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2007年01月20日
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カテゴリ: ウマく行く恋愛術
(06・5・10から連載中)

●紀さんは、最近帰宅時間が早くなりました。

家に入って来た仔猫を“みぃ”と名付けて一緒に暮らし始めた為に心境や立場の変化から毎晩遊び回っていた“不良主婦仲間”達とのお付き合いが遠のいたのです。

●紀「ただいまー!!」

みぃ「にゃーにゃー」(←力いっぱい、鳴いている)

●紀「全く、あんたがいると思うと家を留守に出来ないわ!!」

※何故、人間は「子供・ペット・老人」を大切な存在として来たのでしょう。

それは、“その存在から必要とされ=その存在を必要とする”からです。

azareaが、最もヒトを愛したのは亡き祖母が倒れて寝たきりになった時でした。

●紀「あーあー。あんたのせいで、考える事が増えちゃったわ!!」

※「子供・ペット・老人」は、面倒を“看る”存在です。

その視点が、ヒトの目を近視眼から広く高いものへまた深く低いものへ 自在に変えさせるのです。

●紀さんは、“みぃ”の安全や飼育を通じてその基点を学びました。

不平不満を言いながら、彼女は“みぃ”と話す習慣に拠り知らないうちに“精神的なケア”を得ていました。

買い込んだペット用品を整理していると、携帯電話が鳴りました。
出てみると、☆子さんでした。

☆子「下りてくれば!!」

相変わらず、“オドモ”の☆子さんは自分の要求だけ告げて一方的に切りました。

●紀「・・・」

彼女が、団地群の外に出るとタクシーが停車しています。
☆子さんは、近所の買いものにもタクシーを呼ぶ生活を誇示していました。

☆子「あははー。やっぱ、◎屋さんに逃げられたってぇ。あの美容院に、いないじゃない!!」

※“似非フェミニズム”に染まり切っていた以前の●紀さんなら、悔しさからすぐに反論したでしょう。

そして、彼女に“勝つ”為に焦燥感に駆られて強迫観念的に“次の恋”を探していました。

でも、もう●紀さんは疲れ果てていたのです。

●紀「そうよ。私、夫とは離婚したし◎屋さんとも別れたから」

※実は、この様に“事実をありのままに認め、受け入れる”姿勢は論理のすり替えの繰り返しで成り立っている“似非理論”を自然に透過してしまうのです。

☆子「これ、あげるー」

彼女は、半開きにしたタクシードアの隙間から何やら投げ捨てました。

それは、☆子さんに中毒症状を起こさせているあの“薬”でした。

☆子「1錠飲めば、別人みたいに元気になるわよぉ。高いんだから、私に感謝しなさいねー」

タクシーは、排気ガスを吹かして去りました。

●紀さんは、箱にも入っておらず説明書も無い“薬”に戸惑いながらテーブルに置きました。

●紀「そう言えば、私・・・元気は無いけど・・・」

彼女が、コップにお水を汲もうとした時今度は部屋の扉がノックされました。

●紀「はぁい。あ!!」

●紀さんの夫が、立っていました。

たった数日間逢わなかっただけなのに、もう100年も経った気がしました。

●紀の夫「まだ、引っ越して無かったんだな。荷物を、取りに来たよ」

●紀「そう。ゴルフ・バック?カメラ?」

●紀さんの夫は、無言で彼女をすり抜けるとつかつかと奥の箪笥部屋に向かいました。

そして、彼が抱えようとしたのはあの“おもちゃのお家”だったのです。

●紀「そ、それは駄目ぇぇぇぇぇ!!」

●紀さんの夫「!!」

●紀さんは、夫の腕にしがみ付くと声にならない声を発しました。

●紀「それは・・・それは・・・あなたの思い出に・・・」

●紀さんの夫「●紀!!ど、どうしたって言うんだ」

彼女は、へなへなと畳の上に崩れ落ちました。

“似非フェミニズム”に動かされていた頃なら、夫と向き合えば“言い返したり言い負かす”ばかりに集中していた彼女が言葉も無く泣き声よりも小さな呻き声をしゃくりあげています。

●紀さんの夫「・・・」

●紀さんの夫は、困惑しながらふとキッチンの周辺に気配を感じて目線を動かしました。

みぃ「にゃーにゃー」(←力いっぱい、鳴いている)

●紀さんの夫「あれ、猫だ」

●紀「ひっく・・・ひっく・・・そうなの。“みぃ”って呼んで、最近飼ってるのよ・・・」

元々、動物が大好きな彼は喜んで飛び付きました。
と、思ったら飛び退きました(爆)

●紀さんの夫「大変だ!!こいつ、吐いてるぞ!!お前の“薬”の上が、ぐちゃぐちゃだー」

●紀「ええ!!」

●紀さんの夫「うわぁ!!き、汚ったないぃ!!」(←ちっこい仔猫は、自分の身体よりでっかい大ゲロを吐く事がある)

●紀さんの夫は、無言でせかせかと汚物がかかっていた“薬”も一緒に棄ててしまいました。

そして、勝手知ったる元自宅の引き出しから除菌クリーナーを出すとテーブルを拭きました。

●紀さんも、その慌しい背中を静かに見つめていました。

●紀さんの夫「この団地って、こんな動物なんか絶対に絶対にご法度だったろー!!」

みぃ「にゃーにゃー」(←周囲とは無関係に、めいっぱい鳴いている)

●紀「そうなの。でも、1回えさをあげたらもう出て行けって言えなくなっちゃった」

みぃ「にゃーにゃー」(←何等かの主張)

●紀さんとその(元)夫は、久しぶりにお互いの心が通い合う“会話”を感じました。

※azareaが“似非フェミニズム”に反対するのは、その何処にも愛が無いからです。
愛は、相手を“打ち負かす”ものではありません。

●紀さんの夫「とにかく、動物病院に連れて行くよ。君も、来るか」

●紀「ええ」

みぃ「にゃーにゃー」(←続・何等かの主張)

●紀さんの夫「・・・俺、動物OKな借家を探そうかな。倉庫から、もっと近い場所で」

みぃ「にゃーにゃー」(←やっぱり、力いっぱい鳴き続ける)

●紀「うふふ・・・それは、きっと・・・とっても・・・住み易そうね」

●紀さんは、夫の微笑を夢の様な気持で眺めていました。
彼が、“みぃ”と彼女を労わりで包んだ時どんな男性とのSEXでも得られなかった軽やかな風が彼女を抱き上げました。

多くの鎧に囚われ、あれだけ重かった彼女の心は天使の羽の様に軽くなりました。

この日から、☆子さんが幾ら電話をかけても●紀さんとは不通になりました。

やがて、手作りのリボンで飾って貰った仔猫の“みぃ”と●紀さんは愛する男性に迎えられて団地から出て行きました。




■「好い加減、飯位食えよ!!お前は、馬鹿みたいに一生此処で入院してるつもりかよ!!」

☆「判ってるよ!!こうなったら、食って食ってお前なんか車椅子ごと持ち上げてやるよ!!」

それが、2人の選別の言葉でした(爆)

○美「私達の結婚式には、絶対に会社の寮からいらして下さいね」

☆「す、すみません」

○美「もう、謝らないで。☆君は、★ちゃんの事を考えてあげて」

☆「は、はい」

○美「★ちゃんから、この病院にいらっしゃるってメールを頂いたけれど■の退院が午前中になったの」

☆「はい。○田★さんに、俺からお伝えします」

街に帰った■君が、これからいかに過酷かは想像に難くありません。

でも、遂に彼はただの一言も☆君に“弱み”を見せませんでした。

☆「■。お前は、日本いや世界一の“ええ格好しぃ”だよ。俺も、追い着いてみせるからな」

○美さんも、☆君を殴ったあの日から何か揺るぎ無い空気が漂っていました。

☆「■の妻は、あのヒトしかいない。あいつが言った“赤い糸”ってこれだったんだ」






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最終更新日  2007年01月20日 23時06分50秒
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