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「このミステリーがすごい! (2009年版)」19位にランクされた山岳ミステリ 大倉崇裕(著)「聖域 」聖域■内 容 主人公・草庭と学生時代山岳部でパートナーだった安西が登山中行方不明に・・・。 悪天候で救助もままならず、滑落死とされた。 安西の登攀技術で落ちる山ではない・・・草庭は一抹の疑問を抱き、安西が落ちた山に登るのだが・・・。■感想など 「このミステリーがすごい! (2009年版)」19位と、そこそこ評価を受けた山岳ミステリ。 著者自身が学生時代は山岳部に所属し、思い入れのある一冊。-◆- ボクは山登りなどしないのだけど、取っつきにくさは全然無く、読みやすい。 ただし、読みやすさ、灰汁の無さは、インパクト不足にも繋がってるかな・・・。 主人公・草庭が、じわりじわりと”安西滑落”の謎に迫るのだけど、静かに展開するのでやや地味目。 登場人物も、大人しい。-◆- 謎解きというか、犯人については「意外性」と「反則」の狭間みたいな感じ。 少し強引だと思うなぁ・・・。-◆- 山を舞台にする作品では、高嶋哲夫著『ミッドナイト・イーグル』とか、 笹本稜平著『グリズリー』などスケール感のある派手目の作品が好きなので、地味で至極真面目な本作には少し物足りなさを感じました。 ただし、山登りをしないボクには分からない魅力が詰まっているのかもしれません。 グリズリー ミッドナイトイーグル
2009.07.24
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CATVで放映された『銀色の髪のアギト』(2006年公開)を観ました。 特段の思い入れもなく、たまたまEPG(電子番組表)で放映を知って録画したのですが、これがなかなか素晴らしい作品でした。銀色の髪のアギト DVD 通常版■作品概要 今からおよそ数百年後の未来。文明が崩壊した世界は、意志を持った植物達が支配する森と、荒地に分断されていた。森に隣接する『中立都市』に暮らす少年・アギトは、勝手に近づいてはいけないと言われている泉の底で、光を放つ不思議な機械を見つける。その中には、一人の美しい少女・トゥーラが眠っていた。彼女は長い間眠りについていた過去の世界の人間だったのだ。だが、彼女の目覚めをきっかけにバランスを保っていた世界はその均衡を崩していく…。(メディアファクトリーHPより) 【 物語世界や絵がイイ 】 森が人を襲うようになってしまった300年後の地球が舞台。 ”文明が崩壊した未来”の廃墟とか、そこの暮らす人々の描写が凄く良いんです。 全体的に、絵が美しい(日本のアニメらしいクオリティ) そして、物語世界の設定もとても魅力的。 ”地球緑化プロジェクト”での遺伝子操作の失敗により植物達が暴走して”意志を持った森”が誕生しているなんて設定に心くすぐられますし、武力によって、森を制圧しようとする「軍事都市」や、森との共存を模索する「中立都市」のせめぎ合いとかも、SF的、且つ観念的な魅力を引き出していて素敵です。 300年前の技術が残された『火山』からメカニカルな足が生えて自走するなんて設定も、なかなかはじけてますよ。 森の力を得て”強化体”となった主人公・アギトと、人口冬眠設備の中で300年眠っていた少女トゥーラもイイ。 『もののけ姫』や『ナウシカ』あたりと共通するテーマ性もあるし、なかなか良質のアニメだと思いました。【 興行収入約4億円 】 DVD版「銀色の髪のアギト」の宣伝文句には「興行収入約4億円と大ヒットを記録」なんて書かれているけど、『崖の上のポニョ』の約155億円とは二桁も下で、約14億円といわれる『ナウシカ』の興行収入と比べても3分の1以下・・・。 宮崎駿監督の長男の宮崎吾朗氏が監督した『ゲド戦記』でさえ76億円ってことだもの・・・。 「アギト=4億円」「ポニョ=155億円」って、そんなものなのかなぁ・・・。 そこまで作品内容やクオリティの差が大きいのかなぁ?【 ブランド力・・ 】 で、思ったんです・・・。 もし、『銀色の髪のアギト』を宮崎駿作品だと偽って06年に公開していたら、それだけで興行収入が一桁増えてたんじゃないかって。 ヘタしたら100億円のオーダーだって有り得たかも・・・。 ボクは『ナウシカ』や『トトロ』は大好きなんだけど、『ハウル』以降は宮崎アニメへの渇望感や、「ジブリ」「宮崎駿」というブランドへの安心感、期待感だけで映画館に行ったような感じです。 だから、『銀色の髪のアギト』が”宮崎ブランド”で公開されていたら・・・なんて、あり得ないことを考えちゃうのです。 少なくとも、「ゲド戦記=76億円」の約20分の1ってことはないと思うんです。 『銀色の髪のアギト』は万人ウケする映画じゃないから仕方ないかとも思うけど、『ゲド戦記』や『ハウル』もジブリ映画でなければ行かなかった人がいた気がするんです。 ありあえず、ボクの主観でしかないので、商業的な結果で評価するしかないのかな・・・。崖の上のポニョ[2枚組]
2009.07.16
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ハヤカワ文庫‥‥小林めぐみ(著)「回帰祭」回帰祭■内 容 汚染された地球から脱出した避難船の一隻『ダナルー』が、300年年前に不時着した星が舞台。 といっても、人々は5万人収容可能な避難船『ダナルー』の中で暮らし、外の世界への植民は行われていない。 あくまでも、地球へ帰還するために一時しのぎであり、不時着した星に名前さえ付けず300年過ごしている。 『ダナルー』では誕生センターで人工授精に行って子供が生まれるのだが、中央システムの不具合で男女が9:1の割合で誕生し、16歳でカップリングできない”余った”男子は全員復興した地球へ回帰する。 そして今年16歳を迎えた3人の少年少女が閉鎖都市を揺るがす事件に遭遇する・・・。■感想など 結論から申し上げますと、結構面白い。 けど、結末に至る詰めが甘いかな。-◆- 平凡な少年アツと友人で変わり者の少年ライカ、そして勝ち気な少女ヒマリが主人公。 16歳になるアツは、『ダナルー』内ですれ違った名前も知らない少女に一目惚れ。 彼女を見つけるためにライカとともに『ダナルー』内を探検するうちに忘れ去られたエリアで『喋るウナギ』を発見・・・・。 と言うわけで、SFをベースに、少年少女の冒険談と淡~~い恋の物語も加味された物語。 ライトノベルなのか、ジュブナイルなのか、一般的なSFなのか境界線にある作品だから、サクサクと読みやすいことは確かです。-◆- 閉鎖都市『ダナルー』を仕切ってる中央システムの暴走というか不具合(2001年宇宙の旅のHALみたいな)があって、その原因も別にあって、その謎解きやらアツたちとシステムの対決やらがハイライト。 アツ、ライカ、ヒマリのキャラもしっかりして、不時着時に船体の半分が潰れた『ダナルー』で縦横無尽に繰り広げられる冒険談が面白い。 ラストは、完全に幕が閉じることなく余韻を残して読者に委ねられてる。 ただし、ラストへは、だだっと滑り込んじゃう感じで物足りなさも・・・。 とはいえ、不時着した地球脱出船という設定はいかにもSFらしくて、SF小説に飢えている小生の渇きを癒してくれました。 シンプルなSF小説でした。ちょっと贅沢なふんわりチョコロール■1日先着20名様限定■【ふんわりチョコロール】
2009.07.10
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トム・ロブ・スミス(著)「チャイルド44」2009年度版『このミステリーがすごい!』海外編・第1位。この評価に全面的に納得の、超面白ミステリ!! チャイルド44(上巻) チャイルド44(下巻)■内 容 スターリン体制下の旧・ソ連が舞台。 社会主義体制維持のために恐怖支配を敷く”国家保安省”の捜査官レオ・デミドフが主人公。 部下ワシリーの恨みを買ったデミドフは、奸計にはまり妻とともにモスクワから片田舎の民警へと追放される。 追放処分で誇りをズタズタにされ、すべてを失ったデミドフは、新天地で猟奇事件に遭遇し、やがてこの事件解決に心を傾けていくのだが・・・・。■感想など 世間の評判と、自身の好みが合うとは限らないのだけど、この作品が『このミス1位』であることに100%納得。 文句なしに面白かった。 広大なソビエト連邦を舞台にした物語は壮大で、緻密に描かれた共産主義社会の重苦しさがズシリとのし掛かってくる。 国家から追跡されている主人公が、大量殺人犯を追跡するストーリーは、とにかく途切れることなく結末へと向かっていき、退屈することなく読み終えました。 ミステリの範疇を越えた傑作です。-◆- 遠い昔になりつつあるソ連の共産主義体制を描く文章は、痛々しいほどソ連の矛盾をいぶしだしている。 孤児院や知的障害者の施設の描写は凄まじく、人間より国家体制が優先される社会の醜さたるもの、悲惨という言葉では語り尽くせません。 そして、共産主義の理想と現実の落差や矛盾を知りながら、共産主義の”建前”に拘って人民を苦しめる国家保安省に属していたデミドフの言葉が端的にソ連社会を表現しています。 『犯罪は貧困と欠乏がなくなれば消滅する(上巻)』 『人はものを盗む必要もなければ、暴力的になる必要もない。なぜならみな平等なのだから。(上巻)』 大いなる矛盾が、事件に関係のない人民を次々と処刑に追い込み、逆に真犯人は途絶えることなく少年少女を殺し続ける----。-◆- 国家保安省の建物の雰囲気についてデミドフが語ります・・・。 『いつも居心地の悪さを覚える。その建物の中ではさりげない会話などまず聞かれない。屈託のない受け答えなどありえない。ここでは誰もがガードをしている。(上巻)』 こういう建物、こういう組織の中で、ひたすらデミドフへの妬みや恨みを抱きつづける部下のワシーリーは、ヘビのように嫌らしく、主人公を苦しめ続ける。 ワシーリーの策略に嵌り、追放され、追跡され、殺されそうになる主人公・・・。 この状況をかいくぐりながら、大量殺人犯を捜査し続けるデミドフの執念は、単純な正義感ではなく、酷く鬱屈した感情であり、物語に深みを与えています。-◆- ラストに向かい、人間の尊厳、夫婦の再生、飢餓など極限状況から生まれた悲劇などが次々と書き連ねられて文学の香りも・・・。 怒りや悲しみさえ封印して、生きることだけを目的に日々を過ごすソ連人民の様子が生々しく印象に残りました。 MW(ムウ)(1) MW(ムウ)(2)
2009.07.03
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