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阪急電車■内 容 片道わずか15分間の阪急電鉄今津線の8つの駅を起点に乗り降りする乗客の物語からなる連作短編。■感想など 本作の舞台となる阪急電鉄今津線は、北から『宝塚駅(宝塚大劇場前)』『宝塚南口駅(宝塚ホテル前)』『小林駅』『仁川駅(阪神競馬場前)』『甲東園駅』『門戸厄神駅』『西宮北口駅』の8駅。 小生がよく利用したことのある路線なので、この連作は凄くリアルに心に滲みてきます。 (今津線は、西宮北口駅から今津駅に向かってあと2駅有るんだけど、歴史的経緯があって西宮北口駅で線路が分断されているのでありまして、この作品では南側の2駅は舞台になっておりません。) で、作者が語るように、阪急電鉄今津線沿線は、都市部にありながらどことなく時間の流れが穏やかな感じがする・・・。 そんな各駅の雰囲気が上手く醸し出されていて、そこに有川浩お得意の”恋バナ”が絡んでくるから、たまらなくイイ感じの物語になっています。-◆- 主人公の一人が二週間に一度のペースで通う図書館で、登場人物が「ああ、あの口うるさいおじいちゃんがまた職員を困らせているな」と口にする・・・・。 小生もよく図書館で見かける風景で、なぜか図書館には我が儘な文句を垂れる爺さんなどがいるのです・・・。 曰く「空調の効きが悪い」とか、いんねんの類のクレームを付けたり・・・。 と言うわけで、有川浩は日常を切り取ったような一コマの描き方が上手い。 また別の場面では「一般教養の必修科目の教科書だが、講座の教授の自著でえらく高い。これをわざと教科書指定し、一年生に売り捌いて儲けているともっぱらの噂である。必修なので落とせない事情を衝いた一種の悪徳商法で、その教授はおそらく学生全員に嫌われている。」と登場人物が語る・・・。 ワッ、これまたリアルに大学時代を思い出す。 こういう登場人物の言葉の積み重ねが、物語にリアルな生活感と味わいを出すんですよねぇ。 有川浩の作風は、もはや「芸」の域に達していますよ。-◆- 阪急電鉄今津線ではないのですが、小生が住まう街の駅も物語中に登場してなんだか嬉しい気分。 また、宝塚南口駅前にある”宝塚ホテル”とか、小林駅そのものとか、小生が思い出を持っている駅で物語が動くことにも心地よさを感じました。-◆- とにかく、有川浩の作品は図書館戦争シリーズを含めてライトノベル風の軽い肌触りではあるけど、生き生きした登場人物の描き方はそんじょそこらのライトノベルとはひと味も二味も違ってるように感じます。 有川浩の「芸」に脱帽です。★私鉄 Nゲージ 鉄道模型★阪急7000/7300系(旧塗装)増結用先頭車2輌【グリーンマックス・41...
2009.11.28
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19世紀イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』を、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ/一期一会』や『ポーラー・エクスプレス』のロバート・ゼメキス監督ロバート・ゼメキス監督が、モーション・キャプチャーCGアニメーション映画として蘇らせた作品。 娘(小3)&息子(小6)と家内と私で、3D版を見てきました。(まだご覧でない方にはネタバレになります)【 ストーリー 】 主人公スクルージ(ジム・キャリー)は、金銭欲を満たすことだけを生きがいにする拝金主義者で、家族を持たず親戚にも背を向け、誰に対しても冷酷だから街一番の嫌われ者である。 クリスマス・イヴの夜、事務所から自宅に戻ったスクルージのもとに、かつての共同経営者で、十年前に亡くなったマーレイの亡霊が現れる。 強欲の罪で鎖につながれたマーレイの亡霊は、“過去のクリスマスの精霊”“現在のクリスマスの精霊”“未来のクリスマスの精霊”が次々とスクルージの前に出現することを予言する。 そして・・・。 【過去の精霊】に、哀しい子ども時代のことや、金を優先したために婚約者に去られた過去を見せられるスクルージ。 【現在の精霊】に、スクルージに薄給で雇われている男クラチットの貧しいが愛にあふれた家庭を見せられるスクルージ。 【未来の精霊】に、ベッドで寂しく横たわる死体。スクルージと名を刻まれた墓石を見せられるスクルージ。 これらの超常体験を経て、スクルージは人との繋がりや慈善に目覚め、金がすべてだった生活から悔い改めるのだった・・・。 というわけで、冷酷無悲な生き方をして金のことばかり考えて生きていると、ろくな未来は待っていないと言うキリスト教的精神訓話・・・。 「クリスマスの日まで金を数えているようではダメで、人間愛をもってクリスマスを祝うのだ~~~。」って話であります。【 3D、CGアニメーション 】 2009年は『3D元年』だと言われているので、09年中に3D映画を見ておこうと思っていたのですが、『クリスマス・キャロル』で、なんとか『3D元年』に滑り込みセーフ。 娘(小3)と息子(小6)は、スクルージが空を飛んで建物にぶつかりそうになる場面で身体をよじって激突を避けようとしていましたし、マーレイの亡霊が扉の向こうから飛び出してくる場面や、黒い馬がひく馬車に乗って未来の精霊が追いかけてくるシーンなど、3Dならではのビックリ・ドッキリ場面にビビっていた様子で、子どもたちは終演後に面白かったと感想を述べていました。 物語自体は、ベタに道徳的すぎて子どもには退屈だったかと思ったんですが、”3D”の威力で子どもたちも楽しんだみたいです。 小生は、『クリスマス・キャロル』の”3D”は「あぁ、こんなモノかな・・・」って感じで、驚くほどのことはなかったです。 子供の頃、白黒テレビがカラーテレビに変わった時の方が感動的でした・・・。(古っ!) 今後はもっと”3D”の活かし方が見いだされ、凄い映画が出来るだろうという気はしました。 (『クリスマス・キャロル』上映前に3Dで予告が流れた『アバター』は、あざといほど”3D”にこだわった映像だった・・・) で、”3D”もさることばがら、パフォーマンス・キャプチャーCGなる技術に感心。 スクルージの皺だらけで嫌味な顔なんて、実写版映画の特殊メイクに見えて、CGと実写版の境界線が分からなくなってきました。 あきらかに『ポーラー・エクスプレス』の時より映像技術が進んでいました。 結果的に『クリスマス・キャロル』の映像を見ながら、3D版で『スターウォーズ』をリメイクしたら凄いのに・・・・なんてことを考えてしまいました。 『エイリアン』も、3D版だったら怖さが増すかもしれないなぁ。【 精神訓話 】 物語に戻って・・・・。 ギスギスした生き方に対して『こんな生き方してちゃダメだよ』って映画なんですが、マネー万能主義が行き詰まってしまったこういう世の中なので微妙に心動かされます。 スクルージのエピソードを見て「もっと人に親切にしないとイケナイ」とか、「潤いのある人生を送らないとだめだなぁ・・・」って思わされちゃう。 ベタなキリスト教讃歌に、洗脳されちゃったかな・・・。 世の中を見渡しても、行政刷新会議の事業仕分け作業におけるトゲトゲしいやりとりとか、およそ人と人との関係に余裕や潤いが社会から無くなっていますから、『クリスマス・キャロル』の道徳的精神訓話に感化されてしまいます。 生まれ変わったスクルージさんのよに、トゲを無くしてソフトで人間的な人生を送りたいものです。愛すべき未来へ(初回限定2CD+2DVD)
2009.11.16
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抜群のリーダビリティ発揮の、新興宗教黙示録!? 仮想儀礼(上) 仮想儀礼(下)◆◆ 内 容 ◆◆ この国には、「救われたい」人間が多すぎる――。現代人の本質を抉る渾身長篇! 男二人が金儲けのために始めたネット宗教。しかし、信者の抱える闇は、ビジネスの範疇を超えていた。家族から無視され続けた主婦、愛人としてホテルで飼われていた少女、実の父と兄から性的虐待を受ける女性……居場所を失った女たちが集う教団は、次第に狂気に蝕まれてゆく。圧倒的密度と迫力! 二十一世紀の黙示録的長篇サスペンス。(新潮社HPより)◆◆ 感想など ◆◆【 新興宗教設立 】 小説家を目指して東京都庁を退職した鈴木正彦が主人公。 編集者・矢口からゲーム小説の執筆を持ちかけられ、5000枚の大作を書き下ろしたが、これがインチキ話で、金も仕事も家族も失った鈴木正彦・・・。 で、思いついたのが”インチキ宗教”の立ち上げ。 『信者が三十人いれば、食っていける。五百人いれば、ベンツに乗れる』として、矢口に手伝わせてネット上に宗教サイトを構築して”聖泉真法会”をスタートさせるた。 教義やなどは、鈴木が書き上げていた5000枚のファンタジー小説が下敷きだ・・・。 序盤、主人公鈴木正彦が金も地位も失うくだりから新興宗教立ち上げまでは、そっけないほどサクサクとコトが運んじゃう。 まぁ、新興宗教設立後がメインの物語だから良いようなものだけど、序盤のストーリーはやや雑な感じがしました。【 次々と問題が起こって 】 ”聖泉真法会”がスタートすると、俄然話が面白くなってきます。 清貧で宗教色を薄目にした鈴木を慕う者がどんどん増えて、信者は最大数千人にふくれあがる。 組織が巨大化するにつれ、中高年の女性信者と、今風の若者信者の間のジェネレーションギャップによって起きるトラブル。 ”聖泉真法会”に入れ込んで、会社の施設を提供してしまう会社社長の浮き沈み。 元・芥川賞作家で、売れなくなって女房子どもを抱えながら、”聖泉真法会”に入信した男が次々と起こすトラブル・・・。 大手の新興宗教団体による”聖泉真法会”への策謀とスキャンダル。 そして、”聖泉真法会”を敵視する信者の家族との問題。 まぁ、次々と問題が起こって、まったく退屈することがない。 上下2巻、結構なボリュームだけど、どんどん引き込まれてページをめくり続けることに・・・・。【 カルト化 】 国会議員など影響力の大きな人物を敵に回し、仕組まれたスキャンダルなどで教団は財産と多くの信者を失ってしまう。 一方、わずかに残った信者は「神懸かり」「先鋭化」してゆき、教祖である鈴木のコントロールが効かなくなっていく・・・。 カルト化を避けようとしていた鈴木の思惑とは正反対の方向に向かって、ことが流れていく。 「オウム」や「イエスの方舟」のように・・・。 そして、破滅と転落。 小生の好みの問題だけど、トントン拍子で教団が拡大していった上巻の成功物語で幕が閉じてた方が、後味は良かったような・・・。 後半が、あまりにもドロドロしていて・・・。 でも、作者が書き表したかったのは、ドロドロの帰結なんだろうなぁ。 新興宗教と、救いを求める現代人が紡ぎ出す破滅がメインディシュなのでしょう・・・。【 すっかり小説世界に… 】 とにかく、色々な信者がいて、それぞれに苛々したり、腹が立ったり、ムカついたり、ウザかったり・・・彼ら登場人物によってすっかり小説世界に引きずり込まれて面白かった・・・。 ただし、ほんの少しばかり話を整理して、濃縮した方が小説として完成度が高まる気もしました。 また、篠田節子氏の作品では『ゴサインタン』なんかに比べると、近作の『転生』や本作『仮想儀礼』は随分と印象が変わってきましたねぇ。 すこしラフな感じがします。 転生
2009.11.08
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純文学とエンターテイメントの融合 平野啓一郎の「ドーン」 ドーン■ 内 容 ■ 2033年、人類で初めて火星に降り立った宇宙飛行士・佐野明日人(さの あ すと)。火星から帰還した明日人はアメリカ大統領選挙をめぐる巨大な陰謀に巻き込まれ て い く。鍵を握るのは、宇宙船<ドーンDAWN>の中で起きた「ある事件」。明日人の妻・今日子、副大統領候補の娘リリアン・レイン・・・・・・ 様々な人 物 た ちの間でうごめくそれぞれの思い。世界的英雄となった明日人を巻き込む人類史上最大の秘密とは?30年後、人類はまだ人を愛することができるのか!? 『決壊』を経て、平野 啓一郎が描く、最高の純文学かつ究極のエンターテイメント小説。 (講談社HPより)■ 感想など ■【 再チャレンジ 】 実は小生、平野啓一郎『決壊』で途中挫折しています。 凡人の小生には、濃密に書き込まれた文学的な言葉の羅列が、上手い文章なのか、はたまたくどい表現や過剰な比喩の積み重ねなのか分からないまま、文学を読み切る心の体力が切れてしまい、大作の序盤でリタイア。 ですから「ドーン」で平野啓一郎に再チャレンジなのであります。【 これが平野啓一郎 】 本作から「これが平野啓一郎の文章だ!!」ってことろを引用します。『・・・・そこでひとつの刹那が、彼を衝撃とともに拉し去って、抱擁しながら跡形もなく引き裂くはずだった。 自分の生の痛ましい痕跡と引き替えに、完全な沈黙へと消え入りながら、もういい、と一言囁いてくれるはずだった。』 大衆小説やライトノベルではお目にかからないような文章表現です。 さらに平野啓一郎らしさに溢れる部分を引用・・・。『四十億年以上もの時間をかけて、気がつけばこうなっていたという、その完全な偶然任せ!呆れるほど楽天的な結果論的美! あらゆる我執から、清々しいほどに自由な時間への信頼! 目にも見えないほどの分子の結合から積み上げて、その表面を晴れやかに覆い尽くす大気に至るまでの誇大妄想的な運動の連鎖! 何もかもが、このたった一つの空間の力に引き寄せられている。人と動物との別を問わず、生物も無生物も関係なく、同じ一続きの場所を得て、重力を介して相互に交わり合っている。もし気まぐれに手を離されれば、たちまち、無限の死の世界へと放り出されてしまうような孤独の最中に、特別にそれを意識させられることもなく、あらゆる生命の活動を許し、あらゆる無機物の存在を受け容れながら、ついに一個の自らであり続ける巨大な複製不可能な生命! 地球と呼ばれる完壁な時間! その表層的な器の中で、独創性の限りを尽くして、ありとあらゆる生物が誕生しては、束の間栄えて絶滅してゆく。---人間たち! その極最近になって登場し、異様な繁殖力で「全地の表」を覆い尽くして、その場所を、神が自分たちのために準備したと錯覚しながら、架空の君臨に酔い痴れてきた、愛すべき、滑稽な人間たち! その経営が任されるには、あまりに無力で、あまりに無知で、あまりに卑小な人間たち!』 登場人物が、宇宙の中の地球と人類を語っているのですが、なんとも凄まじい文学的表現!! 平野啓一郎は、読者に媚びることなく、言葉の塊をぶつけてくる!! これら決して生易しくない文章の連なりを身体が受け付けるかどうかが平野文学を読破できるか否かの分かれ道かな・・・。 幸い「ドーン」は、人類初の火星着陸を果たした宇宙飛行士を巡るストーリーの面白さがあったので、最後のページまで辿り着くことが出来ました。【 何を訴えかけている(1) 】 さて、文学作品でありますから「ドーン」を通じて平野啓一郎が何を訴えかけているのか、”解”を見つけたいなどと思ってしまいました。(国語のテストみたいな・・・) まずは、主人公を巡る身近な物語から・・・。 医師である主人公・佐野明日人は東京大震災で一人息子を亡くし、その後火星探査に参加し、6年間地球を離れる。 明日人の妻は、亡くなった息子の詳細データから作られ年月とともに成長する息子のホロイメージを家の中に再生し悲しみを埋め合わせている・・・。 火星探査によって生じた6年の空白や互いの異性問題など、主人公夫婦に降りかかる複雑な出来事の積み重ねによってすれ違ったり、理解し合おうとしたりする”夫婦の心・感情”が「ドーン」の柱ではあると思う。 だけど、それだけがこの物語のすべてではない気がします。【 何を訴えかけている(2) 】 作中、2030年代のアメリカの大統領選挙が描かれているのですが、この時代のアメリカは中東を通り越して東アフリカで民主化のための戦争をやらかしていて、一国主義で主戦派の現職と、国連主義で東アフリカ戦争に懐疑的な対立候補が選挙運動を繰り広げています。 イラク戦争の延長線とも思える「軍産複合体」「民間戦争会社」「ロボット兵器・ハイテク兵器」などの是非を議論する両候補の言葉を通じて、平野啓一郎はアメリカの振る舞いを諫めているのでしょうか・・・。 でも、平野啓一郎が単純に反米を訴えているようにも思えない。 もっと深い意味合いがありそうです。【 何を訴えかけている(3) 】 ネット上にアバターを作るように、現実社会で自分の色々な個性・人格を使い分ける「分人」という概念が登場します。 職場での人格、恋人や家族と過ごすときの人格などを別人格として独立させ、積極的かつ意識的に”多重人格”である生き方・・・「分人主義」 たしかに複雑な社会を生きていくためには、色々な顔を使い分けていますものね。 小生自身で考えれば、趣味に没頭するオタクな自分、子どもと接する子煩悩な自分、公の場での完全なる作りものの表情を浮かべてる自分、友人と猥雑な話をしている自分、電車で老人に席を譲る自分、嫌いな上司に憎しみさえ抱く自分・・・考えれば数え切れない自分があります。 作中の近未来では、これらの自分を独立させて日々を過ごす人が多数派になっています。(小生の稚拙な言葉では表現しきれていないなぁ) 色々な顔があっても自分は自分だという考え方も含めて、「自分とは何なのか?」を平野啓一郎は語ろうとしている気がしました。【 何を訴えかけている(4) 】 イギリスでは監視カメラが至る所に設置されて犯罪捜査などに利用されていると聞きます。 アメリカでもいわゆる「愛国者法」に基づき盗聴や監視カメラなどでテロ予防が行われています。 日本でも、道路に設けられたNシステムで通行車両が撮影され、犯罪捜査に用いられています。 これら国家権力による監視体制の独占に対抗するために、店舗の監視カメラなど民間が設置したカメラをネットワークでつなぎ誰もがアクセスできる「散影」というシステムが作品の重要なアイテムとして登場します。 国家だけにコソコソと監視させるより、いっそのことすべての監視映像をオープン化することで国家権力を牽制しようと言う考え方。 国家権力への問題提起と、急速に進歩する情報通信技術の未来についての考察を、平野啓一郎が提示してるのかな・・・。 以上を総合すると、「ドーン」には、複雑化した社会が、新しい技術の進歩でさらに深く複雑化したとき、人間の生き方がどう変わるかを書き示されているのか・・・・。 とにかく「分人主義」「散影」という平野啓一郎の造語による概念やツールが印象的で、翻って”今の自分”、”今の社会”を考える材料となる一冊でした。凡庸な小生には難しい作品だったけど、きっと「これが答えだ」なんてモノもなくていいのでしょう。 一冊読み切って、何かが心の肥やしになればそれで良いのかも・・・・。 (小さなことだけど、主人公・佐野明日人が”さのあすと”ではなく、”セイノ・アストー”と英語読みで呼ばれていることも妙に印象的でした。)
2009.11.02
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