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土日は遠回りを探してみたが見つからなかった。家族もそれとなく、諦める心の準備を私にさせたいらしい。周りが妙に優しい。
2008/08/31
雨が小降りになった朝方に探したけれど見つからず。母が動物愛護センターへと電話。係りの人に市役所と警察署への同時連絡を勧められる。話によると、ペットは遺失物扱いらしい。家族以外に懐かなかったから何処かにじっと潜んで泣いていそうです・・・ただただ、現実を享受することしか出来ない自分は生きていても死んでいても変わらないのだろう。雨が続くとふとそんなことを想う。今も昔も何一つ変わっていない大馬鹿者だ。
2008/08/29
昨晩からウチで飼っているシャムが帰ってきません。周辺を探してまわったけど結局見つかりませんでした。今までの猫と違い、外にでても庭の周りをうろつく程度だったので、こんな事は初めてです・・・心配で仕方がありません。迷子になってしまったのかな・・・あの子方向音痴だから・・・雨も降っているし、何処かで雨宿りしていてくれればいいのですが・・・
2008/08/28

・・・・・・・・・・・・・・・・・・『†Princesse du sang†』月ノ章 0-05【翼竜】―ミュークSIDE― 凄まじい風がミュークとルムの身体を正面から叩いていた。ルムの並外れた膂力がなければ二人とも後方に吹き飛ばされていたかもしれない。ルムは操舵室に続く搭乗口を見上げると、片手で抱えたミュークを無造作にその中に放り込む。突然の事に息を呑むミューク。ルムはミュークの姿が舟艇内部に消えた事を確認すると、足掛りに乗せた左脚に力を込め自らも一速飛びで操舵室に潜り込んでいた。 「助けて貰ってなんじゃが・・・ルムはもう少し力加減というものを学んだ方がよさそうじゃな・・・」 ミュークは両手で上体を支えると、頭部を軽く数回振る。頭部の鈍痛は投げ込まれた時にぶつけたものだろう。 「儀礼的護衛」 ルムの答えはいつもどおり素っ気無い。だが、少し不機嫌にも見える。僅かだがその眉間に可愛らしく皺をよせていた。 彼女なりに、主人を気遣っての行動だったのだろう。いち早く安全な場所にミュークを送り込んだのは確かだったのだから。 「ミュークさまぁ~・・・すみません!ゴメンなさい!許してください~っ!!」 ミュークが声の聞こえた方に眼をやると、汗ばんだ手で操舵輪を握ったレムの姿があった。首だけを此方に傾けて謝罪の言葉を並べ立てている。 「なぜか急に動き出してしまったんです・・・」 「ルム! 前を見るのじゃ!!」 左舷前方に迫る白亜の壁。 リザロス港口の両端を繋ぐ巨大な石造アーチ橋だ。 「わあああぁぁぁぁっ!」 レムは慌てて真鍮芯の舵輪を右に切る。ワイバーンはその船艇を大きく右に傾けながら高速旋廻する。発進時の騒動で床に散らばっていた工具が口を開いたままの搭乗口へと転がっていく。それを追うように遠心力に振り回されたルムの小さな身体も床を流れる。ミュークは慌ててルムの体を胸元に抱え込む。 「ふぅ・・・」 ミュークは船艇が平衡を保ったのを確認すると搭乗口の扉を引き上げ金属版の留め金をはめ込んだ。 「ミュークさまぁ・・・度々申し訳ありません・・・」 涙目になったレムが先ほどよりさらに情けない声で平身低頭していた。 「レム、お主は操縦に集中しておれ。 端からそこまでは期待しておらぬから」 「うぅ・・・」 その言葉がよほどショックだったのか、涙をどっと溢れさせる。 ミュークにしても最初から一端の操縦が出来るとは考えていなかった。彼女の云う“そこまで”とはそういった意味だったのだが、レムは全てを否定されたかのように肩を落としている。 ミュークは改めて四方を見渡した。内装は無骨そのもので、至るところからバルブや管が突き出している。おまけに舟艇内は堪らなく油臭かった。 “ワイバーン”は、元々が嘗ての空中都市で盛んに開催されていた飛空挺レースに用いられた数多の小型飛空挺の雛形でもあった機体だ。その高速飛行を可能にしているのは特殊な動力源である。舟艇にロストテクノロジーの粋が集積された軽量型蒸気機関を搭載している。 「あ、あの・・・それでは、何処か降りられそうな場所を探します・・・」 レムが沈んだ声でそう告げる。 「いや、それは待つのじゃ」 「ちゃ、着艇の方はきっと大丈夫だと思います・・・。 いえ、やります! 絶対にやってみせます! ミューク様もう一度だけ僕を信じてください!!」 振り向きざま、とても前向きに力説したレムであったが、ミュークに頭部を鷲掴みにされると強制的に前方を向かされる。 「いや、そうではない」 「うぅ・・・ 発進時の不手際は、施設内に敷かれた蒸気射出機に不動作が生じたからであって、僕も仕方なく・・・」 例えどのような結果になろうとも、ワイバーンの操縦法を知る人物はこの舟艇内ではレム一人である。暴走したワイバーンに乗り込んだ時点で、ミュークは全てをレムに託していると考えても問題はない筈だった。しかし、信頼失墜だと勘違いをしたレムはそこまで考えが至らないようだった。 「レムのせいだとは誰も云っておらぬ」 「えっ!? では、なぜ怒っておられるのですか?」 レムは体ごと振り向くと不思議そうに小首を傾げた。 「怒ってなどおらぬが、強いていうのなら話を最期まで聞かぬその態度・・・」 「あ、あう・・・すいません」 皆まで聞かず恥かしそうに俯くレムの額をミュークの拳が小突き上げる。 「ひぃ・・・」 「それと、すぐに余所見をする悪癖に関してじゃな」 「あわわ・・・すいません・・・」 ミュークは苦笑すると、後ろからレムを抱きしめた。レムは背中にのしかかった柔らかな感触にびくんと身体を震わせると、真っ赤になって硬直している。ミュークは少年のクセのある銀髪を優しく掻き上げと、そのまま小さな耳たぶを甘噛みする。 「わちきがレムを信じていないわけがなかろう」 そして、レムだけに聞こえるようにそっと呟く。ミュークは少年の緊張を解きほぐすように優しく頭を撫でてやると、 「丁度良い、このままイプス岬の大灯台まで向かうとしようかの」 「イプス岬ですか?」 レムが不思議そうに聞き返す。 イプス岬はサリナハームの公国領の最南端に位置している。サリナハームは現在、公王フェルナンド4世の崩御後に勃発した跡目争いで情勢が混乱している。サリナハームでの王位継承は代々、長子相続によってのみなされてきた。だが、フェルナンドの義弟であり軍部の総大将でもあったグリアルトが、公王の嫡孫でもあったファルファウト王子を不実の罪で幽閉し、王子を擁した人間の尽くを処刑してしまったのだ。ファルファウトの叔父でもあった宰相のグランディエは命からがら公都を抜け出し、自らの領地に逃げ帰る。彼はその後、正統なる王位をサリナハームへ取り戻すべく諸侯に決起を促した。簒奪者グリアルトを打つべしと公国中に告文したのだ。結果、グランディエの思惑通りに数多くの貴族達がグランディエの旗下に馳せ参じた。サリナハームはメナディル教圏で最も信仰が厚い地域のひとつだ。彼は正義の御旗を掲げることによって民意を動かせると踏んでいたのだろう。だが、彼の誤算は信仰よりも自らの利益を優先した一部の有力貴族が未だ息を潜めていることだった。計らずも両勢力はお互いに決め手を欠いたまま打つ手をなくしていた。 「あの辺りは広大な湿原地帯が広がっておる。未だ開拓の手も入ってはおらぬ故、待ち伏せには最適じゃしな」 「ま、待ち伏せって・・・あ、あの、今度は一体なにをするおつもりなのですか? 僕はてっきりウィズイッド領にお帰りになる決心がついたものだとばかり・・・」 レムの表情は驚きから何か釈然としないものへと変化していた。挙句にその唇を尖らせて呻くように嘆息する。 そんなレムの胸中を知ってか知らずかミュークは意外なことを口にした。 「レム。お主は人間に対してどのような感情を抱いておる?」 それはあまりにも唐突すぎる質問であった。レム自身、ミュークが倦厭する話題を逸らそうとしたのではないかと勘繰ったほどだ。幾ばくか躊躇した後、レムは口を開いた。 「僕は・・・ミューク様はお笑いになるのかも知れませんが、その存在にとても関心があります。 彼らは宗教・倫理・道徳など偏向で曖昧な概念に囚われています。それは一見、愚かで脆弱で非常率な生き物にも思えますが・・・。人間の価値観には様々なカタチがあり、それは言い換えれば、可能性の多様化であるのかもしれません。我ら屍族の優劣は常に“力”のみです。他に価値を見出すことも可能ですが、それらは純然たる“力”の前では無力です。しかし、全てを“力”のみで解決しようとする考え方が僕には正しい方法だとは思えません・・・」 最初、ミュークの質問の意味を図り損ねていたレムであったが、一度堰をきると、言葉を重ねる度にその口調は熱を帯びていった。 「ふむ、誠、レムらしい答えじゃな」 そのように考える屍族が現れたという事は、屍族もまた人間同様に進化しているのかもしれない。いや、退化であるのか・・・ミュークはそう自問する。幾度繰り返したか知れない問答。その答えは未だ無い。 半永久的な命をその身に宿す屍族にとって、人間とはとるに足らぬ下等な生物でもあり、嫌悪・蔑みの対象でもあった。或いは特殊な性癖を有した屍族の渇きを癒す餌、愛玩動物としての位置づけでしかなかった。人間と対等の関係を築こうと考えた屍族など長い大陸史の中でもミュークには一人しか思い至らない。 「ではルムはどうじゃ?」 ミュークは能面のような表情のまま床で暇そうに正座をしている少女にも尋ねてみた。 「興味ない」 相も変わらず身も蓋もなかった。だが、裏も表も無い所がこの少女の良い所でもある。 「そうか・・・」 しかし、屍族としてその考え方、相対的な真理としては正しい答えだ。 「わちきの考えはレムよりかもしれぬな。 いや、人間そのものというよりも、ある人物の行動にひどく関心があるのじゃよ・・・あるいは・・・」 ミュークが常に漂わせる闊達な物言いが今回に限って歯切れ悪い。 「人の心は視えても、自分自身に内在する感情の齟齬は未だ拭えぬか・・・ふふふふふ」 ミュークは自らの思考を揶揄するように笑いだす。 「ミューク様~・・・もしかして御家にお帰りになるのが嫌で話題を変えたのではないでしょうね?」 自分自身を誤魔化すようなミュークの様子に、レムが核心のひとつを突いてくる。 「もしも、そうじゃったらどうするのじゃ?」 レムがミュークを慕って付き従っている以上、他に選択肢などないことを知った上での意地悪な質問だった。 「うっ・・・もういいです。 それで、今回はどのような厄介事をお受けになったのですか?」 早々、諦めの境地に達したようでレムもいつもの調子に戻っていた。 「厄介事とは失礼じゃな。 ただ、メナディエルの聖女をかどわかすだけじゃぞ」 レムの口が大きくぽかんと開く。 その場の空気が固まる。正確に云えば停止したのはレムの時間だけだったが・・・ 「ええええええええええ~~~~っ!」 一拍遅れて発せられたレムの叫びは驚愕に満ちていた。==============================================================※推敲はフリーページ内で行ないます。ヾ(@⌒ー⌒@)ノおはようございます。良い子なので早起きしてカキカキ致しました。==============================================================
2008/08/27
以前メタセコを弄っていたのですが、最近本格的にモデリングの方をやってみたい衝動に駆られています。でも、そうすると時間的に小説モドキにまで手が回らなくなります。2Dと3Dの知識を得て視覚的なスキルに特化するのも魅力だけど、物語を創るという分野に直結するスキルを御座なりには出来ませんし・・・う~ん、音楽制作の時も同じような事言っていたかも(笑正直、こんな事書いている時間が勿体無いのかもしれない・・・そもそも3Dに特化したら今度はプログラム系のスキルを欲しがりそうな悪寒・・・まぁ、ただの言い訳ですけどねorz
2008/08/24

残炎暑お見舞いCGです。背景はちょっぴり手抜き気味ですが、今年は暑中お見舞い絵も描いているので許容範囲ということで・・・キャラ部分に関しては既に触れてますが・・・いや・・・最近、肌の彩色に重点を置いていたので自重できませんでした(汗うむ、ちょっぴりやりすぎですね
2008/08/21

彩色の方は、なんとなく安定期に入ってきた今日この頃です。【瞳】【髪】【肌】の塗り方が定まってきたのが大きいのかもしれません。3つとも、紆余曲折した挙句に今のカタチに落ち着いたので、暫くはこの方向で突き詰めていきたいと考えています。と、いっても満足出来るほど巧いわけでもないので日々精進は変わりません。んでもってこの子。ルムファム・グリンハルトは屍族(吸血鬼)なので少しだけ肌の色に気をつかいました。真っ白にしてしまおうかなとも考えたのですが、ラグナ篇の狂気を孕んだお人達の為にとっておく事に致しました。あーあと彩色中にちょっとだけ表情を変えました。背景どうしようかな・・・
2008/08/19

ブログのフォトアルバムをチェックしていましたら、【ギルドウォーズ】と【TOEO】のSSが大量にあり、とても懐かしくなりました。TOEOとギルドウォーズは血盟内で問題が勃発した時に逃げ込んだ退避場でもあったのですが、それでも良い出会いや楽しい思い出がたくさん出来ました。当初はソロだけでやろうと考えていたのですが、どちらもギルドに入っちゃいましたしね(汗ちなみにどちらのギルドにおいても初対面の挨拶は、「仲良くなった振りは誰よりも得意です♪」などと宣まっていました。当時は、いろいろと板ばさみで人間関係に疲れていたので、さっくりと、仲良く慣れそうな人を区別したかったのですよね(笑今となれば、お馬鹿以外の何者でもありませんが、このブログのコンセプトも実は同じようなノリで発進していまして、未だにその痕跡などが残っていたりします。本当にいろいろと大変だったんです。血盟内が戦争やりたい人と、まったり派とで真っ二つに分かれてね(汗結局、戦争やりたい人は出て行ってしまったけど・・・今だから書けるけど、ギルドウォーズで対人戦を殊更拒んでいたのは、そういった理由でした(笑ちなみに、【ギルドウォーズ】はこのブログでハジメテSS日記を書いたMMOです。公共の敵であり続けた懐かしい日々(違NPCとは常に仲良しだったアノ頃・・・ 普段は目立たない“あの人”の為に遠くからそっと見せ場を用意してあげたり・・・その勇姿を目に焼き付けたり・・・ 世の不条理を生温かく見つめてあげたり・・・ 証拠(熊)を隠滅したり・・・ そして・・・運命の出会い・・・ 序にギルハンも楽しかった(*゚□゚)ノ☆)`ν゚)・;'.、クハッ!!さて、まったり彩色でもします(*゜∀゜*)丿
2008/08/18

ウチの小説モドキの方で時の人(?)であるルムファム・グリンハルトを描いてみました(*゜∀゜*)丿この子は初期設定から容姿や能力など、多々変更がありました。変わっていないのは性格ぐらいですね(汗せっかくなので、残暑見舞い絵にも出来るようにと水着っぽいモノを着用・・・でも、暑中お見舞いCGのプルミエールと被るので、フリフリは避けました。週末はいろいろあるので、彩色は来週ぐらいまで出来そうにないのですが・・・
2008/08/13
どうも社会人失格の烙印者ですヾ(▼ヘ▼;)一年に一回、必ずやらかすポカを再びやらかしましたorzちょっと一週間ぐらい時間に余裕が出来そうだからといろいろチェックをしていましたら思わぬ失態を発見・・・orzそんな今日この頃です∥壁∥T◇T)o・゚゚・。 そんなこんなで(?)このお休み中に、以前から気になっていた【Painter】なるブツに触れてみようと思い至りました。とりあえず、入門ソフトみたいな位置付けな【Corel Painter Essentials 4 特別優待版】を先程、アマゾンで注文してみました。でも、【Essentials 4】に関してはあまり良い噂を聞かないので少し心配です。だったら買う前に【Painter X】や【Essentials 4】の体験版でも使ってみろよと思われるでしょうが、以前【Painter X】の体験版をDLして一度も使わないまま使用期限が過ぎた事があるのです( ̄^ ̄) エッヘン体験版は落しても体験しないのがウチの家訓です(*゚□゚)ノ☆)`ν゚)・;'.、クハッ!!
2008/08/11

区切りが悪かったので、下記の部分を月ノ章 0-04【双子】下に追記します。・・・・・・・・・・・・・・・・・・『†Princesse du sang†』月ノ章 0-04【双子】下―ミュークSIDE― 「とんでもねえな屍族ってのは・・・そんな事まで出来るものなのか?」 ウェイトは感嘆の声を洩らす。その問いにミュークは曖昧な色を双眸に燈すと、 「あれは屍族が持つ本来の“力”ではない。 どちらかといえば・・・そう・・・」 そこまでいって言葉を濁らせるミューク。 覚醒した屍族が得られる“力”とは、生きとし生けるものが持つ感覚機能や身体能力を増強したものだ。ああいった特異な力は、寧ろ大屍族22家に伝わる“渇きの力”と呼ばれるものであった。 「それよりも、屍族に手を貸しても構わぬのか?」 唐突に話題の矛先を自らに向けられウェイトは驚いて様な顔を見せた 「ん?・・・ああ、こちとら教会に義理だてる必要なんてない。 相手が誰だろうと構わんさ。 それに代金は前払いで貰っている。 それ以上の事を考えるのは性分じゃない」 だが、すぐにその分厚い唇をざらついた舌でぺろりと舐めると笑ってみせる。 「それに、俺は屍族が嫌いだが、人を生まれや見掛けだけで判断する奴はもっと嫌いだ」 「技術屋は変人が多いからね♪」 離れた場所からユイの鋭い指摘が入る。 ミュークもウェイトの人となりをそのように推測したからこそ素顔を晒したのだ。 外衣で姿を隠すよりも、偽りの無く接した方が有益であると判断したのだろう。 「ミューク様・・・」 「殺してはダメじゃぞ」 ずっと沈黙を貫いていたルムが珍しく口を開いたので、速攻で釘を刺すミューク。続く言葉が単調過ぎる。ウェイトの“屍族が嫌いだ”という部分に反応したのだろう。 ―――ギコ・・・ギコ・・・ズゴゴドドドォォン! 「「「!?」」」 歯車のようなものが軋む音、そして突然の轟音。 その場に居た者全ての視線が一斉に爆音の発生源に集中する。 ワイバーンの内燃機関から鈍い起動音が生じる。後部に突出した噴気孔から黒煙が吐き出されていた。 続いて胴体左右のプロペラがゆっくりと回りだす。風を切る音が周囲に響き――― ―――ガコ 舟艇に頭部を強打されて、もんどりうって崩れ落ちるウェイト。 「ミューク様~~~~早く乗ってください~~~ひわぁぁぁ!!」 レムの悲鳴のような泣き声を伴いつつワイバーンは滑るように低空滑走を始めた。 遠ざかる悲鳴を無視するわけにもいかず、ミュークとルムは入口とは反対側、後方の暗闇へと加速する小型飛空挺を慌てて追走する。 だが、加速を続けるワイバーンとの距離は次第に引き離されつつあった。 「(追いつけぬか・・・)」 ミュークが胸中で歯噛みした瞬間、 疾走するミュークの脇を小さな影が走り抜ける。それはミュークよりも離れた位置から飛空挺の後を追ったルムであった。 あまりにも、あからさまにその身体能力の差を見せつけられ、ミュークは戦慄した。自分は覚醒した屍族、しかもエルダーに名を列ねるほど大屍族である。確かにミュークの覚醒系統は純然たる肉体強化ではない。だが、覚醒した屍族の身体能力は通常の人間と比べ物にならぬほど優れたものである。それをあっさり上回るルムは、やはり特殊な存在であると思わざるを得ない。しかも覚醒後に得られる屍族の“力”とはまず、その“力”の大きさに応じ基本的な肉体強化が齎される。その後、腕力や脚力、視力や聴覚などひとつの“力”に絞り突出・発現変化し各々の個性を得る。ルムのように身体能力全般に突出することは通常ではありえない。しかもルムは覚醒していないのである。 ―――ズガッシャ~~ン・・・バリバリ・・・ビシ ワイバーンが施設の奥壁を突き破るのと、ルムが金属製の横木に手をかけるのはほぼ同時だった。 運が良いのか悪いのか、遥か下方にリザロス湾。 宙に浮いたミュークの身体をルムの細腕が力強く掴みこむ。 ミューク達はそのまま空の人となっていた。==============================================================※推敲はフリーページ内で行ないます。ちょっと追加するつもりが思ったより長くなってしまい、普通に投稿(汗==============================================================ついでに・・・月ノ章 0-03【双子】上【追記/集積場の描写】 特殊な金属で覆われた外壁は、急激な高熱に晒されたように溶け、あるいは崩れ本来の形体を辛うじて維持していた。
2008/08/10

・・・・・・・・・・・・・・・・・・『†Princesse du sang†』月ノ章 0-04【双子】下―ミュークSIDE― ―――くいっ 奥へ続く鉄扉へと歩を進めていると、不意に外衣の袖口を引かれる。 「ミューク様、アレ欲しい・・・」 そう言ってルムが指差す先には、据え置き式の大型弩砲。所謂、攻城兵器という奴である。 「・・・あれを何に使うつもりじゃ? ルム」 歩みを止め多少引き攣った声をだすミューク。本来ここは何に使うかより、どのように持ち運ぶかと尋ねたいところだ。なにせ小柄なルムの身の丈と比べると優に3倍以上もある。だが、この怪力娘なら片手で扱う恐れがあった。ミュークがそちら側の問いを選ばなかったのも、疑問を即座に体現されて安易に悩みの種を増やすのを避けるためだったのだろう。 「・・・狩り」 対象が不明なだけに物騒である。 「そ、そうか・・・じゃがアレは売り物ではないようじゃ。 次の機会にじゃな」 ルムは名残惜しそうに、今度は破城槌を見つめている。少し可哀そうに思えたが、ミュークは素知らぬ振りをし続けた。 「さて、無駄話はここまでじゃ」 扉を抜けるとそこは修繕船用の船渠となっていた。渠底を横断するように敷かれたレールは奥の暗闇へと続いている。そして、それは中央の台車の上に鎮座していた。 ―――小型飛空挺ワイバーン 身近で見るとまさに飛竜の如き美しさと風格を称えている。胴体部分から突き出た主脚には車輪ではなく、4本の鉤爪のようなものが付随していた。見上げると、操舵室の床にある昇降口が大きく口を開けている。開閉式の扉には金属製の足がかりが掛かっているようだ。 「理論上はこれで大丈夫な筈だが・・・」 「・・・動かしてみないと流石にわからないよ。 当時のままに復元するのは今では不可能だしね」 中から話し声が聞こえてくる。 どうやら操舵室に誰かがいるようだった。 ミュークがそっとレムに目配せをする。 「すいませーん、何方かいらっしゃいますか~?」 ミュークの意を素早く理解したレムが頭上を見上げ中に呼びかける。 一呼吸置いて開いたままの昇降口からひょこっと少女の頭部が現れた。重力に引かれた短めの銀髪がさらりと流れでる。大きな瞳を2、3度ぱちくりさせると、 「ウェイト伯父さま。誰か来たみたいだよー」 その声に応えるように、ひとりの男がじゃらじゃらと腰に括りつけた工具を揺らしながら足がかりを伝い降りてくる。ウェイトとは恐らくこの男の事だろう。 「なんのようだ? 借金の取立てなら間に合っているぞ」 ぼりぼりと頭髪を掻き毟りながら、その赤らんだ強面をミューク達に向ける。 「と、言いたいところだが・・・どうやら別口のようだな」 男は屈強な体躯を左右に揺らしながら無造作に歩み寄る。ミュークの顔に息がかかるほど顔を近づける。かなり酒臭い。 「俺はウェイト=ドライデン。 ここの技師長みたいなものだ。 それでなんのようだ?」 「この“ワイバーン”を受け取りに来た」 ミュークは麻布の外衣を脱ぎ落し、その素顔を晒す。 男の瞳に射抜くような眼光が宿る。 「わぉ! 屍族なんて初めてみたよ♪ でも、この飛空挺の持ち主ってゴルダさんじゃなかった?」 双方の緊張を解すような声。先程の少女が、“ワイバーン”の折畳まれた左翼部分に器用に飛び乗ると、緩やかな曲線を描く翼を滑り降りてくる。 「ユイ・・・何度言ったらわかるんだ。 飛空挺の翼は滑り台じゃないんだぞ」 「柔軟性と強度の確認だよ。 これぐらいで壊れてたら空なんて絶対に飛べないよ♪ それにこうやって直に触れ合わないとお互いの気持ちは通じ合わないんだよ」 ユイと呼ばれた少女はウェイトの言葉を軽く受け流すと、飛空挺に頬ずりをしている。レムやルムと同じぐらいの年齢だろうか。とても利発そうな娘に見える。少なくとも舟艇に頬ずりするまではそう思えた・・・ ミュークはゴルダから掠め取った競売落札者としての登記済証を提示する。 「どうやら依頼人が代わったらしいな。 だが引渡しの日取りはまだ先の筈だぞ」 釈然としないのかウェイトの言葉には棘があった。 「すまぬな、至急に入用なのじゃ。 飛空挺の整備にはまだ時間がかかりそうなのかの?」 「んふふ~♪ あとは試運転をして細かい調整をするだけだよ」 満面の笑みでミュークの質問に首を突っ込んでくるユイ。 なぜか、その小さな身体を嬉しそうにクネクネさせている。 「そこで、わたしが試乗飛行をする運びとなっていたのです♪ この旧時代然とした優美さと無骨さを融合させた独創的なフォルム。 積み込まれた軽量型内燃機関が奏でる熱と蒸気のハーモニーがわたしを呼んでいるの♪」 「なってないし、きっと気のせいだ。 それにユイ、そろそろ帰らないと大騒ぎになるぞ。 どうせまた無断で抜け出してきたのだろう?」 「べっーだ!!」 冷たく否定されたユイは子供っぽく舌をだす。 「ご覧のとおり、ここにはこれを扱える人間が皆無なんでね。 理論的に理解できても実演飛行できるかどうかとはまったく別物だ。 自慢じゃないが、本格的なロストテクノロジーを宿したシロモノがこんな潜りの整備屋に回ってくるのも初めてのことだからな。 ゴルダの野郎が金ケチった結果だな。 俺ならもっと設備や環境がしっかりした場所に頼むがね」 本当に自慢にならないことを得意気に語るウェイト。 「ごほんっ・・・」 ミュークはわざとらしく空咳をひとつする。 「あの娘では駄目なのかや?」 そして、倒れたドラム缶を爪先で突きながらいじけているユイを見やる。視線が出会うと片目を閉じてウインクしてきた。 「ああ・・・ユイなら或いは・・とは思うが、なにせ聖剣戦争時代の遺物だ。 もしもの事があると敵わないからな・・・それにユイは公国が発行する操縦資格を持っていない」 「あ、あの・・・操縦法が記された書物などはないのですか?」 レムが遠慮がちに意見を述べる。 「あるにはあるが、一日やそこらの付け焼刃でどうにかなるものじゃないぞ。 それにこれは遺跡で発見された原文だ。 古代語で書かれているが・・・まぁ、あんたら屍族には要らぬ心配か」 ウェイトは腰に挟まれた分厚い洋紙皮の束の内のひとつを投げてよこす。皮紐の封を手早く解くと虫食いだらけの紙面が広がる。それをぱらぱらと捲り目を走らせるレム。煤けた古書特有の匂いが鼻腔を擽る。 「どうじゃレム?」 「はい、破損していた部分もありましたがとりあえず記憶しました。 合理的に理論立てた文書でとても判り易かったです。 あとは操舵室で情報の統合を図りたいと思います」 事も無げに言ってのける。しかし、その顔は僅かに上気していた。レム自身、見知らぬ知識に触れたのが嬉しかったのだろう。 「ちょ、ちょっと待て!? 覚えちまったって冗談だろ? 素人がそうそう理解できるはず・・・」 「レムは一度見聞きした全てを記憶出来る特異体質じゃ。 勿論、ただ覚えるのと理解するのとでは全く別物じゃがな」 逆に理解できない感情や、法則性の無い知識には脆弱な一面を見せるがの―――ミュークは心中でそうつけ加えた。==============================================================※推敲はフリーページ内で行ないます。最近、集中力が持続しません・・・今回も推敲し甲斐のある文章となりましたorz==============================================================
2008/08/07

・・・・・・・・・・・・・・・・・・『†Princesse du sang†』月ノ章 0-03【双子】上―ミュークSIDE― ロストシティーには常夜灯が設置されていない為、周囲は未だ薄暗い。 ここ貧民区は昼と夜とでは全く別の顔を見せる場所だ。昼は物乞いやその日暮をする貧困層の街であり。夜は犯罪者やゴルダのような闇商人たちが主な活動拠点とする暗黒街となる。その狭間、夜の帳が解けるこの時間帯は、比較的平穏な空間だといえるのかもしれない。 ミュークは双子を伴い素顔を晒したままで歩を進めていた。屍族と人間とでは外見的に大きな違いは無い。屍族特有の先天性白皮症も、それひとつで屍族だと決めつけるには事足りないからだ。アルビノのもう一つの特徴でもある紅眼は、“力”を行使する際に変色するのみで通常は確かめる術がない。そういった意味ではミュークのように生来の紅眼の持ち主は屍族だと判別され易いのかもしれなかった。しかし、それを差し引いてもその肉体の奥に眠っている幽鬼の力は、対峙する人間の魂に鬼気となって纏わりついてくる。多少感性に優れた者ならば近づいただけでソレと気づくほどだ。疎らに見える人影も、その姿を確認すると慌てたように足音を遠ざけていく。屍族と係わり合いになる事を極力さけたいのだろう。 暫くすると、貧民区の中心部にさしかかる。その間、更に幾人かの人間とすれ違ったが、皆、視線を逸らすだけで騒ぎたてる者はいなかった。 ミューク達の目の前には、“ヘブンズ・ゼロ”と名づけられた遺跡が広がっていた。聖剣戦争時に使用された空中都市の残骸である。廃墟となった遺跡には朝露に濡れた雑草が無造作に生い茂っていた。既にアダマストル公国調査団の検証・査察対象から除外されて久しい場所である。その後も盗掘の憂き目に晒され続け、現在では考古学的価値には乏しい遺跡である。だが、今でも稀にロストテクノロジーの断片が見つかる事があった。それはロストシティーに住む人々にとって数少ない収入源のひとつである。陽が昇れば、貧民区に住む子供たちが市に並べる為のガラクタを収拾する為に駆け回る事だろう。 廃墟の高台に登ると、朝靄に包まれた世界から、生まれたばかりの微光が露出した肌を刺激した。 ミュークは赤らみはじめたリザロス湾を遠く眺める。 夜と朝、そして昼と夜とを繋ぐ時間。その僅かな隙間にだけ存在する茜色の時。屍族である身体が陽の光を浴びる事を許される狭間の時。 「(・・・母様、このようなものに如何ほどの価値があるというのか?)」 ミュークの抱く感慨は、彼女自身が生きる指標となりえる事はなかったが、その答えを見つけだすことが母の抱いた想いを知りえる最期の手段だと信じていた。 「ミューク様、散乱光といえどあまり長い間、陽の下に御身を晒させてはお体に障ります」 ミュークは肩上で短く切り揃えられた栗色の髪を気だるげに掻き揚げる。その所作はミュークが思考の檻に閉じ篭る前のクセであった。 「ミューク様、聞こえておられますか?」 「・・・ん? ああ、そうじゃな・・・わかっておるよ」 再度、レムに促されミュークは両肩のついた大きめの頭巾を被りなおした。 双子も、主人に倣うように纏った長衣でその小さな身体を隠す。 元来、中級以上の屍族が、太陽の光を浴びた程度で命を落とすことはない。だが、屍族は例外なく、遺伝性の光線過敏症をその身に宿している。長時間被照状態にあれば、射部に水疱、膨疹、丘疹、紅斑などの火傷にも似た皮膚症状が現れる。 主人を護る事を、自らの命題と課したこの双子が、必要以上に過敏になるのは致し方ないのかもしれない。 ふたりの碧眼の奥底には、常にミュークに対する絶対の忠誠と信頼の色が宿っていた。 ミュークはこの双子をある人物から託されて以来、ずっと行動を共にしている。ふたりとも屍族としては100年も生きていない若輩の存在ではあるが、彼女はこの双子を高く評価していた。 レムの真っ直ぐな心理眼、ルムの的確な真理眼は既に数百年生きた屍族にも劣らぬものだとミュークは考えている。彼女の親愛感にも似たその感情は双子にも伝わっているようだ。いつの頃からかレムとルムはミュークの“屍血姫”となることを自ら望むようになっていた。それはミューク自身がエルダーの象徴とも云える“屍血姫”を未だ傍らに置かずにいる事を別の意味で誤解させているのかもしれない。 “屍血姫”とはエルダーと称される大屍族に永遠の忠誠と隷属を誓う下僕である。 その存在は定められた役割と授かった“力”によって大きく2つに分けられている。ひとつは、主人の剣となるべき存在。それは“屍姫(屍鬼)”と呼ばれ、太古の契約により半恒久的な生命を得た不死者の従僕である。もう一方は、主人の欲望を満たすべくその身を捧げる存在。それは“血姫(血鬼)”と呼ばれ、自らの血を捧げる呪約と共に不老を得た従僕である。 無論、エルダーから寵愛を授かるような屍族でなければ、屍血姫として選ばれることはない。そこには大概において主従関係以上の想いが存在していた。しかし、傍から見ればエルダーと屍血姫の関係は隷属関係のソレである。 ミューク自身、二人のそういった想いは嬉しくあり、同時に歯痒くもあった。大事な預かりものであるこの双子に永遠の隷属を誓わせるわけにもいかなかったからだ。故に双子の想いにも敢て気づかない振りを続けていた。 「ミューク様、あれでしょうか?」 レムが指し示す先には半壊したまま放置された半円球の建築物があった。 適度に擬態化されてはいたが、ゴルダから聞き出した通りに地下へと続く階段もすぐにみつかる。下層に辿り着くと金属が擦れ合う甲高い音が鼓膜を震わせる。遅れて充満した熱気が全身を包み込んだ。天井を渡っている主動軸の滑車から幾本もの鎖が垂れ下り、周囲には攻城兵器から帆船の船殻部品、果ては材質すら見当がつかないような奇妙な破片などが乱雑に積み上げられている。 ここは空中都市の残骸を利用して造られた廃棄場である。そして、今では修理することが困難とされるロストテクノロジーを凝らした燃焼機関を修復・修繕する事が可能な施設でもある。無論、非合法である。本来、公国に所有権があるこの遺跡から採取された発掘品を回収し、修復作業を行なっているのだから当たり前ではある。 注意深く目を凝らすと、内部では数人の技師が作業をしているようだった。皆、足首から首元までを土色のつなぎで覆い隠した服装である。 「ここにゴルダという男が競り落とした小型飛空挺があると聞いてきたのじゃが、何か知らぬか?」 ミュークはその内の一人に歩み寄ると、多少声を荒げて手短に用件を伝える。 しかし、男はまったく応える様子が無い。黙々と吊り下げられたフックに固定された歯車どうしの間に紙を挟んで間隔を調整していた。 ミュークが呆れたように肩をすくめるとほぼ同時に、男は無言で片手を曲げ親指だけで奥の扉を指す。 「そうか、悪かったの仕事のじゃまをしてしまったようじゃ」 他者に干渉されるのがよほど嫌いなのか、仕事熱心なのかは分からないが、男は再び作業に戻る。この間一度もミュークの方を見向きもしなかった。 「ミューク様・・・コレ殺す?」 ルムがいつの間にか男の背後に回りこみ物騒な進言する。 「その必要は無いじゃろうな」 屍族に一般常識を問うのもどうかとは思う。が、世の道理といったものが欠けすぎているのも考えものだった。 だが、常識をいう観点から話をするのなら目の前の男もかなり変わっている。今のやりとりも恐らく聞こえている筈だが、男はそれでも動じる事はなかった。冗談だと受け取っているのか、ただ単に興味が無いのかは不明ではあるが・・・ ふと、レムの事が気になり背後を顧みる。彼は物珍しげに周囲を見渡していた。この玩具箱をひっくり返したようなガラクタの群れに、大いに興味をそそられているようである。 ミュークはレムの後頭部をその好奇心ごと引っ掴むと手元に引き寄せた。 「玩具が欲しかったのならお姉さまにお願いすればよい♪」 「ぼっ、僕はもう子供じゃありませんっ! そ、その多少の知的好奇心が湧いただけです!!」 むきになって否定する所がまだまだ子供である。未だ屍族として本来の“力”に覚醒していないレムとルムは、その外見通りの年月しか年齢を重ねていない。 「それにミューク様がお若いのは見た目だけで、もうお姉さまという年齢では・・・」 ―――ぼぐっ 「屍族をその見た目で推し量るのは愚かな事じゃ。が、女性にお世辞のひとつも言えぬようでは大人とは云えぬな」 頭を抑えて呻いているレムに青筋を浮かべながら反論、いや説法する。 屍族の年齢の重ね方は独特なものである。その力に覚醒するまでは通常の人間と同じように年をとる。しかし、一度“力”に覚醒すると、その大きさに反比例した成長速度を辿ることになる。ようするに巨大な力に覚醒した屍族ほど身体の成長速度が遅れるのである。 幼い頃に巨大な“力”に目覚めた屍族は何千年もの間、子供のままの姿であった者もいたという。本来、覚醒前の屍族は同世代の人間と大差のない身体能力しか持ち合わせてはいない。だが双子の持つ“力”は明らかに異質なモノだった。それにはこの双子の出生が深く関係しているとミュークは推測していた。ふたりの育ての親であった人物もその事に関してだけは堅く口を噤んでいたからだ。しかし、当時のミュークは些細な事と切り捨てて、無理に聞きだそうと考えてはいなかった。==============================================================※推敲はフリーページ内で行ないます。睡魔が臨界点を突破しましたm(* ̄~ ̄)moOO==============================================================
2008/08/03
============================================================光ノ章 【全般】【改稿/巫女姫→聖女】※敬称がごちゃごちゃしていたので聖女で統一致しました。それに伴い、大神楽を大祭壇へと変更============================================================月ノ章 0-02~03【闇商】【改稿/ワイバーン】プロペラの位置を両脇に変更。【追加/取引時の会話etc】 「さて、お主が飛空挺を所持していないという確かな証拠がここにあるわけじゃが・・・」 ミュークは悪戯気に目を細める。 「わちきらだけで調べるにはちと量が多すぎるようじゃな。 街の住人にも手伝ってもらうとしようかの?」============================================================【P.S.】そろそろ小説モドキの正式タイトルを考えないといけません。【†Princesse du sang†】も【†Curse of blood†】も副題で正式名称はまだ決まっておりません┃電柱┃∀`)副題が英字なので、主題は漢字で書くのがバランス的に良い気がします。漢字だったら一文字か二文字ぐらいでビシッと決めたいですね。それにしても、一番最初に書き始めたラグナウェル篇が諸々の事情もあり未だに公開できない(汗
2008/08/02
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