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2005年12月13日
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カテゴリ: 楽器関係
ディジュリドゥーと言う楽器の正式名称(先住民的言語)「イダキ」と言います。

5万年の遥か太古から大自然と共生し独自の文化を継承してきたオーストラリア先住民、アボリジニーが神聖な儀式で使用してきた唯一の風笛は世界最古の木管楽器ディジュリドゥーとして欧米では広く知られています。
が、言語や文字を持たなかった先住民族の歴史をどう説明できるでしょうか?
千年前説や万年前説など多々あります。

「イダキ入門講座」
イダキの吹き方には大きく分けて「コンテンポラリー」と「トラディショナル」の2つのタイプがあります。

「コンテンポラリー」スタイルには、デビッド・ハドソンやアラン・ダーゲンなどの一部のアボリジニや、アボリジニ以外の人のほとんどのイダキ・プレイヤーがこのスタイルです。
西洋音楽的な解釈で吹かれている為、一見分りやすく、またトーキングなど派手さもあり、他の楽器とのアンサンブルなどもしやすいので、大抵の人は最初このスタイルにハマってしまいます。

「トラディショナル」スタイルには、

コンテンポラリーに比べあまりにも泥臭く、西洋音楽的な要素では割り切れない部分もあり、聴いても何がなんだか分らないという人がほとんどだと思います。
が、イダキの本当の魅力はそこにあります。
吹き方もコンテンポラリーなものと全く違います。


「循環呼吸演奏法」
イダキを演奏する上で、音を出すことに加え、「循環呼吸法(サーキュラー・ブリージング)」という方法を修得しなければなりません。
「吹きながら鼻から息をして、吹き続け音を途切れさせない」というテクニックです。
が、それほど難しいものではありません。
また「循環呼吸演奏法」自体は、インドネシア・バリ島の竹笛スリンや西洋楽器サックスなどの奏法としても用いられています。(どちらが先行していた等は、煮詰めません。)

1~2ヶ月吹いていれば大抵の人はできるようになりますので、あきらめずに続けてみましょう。超えなければいけない最初のハードルかもしれませんが、越えてしまえばそれほど高くないことがわかります。

「イダキの音が出るメカニズム」
唇を発信源とする指向性を持たないパルス状の振動音が、空洞内を乱反射的に衝突を繰り返しながら楽器先端から噴射されます。

後に様々な倍音が反響したエコーです。
〔エコーが倍音として伝わります〕

これがバロック音楽の通奏低音のように全ての音の塊を支えて豊な響きを現出する効果をあげています。
それらの音を組み合わせた上に、指向性を持つタンギングやコールなどの音声を被せる事により、一人の奏者が一つの楽器で複数の音を出すことができます。
意図的に2度の音程差(ウルフの2度)を出して不協和音を低いコールを使って作りだすテクニックもあります(指向性を持たないコールは、空洞内の低周波の影響を受けることによって、凄まじいヴィヴラートがかかり独特な響きとなる。さらに2度の音程差のウルフ音を意図するとさらに音声が倍増される)。


つまり一つの楽器で複数の音を同時に出すという点ですね。

西洋音楽の世界では、源初より単旋律の時代が続いていました。
記録として遡れる複数の音の使用(和声)は西暦1000年頃、フランスはパリのノートルダム楽派で活躍したレオニーヌス、ペロティヌスらのオルガヌムの技法です。
仮説としてですが、その時代よりはるか昔にイダキのだす音は、和声のような技法を駆使していたかもしれないですね。
しかも、たった一人の奏者が奏でる一つの楽器でです。
「一人の奏者が一つの楽器で、複数の音を同時に出す事ができる」楽器が他にあるでしょうか。
ピアノやオルガンなどの鍵盤楽器がありますが、ピアノの起源は300年、オルガンが2000年ですね。
ハープはキタラという名称で古代ギリシャで使われていた弦楽器。
アウロスと呼ばれる現在の縦笛の先祖も古代ギリシャ時代の楽器ですが、二本の笛を同時に口にくわえて吹くというスタイルです。
その他にバグパイプがありますね。
しかし、鍵盤楽器はともかく、バグパイプもアウロスもオルガンも「複数の管」が、それぞれが違う音を出す構造ですね。
ところが、イダキは「たった一つの管」です。
そのたった一つの管で、ドローン、ホーン、コールといった複数の音声を同時に出し、倍音がバロック時代の通奏低音のように出す事ができます。
バロック通奏低音は、厳格な音の組み合わせが決められているので、その解釈からは通奏低音とはいえないのが事実ですね。
このような低音ベースを作って豊かな響きを築くという概念を、バロック音楽の成立(西暦1500年位)や、単旋律からルネッサンスのポリフォニーを経てここまで到達するまでに1000年ほどかかっていますね。
しかし、イダキはこれらとは全く異なる独自の手法ですが、似通った概念をごく普通にやってのけている文化水準には感服します。

イダキは、即興性が強く、自然発生的な創作性を楽しむ楽器です。
例えば、美しい自然の中に身を浸す時に、自然に湧き上がる何か(?)を、楽器を通じて表現したくなります。
本来、音楽とはそういうものなのでしょうね。
誰でも、美しい自然に身を浸した時などに、何かを傍受するアンテナを兼ね備えているのだと感じる事があります。
その受け取ったモノを、何かで表現したくなるのです。
それは絵画・彫刻・作曲・作詞・演奏・踊りなど・・・誰しもが持ち合わせているものだと思います。そのアンテナやモニターの精度が非常に優れているのが、芸術家と呼ばれる人達かと思います。

美しい自然、或いは大地から湧き上がる生命のエネルギーを感じた時に自然に音楽となる・・・いや、自分の体を通じて、大地が、自然が、音楽を創りだしているような感覚を覚える。

イダキマスターのジャルーは語ります。
「大地がイダキを通して語りかけてくる。それを素直に聞き入れなければならない」
イダキの奏でる音色には、そういう大地からのメッセージを感じさせる何かがある。
まだまだ可能性を秘めた楽器の様に感じます。







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最終更新日  2005年12月13日 10時47分10秒
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