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2025.03.19
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最近はふわっちという配信サイトで活動している女性がライブ配信中に殺害される事件が起きた。被害者は「バイト先に財布を忘れて手持ちがない」とかの理由で消費者金融での金の借り方まで指南して度々容疑者に金の無心をしながらフィアンセと旅行したりして豪奢な生活をアピールする一方で、容疑者は家賃3万円のところに住んで貯金を取り崩しただけでなくて消費者金融に借金して総額250万円を貸しても返済されなくて、貸金返還請求訴訟で勝訴しても相変わらず返済されなくて生活できないから1万円だけでも返してほしいというDMも無視されて、怒って殺害に至ったようである。この事件以外にも借金が原因の殺人事件は度々起きているので、借金について考えることにした。

●借金とは何か

借金とは金を借りることで、借りた金に利息をつけて返す必要がある。個人の借金は貸す側や借りる側にいろいろ制限があって、事業として継続的に貸金業をするには国か都道府県知事への登録が必要で、貸金業法では総量規制があって借り入れ残高が個人の年収の1/3を超える場合は新規の借り入れができなくて、金利は借入金額に応じて15-20%の上限がある。事業ではない個人間の借金でも利息をつけるのは違法ではないけれど、利息制限法を超える利息は禁止されている。
企業の資金調達だと借入や社債発行などのデットファイナンス、自社ビルとかの不動産を担保にしたアセットファイナンス、新株発行によるエクイティファイナンスがあるけれど、零細企業だと担保になるほどの資産がないし無名の会社が社債を発行しても買う人がいないので、銀行からの融資やビジネスローンによる借入が主な資金調達方法になる。法人へのビジネスローンは総量規制の対象にならないので、上限なしに借りることができる。
日本で銀行ができたのは明治時代だけれど貸金業はそれ以前に存在していたようで、​ WEBアステイオンの記事 ​によると、1691年には三井グループの元祖の三井高利が開設した三井大坂両替店があって、顧客から借入の申し込みがあると信用調査をして人柄を調べて、浪費癖や遊び癖がある人には貸付しなかったそうな。

●良い借金と悪い借金

無料と支出について考える ​という記事で考えたけれど、日本人はゼロリスク信仰が強くてリスクが少ない貯蓄をしたがって、リスクがある借金をしたがらない。しかし借金には良い借金もある。
投資ではレバレッジをかけるほうが投資効率が良いので、借金の金利以上の利益が出る見込みがある投資のために借金をする場合は貸した側も借りた側も双方が得をするので良い借金と言える。例えば新しい発明をした研究者が1億円かけて設備投資したら3年後に10億円の利益が出る見込みがある場合、何十年も働いて自己資金で1億円貯めてから起業するのでは他社に先に製品化されて先行者利益が出る時期を逃しかねない。その場合は初期費用を借金で調達して事業化を急ぐほうがよいし、金利が低いならなおさら金を借りる方がよい。
クレジットカードは全く使わないでいるより、一括払いで普段の買い物や水道光熱費の支払いで使ってちゃんと期日に支払いをすることでクレジットヒストリーを積み重ねいくと、将来車や家とかの高額な買い物をローンで払うときに信用情報の審査に有利になるので良い借金と言える。一括払いなら手数料や金利はかからないし、すぐに払うかあとで口座から引き落とすかの違いでしかないので、口座の残高を把握して余裕をもって使えばデメリットはない。
成績がいい高校生が学費がなくて進学できない場合は、奨学金を借りて一流大学に進学して大企業に就職したり、教員とかの大卒でないと資格をとれないような仕事に就職すれば十分返済できるし社会の役にも立つので良い借金と言える。ただし高卒と大卒であまり収入が変わらない仕事に就く場合は若くて収入が少ない時期に奨学金の返済もしないといけなくて生活が大変になるので、就職先の希望がないまま就職率が悪い大学に奨学金を借りてまで進学するのは投資効率が悪い借金の仕方である。
ローンで家を建てる時はライフステージに合わせてQOLが上がったり、将来離婚や転勤や介護とかで家を売って引っ越す場合のリセールバリューが維持できる場合は良い借金と言える。リセールバリューが低くなるような個人的な趣味にこだわったデザインをして、高齢になるまでローンの返済を続けないといけなくて住み替えることを想定していないような返済プランを組むのは不動産投資としては筋が悪いやり方である。
会社の同僚とご飯を食べに行ったときに財布を忘れたのに気付いて一時的に建て替えてもらったり、貯金がない状態で交通違反をして罰金を払わないといけなくなって借金をしたり、避妊せずにエッチして望まない妊娠をしてしまって中絶費用を借りたりするようなミスに起因する借金は本来はやる必要がない借金で、周囲に迷惑をかけて誰も得をしないので悪い借金といえる。

●個人間の金の貸し借りが殺人に至る理由

銀行や消費者金融とかのビジネスとして金貸しをやっている人たちは、客が借りた金を返さないからといって相手を殺したりはしないし、客が金を返さなくても損害が小さくて済むようなビジネスモデルになっている。例えば銀行の住宅ローンだと家を担保にすることを条件にして金を貸して、客が金を返せなくなったら代わりに家の権利を手に入れて家を売ることで回収する。事業者への融資では連帯保証人をつけることを条件にして金を貸して、金を貸した社長が夜逃げしても連帯保証人から回収する。消費者金融は担保や保証人がいらなくてすぐに借りれるぶん金利が高くて、少しの客が返済できなくなっても他の大勢の客から利益を得ているし、客もちゃんと返済しないと信用情報に記録されてクレジットカードを持てなくなったり他の金融機関で金を借りにくくなったりするデメリットがあるのでちゃんと返済しようとする。
ところが個人間の貸し借りだと、金利で利益を得ることが目的でないので、そのぶん信頼とかの他の見返りを求めるようになって、それが満たされないと恨みに変わる。それに担保も取らないし、口約束で貸して借用書を作らなかったり返済期限を決めなかったりするし、引っ越して電話やメールをブロックして行方をくらましても金融機関の信用情報への悪影響もないので、貸した側が金を回収しにくい。それを見越したうえで消費者金融で金を借りずに知り合いに無心して返済期限を延ばしたり借金を踏み倒そうとしたりする人もいるけれど、少しでも返せば返済するつもりがあったとみなされて詐欺になりにくいので悪意があっても司法が罰しにくい。契約に基づいて利息目的で金を貸し借りするドライな関係よりも利益が目的でないほうがこじれたときが厄介で、返済の約束を無視されると自分を蔑ろにされたという怒りが湧いて殺意に変わる。兄弟姉妹でさえ遺産相続で揉めるのだから、他人と利害が絡むときには揉めて当然である。借りた金を返さずに信用を無くすと、金融機関だと新規の借り入れを断られるだけだけれど、個人間の借金の場合は返さない場合の恨みがずっと残る。
発達障害や境界知能で頼まれると断れないタイプの人や、自尊心が低くて頼れれるとうれしくなって無理してでも相手に尽くそうとするタイプの人がいて、そういう人に金を貸してと頼めば貸してくれるとしても、相手の負担になっている。相手が断らないからといって社会的弱者の精神的な弱みに付け込んで生活に必要な命金まで奪おうとしたら、相手からの借金の取り立ての仕方も相応に激しくなる。孤独な弱者から金を奪うと、相手はそれ以上失うものがなくなって逮捕や死刑を恐れない無敵の人になってしまうし、司法が罰しないなら自分で罰しようとしてしまうので、金の問題が恨みの問題に変わると命の危険がある。
貸す側と借りる側の収入や金銭感覚が違うと金の重みや信用の重みも違うので、借りる側が感謝するどころかその程度の金くらい貸してくれてもいいだろとか別にすぐに返さなくてもいいだろという横柄な態度でいると人間関係がこじれる。貸す側は返すと言うから信用して金を貸してやったのに返済を無視するなんてひどいやつだと怒ったり、生活を再建するために金を貸してやったのに酒やギャンブルに使われて怒ったりして相手を殺したりする。借りた側が殺人をする場合もあって、生活に苦労しているから金を借りているのに返済を要求するなんてひどい奴だと逆恨みしたり、相手を殺せばもう催促されないで済むと短絡的に考えて貸主を殺したりする。ホストやホステスが親の病気で手術費用が必要だとかで相手への好意や同情に付け込んで嘘をついて借金をした場合は、嘘がばれるとそれまでの相手への愛情が金づるにされたことへの憎しみに変わって刃傷沙汰になる。

●個人間の金の貸し借りはしないほうがよい

・貸す側(借金を頼まれた場合)の注意

そもそも収入がなくて生活費を借りるような人は生活が破綻していたり事業が破綻していたりするので、あとで収入が増えて借りた金を返せるようになる確率が低くてトラブルになりやすい。金を借りたい人はクレジットカードのキャッシングを使ったり消費者金融で借りたりして自己責任で金銭管理をすればいいのに、知人に借金を頼む時点で踏み倒す気満々で、そういう相手に金を貸しても貸す側のメリットがないし、頼めば無利子無期限で貸してくれる相手だとロックオンされたら何度も無心されて次第に金額も大きくなるだろうし、相手が反社会的なサイコパスなら言いなりにできる格下の存在として認定されて金づるにされて保険金をかけられて殺される可能性だってある。金銭的にルーズで金遣いが荒い人は約束を守るとかの他の部分のモラルも低いと思われるので、なるべく関わらないほうがよい。
金を貸したら返ってこないものだと思って友情の手切れ金代わりにあげるつもりで金を貸すという寛大な人もいるけれど、どうせ友情が終わるのなら最初から断ればいい。相手が金に困っているからといって同情で金を貸したところで相手の生活が立て直せるわけではなくて、仕事がなくて生活ができないなら素直に生活保護を受けるほうがよいし、事業が赤字で黒字になるめどが立たないならもう事業の継続は無理なのでむやみに借金を増やさずに早めに事業を畳んだり自己破産したりするほうがよい。困っている知人を助けたいなら金を貸さずに生活を再建して自立できるように知恵を貸せばよいし、口出しはいらないから金だけ寄越せというような横柄な態度の人とは縁が切れても別に問題ないだろう。
ホストやホステスは客の恋愛感情や同情心を利用して不幸な身の上話で嘘をついて金を借りようとする人がいるけれど、本来サービスの質で金を稼ぐべきところなのにサービス以外で私的に客から金を引き出そうとする奴はプロじゃない。そういうプロ意識が乏しい人に金を貸しても大成しないので、俺がビッグになったら倍にして返すぜとかの言葉を信じて金を貸してはいけない。金持ちの道楽として余ってる金で愛人に店を持たせるとかなら問題ないけれど、貧乏な庶民が水商売のパトロンになろうとしたところで貸した金は恋人とのデートや浪費に使われて金がなくなったら用済みとして縁を切られて借金を踏み倒されることになるだろう。

・借りる側の注意

急に金が必要になる事情があって知人から借りる場合は、貧乏な人から借りずに殺人をしなさそうな金持ちから借りて、必要最低限の額にして、借用書を残していつまでにいくら返済するかプランを明確にして、暴利を取らずに金を貸してくれた相手に感謝と誠意をもって対応してなるべく早く返済するほうがよい。感謝の言葉を言うだけなら無料なのだから、頼みごとをした場合の最低限の礼儀は持つべきである。上記のふわっちの配信者も横柄な態度をとって借金を踏み倒そうとせずに感謝を伝えて少額でも毎月返済していたら殺されることはなかっただろう。
金を借りる相手が金持ちだとしても反社会的勢力と関係があると借金返済のためにタコ部屋や風俗で働くことを強制されたりして望まない仕事をやらざるを得なくなるかもしれないので、相手の仕事や交友関係をちゃんと確認するほうがよい。

●借金とフィクション

シェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』では金貸しのユダヤ人のシャイロックは冷酷非道な悪者として描かれていて、商人のアントーニオがシャイロックに借りた金を返せなくて裁判で契約通りに肉1ポンドを取られることになったけれど血は契約書に書いていないので肉を取るときに血を流してはいけないというとんちでやりこめるようなオチになっている。これは金貸しを禁止するキリスト教が金貸しを生業にするユダヤ人を蔑視していたという当時の事情が反映されているのだろう。
尾崎紅葉の小説『金色夜叉』は主人公は失恋をきっかけにやり手の金貸しになる展開で、イギリスのバーサ・M・クレイの『女より弱きもの』という種本を基にして書かれたせいか、金貸しは冷酷な悪人として扱われている。英語で高利貸しをローンシャークというように、サメのように無慈悲にがぶがぶとローンを取り立てるイメージがある。
天王寺大と郷力也の漫画『難波金融伝・ミナミの帝王』は十一の高利で高利貸しを営む男が主人公で、高利貸しだけれど悪人として描かれているわけではなくて約束を守らせてきっちり回収するところが見せ場になっていて、1992年から連載して2025年2月時点で181巻が出版されていてVシネマ化もされて人気シリーズになっている。
真鍋昌平の漫画『闇金ウシジマくん』は闇金業者と客の双方の事情を掘り下げて、人間関係のいざこざを見せ場にするフィクションになっている。これは連載当時は消費者金融のグレーゾーン金利の過払い金が問題になって、資金繰りのために闇金に頼る人が多かったという社会問題を反映した内容になっている。
福本伸行の漫画『賭博黙示録カイジ』は多額の借金を抱えたクズ達が借金返済のためにギャンブルやデスゲームをする話で、クズ同士が協力したり金に目がくらんで仲間を裏切ったりするところや主人公のカイジが追い込まれてから逆転したりするところが見せ場になっている。
金貸しが主役になる場合も悪役になる場合も人気の作品が多いけれど、実在したら嫌な奴でもフィクションの登場人物としては特徴付けできて魅力になるので人物像を作りやすいし、金が必要になる動機や金策の苦労や返済しないで制裁されたりするオチをつけるまでのストーリーを作りやすいし、金貸しを主人公にした場合は客を変えることで複数のエピソードを作りやすいし、悪役がいるので物語にメリハリが出るし、喜怒哀楽や人情や勧善懲悪とかの見せ場が多いというエンタメ向きの特徴が複数あるので人気になるのだろう。
借金をテーマにしたフィクションは他のジャンルへの発展性もあると思うので頭の体操として考えてみると、借金SFだと酸素本位制の宇宙コロニーで酸素を借りて利息を払えなくて酸欠で死ぬ話とか、借金ホラーだと呪いの闇金から金を借りたら利息を血で払わないといけなくて返済しないと心臓を取られて死んでしまう話とか、借金時代小説だと商人に金を借りて戦をした大名が借金を踏み倒そうとして暗殺される話とか、借金アクション映画だと破産してホームレスになった元特殊部隊員が借金踏み倒し請負人になって取り立てに来た闇金グループを壊滅させる話とか、借金ファンタジーだと商人が勇者の装備一式のローンを取り立てようとして世界の果てまで付いてきていつの間にか最強の商人になる話とか、借金学園モノだとテストの点を貸し借りできる私立学校で借点まみれになって点を返すために猛勉強する話とか、いろいろやれそうな気がする。





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最終更新日  2025.03.19 16:46:59
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