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2012年01月23日

1/23(月)

おはようございます。
昨日はご迷惑をお掛け致しました。
それにも関わらずたくさんのコメントを頂き、感謝しています！

それにしても休みは早い。

今週も頑張りましょう！

東野圭吾『歪笑小説』集英社文庫。

「伝説の男」

灸英社の新人・青山は念願の書籍出版部に配属が決まり喜んでいた。

ところが、その伝説の男が言って憚らないことがあった。
編集者に必要なのは、3つのG、すなわちゴルフ、銀座、ゴマすりだというのだった。
獅子取は、ゴルフ接待はもちろん、走るのが趣味だという作家がいればマラソンも走り、スケボーさえ同行し、頭から落ちて5針も縫ったことがあった。

それ以外にも作家のご機嫌をとるためならば何でもするし、それは謝罪の際も徹底していて、獅子取の得意技は、作家が機嫌悪くなった時に出る技・スライディング土下座であった。
それを徹底することで道が開けると言う持論があるらしかった。

そんな獅子取が狙っていたのは、灸英社と絶縁状態にある赤村ミチルに連載を承諾させることだった。
そして、赤村がパーティーに出席するという情報を得て、そこで赤村に接触を図るが、いつもの獅子取節を持ってしてもけんもほろろの状態だった。
2次会が終わり、獅子取が何とか自宅に送っていったのだが、それを見ていた小堺・青山は勝算が薄いと感じざるを得なかった。
いつもの店で獅子取の帰りを待っていると、獅子取がやってきて多分大丈夫だと言った。
すると、その通り小堺のもとに赤村か着信があった。

数日後、打ち合わせの場で、赤村は終始上機嫌で、連載の承諾をもその場でくれるほどだった。

獅子取は、赤村の潜在的な願望に気がついて、プロポーズをしたということだった。
それがいたく赤村の自尊心をくすぐったらしかった、さすが伝説の編集者！

こんな感じな短編が他11篇収録。かなりお買い得だと思います。
業界裏話風パロディーで、かなり笑えます。
確かに作家で生計を立てていくのは、限られた人だけで、その限られた人に出版社がこぞって原稿をを貰おうとするのだから、そうでなくても出版業界が逆風にある中、新人さんが育つのは至難の業ですね。パロディーでデフォルメされていなかったら、結構しんどい話かもしれません。