七夕だったかしら?」これって、私が1年前に来たきりだって言う嫌味らしいんです。だってしょうがないんですよ。。。。この「むつ市」って言うところは、人口一人当たりの「飲み屋」の数、「日本一」なんだそうですから・・・・・これはね・・・昔からそうなんですけど、都会に就職したり、結婚したりして「むつ市」を出て行った女性が、何らかの理由で戻ってきたとき、貧しい地域ですから「就職先」がないんですよ。で、昔から「自衛隊の町」だったんで、「ママさんひとり」っていう飲み屋が異常に多く発生したりするんです。だから、「檀家周り」するにしても、なかなか同じお店に続けて行くことなんかないんですよね。ここではママさんが取ってきた「こごみのおひたし」が出ました。今の時期は、「山菜」のシーズンで、このあと行ったお店でもほとんど「ママさん」たちが山へ芝刈りに・・・いや、もとい・・・山へ山菜取りに行ってきて、それが「お通し」で出ることになるんですが・・・・・・話題は「警察友の会」の総会のあとだったんで、「人質立てこもり事件」でおまわりさんが殉職したこと・・・・お気の毒でした。「私達も知らない客が一人でお店に入ってきて、鍵をロックされたらどうしようって考えることもあるのよ!」・・・とママさん・・・「ママが襲うのか?客を人質に自分のお店に立てこもり・・・・」「そそ、ナイトさんが一人で来たら鍵閉めて3人で襲う・・ってこら!」「そんなことされたら、警察に訴えてやる!」いつものように50代の他愛のない言葉遊びが始まります。このあとの会話は、読者に高校生や中学生もいますからやめときます。で、カラオケを二曲ほど歌って・・・ここのママさんは昔なじみで、私が元「歌手」だって知ってるから、わたしが歌いそうなカラオケを、勝手にかけちゃうんです。次に行ったお店は、タクシーを呼んで帰ろうと思っていたんで、前に「シンデレラ」を書いたときに登場したお店・・・・ところが、この日はすごい込みよう・・・・中にも入れないで次のお店に・・・・「あ、そうだ・・・・このまえ先生たちの歓迎会で二次会に行ったお店・・・・あの時は私の顔を立ててくれて安くしてもらったのに、ワインのサービス6本もしてもらったんだっけ・・・お礼を言わなくちゃ」ここも、そこそこ込んでましたから、カウンターに座りました。けっこう大きなお店で(PTAの二次会ができるお店だからね)、先日PTA総会のあとの「教職員歓迎会」の二次会で行ったんだけど、「カラオケ」の点数が出るやつがあって、その日の指定した点数が出るとワインのサービスがあるんですよ。 この時の「指定された点数は85点」だったんだけど、どういうわけか、5人も出ちゃったんですよ・・・・ワインが・・・・酔っ払ってたからそのワインも飲んじゃったんだけど・・・・あとで気になって酒屋さんのディスカウントショップに行って定価を調べてみたんですよ。1本、1200円・・・・ということは飲み屋で出すときの値段は・・・・それが5本ですからね・・・・・悪いなあと思って、お礼に行きながらのんできたんですけどね、私またやっちゃったんですよ・・・・今日の指定された点数・・・87点・・・・ワインは丁重にお断りしました。そのお店の奥のボックスに、よそのお店のママさんが、お客さんと一緒に来てまして・・・・そのお客が先に帰ると私のところへきました。「あら、ナイト・・・・最近おみかぎりね・・・ここに潜り込んでいたんだ」ここで拉致されまして、そのママさんのお店に・・・・・・お店には3人のお客さんが待ってました。「なんだママ、帰ってきたのか?・・・・従業員の女の子だけでいいのに・・・・あれ、ナイト・・・・お前、ママとデートだったのか?・・・・朝まで帰ってこなきゃいいのに・・・」友人3人組でした。「そのつもりだったんだけどね・・・ナイト、弱くって・・・・」え?私のなにが弱いんでしょうか?このあとの会話もカットね・・・・・そこを出て、(タクシーを呼ぶのなんかすっかり忘れてました。)、ちょっと小腹が空いたので、焼き鳥屋さんに向かいました。この焼き鳥屋さんは、うちの業界の組合の事務員さんの娘夫婦がやってるお店で、旦那が、「ぺ・ヨンジュン」にソックリなんですよ・・・本人もその気になって髪形を真似ていますけど・・・・この旦那を見て、「次は韓国ドラマ風」って決めてたんだけどね。でもこの日は早く閉めちゃったようでやってない・・・「ラーメン屋」にでも行こうかと思ってひょいと見たら、あるクラブのママさんが経営している「深夜レストラン」の看板が目に入ったんです。このママさんは、私の「ネットの先生」でね・・・・お店のカウンターにいつでもインターネットできるようパソコンが置いてあるんですよ。真っ直ぐカウンターに座って「皿うどん」を注文して、このブログにコメントを入れてたら、ママがやってきました。「あら、二階には来ないの?」この「深夜レストラン」は、「クラブ」の下なんです。そんなこんなで、家に帰ったのは何時だったのか・・・・・でも久しぶりに、かなり廻ってきましたよ。「舞夢」、「イヴ」、「織姫」、「ポラリス」、「ニュクス」の各ママさん、なんとなく若いときを思い出させてくれてありがとうございました。「寄り鳥見鳥」の焼き鳥屋夫婦・・・今度はもうちょっと遅くまでやってくれ
2007.05.19
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ようやく書き終えた「魔法の木」・・・・自分で書いてて、本当に楽しかった。島根県松江市に実在する「マジカル・バー 魔法の木」のマスターから、「開店3周年」って聞いたとき、パーァッとラストシーンが浮かんじゃったんです。前々から気になっていた「カトちゃん人形」・・・「仲むつまじい」マスターご夫妻・・・・それと、「マジック」・・・・ほんとは「手品」のほうのマジックを書ければいいんでしょうけど、いつも「不思議だなあ」と思ってみていても、「種」なんか思い浮かびもしない・・・だから、何でもできちゃう「種」のない「魔法」にしちゃいました。まだ、何にも考えてないけど・・・・もし・・・・もしですよ・・・・「続きのリクエスト」があるようなら書けるように、「最大の敵 悪魔」が「ノブ」たちを狙っているようにして終わらせてみました。これは「ザウラブダグ」より、もっと強力な「敵」ですから、77話じゃきっと終わらないでしょうね。「ノブ」も無事ではすまないでしょう。とりあえずはこれで終わりますけど、読者の皆さん・・・「本当にありがとうございました。」勝手に名前を使わせてくれた「マスター」勝手に「世紀の美女」に仕立て上げてしまった「奥さん」「本当に感謝申し上げます。」最後に一言だけ・・・・・・もし、松江に行って「マジカル・バー 魔法の木」に行かれることがあったら、「マスター」にそっと・・・「ノブ・・」って声をかけてください。もしかしたらウッカリして「はいよ」って答えてくれるかもしれません。でも、「悪魔」に狙われてるから、簡単に返事はしないと思います。その時は「ケンちゃん」って呼んであげてください。マスターは、明日から「劇団 無=魂」の公演を観劇に行きます。こちらも、ご夫婦仲むつまじい「TERU座長とM女将」が心血を注いで作り上げた「舞台」です。もう既にJUNYさんは、「観劇」を終え「ものすごい感激の嵐」を体験してきたそうです。イケメン俳優さんの手を「骨が折れるほど握ってきた」という報告を戴いております。私は残念ながらうかがえませんでしたけど、皆さんも「観劇で感激して」来てください。最後になりましたが、読んでくださった皆さん・・・・ありがとうございました。 <次回、予告編>感動のうちに「魔法の木」を書き終えた作者が、今度は「韓国ドラマ風小説もどき」に挑戦します。!!!!大学生の健太が、実家に戻ってきたのは「母親の葬儀」に出席するためだった。二年ぶりの帰郷・・・・交通事故とはいえ、こんなに簡単に母との別れがあるとは思わなかった。学生だから黒い礼服なんぞ持っていない・・・・父親の古い礼服を着て、健太は手持ち無沙汰で家の中をうろつきまわっていた。「葬儀の準備」は、父親の友人や親戚が取り仕切っており、何にもすることがないのだ。高校時代に使っていた「自室」に戻り、一人寝転がって天井を見ている。少し寝返りをうつと本棚が見えた。そこには「一冊のアルバム」が・・・・健太が子供のころから、きちんと母親が作ってくれたアルバムだった。一枚一枚の写真に、それぞれコメントが入れてある。「ケンタ2歳の誕生日・・・ほっぺたにケーキのクリームが」「幼稚園に行きたくないって泣いてた健太・・・」いろいろな写真に一つ一つコメントがあり、健太も思い出しながら見ていた。アルバムのページをめくっていくと中に「一枚だけ」貼り付けていない写真が挟んであった。手にとって見ると、それは健太には見覚えのない写真だった。可愛らしい女のこの写真・・・・だれなんだろう?その写真は少し色あせて、セピア色になっていた。・・・・・・・ どうでしょう・・・読む気になってもらえましたか? タイトルは「アルバムの奇跡」 乞う!!!ご期待!!!!!!!!
2007.05.18
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昨日は、「運動会」の準備会議があって、また学校でした。青森市での会議が終わって、車で2時間かけて戻り、家にも寄らずに学校に直行。「案件」は「PTA種目」の決定ほかもろもろ・・・反省会の内容まで話すともう8時過ぎていましたけど、事務局のお母さんから苦情が来ました。「会長のブログ・・・これだけの美人の事務局を持ってるのは日本中で私が一番・・って書いてましたよね?」ええ、確かに書きました。「もし・・もしですよ・・読んでる人が見に来たらどうするんですか!・・・」そうかなあ・・・美人の事務局ばかりだと思うけどなあ・・・・・まあ、そういうわけで・・・本人の希望もありますんで、見に来ないでくださいね。 「ザウラブダグ城」から帰って、「魔法の広場」はまた、いつもの静けさを取り戻しました。「西の魔法使い」はいつものように、いつ来るとも知れない「新しい魔法使い」の登場を、「魔法の木」のブランコを揺らしながら待っていました。「今度来る新しい魔法使いは、どんなのが来るんでしょうね?」独り言のようにつぶやきます。「ノブのような子が来るといいんですけどねえ・・・・」「魔法の木」には聞こえているはずなんですけど、返事はありません。「ノブとモルトスはどこに行っちゃったんでしょうね?」その質問にも答えはなく、ただ風にそよぐ枝が「ザワザワ」と揺れるだけでした。「魔法の木」の中に入って見ましょう。ここには「魔法使い達の部屋」がありましたよね?「ノブとモルトス」が使っていた部屋・・・・・そこには「サキ」がいました。「サキ」が「魔法の木」にお願いして、この部屋を使わせてもらっているのです。でも、「サキ」は模様替えをしようとしませんでした。「ノブ」が寝ていたベッドは「ノブ」が出て行ったときのまんま・・・・「モルトス」が人形にされていたときに置かれていたテーブルも・・・そのまんまにしていました。「この部屋の住人達が帰ってきたら、気持ちよく住んでもらわなくっちゃな・・・」「サキ」は、「ノブとモルトス」が帰ってきたときに、この部屋を明け渡すつもりでいます。「ベッド」もテーブルも・・・・そして「ノブとモルトス」が読んでいた「本棚」の本も・・・「ノブ」たちが出て行ったときのままです。いや・・・一冊だけ新しい本が増えています。「伝説のウィザードと猫背で姿勢の悪いウィザードの冒険」背表紙には大きくこう書かれてありました。作者名には「緑&ピンク夫妻共著」と書いてあります。「緑」と「ピンク」はザウラブダグから帰ると、「太陽の魔法使い」の命により、「ジッリマンノ」を助けるために「ジッリマンノの王国」へ出かけました。「ジッリマンノの王国」は、彼のおじさんが悪い奴で、「ジッリマンノ」を追い出し乗っ取ってしまっていたのです。それには、「ザウラブダグ」の手下だった「アルマジロの妖怪」が手助けしていたのですが、・・・「ザウラブダグ城」を陥落させた「ザウラブダグ討伐隊」の2人が来たのですから、さほど難しい戦にはなりませんでした。何しろ、「ザウラブダグ」の後ろ盾を失った「アルマジロ妖怪」ですから、もう戦う気力もなかったのです。たちまちのうちに滅ぼされた「おじの一族」は、どこかに逃げ去ってしまいました。そして「アルマジロ妖怪」もただのアルマジロに戻されてしまったのです。幽閉されていた「ジッリマンノ」の愛する「王女」は助け出され、二人の結婚式と「ジッリマンノ」の戴冠式が行われることになったのですが、「ジッリマンノ」の粋な計らいで、「緑」と「ピンク」の結婚式も同時に行われたのです。その後、2人は「新婚旅行」も兼ねて、自分達が「討伐隊」の一員として訪れた場所を巡リました。最初に訪れたのが「北極」でした。もしかしたら、「ノブ」たちが北極のどこかで生きているのかもしれないと思ったからです。「もし、生きているのなら、帰ってきてるはずじゃないのか?」そう思われる読者の皆さんがいらっしゃるかもしれません・・・・でも「ノブ」たちと離ればなれになったときは「ノブ」は魔法使いを辞めていますし、「モルトス」は怪我をしていました。「もしかしたらホッキョクグマが”ノブたち”を助け、”緑”がそうされたように、どこかで怪我が治るまで休ませているのかもしれない」しかし、「ザウラブダグ城」がなくなった今、「ザウラブダグ」が出現させた火山も海の底に沈んでしまい、以前のように「海に浮かぶ氷の王国」に戻っていたのです。あのホッキョクグマはすぐに見つかり、「ノブたち」が石橋の上から忽然と姿を消した様子を聞き、二人は悲嘆にくれたのですが、このとき、「伝説のウィザードと猫背で姿勢の悪いウィザードの冒険」という本を後世に残そうと決めたのです。今、2人はまだ新婚旅行の途中で、先に「スノーホワイト城」の王様やお妃様、そして可愛らしい王女様に挨拶をしました。ここにはまだ、「冬の魔法使い」が逗留していました。もう、「ザウラブダグ」の危険はないのですが、可愛らしい王女が「自分の孫」のように思えて、魔法の国へ帰りたくなくなったようです。次に「カラバ公爵の国」にやってきました。ここでは「ニタリ」が総理大臣として辣腕を振るっていました。「ノブたち」の話しをすると、「カラバ公爵」も「ニタリ」も大変悲しみましたが、その夜は「昆虫王国」の仲間も呼んで、大宴会になりました。「緑」と「ピンク」はまだ、「カラバ公爵の城」に留まっています。さて・・・・本当に、「ノブたち」はどうしたのでしょう?魔法使い達には教えていませんが、実は、作者は居場所を知っているのです。アジアの極東にある、ある国のS県M市・・・・・・・「ノブ」と「お姫様」と「モルトス」はここにいました。最後に、石の橋が崩れたとき・・・・実はそれは「ザウラブダグ」が魂を売ったといわれる「悪魔」が破壊したものでした。自分の手先である「ザウラブダグ」を滅ぼし、「地獄の妖怪」たちまでやられてしまったのです。「悪魔」の怒りは相当なものでした。このまま、「魔法の木」の元に帰ると、今度は「悪魔」と戦わなければなりません。3人はそっと身を潜めることにしたのです。それが「M市」でした。3人は姿と名前を変えてここに住んでいます。魔法使いだった「ノブ」は、まだ少し、習い覚えた「魔法」が使えます。それは本当に簡単なマジックでしたが、ほかのことはしたことがありません。だから、それを「仕事」にすることとして、今「マジカル・バー 魔法の木」というお店をやっています。彼のマジックは「本物の魔法」ですから、「種」はありません。だから、ほとんどのマジックは「ここで仲良くなった仲間の手品師」に手伝ってやってもらってます。「お姫様」はどうしたでしょう・・・・?「お姫様」はもちろん、「ノブ」の奥さんになっています。今は「ノブのおばあちゃん」と同じほど「美味しいカレーライス」が作れるようになりました。さて・・・・「モルトス」は???彼はもともと「サル」でしたから、そのままの姿では「言葉の話せるサル」として話題になってしまいます。すぐに「悪魔」に正体がばれるでしょう。だから、「ノブ」と相談しました。「魔法の木」の部屋の中でそうであったように、彼は「ふだんは人形」になることを選びました。「ノブ」と2人っきりのときだけ、「モルトス」に戻ります。え?気がつきませんか?それも「サルの人形」だとばれるので「カトチャン人形」って呼ばれる「塩化ビニール」の人形になってるんですけど・・・・・・3人は、こうして静かに暮らしています。最近、美味しいものを食べすぎている「ノブ」・・・・「通風気味」だそうです。今度あなたが「魔法の木」と言うお店に行くことがあったら、誰にも聞こえないようにそっと、「ノブ・・・」って声をかけてみてください。もしかしたらウッカリして「はいよ!」って返事するかもしれませんね・・・・ どんど晴れ(NHKの真似かよ!)
2007.05.18
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明日は「労働局の会議の予定」なんだけど、「青森県知事選挙の告示日」青森市で9時半から第一声って聞いてるんで、なんとか顔だけでも出しておこうと思ってます。 「ザウラブダグ城」の中央の広場には6人の魔法使いと「ザウラブダグ」・・・そして「ノブとお姫様」、「ジッリマンノ」が相対していました。どちらも必死です。「サキ」が右回りに移動すると、「モルトス」は左回りに移動を開始します。「ザウラブダグ」はその動きに併せて切っ先を「サキ」に合わせ、目は「モルトス」を追っていました。「エイッ!」鋭い気合とともに「ピンク」が剣を「ザウラブダグ」の腹部を目指し突き刺しましたが、相手も油断はしていません・・・飛び上がって剣を振り下ろします。それを「緑」が剣で受け、そこを「サキ」が横になぎ払ったのです。息詰まるような戦いが続きます。太陽の光で溶け始めた「ザウラブダグ城」・・・・大部分が瓦礫の山のようになっていました。「これ以上は危険だ・・・・、ここは俺様に任せてみんな逃げてくんな!」「モルトス」はいうが早いか、「ザウラブダグ」に切ってかかりました。それが空を切ったかと思うと、「ザウラブダグ」の剣が「モルトス」の左腕を襲いました。「うまくかわした!」「ノブ」はそう思いましたが「モルトス」の左腕から、ジワジワッと急速に血がにじんできたのです。そして少しひるんだ隙に「ザウラブダグ」の剣はもう一度上段から「モルトス」を襲いましたが・・・・・その一歩踏み込んだ「ザウラブダグ」の右足が、瓦礫にはさまれたのです。それはちょうど「城」が崩れ落ち、床に穴が開く瞬間の出来事でした。それを見逃さなかった「モルトス」は渾身の力を込めて剣を前に突き出しました。その剣は「ザウラブダグ」の腹部に深々と突き刺さりました。一瞬・・・・「ザウラブダグ」はなにが起ったのかわからなかったのでしょう・・・熱い鉄の棒が腹部に突き刺さると同時に、「ザウラブダグ」の腹部には強烈な熱さがしみわたったのです。「なんだ・・・・どうしたんだ!」「ザウラブダグ」は腹部から流れるおびただしい血を左手で押さえながら、そこにいた一人ひとりの顔を、問いただすように眺めたのです。薄れゆく意識の中で、「ザウラブダグ」が最後に見たものは、涙を流し続ける師匠「太陽の魔法使い」の姿でした。こと切れた「ザウラブダグ」を確認した「太陽の魔法使い」はその涙をぬぐおうともせず、静かにこう言ったのです。「さあ、魔法の広場に戻ろう。。。。」ちょうどそのとき、「ザウラブダグ」の魔法から解き放たれた「魔法の木」が皆に言いました。「さあ・・・私のドアから・・・中に入りなさい・・・あの平和な魔法の広場に戻りますよ」いつの間にか「魔法の木」のドアが開かれ、皆を迎え入れようとしていました。「さあ、帰ろう・・・」「太陽の魔法使い」は瓦礫にはさまれ立ったままの「ザウラブダグ」の開かれた目を自らの手で閉じさせ・・・静かに「魔法の木」の中に入っていきました。そして次々と魔法使いたちが「魔法の木」の中に向かいました。「ジッリマンノ」が「魔法の木」の中に入ったことを確認すると、「ノブ」は「お姫様」と一緒に倒れて横になっていた「モルトス」のそばに近づきました。「さあ、親友・・・魔法の木に帰ろう」「ノブ」が手を差し出すと、「モルトス」はにっこり笑ってその手を握り返します。「これで俺も伝説の英雄・・・猫背で姿勢の悪い伝説のウィザードになったわけだ・・」「モルトス」は感慨深げでした。「ノブ」が「モルトス」を背負って「お姫様」と手をつなぎ「魔法の木」に向かおうとしたときです。目の前に「パッ」と火の手が上がったのです。この「ザウラブダグ城」は火口のど真ん中に建てられた城・・・・・おそらく城の下のマグマが噴出して火災を発生させたのでしょう・・・あっという間に「魔法の木」は見えなくなりました。「おっと、”魔法の木”は使えなくなったなあ・・・・それじゃしょうがない・・・・このまま背負って”マチュピチュのトンネル”から戻ろうか・・・」「ノブ」はきびすを返して城門に向かいました。幸いなことに、お城から続く「石の橋」はまだまだ大丈夫のようでした。「さあ、橋を渡って帰ろう」「ノブ」は「モルトス」を背負い、「お姫様」の手を引いて橋を渡り始め、橋の中央に差し掛かったとき・・・・事件は起りました。橋が急激に揺れ・・・・・背負っていた「モルトス」が滑り落ちて、ようやくのこと「ノブ」の右足に、しがみついていました。「お姫様」もまた、「ノブ」の右のわき腹に抱え込まれるようにしていました。「ちきしょう・・・これじゃ身動きが取れない!」「ノブ」がそう叫んだとき、足元の「モルトス」も叫びました!「お前はまだ姫と結婚してない・・・だからまだ魔法使いなんだ!」その声を聞き、「ノブ」は瞬間的にジャンプしたようですが、それと同時に橋は崩れ落ち「ザウラブダグ城」は跡形もなく火口に飲み込まれていったのでした。さあ・・・・ノブたちはどうなったのでしょうか?ジャンプしたとたん、魔法で時空の挟間に挟まれてしまったのか、はたまた火口に落ちてしまったのか・・・・・その後誰も彼らを知るものは現れませんでした。こうして、「伝説のウィザードと猫背で姿勢の悪いウィザード」の本は作られたのです。最後のシーンは、火口の外側で「ノブ」たちを見ていたホッキョクグマが「緑の魔法使い」にそっと教えてくれたことでした。このあとの「魔法の木」の魔法使いのお話は・・・・もう少し時間をください・・・明日書きますから・・・・ つづく
2007.05.16
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今日は4時半から「法人会の理事会」です。総会のときに飲み会がセットされてるんだから、理事会ぐらい飲み会がなくても良いのに・・・・明日は青森市で「労働災害防止指導員会議」・・・これは早くやめたいなあ・・・だって、建設業だけじゃなくて、専門外の工場とか、銀行なんかも行かせられるんですよ。銀行なんかに災害指導っていっても、「女性行員の冷房病対策」ぐらいしかないじゃないですか・・・・そしてあさっては「警察友の会」総会・・・・こうやって見ると、「税務署」「労働基準監督署」「警察署」・・・・全部、「逮捕権」のあるお役所の会合ばかりじゃないですか。(署って言うショは逮捕権があるんです)建設業の私は、いつ仕事すればいいんですかね? 塔の下の方では、「ノブの討伐隊」、それと「昆虫軍」、「スノーホワイト軍」が、「ザウラブダグ」率いる「妖怪軍」と戦っていましたが、「バリア」の天頂にあけられた穴から「太陽の日の光」が差し込み、「ザウラブダグ城」が溶け始めていました。早く避難しないと、みんな北極の海に飲み込まれてしまいます。「姫が人間に戻られたのなら、”ザウラブダグ”討伐はこの次でもいい・・・姫とノブとジッリマンノを無事に逃がしさえすれば・・・みんな避難するぞ!」「太陽の魔法使い」が大きな声で、みんなに指示を与えていました。そこへ、「お~い!・・・・助けに来たぞ!!」城の外から大きな声がしました。ホッキョクグマが仲間を引き連れて戻ってきたのです。その声を聞いた「地獄の妖怪」・・・「コアクンガ」は、自分が太陽の光を浴び、弱ってきていることもあって、「ザウラブダグ」に別れの言葉を告げます。「おい、俺は仲間もお前に殺され、お前を助ける義理はねえ・・・このままトンズラするからな・・・あばよ」そういうと、火口の中に飛び込んでいってしまいました。「しまった!」「ザウラブダグ」は「コアクンガ」を逃がしてしまったことを悔いました。考えても見てください・・・・「ザウラブダグ」は「地獄の妖怪」たちを2匹殺してしまいました。「地獄の妖怪」は「ザウラブダグ」が魂を売った「悪魔」の手先なのです。今、取り逃がした「コアクンガ」が「悪魔」に、「仲間を殺された」と報告したならば、もし、今の戦いに勝つことができたとしても、今後の戦いには「応援」してもらえなくなるのです。こうなれば、「ザウラブダグ」は破れかぶれでした。あらかたの「手下の妖怪」は、あちこちに屍をさらしています。「ジリッ・・・・ジリッ・・」と魔法使いたちが「ザウラブダグ」に迫ってきました。「もはやこれまで・・・・」・・・・「ザウラブダグ」がそう思った瞬間でした。溶け始めた「ザウラブダグ城」の、「お姫様の塔」が「ガラガラッ」と音を立てて崩れ始めたのです。まだ塔の部屋の中にいた「ピンク」は間髪をいれず「人間になったノブ」たち3人を外へ押し出し、自分もそのあとを追って飛び出しました。しかし、「バランス」というか「タイミング」というか・・・・押し出された人間のうち一人・・・「ジッリマンノ」が「ザウラブダグ」の目の前に倒れこんでしまったのです。すぐさま、「ザウラブダグ」は「ジッリマンノ」を人質に取り、のどもとに剣を当てたのです。「お前たち・・・・そこをどくんだ!」「お前、もう逃げ場はないんだぞ・・・・ここで降参したらどうなんだ」「確かに、俺にはもう行き場はない・・・・・しかし、まだ命ある限り、逃げて逃げて逃げまくってやる」そういうと、ザウラブダグ」は一歩、前に進み出ました。そのときです・・・・「ジッリマンノ」が「ザウラブダグ」の手首に噛み付いたのです。それを合図のように「モルトス」が刃を「ザウラブダグ」の振り下ろしたのです。「ザウラブダグ」は身をかわしてその刃から逃れたのですが、ここで「ジッリマンノ」を離してしまいました。「ノブが魔法使いをやめたのなら、この討伐隊の隊長は俺様だ!」「モルトス」が叫びました。「さあ・・・みんなこの城が崩れてなくなってしまう前に逃げるんだ・・・ここは俺様が”ザウラブダグ”を倒す!」この声を合図に、「西の魔法使い」と「冬の魔法使い」は、「スノーホワイトの軍」と「昆虫軍」を避難させ始めました。「みんな・・・地下牢のトンネルの急ぐんだ!」いっせいに、軍隊の総勢は、地下へ移動を開始したのです。それを追いかけようとした「ザウラブダグ」を、「モルトス」の剣が襲います。「ザウラブダグ」は持っていた剣でその刃を受け止め、ものすごい顔で押し返しました。倒れ掛かる「モルトス」に代わり前に出てきたのは「緑」と「ピンク」です。「討伐隊は4人でひとつだからね・・・・モルトスがやるというなら、私たちも一緒に戦うわ」「ピンク」が叫びました。そこへ「人間と昆虫」の兵士たちを避難させ終えた「西の魔法使い」が戻ってきました。「ザウラブダグ」はドンドン追い詰められていきました。今この広場に残っているのは「太陽の魔法使い」、「西の魔法使い」、「サキ」、「緑」、「ピンク」そして「モルトス」の魔法使い6人と、少し下がったところにいる「ノブ」、「お姫様」、「ジッリマンノ」の3人。・・・・それに「ザウラブダグ」だけです。・・・・・・おっと時間だ・・・・まだまだ続きます
2007.05.16
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今日も宴会毎日宴会・・・これでええんかい!昨日ね・・・このお話の中で「ノブ」を「豚の妖怪」にしたんですけどね・・・ほんとはここで一言いいたかったんですよ。昔オリンピックの水泳で金メダルを取った「田口信孝」っていう選手がいたでしょ?あの「優勝」したときの電光掲示板・・・「TAGUCHI NOBUTA」ってあったんですよ。「KA」が抜けてたんですけど・・・・「田口の豚」って読めちゃったりして・・・・・水泳選手のわりに、どこかポチャッとした選手でしたけどね・・・ 「ザウラブダグ」が「地獄の妖怪」たちを倒し、ハッと気付いて「お姫様の塔」に向かったとき、「お姫様」の部屋では「お姫様」と「ジッリマンノ」のお見合いが始まるところでした。「ピンク」から「ジッリマンノ」のことをどう思うか質問された「お姫様の人形」でしたが・・・・なんとなく考えている様子に思えました。そして出た答え・・・・・「この人・・・他に好きな人がいるわ・・・・」「ピンク」はその答えを聞いて一瞬、言葉に詰まりました。「どうした?・・お姫様はなんと言ったのじゃ?」「太陽の魔法使い」は、焦って聞きました。「ジッリマンノ様には・・・他に・・・好きな方がいらっしゃると。。。」「ピンク」は呆然として答えました。その言葉を聞くと、「太陽の魔法使い」は言葉を失い・・・「ジッリマンノ」自身もガクッと膝を落として座り込み・・・・独白し始めたのです。「確かにわたしには好きな女性がいます・・・・でも、今どうしているのか・・・・結婚の約束をしたこともなければ、好きだということも伝えていません・・・私の叔父に結婚を迫られていましたから、もしかしたら結婚してしまったかもしれないし・・・でも、・・・わたしには忘れられないんです。」そう言って涙をぽろぽろとこぼしたのです。「何でそのことを早く言わないんじゃ!」「太陽の魔法使い」は地団太ふんで悔しがりました。だって、せっかくここまで来たのです。・・・今失敗すればこの次にうまくいくという保障はありません。「どうすればいいんじゃ・・・・」「太陽の魔法使い」は頭を抱え込みましたが、いまさらどうしようもありません。そのとき「サキ」から連絡が入りました。「お見合いはうまくいったのですか?・・・もしうまくいったんならようやくバリアの弱い部分を見つけたのです・・・破壊していいですか?」ここで、バリアを破壊すれば、太陽の光が入り込み、「ザウラブダグ城」は溶けてなくなるのです。「もうちょっと待ってくれ!・・・」「ノブ」はあわてて、「サキ」に連絡します。「どうすればいいですか?・・・一時撤退しますか?!」「ノブ」は「太陽の魔法使い」に相談を持ちかけました。そのとき、外ではようやくここへ到着した「ザウラブダグ」が声を荒げていました。「衛兵はどうした?・・・誰もおらんのか!!」そうなんです・・・妖怪兵士たちは、「地獄の妖怪」たちが「ザウラブダグ」を滅ぼし、ここへ戻ってきて、自分たちが食べられると思い、逃げ出してしまったのです。「ザウラブダグ」に、今ついてきたのも、30匹の「動物妖怪」と「地獄妖怪」の生き残り、「コアクンガ」だけでした。もちろん、「ゴリラの妖怪」に化けた「モルトス」も中にいました。「オイゴリラ・・・・先ほどの活躍は見事だった。・・・お前を俺の副官にする・・・姫の部屋の様子を確認して来い」そう命じられた「モルトス」は、階段を上ってきたのでした。「おいどうしよう」「太陽の魔法使い」は「ノブ」に相談します。「どうするったって・・・」そのときドアが開き、「モルトス」が「ノブ」たちを確認すると・・・「モルトス」はすぐにドアを閉め、「ザウラブダグ」の方向を向いて・・・・「誰も姫の部屋にはおりません」と言ったのです。だけれども、「地獄の妖怪」・・「コアクンガ」の鼻はごまかしきれませんでした。「待て!・・・・中から人間の匂いがするぞ」先ほどは風も強かったので人間の匂いは消されていたのですが、今はごまかしきれないようです。「さっきもおかしいなと思ってたんだ・・・・ザウラブダグの手下にお前のような強いやつはいないはずだ」そう言うと「コアクンガ」は階段を駆け上ってきたのでした。「ノブ・・・俺はそんなに長い時間持ちこたえられんぞ!」そう叫ぶと「モルトス」は玄関のドアにぴたっと張り付き、何人たりとも近づけないという強い信念で身構えました。「コアクンガ」と刺し違えるつもりのようです。部屋の中ではみんな困っていました。「わたしがモルトスと一緒にガードしよう・・・何とかジッリマンノに結婚の約束をさせキスさせるのじゃ!」「太陽の魔法使い」は覚悟を決めて外へ出て行きました。そのとき、「ピンク」が・・・・「ちょっと待って・・・姫が何か言ってる?」そう言ったのです。「ノブ・・・このお姫様・・・・ジッリマンノのように他の女性が好きだという人とは結婚しないそうよ・・・それよりもノブ・・・あなたと結婚したいって」「え?・・・姫がそんなことを?」「ノブ」は驚いたように話しましたが・・・・すぐに・・・・「実は僕も、お姫様が好きなようなんだ」ノブは人間だったころのお姫様はもちろん見たことはありません。でも、人形の「お姫様」を最初見たときに・・・なぜか自分が一番このお姫様にはふさわしいんじゃないか・・・と思ったようでした。「僕、お姫様と結婚するよ!」今度は「ピンク」があわてました。「でも、あなたは魔法使いなのよ・・・お姫様と結婚なんかできないわ!」「僕は魔法使いをやめるんだ・・・そしてお姫様と結婚するよ」ノブはそう言うと、思いっきり「お姫様の人形」を抱きしめてキスをしました。「はじめてのキス」・・・上手とはいえませんが、とてもとても情熱的な「キス」でした。するとどうでしょう・・・・「ノブ」と「お姫様の人形」が突然、まばゆいばかりに輝き始めたのです。そして・・・・・・その輝きがおさまると・・・・そこには抱き合っている「ノブ」と「間に戻ったお姫様」がいたのです。「ワアーッ!!!!」ちょうど同じとき、外では「緑」の昆虫軍と、「冬の魔法使い」、「西の魔法使い」が連れてきた「スノーホワイトの兵士が、「ザウラブダグの妖怪兵士」と戦闘を開始しました。天頂からは「サキ」が、「ザウラブダグ」目指して一直線で飛び込んできます。「モルトス」はというと、「コアクンガ」と熾烈な戦いを繰り広げています。「ノブ・・・あなたはもう魔法使いじゃないんだから、急いで逃げるのよ・・・ここにいては危険だわ!」「ピンク」は、「ノブとお姫様」・・・そして「ジッリマンノ」を逃がすための努力をしていました。「サキ」がバリアの一番弱いところを破壊したのでしょう・・・「ザウラブダグ城」が徐々に溶け始めています。そして・・・同じく太陽の光に弱い「コアクンガ」が弱り始めていました。 つづく
2007.05.15
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今月の残りは毎日「宴会」・・・・市内の5つのホテルの宴会料理を食べ歩く毎日です。今週はまだ、毎日違うホテルだからいいんですけどね・・・・来週は、同じホテルが4日続きます。まさか、同じ料理は出さないと思うけど・・・・・ 「地獄の妖怪」たちとすれ違いに、ノブは「お姫様の塔」に戻ってきました。ザウラブダグのところに行っていた事を知らない仲間たちは、口々に心配していたことを話しましたが、今は説明している時間がありません。「さあ、”地獄の妖怪”たちがいない間に、お姫様と”ジッリマンノ”を会わせよう」こういうと、自分と「ジッリマンノ」の姿を消しました。太陽の魔法使い」と「ピンク」もあわてて姿を隠し、お姫様の部屋に近づきます。今は、ザウラブダグの妖怪たちも仲間が食い散らかされた後始末をしていて、少々の物音には気がつきませんでした。ノブは妖怪たちを脅かしておこうと思ったのでしょう。階段の途中にいた「シマウマの妖怪」の耳元にそっとささやきました。「地獄の妖怪が戻ってくると、この次に食われるのは誰かな?」それだけで充分でした。「シマウマの妖怪」は突然駆け出したのです。「おいらはいやだ!・・・食われるのはいやだ!」それに呼応したかのように、ほかの妖怪たちもいっせいに駆け出したのです。「おやおや・・・・空中を飛んで窓から入らなくてもよくなったぞ・・・ドアから堂々と入りますか。」姿は消したままでしたが、4人はドアから入っていったのです。「さて、ピンクの魔法使い・・・・お前はお姫様と話しができるのだね?」「太陽の魔法使い」が「ピンク」を正式の名称で呼びました。「それでは、私たちが来た理由をお姫様に説明しなさい」言われて、「ピンク」は目を閉じ、お姫様に「テレパシー」を送りました。「お姫様・・・・これから”太陽の魔法使い”が最初の魔法・・・・人形に変身させる魔法を解きます。・・・・・でもそれだけではザウラブダグの魔法は解けません。・・・彼の魔法は”姫と結婚するものがこの部屋で姫にキスしたときだけ魔法が解除され人形から人間に戻れる”ということでしたね?」「ええ、その通りよ・・・・私と結婚するものだけが私を人間に戻してくれるの」「今一人の若者を連れて参りました。・・・・”ジッリマンノ様”というアマゾンのある王族の方です。」「ええ、それはこの方を見ているとわかるわ」「この方と結婚されてはいかがでしょう?」お姫様の人形は、しばらく考えているように見えました。さて、そのころ・・・・・・ザウラブダグの部屋ではたくさんの「動物妖怪」が、「地獄の妖怪」たちを待ち構えていました。中央にいるはずのザウラブダグまでがドアの影で待ち構えています。「おい、ザウラブダグ、・・・三人で来てやったぞ」ドアの外から「コアクンガ」の声がします。「入れ!」ドアの影から声がすれば「地獄の妖怪」たちにばれてしまいます。ザウラブダグの声は中央に立って答えたように、魔法で声の位置を変えました。大きなドアがゆっくり開けられ・・・最初に入ってきたのは「メデキス」です。しかし、「メデキス」はザウラブダグの部屋に一歩足を踏み入れただけで、ザウラブダグの振り下ろした剣が、胴体と首を切り離してしまったのです。「ゴロン!!!」・・・・首が大きく弾んでれから10メートルほど転がり、大きな「メデキス」の体がそのままゆっくりと倒れていくのが見えました。「何を血迷っておる・・・ザウラブダグ!」しかし、「ザウラブダグ」はそれに答えようともせず、手下の妖怪どもにさっと手を振り下ろすと、妖怪たちは束になって「地獄の妖怪」たちに引きに襲い掛かったのです。1匹の「地獄の妖怪」に、20匹ほどが一斉に飛び掛りました。「ザウラブダグ」自身は、「ボルキント」を攻めています。「モルトス」はノブに言われたとおりに妖怪に化けましたが、同じ「ボルキント」を攻めていると、「ザウラブダグ」にばれそうな気がして、わざと「コアクンガ」を攻めたのです。どちらの勝負も互角に戦っているように見えます。しかし、手下の妖怪たちも考えていたのでしょう・・・・どうせ戦わなければならないなら、「ザウラブダグ」が攻めている「ボルキント」を攻めたほうが得です。「ザウラブダグ」と「ボルキン」ト・・・・この二人が戦えば力は同じくらいです。手下の妖怪がついている分、「ザウラブダグ」のほうが有利でしょう。したがって手下の妖怪は最初20匹だったものがいつの間にか30匹ほど、ボルキント攻撃に加わっていました。しかし、いま「モルトス」が攻撃している「コアクンガ」は、本気で戦えば「モルトス」も互角なのでしょうが、「モルトス」は今「ゴリラの妖怪」に化けているのです。同じサルですから、ほかの動物妖怪に化けるより、ばれないと思ったのですが、体が大きくなった分、動きが少し緩慢でした。徐々に押されています。しかし、これでよかったのです。「モルトス」が互角以上の戦いをすれば、「ザウラブダグ」に疑われたことでしょう。「コアクンガ」攻撃に参加しているのは10匹ほど・・・・特に、「モルトス」の活躍は目立つものでした。「ワアーッ」と喚声が上がりました。「ザウラブダグ」と手下の妖怪に攻められ続け、徐々に疲れを増してきた「ボルキント」が、「メデキス」の流した緑色の血に足をとられ転んだすきに、功を焦った「黒豹の妖怪」が上に馬乗りになった瞬間、ザウラブダグの剣が「黒豹妖怪」と「ボルキント」を串刺しにしたのです。それを見た「コアクンガ」は、自分の持っていた剣を放り投げました。「やめたやめた・・・・お前に助けを求められて、せっかく助けに来たのに、お前にだまし討ちにあうなんていうのは割りにあわねぇ・・・・おいらは地獄に戻るぜ」それを聞いた「ザウラブダグ」は攻撃を続けようとしていた「モルトス」を手で制し、「コアクンガ」に聞いたのです。「なぜ、お前はワシを殺そうとしたんだ」「それは、俺たち”地獄の妖怪”を仲たがいさせようとしたからだ」「なんのことだ?」「さっきお前の使いだという”豚の妖怪”がやってきて、お前が俺だけを呼んでいると・・・こう言ったのだ・・・それをあのふたりが怒って・・・それで文句を言いに、3人でやってきただけだ・・・お前を殺そう何ぞ考えてもおらなんだわ」「その”豚”はどうした」「俺様が食ってしまった」そのとき、「ザウラブダグ」は何かを感じ取ったようです。「おい、敵は一人ではないぞ・・・・姫の部屋が危ない」そういうと、「コアクンガ」の処分もしないうちに「ザウラブダグ」は「お姫様の塔」に向かったのでした。
2007.05.15
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昨日会議が終わったあと、校門のところで事務局の人たちと立ち話・・・・そのとき、「鈴木さんと杉本さんのことを、ブログに書いてしまいました。」って話したら・・・・・「また会長喜び組って書いたんでしょ?」と疑いのマナコ!「チャウチャウ!・・・今年も事務局お願いします、よろしく・・・って書いたんだよ」って正直にお話しました。まだ疑っているようで、「帰ってから確認します!」彼女たちも読んでくれているようです。 「ノブ」と「太陽の魔法使い」、「ピンク」・・・そして「ジッリマンノ」はしばらく「お姫様の塔」の近くで様子を伺っていました。悪魔の手先である地獄の妖怪たちは、塔の下にある警備室の前に椅子を三脚出して、どっかと腰を下ろしていました。周りでは、ザウラブダグの手下である「動物系の妖怪」たちが、特にすることもないのにせっせとあちこち移動して歩いていました。それは、ザウラブダグ以上に恐ろしい「地獄の妖怪」たちが、「動物妖怪たち」を生きているえさでも見るように、舌なめずりしながら見ていたからです。ここで立ち止まったら、きっと頭からひょいとつままれて、彼らの口の中に放り込まれる・・・・そんな動物の勘が働いていたからでしょう。実際、立ち止まりはしなかったのですが「いたちの妖怪」が、間違って彼らのそばを歩いていたとき、頭をつままれそのまま口の中に入れられたのです。「バリッ」という骨が砕ける音がして、そのまま飲み込まれてしまいました。「おい、コアクンガ・・・イタチなんぞ臭くって食えたもんじゃないだろうが・・・・」ほかの妖怪に笑われるとその「コアクンガ」と呼ばれた妖怪は・・・「食いたくて食ったんじゃねえ・・・・目障りだったんだ、アハハハハ」そういって、口の中に残った「イタチ妖怪」の足の骨をその辺に放り投げたのでした。「こいつをターゲットにしましょうか・・」ノブはそういうと、「豚の妖怪」に姿を変えました。「いったい何をする気じゃ?」「太陽の魔法使い」が心配そうに聞くと、ノブはにっこりと微笑んでポケットに、その辺に生えていた草を入れました。そして、「地獄の妖怪」たちの前に出て行ったのです。「コアクンガ様・・・・ザウラブダグ様がお呼びです。」ノブは「地獄妖怪」の前に出ると、少し震えているようにしてそう言ったのでした。「なんだと?・・・ザウラブダグが俺様を呼んでいる?・・・あいつ何様のつもりだ!」あきらかに、「コアクンガ」は怒っていました。「俺様は、あいつが助けてほしいというから駆けつけてやったんだ・・・あいつからここへ来て俺様の前にひざをつき、頭を地べたに擦り付けながらお願いするのが筋だろうが・・・・・」「お怒りはごもっともですが、ザウラブダグ様にはコアクンガ様だけに内密のご相談があるようで・・・・」「おいおい、それは聞き捨てならんなあ・・・このメデキス様と、ボルキント様は用なしということか?」「まあまあ・・・そういうな・・・・3人で一緒に行けばいい話じゃねぇか・・・・」「そうだな・・・敵はひとりだそうだし、今パトロールが追いかけてるそうだからここへ来る気遣いもねえ・・・・3人で行ってやるか」「もし、いい話じゃなかったら、3人でザウラブダグを追い出して、ここをわしらの餌場にしてしまえばいいさ」「そのまえに・・・・」そういうと、ボルキントと呼ばれた妖怪は、ノブの化けた「豚の妖怪」の頭をひょいとつまんで口の中に放り込みました。驚いたのは、それを見ていた「太陽の魔法使い」たち3人です。「ノブが食われてしまった!」思わず立ち上がろうとした「ジッリマンノ」を「太陽の魔法使い」が押しとどめました。「ノブはこうなることも想定済みじゃ・・・きっとさっきポケットに入れた草をあいつの口に放り込み、自分は消えてどこかに行った筈じゃ・・・しかしどこへ行ったんじゃろう?」見ているとノブを食べたボルキントという妖怪は、「ペッペッ!」と今食べたものを吐き出そうとしています。しかし、飲み込まれてしまったものか・・・・口からは何も出てきません。「まずい豚だ・・・・口直しをせんとのう」そういうと、逃げ惑う「動物妖怪」の中から「いのしし妖怪」を捕まえて、また口に放り込みました。「家畜の豚より、野生のいのししのほうが、自然の味で美味いわい」それを見ていたコアクンガとメデキスも、それぞれ、「シマウマ妖怪」と「インパラ妖怪」を口に放り込んだのです。「これから、ザウラブダグと話し合いだ・・・腹が減っては戦はできぬだからな」しばらく陰惨な光景が続いたのでした。しかし、ノブはどうしたのでしょう?実はノブはザウラブダグのもとへ行ったのでした。それも今度は「コヨーテの妖怪」に化けています。「ザウラブダグ様、大変でございます!・・・・向こうで地獄の妖怪が暴れております。・・・」「原因はなんだ!」「それが恐れ多いことに、ザウラブダグ様がこの部屋で作戦を練っておられるのに・・・・自分たちは外で見張りをさせられているのが気に食わないと・・・・」「なんということだ・・・・そのような小さなことで・・・・」「3人でここへ押しかけ、ザウラブダグ様を殺して、ここを自分たちの餌場にするとも申しておりました」「わかった・・・・・あいつらを外に放り出してくれるわ・・・・バリアの店長のある、小窓をあけて、あいつらを北極の氷の上に放り出してやる」ザウラブダグも、まんまと罠にはまったようです。「ここへ、”猛獣系の妖怪”を30匹集めろ!・・・足りなければ象やサイ、カバなどの大型獣も呼べ」「はい、かしこまりました」そういって下がろうとするノブを、ザウラブダグは呼び止めました。「待て!」一瞬のうちに立ち止まり、ノブは身構えました。(ばれたのか?)「この部屋の天井に、”猛禽類の妖怪”・・・・ワシと鷹も10匹ほど準備させとけ!」ノブは、もう一度頭を下げ、部屋を出たのでした。いったん部屋を出たノブはザウラブダグの居室の門番にザウラブダグの言伝を伝えると、その門番の妖怪はあわてて、猛獣たちを呼びに行きました。、元のノブの姿に戻って今度は「モルトス」のところへやってきます。「今、これから、”地獄の妖怪”たちと、ザウラブダグとの戦いがこの部屋で始まる。・・・よっぽど強い妖怪たちらしくザウラブダグも警戒して猛獣や猛禽類、大型獣を呼ぶようだ・・・・モルトス・・・君も猛獣妖怪に化けて地獄の妖怪に攻撃を仕掛けてくれ。」「ザウラブダグを攻撃するんじゃないのかい?」「ここで君が活躍すれば、ザウラブダグは君を信用する・・・そうなれば、お姫様を助け出すとき、君を当てにするから、逆にわれわれにとっては有利なんだ」「できるかなあ?」「大丈夫さ・・・・君は伝説の”猫背で姿勢の悪い魔法使い”だ。・・・誰よりも強いんだから!」そういい残すと、ノブは「お姫様の塔」へと戻りました。とちゅう、「ドンドン」と足を踏み鳴らしながら、ザウラブダグの居室に向かう3匹の「地獄の妖怪」たちとすれ違いました。ザウラブダグを脅かすつもりですが、ザウラブダグが待ち受けていようとも思わず、油断しきっていたようです。 つづく
2007.05.15
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みんな怒ってる?この「魔法の木」はそろそろ終わりますよ・・・っていってからだいぶたつもんね。でも、前から言ってる様に、パソコンの前に座ってから続きを考えてるからね・・・思うように終われないんですってば。もうちょっと(だと思う)だから、我慢して読んでね。 「ノブ」と「モルトス」は、ザウラブダグの居室の近くで待機していました。それぞれの魔法使いがそれぞれの役割を果たせば、次々と連絡がテレパシーによって入ります。いま現在のところ、「緑」は昆虫の軍団を作り始めているところです。蜂による「空軍」、蟻による「歩兵部隊」、そしてカブトムシによる「機甲師団」・・・それぞれが、「緑」の魔法によって作り上げられていきました。「サキ」は、人間たちを「マチュピチュのトンネル」から逃がし、この地帯で一番高いところに昇って待機中です。「ノブ」の合図があり次第、空中高くに飛んでドーム型のバリアを破壊し、そのまま「蜂の空軍」の指揮を執る予定です。「西の魔法使い」と「冬の魔法使い」は今、「スノーホワイト城」からの援軍を引き連れて、トンネルの中を移動中・・・・・まもなく到着すれば、ノブに連絡が入るはずです。あとは「太陽の魔法使い」と「ピンク」は「お姫様」と「ジッリマンノ」のお見合いを成功させるだけです。「お姫様の塔」の周りにはたくさんの警備兵がいました。しかもいつもいる動物系の妖怪だけではなく、見たこともないような恐ろしげな顔をした妖怪までいました。「あいつらは、ザウラブダグの手下ではないな・・・・もしかしたらザウラブダグが魂を売り渡したという悪魔の手先かもしれないな。」「太陽の魔法使い」は独り言のようにいいました。「それだとどうなるのですか?」「ピンク」が聞くと「太陽の魔法使い」は深刻そうな顔をしました。「おそらく、普段ここに居る妖怪たちと違って、残虐非道の妖怪たちに違いない・・・・悪魔の手先ということなら、早めに”サキ”にバリアを破壊してもらわなければな・・・・悪魔は太陽の光に弱い奴らじゃ」「破壊できないとなるとどうなるんですの?」「おそらく、きゃつらは火口を通して地獄から這い上がってきているに違いない・・・・・そうなるとますます悪魔の手先が増えることになるじゃろうな」その後一度大きくため息をついてから、「太陽の魔法使い」は続けました。「そうなる前に、太陽の光をここに入れなければ・・・・・」そう考えてすぐに、「サキ」へ連絡をしたのです。「サキ・・・悪魔の手先どもがザウラブダグに3匹ほど入り込んでおる・・・・これ以上増やすと危険だ・・・・すぐに行動が起こせるように、バリアの弱い部分を今のうちに探しておくのじゃ」「サキ」は、「第一次討伐隊」が失敗したときのことを思い出しました。普段ここに居る妖怪たちだったら問題はないのです。「サキ」たちが失敗した一番の理由は、この悪魔の手先たちが原因だったのです。最初の攻撃を仕掛けたときはここに居る「動物系の妖怪」たちが相手でしたから、「サキ」も「ニタリ」も「青」も「赤」も・・・・・・からかい半分で攻撃していたのです。ここまで書いてきたように、このザウラブダグにいる「動物系の妖怪」はそんなに賢くもなく、どちらかというと「ユーモラスな妖怪」が多いのですが、この悪魔の手先どもときたら、たとえ自分の親兄弟であろうと容赦しない仕打ちをするのです。「カブトムシの王子」を逃した「ハイエナ妖怪」も、ザウラブダグだから拷問をしたのです。悪魔の手先どもなら、ハイエナ妖怪の姿を見たとたん、左右の足を持ち、真ん中から「ザオッ」と引き裂いてしまったでしょう。こいつらは否応なしなのですから・・・・・・・ではなぜ普段、この悪魔の手先はザウラブダグ城にいないのでしょう?それは、実はザウラブダグにとっても危険な存在だったからです。この「ザウラブダグの王国」だとて、いつ、この悪魔の手先どもに取り上げられるか知れません。しかし、今また「討伐隊」が動き始めたとしたら、ザウラブダグにとっては頼りになる妖怪たちでした。サキはバリアの弱点を静かに探し始めました。そして「太陽の魔法使い」と「ピンク」も相談していました。「よし、ここはわしと”ピンク”・・・・お前さんとふたりだとどうもならん・・・・ノブに来てもらおう」すぐに連絡を取ると、ノブはすぐに来ることになったのです。「モルトス」には「一人でザウラブダグ」に立ち向かわないよう話しました。ノブが来ると、「太陽の魔法使い」は悪魔の手先の対策について話しました。話を聞いていたノブはなぜか「にっこり」したのです。「なぜザウラブダグが北極にこのような城を作ったのかわかりましたよ。・・・これは私たち魔法使いの討伐隊だけのために作られたものじゃない・・・・悪魔の対策もあわせてしていたんですよ。」ノブが考えたのはこうです。悪魔がいる地獄というところは「猛火」に包まれているところ・・・・このザウラブダグ城にも、城の周りのお濠のような火口から彼らは這い上がってくるということですから、熱いのには慣れているはずなのです。だからこそ、ザウラブダグは北極に城を作ったのです。もし、悪魔の手先どもが、ザウラブダグからこの城を取り上げようとしたら、彼はきっとバリアをとき、たちまちのうちにここを酷寒の地に変える事でしょう。もしそれでも、彼らがザウラブダグに逆らうなら、白夜という太陽の光を半年間は連続して入れることができるのです。一方では「対魔法使い対策」、またもう一方では「対悪魔の手先対策」・・・ザウラブダグも危ない橋を渡りながらこの国を治めていたのでした。 あごメン、ちょっと出かけます。つづく
2007.05.14
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今日も夕方からPTAの集まりです。学年部長や専門部長を決める会議なんですけどね。「母親委員会」と「交通安全委員会」派別の投票で決まってますし、「広報部」も特殊な仕事ということで前もって決まってるんですけどね。あとは今日の会議で決まります。「体育部」、「文化部」、「環境部」、「校外指導部」等の専門部長も、なかなか決まらなくてね・・・・ア、大事な部署を忘れてた・・・それは「事務局」総会や各種会議の準備や運動会の準備・・・その他もろもろ、忙しいんですよ。これには、各学年部長と母親委員長、交通安全委員長も所属してもらうんですけどね・・・プロパーの事務局員もいるんですよ。今年も「鈴木さん」、「杉本さん」・・・宜しくお願いします。 「お姫様のお見合い」の話をする前に、「地下牢」から「スノーホワイト城」までの通路を進んでいく「西の魔法使い」のお話をしましょう。地下牢で妖怪5匹を倒し、縛り上げて猿ぐつわをかませ、それまでホッキョクグマの入っていた牢に閉じ込めると、「西の魔法使い」は「スノーホワイト城への通路」を探しました。「緑」は女王蟻、女王蜂と一緒に奴隷にされている虫たちのところへ行ってしまいましたし、ホッキョクグマも「仲間集め」に出かけてしまいました。たった一人で「出入り口」を探すのです。「出入り口」は巧妙に隠されていてなかなか見つけることはできませんし、それよりも「スノーホワイト城からの侵入」を防ぐために、何か罠が仕掛けられているはずでした。その罠をはずしてからでないと「スノーホワイト城からの援軍」を招き入れるわけにはいきません。懸命に探しましたが、さすがザウラブダグが作った罠です。・・・どうしても見つかりませんでした。ノブたちが「カラバ公爵城」で戦っているとき、このザウラブダグ城にひとり潜入していた「緑」がその場所を確認していたはずなのですが、記憶喪失とともに、その記憶は失われてしまいました。今、すべてを思い出したわけではないのです。「地下牢の中に出入り口があったように思うけど・・・・・」「緑」が思い出したのはそれだけでした。「思い出せないって言うのはそれほど大掛かりな罠ではないんだろう」「西の魔法使い」はたかをくくっていましたが、実際探してみると本当に見つけられないのです。「ホッキョクグマの入っていた牢に、妖怪兵士が5匹入っていますが、こいつらに聞き出す以外ないようです。最初、牢の外側からいちばん気の弱そうな「狸の妖怪」に水をかけて起こしました。魔法で水をかけましたから、ほかの妖怪はまだ気絶したままでした。やはり魔法を使って猿ぐつわをはずし、質問します。「おいおい、狸・・・・トンネルの出口はどこにあるんだい?」「オイラ知らねえよ!・・・・そんなことを話したらザウラブダグ様に殺される」知ってるようでした。「ああ、そうだよな・・・・そんなことをしゃべったら、”ハイエナ”のように消されちゃうからな」それから「西の魔法使い」は噛み砕くように狸に話し続けました。「”ハイエナ妖怪”は、カブトムシの王子を逃がしたから、消されちゃったんだよな・・・・今回は女王蜂、女王蟻・・・・そうそうホッキョクグマまで逃がしちゃったんだから、消されるだけじゃすまないんだよね。」どうも、ここの妖怪どもはザウラブダグの「恐怖政治」に洗脳されているらしく、「狸の妖怪」もすぐにぶるぶる震えだしました。「でもほんとオイラは何にも知らないんだ・・・・」そしてどういうわけか、隣で気絶している「蜘蛛の妖怪」のほうをちらちら見るのです。「西の魔法使い」は辺りを見回しました。このザウラブダグ城は、ザウラブダグ自身がきれい好きなのでしょうか・・・あちこちぴかぴかに磨かれていて、人間奴隷の仕事のほとんどが、「城内の清掃」のようでした。それなのに、この地下牢はあちこちが蜘蛛の巣だらけ・・・確かにザウラブダグに逆らったものなどを入れる牢ですから、きれいにしておく必要などないのですが、それにしても床などは塵ひとつ落ちてないのです。そのとき、一点だけ変に蜘蛛の巣が大きく張られている箇所が目に留まりました。そして、何か電線のようなものが壁伝いに繋がれているのです。「下手にこの蜘蛛の巣に触ってはいけない」「西の魔法使い」はなんとなく感じたのでした。こうなれば「蜘蛛の妖怪」を起こし、訊ねたほうがよさそうです。いったん、「狸の妖怪」に猿ぐつわをかませなおしました。そうしてから「蜘蛛の妖怪」に魔法で水をかけます。「おい、お前がここの罠の責任者だそうだな・・・・・狸に聞いたぞ」目を覚ました「蜘蛛の妖怪」にそう話すと、「蜘蛛の妖怪」はギロリと狸をにらみました。「狸の妖怪」はあわててかぶりを振りましたが、口には猿ぐつわがはめられていて声が出せません。「俺は責任者ではない・・・・狸が責任者だ」度胸の据わり具合から見て、狸が責任者でないことはわかります。「責任者なぞ誰でもいい・・・ところで、あそこの通路には何発の爆弾が仕掛けられているんだい?」その質問に「蜘蛛の妖怪」の顔色がさっと変わりました。ただのセンサーならこの場所の警備兵の数が少なすぎます。「マチュピチュ」のトンネルが破壊されたあとを見ても、爆破されたように思えました。きっと、スノーホワイト城からの侵入者があれば、先頭のものが蜘蛛の巣のセンサーに引っかかり、それで構内が爆破される仕組みのようです。「爆弾なんか仕掛けていない!」「蜘蛛の妖怪」は声を荒げましたが、ますます怪しく思えました。今度は隣で気絶している蛇の一種「やまかがしの妖怪」を起こします。もちろん「蜘蛛の妖怪」にも猿ぐつわをかませます。「おい、やまかがし・・・・お前がいちばんふさわしいそうだ・・・・あの通路の前にかかっている蜘蛛の巣をよけて、通路の中に入ってくれ。・・・お前なら、あのセンサーに触ることなく中に入れるだろ?」「やまかがしの妖怪」は、「狸と蜘蛛の妖怪」をにらみつけました。「なんでおれなんだ!・・・俺じゃなくても、下の電源をいったん切ってから、バイパスの線を張りなおせば、センサーは機能しなくなるじゃないか・・・・」どうやら、電源を切ればザウラブダグのもとに通報が入る仕組みになっていますが、ある一定時間内ならバイパスの線をつなげば爆弾センサーは機能しなくなるようです。「お前たち、いろいろ話してくれてありがとう・・・・じゃあ、蜘蛛君・・・蜘蛛の巣を張りなおしてくれ。・・・下手に爆破させるんじゃないぞ・・・・お前たちがうまくやってくれれば・・・・カラバ公爵の森で今は優雅に暮らしている”ネズミやカエル”たちのように穏やかに暮らせるんだからな」そういうと、下にあった電源スイッチを切ったのでした。牢番の5匹の妖怪も、ザウラブダグが怖いのでしょう・・・・「ネズミの妖怪」が今は穏やかに暮らしているという話を聞いて、その木になったようです。バイパスの線を張りなおし、また電源を入れましたが、これなら「スノーホワイト城の援軍」が入ってきても、センサーに触れることなく侵入できそうでした。「西の魔法使い」はまた5匹の妖怪を縛りなおし、猿ぐつわをかませてから「スノーホワイト城へのトンネル」へ入りました。あちこちに爆弾が仕掛けられていましたが、「西の魔法使い」は一個一個取り外していき、すべての爆弾を取り外したときにようやくスノーホワイト城に到着しました。煙突のところにはめられた鉄格子のところから、テレパシーで「冬の魔法使い」を呼びます。すぐに連絡が取れ、こうして「スノーホワイトの援軍」は、ザウラブダグ城に向かうことになりました。スノーホワイトの兵士も人間ですが、以前、前のお妃だった「カラスの妖怪」とその手下どもに戦いを挑み勝ったことがあります。こうして、勇敢なる「スノーホワイト軍」は「西の魔法使い」、「冬の魔法使い」とともに、ザウラブダグ城に進軍したのです。 つづく
2007.05.14
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今日は家族でドライブしてました。あいにくの雨でしたが、「菜の花作付面積日本一」の横浜町は、ちょうど「黄色いじゅうたん」を敷き詰めたようです。そのうちまた写真を載せましょう。 どうもザウラブダグも手下の妖怪たちも、「討伐隊」は第一次の残っていた「サキ」一人だと思っているようです。それも、「モルトス」という別の魔法使いなのに、「サキ」は「ザウラブダグ討伐」失敗の責任を取らされて、サルに変えられてしまったものだと思っているようでした。「サキ」は「緑」からテレパシーでそのことを知らされて、正直、失敗したときのことを思い出して歯噛みするくらい悔しかったのですが、今ノブたち「第二次討伐隊」が派遣されてきて、少しでも手伝いしようと思い、姿を現したのです。悔しさを押し殺して、何とかザウラブダグ討伐を果たさせてやりたいと思っているのです。殺されたと思っていた「第一次討伐隊」の仲間も、みんな生きていることも知らされて、少し責任も取り除かれたようにも思いました。とにかく、奴隷にされている人間たちを助け出さなくてはなりません。前もって調べておいた「奴隷小屋」へ向かいました。少なくとも80人ほどの人間が閉じ込められているはずです。しかし、「奴隷小屋」の前まで来ると、どうも思った以上の警備兵がいるようです。「困ったなあ・・・」これくらいの警備兵なら倒すのはわけないのですが、「ノブ」と「モルトス」がザウラブダグと直接対決できるところまで行くまでは、あまり大騒ぎは起こしたくないのです。悩んでいると、「サキ」の足元でズボンの裾を誰かに引っ張られているような気がしました。ふと足元を見るとそこには「広場で拷問」を受け、殺される寸前、魔法によって蟻ほどの大きさに変え逃がしてやった老人がいました。「ああ、あなた無事でしたか」サキはその老人に声をかけました。「あなたはわたしを助けてくれた本人かどうかはわかりませんが、どちらにしろ、私達を助け出しに来てくれた人たちの仲間に違いない・・・・」そう言うとサキをどこかに案内でもするように、付いて来る様に合図するのです。このままここにいても、警備兵の数は減りそうもありません。サキはあとをついていくことにしました。少し遠回りにはなったのですが、どうやら「奴隷小屋の裏」の城壁の内側通路に来たようです。「ここはね・・・・この通路の奥が倉庫になっていて食料庫なんかもあるんだ。・・・わしらの腹が減ると小さな子供がその倉庫まで行って食料をかっぱらってくる通路でもあるんじゃ」話しを聞くと「人間奴隷」には充分な食料も与えられず、空腹を訴えた子供が奴隷小屋の裏の土を掘ってみたところ、城壁の下に隙間ができて、子供ならちょうど入れるくらいの穴ができたところから、ちょくちょく食糧倉庫に子供が行って、食料を盗んできていた場所なんだそうです。「もし、あんたがわしを小さくした人なら、中にいる80人の人間をみんな小さくしてくれれば、ここから全員逃げ出せると思うんじゃがのう・・・」それは「サキ」にでもできることでしたがこのまま「大量脱走」すればすぐにばれてしまうと思いました。「サキ」は自分の身体も小さくすると、その城壁の隙間から老人と一緒に「奴隷小屋」の中に入りました。そして、誰にも見つからないうちに、中にいた人間たちをみな蟻のサイズに変えてしまったのです。誰にも言わなかったのは、小屋の中で「逃げるぞ」なんていうことを言えば、中の人間たちが大騒ぎすると思ったからです。それから、人間たちを一人ずつその穴から城壁内側の通路へと逃がしました。「サキ」は最後まで残って、人間たちが寒さしのぎに使っていた藁くずを80人の人形に変えて、その藁くずの中に横にして置きました。これで警備変が覗きに来ても、みな寝ているものと思うはずです。明日の朝までばれなければいいのです。サキが通路に戻ったとき、ちょうどそこへ昆虫の女王たちをポケットに入れた「緑」が通りかかりました。昆虫たちの「奴隷部屋」はちょうど奥の倉庫の周辺にあるようなのです。「サキ」は「緑」と相談して「女王蟻」と「女王蜂」お2人に、その奴隷部屋で家来たちにわけを話して待っててもらうこととして先に行ってもらいました。そうしてから、「サキ」も元の大きさになり「緑」と2人で、蟻の大きさのままの人間たちをそれぞれのポケットに入れて、透明になって空を飛び、「マチュピチュのトンネル」まで飛んで行きました。そして、人間たちを元の大きさに戻してからトンネルから逃がしてやり、全員がトンネルの入ったのを確認してから、トンネルの入り口に大きな岩をして塞いでしまいました。「緑」は、すぐに「昆虫たちの奴隷部屋」にとって返し、蟻や蜂やカブトムシを妖怪兵士たちと同じ大きさにして、少しだけ訓練をしてから妖怪たちとの戦いに備えようとするのです。人間と違い、昆虫たちは自分の体の何倍もの物を、持ち上げたり運んだりできます。それだけでもすごい戦力なのです。残された「サキ」はというとこの地域で一番高い山の頂上に陣取り、ノブからの連絡を待って、ドーム型バリアの破壊をすることになっていました。次は「太陽の魔法使い」と「ピンク」が「ジッリマンノ」と「姫」とのお見合いを成功させる事です。結婚を決め、「ジッリマンノ」が姫にキスすれば、ノブとモルトスがザウラブダグを襲撃する手はずになっていました。成功の鍵はお見合いです。さあ、どうなるのでしょうか? つづく
2007.05.13
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今日は「むつ市連合PTA」の総会で、うちの小学校からは11人の役員が出席します。という事は今日もまともな時間には帰れないってことで・・・・ 「緑」と「西の魔法使い」はザウラブダグ城の地下牢へと忍び込みました。先ほど、城門の外でわざと「モルトス」が姿を現し、妖怪兵士たちが追いかけて行きました。その隙に忍び込んだのですが、さすがに地下牢には5匹ほどの妖怪たちが見張りをしていました。「緑」は姿を「イタチの妖怪」に変えました。そして、地下牢の番人たちに話しかけたのです。「オイ、外ではまたあのサルが姿を現したようだぞ」「おいらたちには関係ねぇよ。・・・おいらたちは牢番が仕事だ・・・」カブトムシの王子を逃がしてしまった事で、ハイエナ妖怪が消されてしまったことに、ここの番人たちも恐れおののいていたようです。「でも、サル一人でどうしようって言うのかね?」これは、ザウラブダグや妖怪たちが、ノブたち討伐隊のことをどれくらい把握しているのか確かめるために聞いたのです。「あいつも可哀想なヤツでね・・・討伐隊は最初4人できたんだが、他の奴らはおいらたちにやられてしまって、あいつ一人しか残ってないんだよ・・・・しばらくはおとなしかったんだけどね・・・また最近出てきやがった。」「でも、そいつは人間じゃなかったか?」「あいつだって討伐隊の隊長として失敗したんだ・・・・魔法使いの仲間から罰を受けたんだろ・・・サルにされちまいやがった。」妖怪たちは、サキが一人でやっていて、そのサキがサルにされてしまったと思っているようです。「という事は、外のパトロール隊の連中が追いかけている間は、ここは安心てことだな。」「そういうことさ・・・・」「しかし、毎日暗いところで、いなきゃいけないって言うのも気がめいるよな」「なにを言ってるんだ・・・・明るいところに出たら、このザウラブダグ城が溶けてしまうだろうが・・・」「え。この城は氷ででもできているのかい?」「ハハア・・・イタチ、お前ここに来たのは最近なんだな?・・・・この城は氷でできているんだがザウラブダグ様が熱にでも溶けないように魔法をかけているんだ。・・・何しろここは北極だからな・・・材料は無限にある・・・・」「明るくたって関係ないだろ?・・・この溶岩の熱でも溶けないんだから」「ところが、魔法にも限界がある・・・とくにザウラブダグ様の師匠というのが”太陽の魔法使い”とか言うやつで・・・太陽の熱だけには弱いらしいんだ。」「ほう・・・・で、この暗さを保つバリアを破壊したらどうなるんだ?」「ここは北極だからな・・・・今は白夜の時期だ・・・・この季節は日が落ちない・・・だからあのサルは今の次期を待って攻撃に出たのだろう」そのとき、地下牢の入り口付近で誰かが叫びました。「オイ!サルが地下牢に向かったぞ!」その声は「西の魔法使い」のものでしたが飛び込んできたのは「モルトス」でした。「やいやい、お前たち6匹ぐらいなら俺一人で充分だ!」それはもちろん「西の魔法使い」が化けたものでしたが、なぜ「モルトス」に化けたのでしょうか?それは、せっかく妖怪やザウラブダグが「敵はサル一人」と思い込んでいるのに、わざわざ討伐隊の存在を知らせる必要はないと思ったからです。「緑」も、その「思惑」を即座に理解し、少し後ろに下がりました。「モルトス」に化けた「西の魔法使い」は、なぜか孫悟空の持つ「如意棒」のようなものを振り回し前のほうに出てきた妖怪たちを片っ端からなぎ倒し始めました。中には下がろうという妖怪もいましたが、目の前のサルが気になり後ろに「緑」がいることを忘れていました。もちろん「緑」は「西の魔法使い」をサポートして後ろから妖怪二匹を殴り倒しました。妖怪を全て倒し終え、姿を元の「緑」と「西の魔法使い」に戻しますと、それまで状況をよく把握できないまま模様眺めをしていたホッキョクグマが驚いていました。傍目には、妖怪同士がケンカしているように見えたからです。「緑」がホッキョクグマの牢の鍵を開けると・・・・「親分!」ホッキョクグマは「緑」に抱きつきました。「ホッキョクグマ君・・・・・これから君は城の外へ行って、君の仲間を呼んできてくれないか・・・・何匹でもいい・・・ここを破壊して元の北極に戻すんだ。」それから、女王蟻と女王蜂の牢の鍵を開け・・・「お2人はこれから、家来の皆さんのところへ行って軍隊を組織していただきます。・・・・私が妖怪軍と戦えるように、皆さんを大きくしますから、大丈夫勝てます。」そう言うと、女王蟻と女王蜂をそれざれ左右のポケットに入れ地下を飛び出して行きました。残された「西の魔法使い」はそれを確認すると、先ず、サキにテレパシーを送ります。「サキ、地下牢は全て開放された。君は人間たちをマチュピチュに送ってくれ。・・・それが終わったらこのバリアを破壊するんだ・・・・このザウラブダグはこお栄でできているが、熱では溶けないで太陽の光で溶けるらしい・・・・ドーム型のバリアの天頂が一番弱いところだろう・・・そこを集中攻撃してくれ。」サキからは「了解」と一言返ってきただけですが、その声を聞き、「西の魔法使い」は、「スノーホワイト城」へのトンネルを探り始めました。 おっと続く・・・・でかけます
2007.05.12
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「ムラサキ」の花の種を譲ってくださった会社の名前、間違って覚えてました。「天藤製薬」とかいて、「てんどう製薬」だと思ってたんですよ。でも、調べたら「あまとう製薬」でした。・・・失礼しました。「♪痔には、ボラギノ~ル」で有名なんですけどね。実は「ムラサキの根」・・・染料だけかと思ったら、「痔の薬」にもなるそうで・・・・その辺はたこひみさんが詳しそうです。今度「ムラサキの根っこ」を買って、「紫雲膏」という薬を作るそうです。ア、名誉のために言っておきますけど、「たこひみさんは痔」ではないですよ! この日の深夜まで続いた会議・・・・翌日からのザウラブダグ城攻撃のための話し合いが延々と行われました。最初、議長は「太陽の魔法使い」ということにしたのですが、それは本人が辞退しました。「この第二次ザウラブダグ討伐隊は、”魔法の木”が”ウィザード・ノブ”を隊長に任命したのじゃ・・・・もし、わしで良いというのなら、”魔法の木”はザウラブダグの討伐を、弟子にした責任といった観点からもわしを隊長に指名したはずじゃ。」そうしなかった理由がきっとある・・・・「太陽の魔法使い」はそういって議長就任を断ったのです。「そんなことを言わずに・・・・ここは長老であるあなたに作戦を立てていただかないと・・・・」以前のノブならきっとこう言ったでしょう。でも、5年の歳月がノブを成長させていました。「時間がありません・・・・”太陽と西の魔法使い”には討伐対のメンバーになっていただきます。・・・それとモルトスは十分魔法使いとしての力量を見につけました・・・だから見習いではなく正式に”魔法使い”ということにいたします。」これからは、モルトスも正式な魔法使いとなったので、ノブがいなくても魔法を使えるようになるのです。作戦についていろいろ協議し、明け方にはそれぞれがその役目を果たすための準備に取り掛かりました。「緑」と「西の魔法使い」は、地下牢につながれている「ホッキョクグマ」、「女王蟻」「女王蜂」を助け出します。それから「緑」のほうは助け出した者たちを、奴隷として働かされている蟻や蜂・・・カブトムシのところに連れて行き、攻撃隊を組織させます。その間、「西の魔法使い」はその地下牢から出ているはずの「スノーホワイト城へのトンネル」を通って、向こうで監視している「冬の魔法使い」と連絡を取り、「スノーホワイト」の兵士をこちらへ送ってもらう手はずを整えます。「サキ」は、奴隷にされている人間たちを逃がす役目を果たします。能力からいっても、普通の人間はまったく役に立ちません。それならば、「マチュピチュのトンネル」を通って、向こうに逃がしておいた方がいいと考えたからです。まず女子供を先に逃がし、男は最後にするという順番も、「サキ」に任されました。人間を逃がしたら、「サキ」は「マチュピチュのトンネル」をふさぎます。そうしておいて、「ノブ」の合図を待ち、闇夜の世界を明るくすべく、空中へ飛び、ある一点に集中攻撃をして、「バリア」を壊し、そこからこの地に太陽の光を降り注がせるのです。ザウラブダグ側には妖怪はたくさんいても、魔法使いはザウラブダグただ一人です。ひとりでいくつもの魔法を継続してかけ続けることはできません。最初は魔法で「バリア」を作ったとしても、きっと補強しながら、管理はさほどしていないのではないかと思ったのです。強度的にはきっとどこか弱いところがあるはずでした。それに、この地を暗くしている何か理由があるはずです。だから、太陽の光を浴びれば、なにかがきっと起こるのではないでしょうか。「太陽の魔法使い」と「ピンク」は「お姫様の塔」に登り、「お姫様」と「ジッリマンノ」のお見合いを成功させねばなりません。「ピンク」はお姫様と心が通じ合っています。そういった意味で、「ピンク」がこの役目をおおせつかりました。最後に残ったのが、「ノブ」と「モルトス」です。あの本によれば「ザウラブダグ」を倒したのは「伝説の魔法使い」と「伝説の姿勢の悪い猫背の魔法使い」ということになっていました。だからここはどうしても、このふたりにやってもらわねばならないのです。ここからはそれぞれの活躍を、それぞれの視点で見てもらいたいと思います。だから少々今日の文字数は少ないのですが、次へと続かせていただきます。 つづく
2007.05.11
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ほかの方の撮った写真ですが、皆さんに見ていただくために使わせていただきます。似たものはあるそうですが、本物は絶滅危惧種です。ムラサキ白い花なんですけど、根っこがムラサキの染料になるそうです。花の直径は8ミリほどだそうです。ところで、「魔法の木」ですけど、そろそろ終わりそうなんですよ。「魔法の木のマスターのお店の5周年」まで続けようと思ったんですけどね・・・・どうも実力が伴わないんで・・・・・この次はね「韓国ドラマ風の純愛もの」っていうリクエストもいただいてましてね。それもね・・・「プラトニック」がいいんですって・・・・リクエストにお答えしようじゃないですか!挑戦してみましょう。
2007.05.10
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急に午後から空き時間ができました。だから、前の「65.魔法の木」のコメントをどなたからもいただかないまま、、次の章に取り掛かる失礼をあらかじめお詫び申し上げます。 「マチュピチュのトンネル」を通り、ザウラブダグの城の見えるところまでたどり着きました。「ほう・・・あれがザウラブダグの城か・・なんともおどろおどろしいところじゃのう」「太陽の魔法使い」は初めて見るザウラブダグ城を実に憎々しげに見つめていました。将来を見越して弟子にしたはずのザウラブダグに裏切られたことの憎しみを、「太陽の魔法使い」は持っていたのです。「ノブ・・・・ジッリマンノは人間だ・・・・ここで少し休ませてやらんと・・・・」「西の魔法使い」がそういうと、「ジッリマンノ」は首を大きく横に振り「休まなくていい」と意思表示しました。「もう少しです、ジッリマンノ君にはもうちょっとがんばってもらって、ホッキョクグマの洞窟に行きましょう。・・・そこならみんな待っていますから安心できます。」ノブはそういうと、ジッリマンノの姿を消す呪文を唱えました。なぜならこのあたりから、ザウラブダグの妖怪兵士のパトロールが頻繁に見られるようになったからです。もちろんノブも「太陽の魔法使い」も「西の魔法使い」も・・・姿を隠しました。程なく、「ホッキョクグマの洞窟」につこうとしたときです。「待て!!・・・逃げるな!!」妖怪の兵士たちが誰かを追いかけているようです。「ホッキョクグマの洞窟」が近いということは、仲間の魔法使いの誰かが追いかけられている。ノブは直感でそう思いました。ノブは「ジッリマンノ」を太陽と西の魔法使いに預け・・・その救出に向かったのです。いったい誰が追いかけられているのでしょうか・・・・「あ。モルトス」そうなんです・・・・追いかけられているのはモルトスでした。「あいつなんで魔法を使わないんだろう?」ノブは不思議に思いましたが、あることに気づきました。それは、最初討伐隊として編成されたときのことです。「モルトスはノブの弟子として、まだ見習いの魔法使いとする。・・・・よって、ノブのいる場所以外では魔法を使うことはできない」と定められていたのでした。ノブはあわてて、大声で叫びました。「モルトス・・・僕は帰ってきたぞ・・・魔法は使えるんだ!」そう叫ぶと同時に、追いかけていた妖怪兵士たちの足元の土が、急にゴソッとなくなりました。モルトスがノブの声を聞いて、「魔法が使えるように」なったことを理解し、妖怪たちの足元の土を消して「落とし穴」を作ったようです。モルトスはノブに駆け寄ってきました。「ノブ・・・遅いぜ」「ああ、ごめんごめん・・・でも”太陽の魔法使い”や”西の魔法使い”・・・それとお姫様のお婿さん候補まで見つけてきたよ」その夜のことです。「緑」がみんなを代表して、ノブがいなかった間の出来事を報告しました。「ノブ隊長が出かけている間、サキがホッキョクグマの救出をずっと考えていてくれました。・・・でも隊長がいない間に勝手なこともできませんから、ホッキョクグマが殺されそうになったら救出するということにして、とりあえずザウラブダグ城の地価の牢獄をずっと見張っていたのですが、ここでとんでもないことになったのです。・・・・」とんでもないこととはなんなんだろう?「モルトスが魔法を使えなくなったということで、妖怪兵士に姿を見られてしまったのです。」ノブはそのことに気がつかず留守にしてしまったことを恥ずかしく思いました。「でもそのおかげで、ザウラブダグも妖怪兵士たちもモルトス捜索に勢力を集中させ、ほかの私たちはいろいろなことを調べることができたのです。・・・ホッキョクグマも地下牢に閉じ込められてはいますが、自由に外を出歩けないというだけ・・・・安全に暮らしています。」サキが報告します。「僕は自分が火口に落とした、例の本がザウラブダグの手元にあるかどうかチェックしました。・・・・あの時火口に落とした本・・・ザウラブダグの手元にはありませんからきっと燃え尽きてしまったものと思います。」サキはホッキョクグマが安全だと確信したので、ザウラブダグの部屋を捜索したようです。「お姫様の人形は、私たちが助け出そうと努力していることを感謝しています。・・・・仲間の数までは話していませんが、サキとノブが、あの部屋に来たことは知っていました。」「俺様は姿がばれてしまったので”西の魔法使い”がくれた派手な洋服を着て、逆に目立つようにして逃げ回ったよ・・・・あいつらに追いかけられても、つかまるようなドジなモルトス様じゃねえ・・・」モルトスは自慢げに言いました。「お前たちも活躍に、心から感謝します。」「太陽の魔法使い」は本当に感謝していることをあらわそうと、ひとりずつ握手をして回りました。それから、姫のお婿さん候補として連れてきた「ジッリマンノ」をみんなに紹介しました。「それでは明日からの作戦をみんなと相談しよう」その会議は深夜まで続きました。 つづく
2007.05.10
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皆さん、喜んでください!三鷹の商工会議所で企画している「ムラサキ再生プロジェクト」のご協力もいただき、購入した「ムラサキ」の種・・・・・なんとか芽が出てきました。そのうち、まとめて写真をアップします。それにしても、「絶滅危惧種」・・・・めんどうです。 「マチュピチュのトンネル」を抜けて、ノブはアマゾン流域に来ています。ノブだって魔法使いですから、「魔法の広場」を見つけるのはそんなに難しくありません。マチュピチュから空を飛んでいる鳥たちを捕まえて、「魔法の広場」の場所を探してくるように命じ、一時間もしないうちに一匹のコンドルから報告を受けました。ところが、何者かが魔法の木の広場に住み着いているというのです。「魔法の広場」は普通の人間は入り込むことができません・・・・はいれるのは「魔法使いになれる素質」のあるものだけということになっていました。ノブはすぐさま、その広場に行ってみることにしたのです。当番の魔法使いが誰かいるはずなのに、普通の人間が入り込んでいる。それを誰もとがめだてしないということが不思議でしょうがありませんでした。アマゾン川の近くにあるその広場はジャングルの中にあり、よその「広場」なら上空から飛行機で見ることのできる「広場」も、ここでは背の高い大きな木に囲まれていますから、飛行機から発見できる場所ではありません。ノブは「広場」の外側から、その「広場に入り込んでいる」という人間を観察することにしたのです。それは、アマゾン流域に住む、まだ世界中には知られていない種族の衣装を着ていました。アメリカの「ネィティブ・アメリカン」のような顔立ちで、もともとが日本人であるノブのような「モンゴロイド」でした。広場の中央にテントを建て、焚き火をしながら調理をしていましたが、「広場」でこんなことが許されるはずはありませんでした。しかし、いるはずの魔法使いはそれを見逃しています。ノブは意を決して、広場の中にはいっていきました。それを見た、その「モンゴロイド」は、突然のノブの出現で警戒感をあらわにします。ノブはその警戒心を解くため、思いっきりの笑顔で対応します。年齢的にはノブと同じくらいかもう少し上のようでしたが、どことなくノーブルな顔立ちです。「君の名前は?」返事がありません・・・ノブはもう一度思いっきりの笑顔を作ってたずねました。「僕はノブっていうんだ・・・・君の名前は?」「ジッリマンノ・・・・太陽の王子だ」もしかしたら、ノブが相談に来ることを見越して「太陽の魔法使い」が先に見つけておいた「姫の結婚相手」なのでしょうか?「ここへはどうやって?」その質問には答えてくれません。そのとき、魔法の木のドアが開いて「西の魔法使い」が現れました。「おお。ヤッパリ、その声はウィザード・ノブであったか」ノブの師匠である「西の魔法使い」は懐かしそうにノブに近づいてきました。5年もの歳月を隔てていましたが、「西の魔法使い」は別れたときと同じような姿で現れました。時空を超越できる「魔法使い」ですから、当たり前といえば当たり前なのですが・・・・・「お師匠様、お久しぶりです。」ノブは片膝をつき、師匠に挨拶をしました。「もうザウラブダグの討伐は終わったのか?・・・ほかのものはどうしたんだ?」「西の魔法使い」はいろいろ問いかけてきました。「いえ、まだ終わってないのです。・・・・ほかのものはザウラブダグの城に残し、”太陽の魔法使い”にご相談に参りました。」「おお、それなら、”太陽の魔法使い”をお呼びしないとな!」ザウラブダグ討伐は「魔法使い」の業界では最優先課題でしたから、「西の魔法使い」は「魔法の木」のところへ行って「太陽の魔法使い」を呼び出す手続きの呪文をかけました。それから、「太陽の魔法使い」が到着するまで、ノブは「西の魔法使い」へ今までのいろいろな出来事を報告しました。「西の魔法使い」はそれをいちいち書きとめていたのですが、もしかしたら、「ザウラブダグ討伐」の本はこのとき、「西の魔法使い」が書きとめたものだったのかもしれません。「ところで、この”ジッリマンノ”という人は、なんでここに住んでいるのですか?・・・魔法使いになるのなら、”魔法の木”の中に部屋を与えられ、そこで生活をするはずなのに・・・・」「ああ、この子はな・・・・魔法使いにはなりたくないんだそうじゃ・・・・この地方に住むある種族の王様の子なのだが、自分の父親が亡くなると、おじにあたる男がすぐにこの”ジッリマンノ”を追い出してその種族の王になってしまった。・・・・彼はその復讐をして、種族に帰り王になるつもりだから、魔法使いにはならないと申しておるのじゃ」「実は、ザウラブダグに幽閉されている姫が、結婚する相手のキスをその部屋で受けないと、人形の魔法が解けないと・・・ザウラブダグが二重の魔法をかけたおかげで困っているのです。・・・・もしこの”ジッリマンノ”君が、その結婚相手なら・・・そう思ったものですから」そのとき、ノブの後ろで声がしました。「なるほど・・・・わしの魔法に・・・さらに二重の鍵をかける魔法をかけおったか。」その声の主は「太陽の魔法使い」でした。「お久しぶりです。」ノブは「太陽の魔法使い」にも片膝をついて挨拶しました。それから、「太陽の魔法使い」にも、今まであった出来事をこと細かく説明しました。「ザウラブダグ討伐は、第一次討伐隊のサキにも協力してもらい、何とかできると思ったのですが、人形のまま姫を”広場”にお連れして”太陽の魔法使い”に魔法を解いてもら疎い打とう所の計画は使うことができません、あのザウラブダグ城の塔でなければ魔法を解くことができなくなったのです。・・・・・」「そうじゃったのか・・・・・」「太陽の魔法使い」はしばらく考えていました。「姫が魔法使いと結婚してはならないという呪文は、すでに魔法使いとしての掟となっておる・・・・・よってふさわしいものがいないとなると・・・この”ジッリマンノ”がもしかしたら、神様のお決めになった姫の結婚相手かもしれない・・・彼にも是非、ザウラブダグ城”に行ってもらわねばならない・・・・わしもザウラブダグ城に行き、最初の魔法を解かねばならぬ・・・・」「それなら、私もお供します」「西の魔法使い」はすぐさまそう言いました。「”太陽の魔法使い”の警護と、普通の人間である”ジッリマンノ”の警護は、討伐隊のメンバーだけでは余裕がありません。・・・・ぜひお連れください」「太陽の魔法使い」は、「ジッリマンノ」に話しをしました。なぜか「ジッリマンノ」は断ったのですが、姫を助け出せばその次は「ジッリマンノ」の手助けをしてやろうという言葉を聞き、しぶしぶ承知したのです。ノブは思いました。「あんなかわいいお姫様と結婚できるのに、何で断ろうとするのだろう?」でも、考える余裕もありません。ノブはすぐさま「マチュピチュのトンネル」へと、「太陽の魔法使い」、「西の魔法使い」、さらには「ジッリマンノ」を連れて行ったのです。 つづく
2007.05.10
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「全国春の交通安全週間」に先がけて、今日は「交通安全宣言大会とパレード」があります。飲み会が続いてたのでつらいけど・・・交通事故死「0」をめざしがんばるぞ! ノブたちは、姿を消したまま、じっと魔法の木の根元に居ました。ザウラブダグは拷問台に縛り付けられている「ハイエナ妖怪」と老人を問い詰めます。「誰がお前たちを助けたのだ?・・・・どんな魔法使いが助けに来てくれたというのだ?」それはそれは恐ろしい声で詰問するのです。サキがそれをしたのですが、もちろん姿を消したままで魔法をかけたのですから、彼らにはまったくわかりません。「いつから、水滴がお前たちに落ちていないのだ?」「それは最初からでございます・・・ザウラブダグ様」助かりたい一心で「ハイエナ妖怪」が答えました。「ほほう・・・お前はわしの部下だという身分もわきまえず・・・・それを報告もしないでいたのか・・・・このうつけ者!」そう叱り付けると、持っていた剣で「ハイエナ妖怪」の心臓を一突きしました。するとどうでしょう・・・・・血しぶきが飛びその血が体にかかった部分からハイエナ妖怪の体は砂のように崩れていき、そのとき急にふいてきた一陣の風とともに吹き飛ばされてしまいました。隣に縛り付けられていた老人の顔は真っ青になりました。次は自分の番だとでも思ったのでしょう・・・・ザウラブダグは、そんな老人を見やりながら、剣にべっとりとついたハイエナ妖怪の血を、自分の舌できれいになめ、拭い取ったのでした。「今度は胴切りにしてやろうか?」そういうとザウラブダグは剣を大きく振りかざし、老人の胴体めがけて振り下ろしたのです。「しまった・・・間に合わない!」ノブは思わず目をふさぎました。そんなノブの耳元に優しい声が響きました。「大丈夫ですよ」その声を聞き、目を開けてみると、ザウラブダグの剣は水のように・・・・まさしく水になって飛び散ったのです。その声の主は「緑」でした。「だれだ!・・・・じゃまをしたのは誰だ!」ザウラブダグは叫びましたが、もちろん誰も返事をしません。「お前がそこにいるのはわかってるんだ」ザウラブダグは叫ぶと先ほどの作りかけの「スティック」を「魔法の木」めがけて振りました。そうすると、「スティック」の先から稲妻が鋭く飛び出し、一瞬「魔法の木」からこげくさい匂いがしたのです。これは、ザウラブダグに存在を知られたのではなく、おそらくあてずっぽうで「魔法の木」にめがけたものでしょう。しかし、そのときにはノブたちはすでにその場を離れていました。もちろん記憶が戻った「緑」も一緒に・・・・・・「チッ・・・逃げたか・・・・」ザウラブダグは舌打ちをしましたが、そのころ魔法使いたちは、透明になったまま通路を駆け出していたのでした。そして老人はというと、アリのように小さくなる魔法によって、拷問台から解放され、壁の隙間へと身を隠したのでした。それから、魔法使いたち5人は「ホッキョクグマ」の洞窟へ向かうのですが、「緑」と「ピンク」は手をつなぎあってお互いの無事を喜び合ったのです。洞窟へ入ると、みなはそれまで透明だった体をいつものように戻しました。「これで、われわれの存在はザウラブダグに知られましたね」ノブが言うと緑が答えます。「すまない・・・・あのお年寄りが殺されると思った瞬間、勝手に剣を水に変えてしまったんだ」「いえいえ、よくやってくれました。・・・・僕はあの老人を助け出せなかったら後悔していたところです。」「それにしても、これからはぐっと警戒が厳しくなるだろうな」モルトスが言いました。「妖怪兵士の数は108匹・・・・以前は150匹もいたんだが、いつの間にか少なくなったようだ・・・」前からこの地域にいたサキが教えてくれました。「それよりも、あの塔に閉じ込められているお姫様の件はどうしましょう?」「ピンク」が心配そうに言いました。誰か姫の結婚相手になる、魔法使い以外の人間が、あの塔の部屋の中でキスしないと、姫を人形から人間に戻すことはできないのです。「それにしても可愛らしいお人形さんだったなあ・・・・」ノブは独り言のように言いました。「魔法の木」の広場から「ザウラブダグ討伐隊」の隊長として出発してから早5年の歳月が流れていました。モーゼのところから、ジンギスカンのところに移り、それから義経を追って日本へ・・・・そして「長靴を履いた猫」のニタリを見つけて白雪姫のスノーホワイト城にも・・・・今、ようやく「北極」にあるという「ザウラブダグ城」の到着したのです。この5年の間に、ノブもたくましく成長していました。「お姫様と結婚するなら、ノブなんかお似合いだろうな」モルトスにそういわれると、純情なノブはミルミル顔を真っ赤にしました。「だって僕は魔法使いなんだよ・・・それも伝説の魔法使いって言われるくらいの」「それじゃあ、誰か勇敢な男性をここへお姫様のお婿さん候補者としてつれてこなきゃなりませんね」「誰がいいのか・・・・みんなで考えよう」それからしばらくの間・・・・みんなは喧々諤々・・・お婿さんの候補選びに躍起となりましたが・・・なかなかふさわしい人はありませんでした。「カラバ公爵は?」「彼はまだ10歳を少し出たくらいだよ・・・それに白雪姫様のお子様とそのうち結婚しそうだと思うな」「じゃあ、義経は?」「あの人は静御前という恋人がいるさ」「同じ国の人で、桃太郎って言う人がいたけどなあ・・・彼は?」「桃から生まれたんだぞ・・・・それって人間じゃないんじゃないか?」「金太郎って言うのもいたなあ?」「ああ、彼なら、気は優しくて力持ち・・っていうからいいかも・・・・」「でもあいつは、人の上に立つような人じゃないぞ・・・・だってお姫様のお婿さんということは将来王様になるってことだろ?」その話し合いは3時間ほど続きました。「僕はホッキョクグマが心配だからお城に戻ろうと思うんだけど・・・」「緑」が言うと、「ピンク」はせっかく記憶が戻ったのだから、少し休んでほしいといいました。「ホッキョクグマは僕が見に行くよ」サキが言ってくれたので、ノブは近くの魔法広場に行き、太陽の魔法使いと相談してこようと言います。「北極に近い魔法広場だと・・・・スウェーデンかな?」「いやいや、マチュピチュへのトンネルを抜けて、ブラジルアマゾンの広場へ行ったほうがいい・・・・」こうしてノブはしばらくのあいだ、ここをみんなに任せ、アマゾンへ旅立つことにしました。「ホッキョクグマの件もあるし・・・・急いでくれよ」モルトスが心配そうに言いました。「大丈夫・・・太陽の魔法使いの、人形の魔法も解いてもらわなきゃならないし・・・もしかしたら、太陽の魔法使いに、ここに来てもらったほうがいいかも・・・・」果たして、太陽の魔法使いと無事会うことができるのでしょうか? つづく
2007.05.09
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今日は5月8日の「花祭り」幼稚園児にお稚児さんの格好をさせて、白い象に乗った「お釈迦様」の山車を引っ張るのです。なかなかいいものですよ・・・・ 「魔法の木」の根元に「緑」を寝かせ、彼の記憶を取り戻すお祈りをしているノブ・・・・かなり疲労しているようでした。その魔法使いが病気になった場合、「魔法の木」の根元に寝かせ、彼の「師匠である魔法使い」がお祈りしないと治らないといわれているのですが、「緑」の場合は「ザウラブダグ討伐隊」の隊長であるノブが、「師匠代わり」になるのかもしれないという、あいまいな考え方で試しているのです。しかもザウラブダグ城という、敵のど真ん中で・・・・・・もうすぐ夜明けです。「モルトス」と「ピンク」と「サキ」は油断なくあたりを見回し、警戒をしていました。と、そのとき・・・・ノブの頭の中に「魔法の木」の声が響きます。「ザウラブダグがこちらに近づいています・・・・」その声は「ピンク」「モルトス」「サキ」にも届きました。緊張してザウラブダグを待つ魔法使いたち・・・・・「ガチャ、ガチャ、ガチャ、ガチャ・・・・・」ザウラブダグが着ている甲冑の音が、静かな広場に響き、どんどん近づいてきました。そして中央の通路から、ザウラブダグが登場してきたのです。ザウラブダグはそのまま歩を進め、「魔法の木」に近づいてきます。ノブやほかの魔法使いたちは、気配に気づかれないよう、呼吸を止めました。「緑」の口は、ノブが押さえます。ザウラブダグはノブたちがいる場所の目の前に立ち止まりました。まったく気づいていないようでした。立ち止まったザウラブダグは手を伸ばし、魔法の木の枝を乱暴に折ります。どうやら、新しい「魔法のスティック」を作るつもりのようで・・・・枝を折ると、それを持って、昨日から「水滴の拷問」をしている二つのテーブルに近づいていってどっかとそこへ座り込みました。それから、腰に吊り下げられた剣を抜き、その剣で枝を削り始めたのです。その間、ノブたちは緊張したまま、ザウラブダグの一挙手一投足を見つめていました。「おや?・・・・・・誰かがお前たちを助け出そうとしているようだな」突然・・・・ザウラブダグが静かに落ち着いた声でそういいました。(何に気がついたのだろう?)「衛兵!・・・衛兵!!!」大声で呼ぶと、あちこちの通路から妖怪の兵士たちが20人ほど現れました。「お前たちは、何を見ていたのだ!・・・・・このハイエナと年寄りを見ろ!」そう兵士たちを怒鳴りつけると、近くにいた妖怪数匹のほっぺたを殴りつけたのです。テーブルに結わえ付けられ、「水滴の刑」を受けていたハイエナ妖怪と老人は、結局顔が少しもぬれていなかった・・・・そのことをザウラブダグに見つけられたようでした。「よく見ろ!・・・この者たちの顔の直前で水滴が消えている。・・・・こんなことができるのは魔法使いだ・・・ここに魔法使いが忍び込んでいるのだぞ!・・・それも気づかないのか!」そういうとまた、ほかの妖怪数匹のほっぺたを、殴りつけたのです。「探せ・・・城内をくまなく探すのだ!」ザウラブダグがそう叫ぶと、妖怪兵士たちはいっせいに蜘蛛の子を散らすようにあちこちに走り出しました。 つづく
2007.05.08
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今日から仕事です。連休直後の仕事ですから、ちょっとだるいんですけど・・・・・え?今、いろんな会議の日程表が総務から回ってきたんだけど・・・今月「空き」がないじゃないか!・・・・だめだよ27日は小学校の運動会だからね!この会議は欠席と・・・・・・ 「ピンク」は、人形のお姫様とずっと話していました。「今までね・・・・いろんな人に話しかけて助けてもらおうとしたのよ・・・・でも、ほとんどの人がザウラブダグの手下で・・・だからそのうち、あきらめて誰にも声をかけないできたわ・・・・でも、さいきん・・・あなたのように、なんとなく味方に思える人たちが現れるようになったの。」「それは、きっとノブだわ・・・・」「誰かは知らないけど、それは一人ではないわ・・・・緑色の洋服を着た人もいたし・・・・」「緑」も一度はこの部屋の様子を伺いに来たらしかった。「へえ・・・あの方、緑って言うお名前なのね?」どうやら、相手の考えを読めるらしい・・・・「お姫様は、なんでその人たちに声をかけなかったの?」「だって、どんな人かわからないんですもの・・・・あたしねえ・・・人形になってここへ連れて来られたでしょ?・・・・・そしたらね・・・・ザウラブダグは私をここに置いてから、言うのよ・・・・・”太陽の魔法使いによっておまえは人形になった・・・・その上、お前は魔法使いと結婚できないという呪文もかけられた。・・・ということはお前とはもう結婚する方法がない・・・・だからその上から自分が魔法をかけてやる。・・・お前を人形から解放してくれるのはお前と結婚する男が、お前をここまで助けにやってきて、この場でお前にキスすることだけだ”ってね」この条件は「ピンク」たち「第二次ザウラブダグ討伐隊」に与えられた使命とは違っていました。お姫様を人形のまま助け出したら、「魔法の木」の広場まで連れてきて、人形にする魔法をかけた「太陽の魔法使い」自らが魔法を解く・・・・そのように決められていたのです。もし、「太陽の魔法使い」がこの場に来て魔法を解いたとしても、ザウラブダグがかけた魔法は残ってしまいます。お姫様を助け出しに来た者の中で、お姫様と結婚できる者・・・・つまり魔法使いでない者の中のひとりが、この部屋の中でお姫様とキスしなければ、人形の魔法から永遠に解かれることはないのです。「ピンク」はすぐに、仲間の顔を次々思い浮かべました。「緑」はもちろんのこと、「ノブ」も「サキ」も、・・・・結婚相手にはならないサルの仲間ですが「モルトス」だって魔法使いです。魔法使いでないもの・・・・・・それはカブトムシや蟻といった虫だけ・・・・・もしかしたら、新たに結婚相手になる男を連れてこなければ、お姫様を助け出すことはできないのかもしれません。ということは、今日明日、攻撃を仕掛けるのは得策ではないのかも・・・・・「ピンク」はすぐに報告すべきと判断して、お姫様に別れを告げノブのもとに急ぎました。そのころノブは、「魔法の木」の根元で懸命にお祈りをしていました。それもかなり緊張した状態で・・・・・だってそうでしょう?このお祈りは通常の状態でもかなり疲労するものなのです。それを「緑」とふたり、姿を消しながらのお祈りですし、敵のど真ん中での儀式なのです。もしザウラブダグに見つかれば、今の状態ではノブも緑も一巻の終わりです。そんなときに「ピンク」が報告に来たのです。ノブはすぐに理解しましたが、今お祈りをやめるわけにはいきません。お祈りを続けながら、ノブは「ピンク」に「モルトス」をつれてくるように頼みました。「ピンク」は「モルトスを地下の牢獄から連れ戻し、二人は次の指示を受けるためにノブのもとへ・・・・・あと30分ほどで夜明けになります。全員が姿を消しているのに・・・・その場所だけが熱気を帯びているように感じました。 続く
2007.05.07
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連休が終わると、今度は「お寺の行事」です。お釈迦様の誕生日・・・「花祭り」って言いますよね。「4月8日」なんですけど、私のところでは「月遅れ」で「5月8日」に行います。白い象の上にお釈迦様の像を載せて、幼稚園児の「お稚児さん行列」で練り歩きます。 ザウラブダグ城の中央広場に到着すると、例の妖怪と老人はテーブルの上に固定されたまま寝ていました。サキの言う通り、水滴は顔の寸前で消滅していて濡れてもいません。それを見たノブは少し安心して、翌朝まで透明になった「緑」を「魔法の木」の根元によこたえ、「魔法の木」に「緑」の記憶が戻るよう願いました。このまま「願い続け」、明日「緑」が魔法使いとして復活できれば、そのままこの城を攻撃して姫を助けるつもりでした。他のみんなは、それぞれの割り当てられた現場に様子を見に行きました。モルトスは地下の牢獄に様子を見に行き、そこに「蟻の女王」、「蜂の女王」・・・そして「ホッキョクグマ」が投獄されているのを確認してきました。さすがに「カブトムシの王子」が逃げ出したあとですから、警備は厳重を極めていました。そして「カラバ公爵の森」から連れてきた虫たちは、女王様たち以外の仲間の虫を探すため、城内のあちこちを探し回ります。お城の外であれだけ探したのに見つからないということは、奴隷のようにされている虫たちの住居も、きっとこのザウラブダグ城の中にあるに違いありません。そしてとうとう、その虫たちの「奴隷小屋」も見つけ出すことができたのです。もうひとつ朗報がありました。実は、城の外に逃げ切れないと悟った「カブトムシの王子」もここにいたのです。「カブトムシの王子」はきっと外に逃げ出したと思っている妖怪たちは、この奴隷小屋の中まで探さなかったのです。ピンクはお姫様が閉じ込められているお城の最上階の塔の様子を見に行きます。ここも警備が厳重になっていました。しかし、ピンクはノブがやったように空中を飛び、窓の鉄格子の隙間から塔の中に入りました。姿を消したままだと疲労が蓄積しますが、塔の中なら、今のこの真っ暗になった深夜、誰に見られることもないから、比較的楽に見張れます。どちらにしても行動を起こすのは明日の朝です。疲労の蓄積は避けなければなりません。塔の中で姿を現したまま、明日の日の出を迎えるつもりです。もちろん塔の中は夜で、人形しかいませんから「明かり」ひとつ点いていませんので、窓際に身を潜めれば階段下の警備室からは気付かれずに見張る事ができます。「でも、緑の記憶は戻るのかしら・・・・・」ピンクは気が気ではありませんでした。「緑ってだあれ?」突然、誰かの声が「ピンク」の頭の中の飛び込んできました。「だれ?」「ピンク」は緊張しました。「あなたはこの部屋がどんな部屋なのか知ってて来たんでしょ?」「ここは、人形になったお姫様が幽閉されている塔の中よ・・・・だから、誰もいないはずなの・・・・でもあなたの声がする・・・・・・」「誰もいない・・・・・そう誰もいないわ・・・・だから私も何百年ぶりに話しかけてみたんだけど・・・・」「ほんとに、あなた誰なの?」「ピンク」はそう訊ねながらも辺りを油断なく見回しました。そして、片袖机の上に、「お姫様の人形」を発見したのです。「あなたなの?・・・あなたがその・・・・お姫様の人形なの?」「ピンク」はその人形に向かって話しかけたのです。「そうよ・・・わたしはザウラブダグに誘拐されるとき人形にされたの・・・」「あなた・・・お話しができるの?」「今までは誰とも話さなかったわ・・・だってみんなザウラブダグの手下なんだもの・・・でもあなたはなんとなく違う気がする・・・だから話しかけてみたんだけど・・・・」これはすぐにでも「ノブ」に報告しなければならないことだけど、いまは「緑」の記憶を取り戻すために一生懸命お祈りをしているはず・・・・・報告は朝まで待つことにして、「ピンク」は「お姫様」と話しを続けたのです。
2007.05.06
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昨日は旅行の話しを入れておきましたが、旅行から帰り、その夜は友人のお通夜でした。高校の1級したの男だったんですけどね。わたしの出た高校は、「青森県立青森高校」ってとこで、私の出た中学からは、当時毎年2人ぐらい入学してたんです。私のときも2人、そして彼のときも2人だったんです。だから、同窓会の支部を作ったときも、彼ら2人と私で作ったようなもんなんですよ。そのときのことが走馬灯のように頭を駆け巡りました。翌日の葬儀では、もうひとりの彼の同級生が「葬儀委員長」・・・私が「同窓会支部長」として「弔辞」だったんですけど・・・・原稿バッチリで、うまく行くはずだったんですけどね・・・・・読んでるうちに当時のことや、いろいろなことが思い出され・・・最後の最後には絶句・・・そしてチョビット涙が・・・・他の友人から・・「支部長・・・泣いたでしょう?」だから言ってやりましたよ。・・・「原稿に、ここで泣くってカッコ書きがあったんだよ」 ノブとサキが「マチュピチュのトンネル」の前で待っていると、モルトスとピンク、そして虫たちが現れました。ノブは、みんなを引き連れて緑が隠れている洞窟へ向かいます。ピンクは緑の記憶喪失を心配していましたが、とりあえず生きていたことに感謝し、涙を流しました。この洞窟の前でノブはみんなにサキを紹介しました。「第一次のザウラブダグ討伐隊の隊長、サキさんです。」「え?第一次討伐隊って・・・ニタリと一緒だった人?」「うん、ニタリと青と赤の魔法使い・・・・それとこの人で4人の討伐隊だったんだけど、この人だけ行方不明だったんだよ。」「何で、この人だけ、行方不明だったんだ?」モルトスが聞くと、サキが自分で答えました。「僕は他の3人と離れ離れになっちまって・・・・みんなやられてしまったと思ったんだけど、討伐隊の最後の僕が残っているうちはまだ負けじゃないと思って、一人で戦っていたんだ・・・」「それで、本は持ってるの?・・・ザウラブダグ討伐隊の本のことだけど」ノブは、その本がザウラブダグに取り上げられていると思っていたので、そのことが気になっていました。「ニタリがやられてしまったと思ってたから本の結末と違うだろ?・・・だって、僕が本物なら最後に僕とニタリが生き残っているはずなんだもの。・・・・だから、本が間違っていると思って棄てようとしたんだ・・・そのとき、ザウラブダグに見つかって・・・・殺される・・と思ったとき、もみあっているうちにザウラブダグ城の火口に落としてしまったんだ。」「じゃあ、燃えてしまったの?」「僕が落としたとき、その本を追いかけてザウラブダグが飛んでいったんだけど・・・その間に僕は逃げちゃったからどうなったか知らないんだ・・・・ザウラブダグの手に落ちたのか・・・・火口で燃えてしまったのか・・・・・」サキは唇をかんで悔しそうにいいました。しかし、ザウラブダグの手に入ってなかったとすると、勝負は互角だと思っても間違いではないと、ノブは思いました。そのとき、緑が洞窟の中から、ピンクの肩を借りて出てきました。「サキさん・・・・・ホッキョクグマはどうなったんでしょうか?」「ああ、さっき連れてこられたホッキョクグマですね・・・・彼は、カブトムシを助けた仲間だと思われて連れてこられたんですけど、ハイエナ妖怪と向き合ったとき、彼に向かって吼えたんですよ。・・・だから仲間だとは思われてないようです。」「それでさっきの裁判のときも呼ばれなかったんですね?」ノブや緑は少しほっとしたんですけど、サキは逆に心配そうな顔をしました。「ザウラブダグは、無駄なものを残しておかない主義です。・・・だから僕は、ホッキョクグマがよけい危ない状況だと思います。」「というと?」「食用として始末されるか、それでなければ、妖怪どもの狩りの獲物として狙われるか・・・・どっちにしろはやく手を打っておいたほうがいいと思います。」その話しを聞いた緑が今度はノブに話し始めます。「わたしが、記憶をなくしたという話は皆さんからも、このピンクさんからも聞きました。・・・・でもどうしても思い出せないのは確かです。・・・しかし、ホッキョクグマには助けてもらった恩義があります。・・・どうぞホッキョクグマを助け出してください」もしかしたらピンクにあえば記憶喪失は治ると言う淡い期待は消えたようです。ノブは、寂しそうにしているピンクに訊ねました。「ピンクさん・・・・ホッキョクグマさんはずっと緑さんの面倒を見てくれました。・・・だから、なんとしても助け出したいと思ってるんだけどそのためにも、何とかして緑さんの記憶を取り戻したいんですが、なんかいい手立てはないものでしょうか?」「そういえばひとつだけ手がないわけではありません」ピンクも緑に治って貰いたい一心で、必死です。「魔法使いを最初に作ったのは”魔法の木”だという言い伝えが残っています。・・・・だから傷ついた魔法使いを治すには、魔法の木の根元に、その師匠と一緒に一晩いて、その師匠がもとに戻るように祈れば治ると聞いた事があります。」「青や赤の魔法使いさんの場合はどうしてそれをしないのですか?」「ああ、そうか・・・・そういえば、彼らの師匠である春の魔法使いと秋の魔法使いが一生懸命、魔法の木の根元で祈ったのに、ダメだったって聞いたなあ・・・・単なる、言い伝えだけだったのかなあ・・・・」ノブは、その答えを聞いてがっかりしました。そのとき、モルトスがポツンといったのです。「自分が魔法使いになったときの師匠は確かに春や秋の魔法使いだったかもしれないけど、ここに来るとき、俺たちの場合はノブが隊長だって言われてきたじゃないか・・・・・だから、その時点で師匠も隊長に変更になってるんじゃないのかな?」「という事は、青や赤の魔法使いの場合はサキさんが一緒にいて祈ってやらなければ治らないという事か・・・・・緑さんの場合は僕が・・・・・」とりあえず、ダメでもともと・・・・試してみる価値があるとノブは思いました。しかし、今から他の広場に行ってそこの「魔法の木」の根元に一晩いるということは時間的に無理です。その間にホッキョクグマがやられてしまう可能性が非常に高いのですから・・・・・「しょうがない・・・・ザウラブダグ城の魔法の木にお願いして、その根元に一晩緑さんと一緒にいよう・・・そしてお祈りしてみるんだ」「時間がないということは今すぐ?」「そう・・・・もしそれでダメなら明日の朝、いっせいに攻撃を開始しましょう。」そう決めると、そこにいた魔法使い一同は、すぐに姿を消しました。もちろん、緑も他の応援の虫たちも、魔法使いたちの手によって姿を消してもらいます。こうして全員で魔法の木のある、ザウラブダグ城の「中央広場」に向かったのです。 つづく
2007.05.06
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盛岡に行ったり、友人の葬儀に列席したりで、続きを書けませんでした。3日に盛岡に行き、冷麺を食べてから「小岩井農場」で遊び、そのあと、ようやく見つけた「安比高原」の「ペンションあるぺでぃお」サンに一泊させてもらいました。スキー場は、まだ「春スキー」をしていましたが、今回はパス!翌日は「わんこそば」をどうしても食べたいってジュニアが言うんで「盛岡」に戻ったんですが、「NHKの朝の連ドラ どんどはれ」の影響でしょうか・・・高速の出口で渋滞になり、なかなか降りられませんでした。で、「わんこそば」・・・・何とか食べたんですけど、他の事ができないまま、帰路につきました。ちなみに、ジュニアは小学校4年生なのに「66杯」、私は「103杯」でした。「東屋」って言うお店なんですけど、ここは大人の場合「100杯」以上食べると記念品をくれるんですよね。でも小学生は無条件に同じものをもらえる・・・・・だから、「記念品2個」貰ってきました。 拷問されている妖怪と老人を何とか助けられないものかと、ノブは思案をめぐらしましたが、今騒ぎを起こすことは良策ではありません。かといって、このまま「見殺し」にするというのはノブにとっては耐えられないことでした。もし、この二人を助けたとすると、ザウラブダグはノブたちが助け出したと思うに違いありません。なぜなら、彼が前任の「討伐隊」から取り上げたであろう「本」を持っていると思われるからです。本の中には、「今の状況」がきっと書かれているに違いありません。「いや、待てよ?・・・・・」それじゃなぜ、ザウラブダグはノブの先手を取って攻撃を仕掛けてこないのでしょう?そのとき、ノブはふと以前聞いた話しを思い出していました。それは自分たちの前に失敗したという「討伐隊」の事でした。「前の討伐隊も、確か4人編成の討伐隊だったはず・・・・」以前聞いた話では、「青」と「赤」の魔法使いはあまりの恐怖のために、いまや魔法使いとしては役に立たなくなってしまったという話し・・・・・そして、「猫背で姿勢の悪いウィザード」と呼ばれた「猫又のニタリ」は、いまやカラバ公爵の国の大臣になっていましたが・・・・もう一人、その討伐隊の隊長だった少年がいたはずです。ノブの師匠である「西の魔法使い」や「太陽の魔法使い」も、その隊長の話はしてくれませんでしたし、話の状況ではザウラブダグに殺されてしまった・・・とみんな思っているだけのようでした。「でも、もしかしたら、いまだに生きていて、そしていまだにザウラブダグと戦っているんじゃないだろうか?」「カブトムシの王子」が逃げ出したとき、誰かが鍵を開けた・・・・・・なぜか、ノブはその少年がまだ生きているのではないかと予感しました。ノブは目の前に立っている「魔法の木」にテレパシーで聞いてみることにしました。「前の討伐隊の隊長は、ザウラブダグにやられてしまったのですか?」「”青”と”赤”からの報告で、”サキ”がやられたという話しは聞いたんだ。・・・彼らの様子がおかしくなる前だけどね。」「もちろん例の本は、隊長が持っていたんですよね?」「隊長が責任を持って本を管理していたはずなんだが・・・・・」「もし、そのサキさんという隊長がやられていなければ、本もそのサキさんが持ってるはずですよね?」「猫又の件で失敗をしてしまったのだが、あのサキという少年もお前と同じ能力を持っていたからね。・・・そんなに簡単にやられるとは思えないんだがね・・・・」その時です。「君は新しいザウラブダグ討伐隊なんだね?」ノブの耳元で誰かがささやきました。「あなた・・・・サキさん・・・そうなんですね?」「ああ、魔法の木に聞いたんだね・・・そう・・・僕がサキだ」でも、サキは、姿を消したままノブと話しをしていました。「あなたがまだ本を持ってるんだよね」その質問に、なぜかサキは返事をしませんでした。「ここで君と話し合ってる余裕はないんだ・・・・できたら他の場所で話したいな」「でも、あの妖怪と老人・・・何とか助け出さないと」「ああ、それなら心配ない・・・あの2人をよく見てごらん」ノブがテーブルに寝かしつけられ、水滴を目と目の間に落とされている2人を見ると、・・・・・実はその寸前で水はどこかに消えているのです。「僕は確かにザウラブダ後の討伐に失敗した責任者さ・・・・でも、まだ敗れたわけじゃない・・・・これくらいの魔法で、あいつをごまかす事ぐらいできるさ」これなら、あの妖怪と老人もしばらくの間はおかしくなることもなく過ごせるはずです。「サキさん・・・僕の仲間もそろそろこちらへ入ってくるはずです。・・・・その仲間とあって話しを聞かせてください・・・・これからの、ザウラブダグの攻撃の方法についてみんなで検討しましよう。」こうして、ノブとサキはマチュぴチュのトンネルの入り口で仲間たちを待つことになりました。 つづく
2007.05.05
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明日、急きょ盛岡に行くんで、今日中に明日の分も書いておきます。 「でも、どうすればザウラブダグの魔法が解けるんですか?」ノブは、ザウラブダグ城に「拉致されている魔法の木」に質問しました。「ザウラブダグは太陽の魔法使いの弟子でした。・・・だからこの地帯を太陽の当たらない、暗闇の世界にしているのです。・・・太陽の魔法使いが恐いのではないでしょうか。・・・・もしかしたら太陽がこの地域を照らすことができれば、私にかけられた魔法も解けるかも・・・・。」「わかりました・・・太陽がこの地を照らすよう、考えて見ます。・・・ところでカブトムシの王子ですが・・・誰が牢獄の鍵を開けたのかご存知ですか?」「私はここを動けない・・・・でもカブトムシの王子が誰かが助け出した事は感じていたんだ。・・・・それも私がよく知っている者のような気がします。」もし、カブトムシの王子を助け出したものがいたならそれはノブにとっても味方のような気がしていました。「人形にされたお姫様を助け出すのが目的ですけど、当初の予定では人形のまま”広場”に連れ戻って、太陽の魔法使いが人形の魔法を解く事になってましたよね?」「ああ、その通りだよ」「でも、本の最後に書いてあったんです。・・・・石橋が崩れ、伝説のウィザードと姿勢の悪い猫背のウィザード・・・そしてお姫様の3人が突然消えてしまうんですよね・・・・それって太陽の魔法使いがお姫様の人形の魔法を解くのは無理なんじゃないかと思ってるんですけど・・・」「そうだねえ・・・連れ戻る事ができないんじゃ、ちょっと方法が違ってるのかもしれないね」「それって魔法の木のあなたでもわからないんですか?」「あの本が誰によって書かれたものなのか考えればわかるんじゃないかな?」そこまでの質問のやり取りがあった後、突然城内全体に大きな声が響き渡りました。それもスピーカーを最大音量にしたような声で・・・・・・「ただいまより~~~、広場において~、カブトムシを逃がした罪により~お慈悲深いザウラブダグ様による裁判を~行う~~~~。城内パトロール~~および~場外パトロール以外のものは~~全て~広場に~集合の事~~~・・・・遅刻するものは~すべて~~罪人と同じ刑に~~処す~~」その声と同時に、城内のあちこちからドタバタと走り回る音が聞こえ、あっという間に広場はたくさんの妖怪や人であふれました。そうなんです・・・・ここは妖怪だけでなく、あちこちから誘拐されてきた人間たちも奴隷のように使われていたのです。それだけでなく、もしかしたら妖怪兵士たちの食料としても・・・・・・いずれにしても、妖怪と同じ・・いやそれ以上の人間たちもこの広場に集められたのです。そこへまた、大きな声が響き渡ります。「お慈悲深いそして世界の王たるザウラブダグ様、・・・・ご入場」ザウラブダグは漆黒の甲冑を身に纏い、その上から羽織ったマントを翻して入城しました。ザウラブダグが歩いている途中、その広場に集まった妖怪や人間はずっと石畳にひざまずきお辞儀をしたままで待ちます。ゆっくりと歩を進めるザウラブダグの靴に、ある人間の老人の洋服が少し触れてしまいました。ザウラブダグは、その老人をジロっと睨み付けると、その老人は縮み上がりました。ザウラブダグは睨み付けるだけでなく、右手の親指だけを立て、ゆっくりとその親指を下へ向けました。その様子を見た妖怪兵士が2人・・・・その老人の両脇を抱え、ひきずる様に前に引っ立てたのです。ザウラブダグが他の場所より一段高いところにおいてあった肘掛のある椅子に座ると・・・・・「被告人をここへ・・・・・」また何処からか大きな声が聞こえました。その声を合図に、地下に通ずる階段から、さっきの老人のように妖怪兵士に引っ立てられて誰かが上がってきました。(ホッキョクグマさん・・・)ノブは一瞬そう思いましたが、それは牢獄の番人をしていた「ハイエナの妖怪」でした。「い、いやだ・・・こ、殺してくれ・・・裁判は嫌だ!」「ハイエナの妖怪」は、恐ろしさに震えながらひきずられてきたのです。ザウラブダグは地の底から聞こえてくるような声で「裁判の開廷」を宣言します。「カブトムシを逃がした罪により、裁判を始める」その声を聞いた側近は続いて宣言します。「なお、先ほどお慈悲深いそして世界の王たるザウラブダグ様の靴を汚した罪により、ここに引っ立てられた老人についてはハイエナが与えられるのと同じ刑罰を与える・・・・素直にお受けするように」その声を聞いただけで、先ほどの老人は気を失ってしまったのでした。「ハイエナ・・・カブトムシを逃がしたに相違ないな・・・・」ザウラブダグがハイエナ妖怪に訊ねると、ハイエナは媚びるような顔をしていいました。「お慈悲深いそして世界の王たるザウラブダグ様・・・決して私はカブトムシを逃がしたのではありません。」「では誰が逃がしたのじゃ?」「それはわかりませんが決して私ではないのです。」「変な事を申すのう?・・・・お前は牢番ではなかったのか?・・・お前が逃がした以外に誰が逃がしたというのだ?」「・・・でも私ではないのです」「ほう・・・それでは共犯者がおったのじゃな?・・・それは誰じゃ?」「そ、そんな!・・・私は存じません!」ハイエナ妖怪は最後に血反吐を吐くほどの叫び声を上げました。「共犯者を白状するまで”水滴の刑”を申し渡す」そう言うと、ザウラブダグはさっと席を立ち上がり、もと来た通路を戻っていったのでした。それから、その場所に、ベッドほどの大きさのテーブルが二つ据えられました。そして、そこに「ハイエナ妖怪」と「靴を汚した老人」が横たえられ、手かせ足かせをして動けないようにされたのです。それから、それぞれの顔の上に羊の胃袋で作られた袋が吊るされ、水が満タンに入れられたのです。そして、なんて言えばいいのか、現代で言えば病院の点滴のように、その中から「タチ・・・タチ・・・・」っと一滴ずつ、水が目と目の間に落ちるようにセットされました。これをやられたら、どんなに眠くても眠ることが許されないのです。眠ろうと思っても、水が「タチ・・・・タチ・・・・」拷問です。白状しようにも、白状することのない二人は、けっきょく死ぬまでこれを続けられます。しかし、死ぬ前に必ずといっていいほど発狂してしまう拷問・・・・ノブはあまりの残酷さに目を伏せてしまいました。 つづく
2007.05.02
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雨の合間を縫って、お花見に行ってきました。ところが出店なんか、雨が降ってないから開いてないんですよ。綿あめだけ買って帰ってきましたけど、せっかく雨が上がったのに・・・・ ホッキョクグマが妖怪どもに連行されてまもなく、ノブとカブトムシはホッキョクグマの洞窟にやってきました。「緑」から事情を聞き、さっき城を抜け出したときにこうなることは予想できたのに・・・と反省しましたがもう時すでに遅く・・・・・とりあえず、カブトムシに「緑」の世話を頼んで城に行ってみることにしました。城門は以前警備が強化されたままで、このままでは中に入ることができません。姿を消し空中を飛んで城の中に入ることにしました。さっきだって、「青大将の妖怪」にわざわざ化けなくても、そうすればよかったのに・・・・そう思われる読者の方もいらっしゃることでしょうが、実は同じ魔法でも「疲労度」が違うのです。難しい魔法は難しいだけの体力を消耗し、今回のように、空を飛ぶ・・・そして姿を消すとなると、城にたどり着いてからしばらくは休憩しなければ、次の魔法が使えないのです。いまも、城内に潜入してから20分ほどの休養が必要でした。広場の石畳の上に着地し、すぐに中央に立っていた木に登り、枝と葉に囲まれて隠れようと思いました。しかし、なぜか、この木には登れなかったのです。あわてたノブは近くに立っていたほかの木によじ登りました。「何でだ!・・・なぜ登れないんだ?」ようやく登った木の枝の陰から、ノブは「登ることのできなかったその木」を改めてよく見ました。「ア!・・・・魔法の木!!」そうなんです・・・・・登ることのできなかったその木こそ・・・「魔法の木」だったのです。でも、「魔法の木」はノブたちの味方のはず・・・・確かに世界中に魔法の木は存在しますが、もともとは同じ木のはずでした。たとえば、「魔法の木」のドアから入って次に出てくるときは、別の場所に立つ「魔法の木」のドアから出てくることになるのですが、これは違う「魔法の木」ではなく、同じ「魔法の木」なのです。ちょっと一般の人間にはわかりにくいでしょう。なんていえばいいのか・・・・・・要するに、「魔法の木」はこの世に一本しか存在していないのです。違う場所に立っているように見えるのですが、実は錯覚・・・・そう、人間の言葉で言えば、「実態のある」・・・そして「触れることの出来る」錯覚なのです。これでわかるでしょうか?もっと細かく言いましょう・・・・・「魔法使い」は「時間」や「空間」を自由に行き来できます。「過去」にも「現在」にも「未来」にも・・・・・それぞれの時代に「魔法の木」は立っていますが、それは同じ木ではあっても、年齢が違っていますから「過去」「現在」「未来」の「魔法の木」は違うものともいえます。「空間」でもその通りで・・・A地点にある「魔法の木」とB地点の「魔法の木」が違うものであるとはいえないのです。頭の悪い作者は、これ以上、説明のしようがないので、皆さんでなんとなく「そうなんだ・・・」と納得してください。とにかく「不思議の世界」なんですから・・・・・それにしても、このザウラブダグ城に「魔法の木」があることで、ノブは困惑していました。「魔法使いに最も重要なアイテム」といえば確かに、「魔法スティック」です。ザウラブダグも「魔法使い」であるいじょう、「魔法スティック」は必要ですが、いかんせん、「魔法スティック」は消耗品なのです。では、「魔法スティック」を失ったらどうすればいいのでしょうか?それは、普通の「魔法使い」であれば、「魔法の木」にお願いして、新しい「スティック」をもらうことになるのですが、ザウラブダグの場合はどうするのでしょう。そうなんです・・・・事情のわからないノブの代わりに説明しますと、ほかの国の「広場」にあった「魔法の木」をここに移植してしまったのです。「魔法の木」であることを確認したノブは、テレパシーで「魔法の木」に話しかけました。「あなたは何でここに居るのですか?」「私はザウラブダグに移植された」「なぜ、僕たちが出発するときに教えてくれなかったのですか?」「ここに居て、お前に見える魔法の木は、私であって私ではないのだよ」「え?」「ザウラブダグの魔法によって凍結させられたというか、コーティングされたというか・・・・とにかく、自分であって自分ではないのだよ」理由はわかりませんがザウラブダグの魔法のせいのようです。「私は、ザウラブダグの魔法によってここに植えられたが、その理由は”魔法スティック”を供給するため・・・・」「断ればいいじゃないですか」「断れば私を燃やしてしまうそうだ・・・・そうなれば、私は世界中にたった一本の木・・・・・・私がいなくなるわけにはいかないのだ」 おっとまだまだ、会話は続きますが、時間です。つづく
2007.05.02
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今日は雨です。ジュニアには「連休中、どこにも連れて行けないからお花見にでも行ってこようか」って約束してたんだけど、雨降りじゃしょうがない・・・・・でも、恨めしそうな顔で私を見つめるので、明日は盛岡までドライブして、彼の好きな「わんこそば」でも食べさせてきましょう。ちなみに、私は「いつも100杯」・・・・・慣れてるからでしょうけど、ほかの人って意外と食べられないんですよね。 城を抜け出したノブでしたが、「カブトムシの王子」がどこに行ったのかは皆目見当がつきません。いったん、ホッキョクグマの洞窟に行ってみることにしました。なぜなら、もともとこの北極に住むホッキョクグマなら、隠れやすい場所を知っているかと思ったからです。「そんなこと、オイラにはわからないよ・・・・・だってここは、もともといつも形の変わる氷の海だったんだよ・・・・・急に火山が海底から出てきてできた陸地だもの、オイラにゃわかるわけがない・・・・」確かにその通りなのですが、ノブは食い下がりました。「だってこんなうっそうと茂る森があるんだよ・・・・って言うことはそれだけ年数がたってるんだ・・・だからどっか・・・ないかなあ?・・・カブトムシが隠れれられるとこって・・・・」「そんなこと言ったって無理だよ・・・・ここだってけっこう広いんだから」もう待ち合わせの時間までそんなに残っていませんでした。ノブはいったん引き上げることにしましたが、ホッキョクグマには、「緑」の世話と、もし見つけられたら「カブトムシ王子」の保護をお願いして、マチュピチュに通じるトンネルのところまで戻ってきました。待ち合わせの時刻まであと30分・・・・蟻やカブトムシたちも、自分たちの仲間を見つけるのに必死なんでしょう・・・なかなか戻ってはきませんでした。最初に戻ってきたのは蟻たちでした。彼らはすっかり疲れきっていましたが、残念ながらあり一匹、見つけることも出来ませんでした。「きっと城内のどこかに閉じ込められているんだろうなあ」まもなく、カブトムシも戻り、それぞれが報告しますが、蟻同様、カブトムシも何も見つけることができませんでした。ノブだけがいろいろなものを見聞きできたのです。「僕は”緑”を見つけたよ・・・・記憶を失っているけど、なあに・・・そのうち何かのきっかけで思い出すさ・・・・それと、蟻の女王様も蜂の女王様も居場所がわかった・・・・」アリたちは歓声を上げました。「私たちの王子様は?」カブトムシは名前の出てこない「カブトムシの王子」のことが心配でたまりませんでした。「実はね・・・・王子は牢獄から逃げ出していたんだ・・・・今、ザウラブダグの妖怪たちが必死になって探してる。・・・だから僕はマチュピチュに戻らないでここで、王子を探し、保護しようと思ってるんだけど、君たちはマチュピチュに戻ってモルトスたちをここに連れてきてくれないか」「私もここに残ってカブトムシ王子を探します。」こうして、蟻たちだけがマチュピチュに戻ることになりました。しかし、こうしている間に・・・・実は大変なことになっていたのです。「カブトムシの王子」が逃げ出したことによって、ザウラブダグは大掛かりな捜索を始めたのですが、その捜索隊もザウラブダグの怒りをおそれて、必死になって探し回っていました。そしてとうとうホッキョクグマの洞窟を見つけたのです。ホッキョクグマは妖怪の数匹ほどは倒す力を持っているのですが、この場は洞窟にいる「緑」から妖怪たちの目をそらせるために、必死に森の中を逃げ回りました。しかし、とうとう取り押さえられてしまったのです。「緑」はその光景を洞窟の片隅で見つめていました。記憶が戻っているなら、自分が魔法使いだということも思い出して、ホッキョクグマを助け出すこともできたでしょう。でも、「緑」は自分が魔法使いだということも忘れてしまっていたのです。ホッキョクグマは城に連れていかれました。妖怪たちも、ホッキョクグマは何度も見かけていたので追いかけるつもりもなかったのですが、逃げ出したことで動物の習性というか・・・・追いかけてしまったのです。そして、ホッキョクグマを捕らえたことにより、満足してそれ以上の捜索をせずに全員、城に戻っていってしまいました。「緑」は歯軋りして悔しがりましたが、今の自分ではどうしようもありません。「さっきのノブと言う子供・・・・仲間がいるっていってたな・・・そしてそのうちすぐに、その仲間を連れて戻ってくるって・・・早く帰ってきて一緒にホッキョクグマを助け出してくれないかな?」それにしても、自分が情けなくて、涙があふれてくるのをとめることができませんでした。そこへ、ノブとカブトムシが戻ってきたのです。 つづく
2007.05.02
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今日は「市連P」の会合があり、久しぶりに事務局の「ノリちゃん」とお話しました。最近就職された、お嬢さんが「ジャングル・ナイト・クルーズ」をよく訪問してくださってるようで・・・今も読んでくれてるかな?「今度お母さんに内緒でおじさんと呑みに行こうね・・・同業者だしさ・・・・・」なんて、お母さんが読んでたら叱られそうな発言をしてみる・・・・・ 「ザウラブダグ城 」最上階の塔に、ザウラブダグに誘拐されたお姫様が監禁されています。しかし、お姫様は太陽の魔法使いの手によって、「人形」にされていましたからザウラブダグが求めていた「お姫様との結婚」という最悪の事態は避けられていました。また、万が一魔法が解けてお姫様が人間に戻ったとしても、「人間と魔法使いは結婚できない」という呪文もかけられていましたから、ザウラブダグがどのようにしようと、お姫様を我が物にすることはできないのです。しかし、ザウラブダグはそれでもお姫様を自由にしようとはしませんでした。この塔に軟禁したまま、もう何十年、何百年・・・・お姫様は人形のままこの部屋にいるのです。ノブは、窓にはめられている鉄格子の枠の隙間から部屋の中に空気のように入っていきました。部屋は60平米ほどの広さで、窓際に片袖の机が置かれていました。お人形はその机のうえに置かれていたのです。きっと毎日この部屋を訪れるザウラブダグが、この机に向かい人形を眺めてはため息をついていることでしょう。それが納得できるほど可愛らしい人形でした。「こんなかわいいお姫様なら、ザウラブダグが手放したくない気持ちもわかるなあ」ノブだって同じ気持ちになりました。よっぽどこのままこの部屋から連れて帰りたい・・・・そう思ったのですが、ここはザウラブダグ城・・・・簡単にいきそうにはありませんでした。「いったん、戻ろう」後ろ髪を引かれる思いでしたが、こんな事で失敗するわけには行きません。慎重に慎重をきして、お姫様の奪還とザウラブダグの退治をしなくてはなりませんでした。そう思ったときです。部屋のドアが・・・「ギーッ」という音とともに開いたのです。あわててノブは姿を消しました。中に入ってきたのは、真っ黒な甲冑を見に着けた大きな男でした。(ザウラブダグに違いない)・・・・そう思いましたが今はどうすることもできません。相手も魔法使いです。少しでも動けばすぐに気配を察知されそうなので、ノブは息を殺し部屋の隅でザウラブダグの出て行くのを待たなければなりませんでした。ザウラブダグは部屋に入ると、すぐに机の前に座り、お姫様の人形をじっと見つめます。そして、それから語りかけ始めました。「「お前はわたしと約束したではないか・・・・自分の父王の戦争をやめさせてくれるならどんなことでもすると・・・・・だから、私はお前の父を殺し、戦争をやめさせたではないか・・・・・」まったく自分勝手な話を始めたのです。それからも何かぶつぶつとつぶやいていました。30分ほどたったでしょうか・・・・・塔の下のほうからザウラブダグを呼ぶ声が聞こえました。「ザウラブダグ様!・・・カブトムシの王子が牢獄から逃げ出しました・・・・こちらまでお戻りください!」「おう・・・今行くから待っておれ」そう言うと名残惜しそうに人形の前から立ち上がり、ドアを開けて塔から降りて行きました。(カブトムシの王子が逃げ出した?)ノブが世話になったカブトムシ王の息子・・・・子虎も助け出すと約束していましたから、ノブもザウラブダグのあとを追って、牢獄に行ってみることにしたのです。ノブはまた窓の鉄格子の隙間から空気のようになって抜け出し、空中を浮遊したままザウラブダグのあとを追いかけたのです。そして行きついた先は、地下の牢獄・・・・・・そこは部屋が3箇所に分かれており、最初の部屋には蟻の女王が・・・次の部屋には蜂の女王がいました。そして最後の部屋・・・・・この部屋だけはからでしたから、きっとカブトムシの王子はこの部屋に監禁されていたのでしょう。ザウラブダグは顔を真っ赤にして怒っています。「今日の牢獄の当番は誰じゃ!?」しかし、それは聞くまでもなく、その場にロープで縛り付けられていた妖怪に違いありません。その妖怪はブルブル震えていたのでした。「お前か・・・・ハイエナの妖怪?」「ザウラブダグ様・・・・申し訳ございません・・・ちゃんと見張っていたのでございますが,なぜか牢獄の鍵がひとりでに開き、カブトムシの王子が私を殴り倒して出て行ったのでございます。」いいわけをしましたが、言い訳の通じる相手ではありません。「直ちにこやつを拷問部屋に連れて行き、仲間を白状させい!」どうやってこの牢獄を抜け出すことができたのか・・・・ノブも不思議でした。拷問を見ている余裕はありません。すぐにでも逃げ出したカブトムシの王子を保護しなければ・・・・もし捕まれば八つ裂きにされるのは目に見えています。ノブはザウラブダグ城を抜け出しました。 つづく
2007.05.01
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さっき、ほかのパソコンからメールを読んでいたら、気がつかないうちに「30000」アクセス超えてたんですね。申し訳ございませんでした。30000アクセスは「魔法の木のマスター」さんでした。さすが「キリ番キング」!!!! 「ザウラブダグ城」の潜入に成功したノブは、とりあえず「ネズミ妖怪」からもらった地図を頭の中で整理して、あちこち探ってみることにしました。何はともあれ、ザウラブダグが権勢を振るっているという大広間と、執務用の居室の場所を知らなくてはなりません。大広間は、用事さえあれば誰もが入れる部屋ですから問題はないのですが、居室に関しては常に獰猛な番犬がいて、なかなかそばに近づくことはできません。そして、助け出さなければならないお姫様の部屋は・・・・・お城の最上階の塔のなっていました。そこへ行くには屋上まで上り、そこから警備兵が詰めている番小屋の前の階段を通ってしかいけないようになっていました。しかし、ノブは魔法使いです。姿を消し、とりあえずが詰め所の中を見てみますと、その詰め所には階段のセンサー・・・つまり、階段を誰かが登っていくと、その階段にかかる体重で警報装置が作動するようになっていたのです。しかも、壁にはこの塔に登っていける限られた人たちの体重が記入された表がありました。上って行けるのは、ザウラブダグ本人と、この塔の掃除を担当する女性3人だけのようです。しかし、その女性3人の名前の下に、あとふたりの名前が書いてありました。そしてその名前が黒い線で消されてあるのです。ノブは透明のままで、警備兵の耳元にそっとつぶやきました。「おい、この名前の消されている女たちはどうなったんだ?」警備兵はその問いに答えます。実はこれも催眠術のような魔法で、警備兵には仲間の誰かと話しているつもりにしかならない魔法なのです。「お前は知らないのか?・・・・一人は自分の体重を少なく申告してうそをついた罪で死刑だ。・・・・・もうひとりはいつものことだがあの部屋を訪れ、最後は機嫌が悪くなって降りてこられるザウラブダグ様とあの塔の入り口でばったり出会って八つ裂きにされたよ。」「体重を少なく申告しちゃまずいのか?」「52キロなのに、49キロって言ったらしいんだ。・・・ってことは何か持ち込んだってことになってね・・・・有無を言わさず死刑さ」ノブは、空を飛んで塔に近づくことにして、詰め所をあとにしました。残された警備兵は自分が何で独り言を言ったのかわからず「?????」その間に、ノブは塔に上り詰めましたたのです。もちろんドアを開けるわけには行きません。・・・・空を飛んだまま、窓のほうに近づき、中を覗き込みます。中にはお姫様の部屋らしく、内装は女の子らしい配色になっていましたが、住む人は人形・・・・・テーブルの上にはピンクのドレスを着た、可愛らしいお人形さんが一体載っていたのです。 すまんこれから仕事だ つづく
2007.05.01
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連休中に、友人のお葬式があります。高校の「同窓会支部」の私が支部長で彼が副支部長・・・・・前会長の指示を受けた私が、相談した相手・・・それが彼でした。一級後輩なんですよ。お通夜が5月4日で葬儀が5日・・・・「先輩、連休中にすんません」彼ならきっとそういってるだろうなあ・・・・・・そしたら、私が叱ってやります。「すまないと思うならもっと長生きしろ!」早すぎます・・・・・・ ノブはホッキョクグマのあとをついていきました。ホッキョクグマが「親分」と呼んでいるのが「緑」だったら、・・・・もしかしたらノブの顔を見れば記憶が蘇るかもしれない・・・そう思って急ぎました。森の奥、小高い山があってその裾野に、洞窟がありました。どうやらここがホッキョクグマの住処なのかもしれません。「オイラたちは、普段氷の上だからな・・・住処なんか持たないんだけど・・・」どうやら、ホッキョクグマは外に寝て、怪我をして記憶喪失の「緑」のためにこの洞窟を探し当てたようです。すぐさまノブは洞窟の中に入りました。「緑さん?・・・・緑さん、いるんでしょ?」ノブは、中に気配を感じる何者かに、声をかけました。「あなたは誰なんです?・・・・・緑って・・・私のことですか?」か細い声で返事が返ってきましたが、それは紛れもなく「緑」の声でした。「緑さん・・・僕ですよ・・・ノブです」ノブは駆け寄っていって、そこに横たわっていた「緑」に声をかけました。「ノブ?・・・・」「緑」はしげしげとノブの顔を見つめましたが、どうしても思い出せないらしく、かぶりを振って目をつぶってしまいました。ノブはこれまでの経緯を「緑」に話しました。「魔法の木」の広場に迷い込んだ自分に、最初に魔法を教えたのが「緑」だということ・・・「ザウラブダグ討伐隊」にノブと緑、そしてモルトスとピンクが選ばれたこと・・・「モーゼとの冒険」「ジンギスカンとの冒険」そしてその前の歴史に戻って「義経との冒険」・・・様々な冒険を繰り返して、最後の冒険が「白雪姫」と「長靴を履いたネコ」との冒険だったこと・・・・そして、等々、このザウラブダグ城を発見し、先発隊として「緑」が先に潜入したこと・・・すべて話をしたのですが、それでも思い出せないようです。それでも、ノブは優しく「緑」に言いました。「もう大丈夫ですよ・・・・そのうち”ピンク”さんもここへ連れてきます。・・・そうすればもとに戻れるでしょう・・・徐々に思い出せばいいんですから」「緑」は返事をしませんでしたが、これ以上刺激を与えたくないと思ったノブは、ホッキョクグマの待つ外へ出ることにしました。「ヤッパリ、君の親分と呼んでる人は、僕の仲間でした。・・・もう少し面倒を見ていてくれませんか?・・・・ここへほかの仲間も連れてきます。・・・そうすれば”緑”さんも、何か思い出してくれるかもしれない」「ああ、任しておいてくれ・・・親分が元気になってくれれば・・・オイラもうれしいんだから・・・」「じゃあ、仲間を迎えに行って来る・・・よろしくね」そういうと、ノブは出発をしました。まっすぐ、マチュピチュにつながるトンネルに向かったわけではありません。まだ「ザウラブダグ城」周辺の調査は4分の一しか終わっていませんし、カブトムシやアリたちとの約束の時間までもかなりあります。森を抜け、また火口の周りを反時計回りに歩き出しました。城の真後ろに差し掛かったときでしょうか・・・・・反対方向から兵士の一団がやってきました。どうやら、お城の警備兵らしいのですが、こんなところに誰かがやってくるとは思っていないのでしょう・・・・形ばかりのパトロールのようです。周りを見るわけでもなく、武器をかまえるでもなく・・・・ただただ、10匹ほどの妖怪兵団が雑談しながら歩いていました。「しかし、ザウラブダグさまも用心深いなあ・・・・わしらにパトロールなんかさせなくたって、誰もここまでもぐりこむ奴なんかいねぇのになあ。」「スノーホワイトのトンネルだって、わざわざ残しておいて・・・・・向こうには冬の魔法使いって言うのがいていつ乗り込んでくるかわからねぇから、って警備兵を増員させてよう・・・」「それくらいなら、あそこも爆破して、新しいトンネルを掘ればいいじゃねえか」「そうそう・・・・ネズミの妖怪が行ってる城にはミミズも行ってるから、こっちからモグラの妖怪、あっちからミミズの妖怪に掘らせれば、すぐに新しいトンネルができるのによう・・・」彼らはまだ、ネズミもミミズも・・・そしてカエルもゴキブリも返ったことに気づいてないようでした。まだまだいろいろな話を聞けそうです。ノブは少し考えて、一匹の「青大将の妖怪」に姿を変えました。そして、列の最後尾についていったのです。「パトロール」の軍団は本来なら、さっき、ノブが抜け出してきた森の中をパトロールしなければならないようでしたが、近道をして、火口と森の境目を歩いて城の正面の石橋のところまで戻ってきました。「さて交代だ・・・じゃあ、みんな、人数を数えるから、・・・ここに並んで、・・・数え終わったら橋を渡って城に戻ってくれ」「わにの妖怪」がみんなに叫びました。数を数える・・・・・・ノブ一人分、人数が増えているのです。しかし、ノブはあわてず、自分の前に並んでいた「豚の妖怪」の前に移動しました。「ひとり、・・・ふたり・・・3人・・・・・」「わにの妖怪」は数え始め、数え終えられた妖怪は次々石橋を渡ってお城の中に入っていきました。「9人・・・・」ノブが9番目でした。そしてノブも数え終わったので城の中に入ろうとすると・・・・・「おい待て!」「わにの妖怪」が叫びます。「おかしいぞ・・・・・・豚で10番目のはずなのに、人数がひとり多くないか?」「いいんだよ、わにの兄貴・・・・俺で10番目だよ」「豚の妖怪」が言い返します。「そうなんだが一人多いような気がする?」そこで、「青大将の妖怪」に化けたノブが一言付け加えました。「わにの兄貴・・・・さっき出るとき、兄貴は自分を数えるのを忘れたんだよ・・・だから人数が合わないのさ」「ああ。そうだったなあ・・・・」「わにの妖怪」は頭をかしげながら、それでも自分の気持ちを納得させて全員「ザウラブダグ城」にはいりました。実は、これも、ノブの魔法だったのです。こうして、ノブは「ザウラブダグ城」へ潜入することができたのです。 つづく
2007.05.01
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