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2006年03月14日
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カテゴリ: 沖縄関係
沖縄の民話「鶴と稲の始まり」

沖縄本島南部に位置する、島尻郡玉城村百名(たまぐすくそんひゃくな)の薮薩(やぶさつ)の浦原海岸に琉球始神「アマミキヨ」が上陸したとされています。
その海岸近くの丘麓に、どんな日照であろうとも清冽な流れが枯れない二つの泉があります。

この二つの泉は、3~4mほど間を置いた石灰の岩の割れ目から溢れ出しています。
一つは、ゆるやかな流れを受ける溝を意味する「受水 (うきんじゅ)」
一方は、水が早く走る溝を意味する「走水(はいんじゅ)」と呼ばれています。

この受水の前には、五坪ほどの小さな田んぼがあり、これを沖縄の稲の発祥の地とされている「三穂田(みーふーだー)」です。

「男神シネリキヨ」と「女神アマミキヨ」は、荒波に漂っていた琉球島を固定して、現在の島の配列にしたと言われています。
その神々の子孫に「アマミツ」がいました。


アマミツは、勧められ食べてみました。
「おぉ、こんなに旨い物を今まで口にしたことがない」
あまりの旨さに、その種を貰おうと願い出ましたが、唐国の人達からは許可はおりませんでした。

アマミツは、落胆しながらも琉球へ戻り、この事を本島中部の伊波城を根城にし、海外交易を盛んに行なう伊波按司に話しました。
伊波按司は中国に渡り、この穀物を食べてみました。
「話しの通り、これは旨い。早速、琉球に持ち帰りたい。この穀物の種を分けてはくれまいか」
と、唐国の人達に頼みました。

ところが、伊波按司を仲間同然に扱っていた唐国の人達も即答で断りました。
「いくらあなたでもこればかりは持たせてやることはできません。この米というものを国外には出してはならぬという掟なので、それが見つかれば大変なことになります」

伊波按司は、どうしてもこの穀物の事を知りたくて、いろいろ調べてみました。
この穀物は「米」と言うもので、水を張った田んぼに稲という植物に実る事を知りました。

しかし、アマミツと同じく見張りが厳しく、稲を持ち出すことはできませんでした。

伊波按司は考えに考えました。
「そうだ。ワシが飼い慣らした鶴を連れてきて、その足に稲をくくり付けて運ぼう」
伊波按司は、琉球に戻り一羽の鶴を連れて、再度唐国に渡りました。
そして、鶴の足に密かに稲を結び付け、琉球へ向けて飛ばしました。

が、なかなか戻ってきませんでした。
しかも、強い北風が吹き始めました。
「こんなに強い北風が吹いては、ここまで飛んで来るのも大変だ。南の玉城村か知念村辺りで羽を休めているにちがいない」
伊波按司は、アマミツと相談して百名の伊波井戸(ガー)の上方に見張所を建てて、鶴の捜索をしましたが、いくら捜しても鶴は発見できませんでした。
伊波按司は、疲れ果てて伊波城に帰りました。
それでもアマミツは、諦める事ができず、探し回っていると、受水走水に近い「新原海岸(みーばるかいがん)」の西方の米地(めーし)のカラオカハの泉(現在の浜川御嶽:はまかわうたき)でとうとう鶴の死骸を見つけました。
よく見ると、その鶴の死骸の側には、三本の稲の苗が芽を出していました。
アマミツは、その苗を取って、受水の前の狭い田にそれを植えました。
田に実った稲穂は三本だったので、その田は三穂田(みーふーだー)と呼ばれるようになりました。
こうして、稲はだんだんと琉球に広がり、とうとう国中に広まったということです。

近年まで、三穂田の田植えの時には、
農夫たちは頭上にミチジという団子を乗せ、
酒と花米を供え、
礼拝してから田植えを始め、
田植えが終わると、アマエーダという神歌を歌いました。

稲種を運んだ鶴の骨は、玉城殿内(たままぐすくどぅんち)で崇めていましたが、後に伊波按司のもとに引き取られ、現在でも伊波の仲門(なかじょう)家に所蔵されているということです。

伊波按司が見張りをした場所の下の井戸を伊波ガーと言い、戦前まで百名の大半の村人たちの飲料水として使用していたということです。






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最終更新日  2006年03月14日 08時11分41秒
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