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2008年04月15日
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あたしは鷹文の制止にも関わらず、あいつに叫んだ。

何を言っているかもわからないようなあいつに。そしてこの現実に。

「こいつがーーーなんでこいつがっー!!」

それでもあたしの衝動は止められない。この絶望感は耐えられない。

「だってこんなのーー うわあああぁああぁーーーー!!!!」

そしてあたしはその部屋を飛び出した。

後ろからは鷹文が追ってきているのがわかっていたが足は止まらなかった。

こんな姿を見られるのも嫌だったしそれ以上にその場所から逃げ出したかった。





「はあ・・はあ・・」 

疲れて立ち止まって辺りを見回すとそこは坂の下だった。

「学校か・・いつのまにこんなところまで来ちゃったんだろうあたしは・・」  

そこは、鷹文と先輩が通っている・・そしてあいつが通っていた学校。

「は・・は・・何やってんだろあたしは・・」

逃げ出した場所がよりによってここなんて。笑いたいのか泣きたいのかわからない。

これまでの「家族」の原点。そしてその始まり・・。

そして思う。あの人達がもしこの学校で出会わなければ良かったんじゃないかと。
そうすれば今のこんな悲しみも無かったんじゃないかと・・

「あの・・もしかしてあなたも学校に行きづらいんですか?」

そんな事を思っているとふいに声をかけられた。



そんな思いの途中を中断させられ、怒鳴って振り返ると、そこには大人しそうな少女が居た。

「あ・・すいません。つらそうな表情をしていたからつい・・」

その少女はあたしの剣幕に驚いたのか申し訳無さそうに答えた。制服の校章の色を見ると先輩と同じ色・・それは先輩と同じ学年だ。

・・・だが、雰囲気は先輩よりも大人びて見える気がする・・。

そして見知らぬ、こんな大人しい少女にあたったかのような言動をしたのが恥ずかしい。



そう答えた。

「そういえば・・ごめんなさい・・。
以前、私も学校に行きづらくなって坂の下で立ち止まってしまった事ありましたから・・」

そう恥ずかしそうに話す少女。

あたしや先輩と違って気の弱そうな少女だ。そんなこともあるのだろう。

とりあえずあたしはここに用はない。そのまま立ち去ろうとした。

「あの・・でも・・つらそうな顔をしてますよ。あたしでよければ相談にのりますけど・・」

そう少女はあたしに尋ねてきた。

あたしは驚いた。

とはいえそもそもこの問題は他人に話してもどうにもならないものだ。

そのまま無言で立ち去るべきだったのかもしれない。

それでも・・その時のあたしは何かにすがりたい気分だった。

何でもいいからすがりたい気分だったんだ。

だからあたしはその少女の問いに

「・・・・・」

うなずいたのだった。


そして近くの公園に移動するとお互いの自己紹介をした。

「あたしは可南子」 

そう簡単に述べた。

少女も名乗る。古河渚と。

「・・・・・・」

その少女・・古河はあたしが話し出すのを隣でじっと待っていた。

「・・そう・・何から話せば良いんだろう・・」

そう言いながらも他人にこんな事情を話している自分にとまどっていた。

だけど何となくわかった気がする。

口調や年齢は違うのだが「相談にのるよ~」そういってあたしたちの仲裁に入っていた少女を思い出していた。そんな無邪気だけど、他人を本気で心配してくれる少女。

だからあたしは話そうと思ったのかもしれない。ある夏の物語を。

すべての始まりを・・





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最終更新日  2008年04月15日 00時58分38秒 コメントを書く


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