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齋藤孝の速読塾 使える読書■内 容 速読、多読を勧める著者の読書ノウハウと、読書の大切さを伝える一冊。第1講 何をどこまでめざせばいいのか―速読・多読の目標第2講 勇気をもって飛ばし読み―二割読書法とは何か第3講 誰でも今すぐできる速読術第4講 速読上級者用プログラム第5講 速読を生活にうまく組み込んでいく方法■感想など 『速読塾』という題名だけど、速読術を伝授するというより、多読の勧めがメインテーマで、多読するためには速読が必要だと著者は説いています。だから、目の動かし方など速読のハウ・ツー本だと考えない方がいいかも・・・。 とにかく寸暇を惜しんで読書に時間を割けば沢山本が読めると主張する著者。 小生も自動車を運転しているとき、信号待ちや踏切待ちのほんの1~2分も読書してます。(本に夢中になりすぎると、後続の車からクラクションを喰らうので気を付けています) また、トイレにも本を置いているし、大好きな野球中継を見ながらでも投手交代やCM中は本を読みます。 小生は齋藤孝氏のように常に知的レベルを上げようなどと高邁なことは考えていませんけど、なんとなく空白の時間を作っちゃうことが惜しいから読書に当てています。-◆- 『使える読書』は読書のハウツーのほか、AERA連載の読書コラムが再録されてる。(再録部分がこの本の大半を占める) このコラムは斉藤氏による書評というか書籍紹介。 昨今のはやり本などが簡潔に紹介されていて、何冊かは興味を引かれました。 この紹介の仕方が斉藤氏の要約力コメント力などと繋がっていると言う仕掛けになってます。■ナイスフレーズ 嫌いな作家でも、いい作品を書いている小説家の作品はドンドン読んでおくべきです。 食べ物と同じで、いろいろな作者の作品を読んでいき、嫌いであっても理解する、食べられる物を広げていくことで他者理解が広がります。(齋藤孝の速読塾) 興味を引かれる本しか手に取らない小生はこの文章を読んで反省!! 私が本を素晴らしいと思うのは、著者が自分のためだけに時間をさいて、丁寧に解説してくれるからです。 アリストテレスやドストエフスキーを家庭教師に雇おうと思ったら、お金をいくら積んでも不可能です。(齋藤孝の速読塾) そう考えると、スティーヴン・ホーキング博士に家庭教師をして貰ったこともあるし、東野圭吾や宮部みゆきも我が家に来てくれたってコトになる・・・・。 こういう見方はこれまで思いもしなかった。■トホホ 読書の大切さを説く齋藤孝氏の言葉には共感するのだけど、この人は自分の意見を畳みかけてくるので少々鼻持ちならない面もありました。 たとえば、本に3色ペンで線を引き、ポイントを抑える読書法について、 3色ボールペンの効用について、これをやるだけで国語の力は30点ぐらいはすぐにあがるというのが僕の説なんです。 これをやると、すぐざま「要約力」が鍛えられる(使える読書) と断じる部分など・・・・。 また、齋藤孝氏の十八番である『読書力』『仕事力』『学び力』『コメント力』などなど、『○○力』というフレーズを著作のなかでも自画自賛気味なのだけど、なんとなく嫌味な感じがしちゃう。 齋藤孝氏の『主張力』の強さにゲップが出そうな・・・・。■ユニバーサル・・・ 3色ボールペンではないが、ポイントと思われる箇所がの文字が水色で表示されてる。 水色の文字は視覚に障害のある方には見にくいんじゃないかなぁ・・・。 最近浸透し始めたユニバーサルデザインの考え方からすると「色覚バリアフリー」への配慮が欠けているように感じました。【送料・代引無料】レビューを書いて旅行グッズを貰おう!人気急上昇!全体にドットが入った可...
2009.04.26
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戦争の愚かさを描く超大作 神器(上) 神器(下)■内 容 太平洋戦争末期。 軽巡洋艦「橿原」が謎の使命を帯びて日本の東へと進路を取る。 艦内倉庫では殺人事件が起き、自殺者も相次ぐ。 大量発生した鼠、もう一人の自分、謎の陸軍士官。 死んだはずの戦友が現れたり・・・。 天皇が乗艦しているという噂、そして「神器」まで・・・。 奇想と滑稽が入り交じり、時空をも超える超・戦争文学■感想など【謎めいて・・・】 軽巡洋艦「橿原」での乗組員の日々は、著者が見てきたのかと思うほど生々しくて、自分が悲惨な時代に生まれずによかったと痛感。 で、作中語られる「天皇」や「神器」「タカマガハラ」は謎めいておりキワモノめいたSF色に心が躍ります。 そして、軽巡「橿原」にあたえられた究極の極秘任務に最後まで引っ張ら、作者に絡み取られたような読後感・・・。 『四次元純文学』って感じの作品です。【滑稽に・・・】 福金豊。これはちょっと珍しいぐらいの福々しい名前である。が、その名前を持つ当の本人は、貧乏神を図柄にしたらこうなるんじゃないかと思うような風体で、また風体にとどまらず、子供の頃から数々の深甚なる不幸に見舞われてきたとは本人の弁である。具体的にはどんな不幸かは一々聞かなかったけれど、一つだけ聞いたのは、裏の畑の肥溜に三度落ちたことである。この肥溜は人が落ちやすいと評判の肥溜で、近所の子供は誰もが一度は落ちるのだけど、三度落ちたのは自分以外いないというのである。(上巻) この調子で、語り口はユーモラス。 そこに幽霊らしき人物やら、未来から紛れ込んだネズミ人間やらが現れる奇想天外な物語。【戦争継続】 日本の艦隊はもうほぼ壊滅しつつあるのだし、敵はもう勝ったような気分でいるはずで、人情からして油断するのが普通である。いや、およそ人であるならば、油断しないではいられないはずで、ましてやお祭り大好き人種の米国人のことだ。絶対に油断している。油断して浮かれている、一杯やりながらダンスでもしている・・・という具合に発想していくのが希望的観測というやつで、一人ならまだしも、複数の人間が抱いたりすると、希望的観測と希望的観測がお互いに共鳴共振して途轍もないことになったりするから危ない。(上巻) 軽巡「橿原」が単独で米軍の支配海域へと向かうにあたっての乗組員の気持ち---希望的観測や楽観を滑稽に描いているのだけど、彼らの心の中にある諦めのような渇いた感情が痛い。 敗戦の匂いをヒシヒシと感じながら、それでも戦争を継続したかつての日本への痛烈な皮肉ですね。【特攻隊員の幽霊】 俺が特攻機で飛んで、敵艦に突っ込んでいったとき、どんな気持ちだったか想像できるか(下巻) これは何故か現れた特攻隊員の言葉。 既に死んだはずの戦友が、まだ死んでいない者への妬みや恨みを語っている。 特攻を掛けた本人が語るのだから恐ろしく説得力があるのです。【未来=現代】 あそこはとても色彩が豊かで、とても賑やかで、でも、ひどく淋しい場所に思えました。何もかもがすごい速度で、すいすい過ぎ去っていくんです。雪解けの渓流の、冷たい水のように過ぎ去っていくんです。あらゆるものが眼にも留まらぬ早さで過ぎていくんです。声をかけたり手を伸ばしたりする暇もなく。(下巻) これは謎の物質の影響で未来を見てきた者の言葉。 現代社会を見事に表現していて、「ひどく淋しい」「すごい速度」など悲しいほど的確。 我々の現代=登場人物にとっての未来もまた、戦火に散っていった人々が思い抱いていた未来ではないことを悲しんでいます。 こうして上下2巻の超大作で、戦争の愚かさや戦場の過酷さ、国の進路を決定した人々の滑稽なまでの過ちまでを、SF・奇想の姿を借りて語り尽くした著者の力業に降参しました。
2009.04.06
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