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Oct 16, 2022
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ReviveTheGunSword 灰蘇の剣銃 25 「 LOKI 」

 功太朗が画像ファイルを拡大する。そこには手描き風の書体で『 LOKI 』と描かれていた。

「 LOKI ……心当たりはないな。皆さんはどうですか?」

「ないな」「ないですね」「ないない」

 突然功太朗の携帯電話が鳴った。

「ん?知らない番号だ……」

「……出てください、逆探知を行います」

 罅助がサイバーゴーグルをかけた。

「もしもし……」

『出てくれて良かった。私は LOKI のメンバーだ』

 スピーカーモードで全員に聞こえるようにする功太朗。相手は音声合成ソフトを使っているようだ。

「 LOKI ……すると画像データを仕込んだのは君なのか? LOKI とは何者かな?」

『 LOKI は非営利団体の事だと思ってくれればいい。早速だが本題に入らせてもらう、単刀直入に言おう、鈴村功太朗貴方と取引したい。こちらは貴方の抱える問題の解決に協力しよう、そのかわりこちらの要求を飲んでくれないかな?』

「いきなりそんな話をされても困るのだが」

『それもそうだ、しかし貴方のガレージを荒らさなかった事を誠意と受け取ってもらいたい。一部データはコピーさせてもらったがね。そのかわりこれ以上他の連中にガレージを触らせないように外にセキュリティボットを置いておいたよ。貴方のデータを入力しておいたから攻撃はされなかっただろう?』

「あのセキュリティボットは君らの仕業だったのか。折角置いてくれたのだが友人が破壊してしまったよ。ところで君は KAMINA と繋がりがあるのかい? KAMINA 製のアレは簡単に手に入るものじゃない」

『その質問がくると思っていたよ。答えは半分 Yes だ。 KAMINA とは縁があってね。そして今逆探知中なのだろ?いいとも存分にしたまえ、今電話をかけているのは院瀬見の所有する場所であって個人のものじゃない勝手に来て調べればいいさ』

「随分と余裕があるんだな。 LOKI は私の事もくわしく調べているのか?」

『そのガレージで得た情報とこの街で得られる範囲で鈴村功太朗という人物を知ってるよ。そこにいる少年少女はよく知らない、もう一人の青年は探偵の守山罅助、弁護士の資格も持っているね』

「どこからか見ているのか?」

『超小型ドローンを遠隔操作してそのアジトに入って行くところを見ていたよ。ああ、アジトの中に盗聴器は仕掛けてないから安心してくれたまえ。穏便にいこうじゃないか。ということで早速そちらに LOKI のメンバーを向かわせた、契約の話をするためにね。もしもメンバー何かあったら LOKI は君たちをあらゆる手段を使って追い詰めるからね』

「これから!?」

『そういう事、急かしてすまないね』

「……少し考えさせてくれないか。突然の事で頭を整理したい」

『駄目だね、これから会って話そうよ。じゃあ 10 分後に』

 そこで通話は切れた。

「逆探知はどうですか?」功太朗は罅助に言った。

「第4地区の院瀬見タワー……超高層マンションですね」

 サイバーゴーグルを付けたまま罅助が答えた。

「 LOKI は院瀬見派閥の一つなのか?」

「無関係ではなさそうです……かなり相手は話慣れてます、企業に務める者の独特な取引の持ちだし方を感じました」

 オレの問いに功太朗は眉間に皺を寄せながら答えた。

「1 0 分後か……守山さんは LOKI をどう考えますか?」

「ガレージを LOKI に知られてる以上無視はできませんね。しかしこの街では味方を得るのは難しい敵を増やすのは簡単ですが……上手く立ち回って利用できれば良いと考えます。なので一度会ってみるのもいいかと」

「ふむ……」

「 LOKI が来る前にオレ達の敵影彦派閥と繋がってるのか知りたい……怪人王・時田麻村の事のついでに七曲キョウヤに聞いてみるか?」

 あの男なら LOKI の事も知ってるかもしれない。

「なるほど、七曲キョウヤですか」

「あの男に頼るのは癪ですが仕方ありません……和音君のいう事も一理ある」

 罅助はサイバーゴーグルから七曲キョウヤに通信する。 3 コール目で相手は出た。

『いよう!ヒビスケ君から連絡くるなんて珍しいねぇ~?どういう風の吹き回しだい?』

「聞きたいことがあるんだ」

『はぁ~ん?イイケドさ、情報によっちゃあタダって訳にはいかないぜ』

「聞きたいことは二つある。一つ目は第六地区の防衛参加の報酬でいいだろう?」

『ま、仕方ないねぇ。で、聞きたいことのまず一つは何?』

「時田麻村の居場所を知りたい」

『おっほ!とんだ大物の名前が出て来たもんだ!!何か掴んだって訳だねぇ……何で知りたいか聞いてもいいかな?』

「……第六地区の襲撃計画に無関係ではないんだ。時田麻村は DMC の怪人を仕切る怪人王と名乗っている。この情報は確かな所から手に入れたから信用してくれ」

『ほほぉ~……ナルホドねぇ~………それは面白いわ。俺っちの中で色々とパズルが組み合わさっていくなぁ。丁度俺っちの依頼主も時田麻村をマークしててねぇ』

「では居場所を知ってるんだな?」

『奴は第五地区の中央棟にいる。けどねぇ……知ってても簡単に会えねぇんだ』

「どうしてだ?」

『追跡不可能なんだヨ。出入り口の無い建物の壁の中に消えたかと思ったら突如建物の反対側から現れたりね……奴自身の特殊能力なのかはたまた院瀬見の最新技術なのかは分かんねぇけど。依頼主も俺っちも絶賛捜索中って訳。中央棟周囲の警備も異常に厳しくてねぇ監視カメラにレーザータレット、それとショックガンを装備した防弾ドローン、通信遮断装置にゴリゴリの最新装備を身に着けたアーマー警備兵。だから別のアプローチも考え中なんだ』

「……そうか」

『時田は 1 週間の内、外に出るのは 1 回。場所も大体決まってる、民間の収容所と第二区繁華街の会員制のバー。依頼主は生きたまま捕まえたいらしいけど大河は襲撃する気満々なんだ困っちまったぜ。だがまぁ奴は一人で行動する事はまずねぇし怪人王と解った今、迂闊に近づけねぇわな。でも今度外に出る所を目撃したら教えてやってもいいぜ』

「……解った頼む。もう一つの聞きたいことだが LOKI という奴らを知ってるか?」

『ロキ??』

「 L.O.K.I で LOKI という非営利団体だそうだ」

『説明してくれるかな? LOKI ……何でそれを俺っちに聞いてきたか』

「実は……」

 罅助はガレージの場所を誤魔化しながら七曲キョウヤに LOKI の事を説明した。

『ふ~ん……それは俺っちも無関係じゃあなさそうだな。俺っちの依頼主が LOKI の一員かもしくは繋がりのある者かもしれない』

「どうしてだ?」

『これ以上はタダでは教えれないね』

「金か?」

『まー金も欲しいけど俺っちにとって大事なのは人との繋がりだからな。時には協力し合う関係を続けて邪魔をしないならイイゼ?そうじゃねーと守山探偵事務所に厄介な出来事が降りかかるかもよ?』

「……」

 罅助は歯を食いしばっている。横で聞いている柄留の目はオレンジに輝きグレイブラスターを出現させてリボルバー回しをしている。

『ハハッ!こういう所が俺っち蒐魅に嫌われる所なんだよなぁ~……でもな、この街で底辺からのし上がるにはこのくらいしないと使い潰されるだけなんだよ。ヒビスケもずっと安泰で今の仕事続けられる保証は何も無い。トクゾーの爺さんみたいにならなきゃいいがなぁ~?』

「……」

 柄留が突然立ち上がる、サイバーゴーグルに顔を近づけた。

「いい加減にしろよテメー!スゲー不快なんだよ!ドブみてぇな臭いセリフを吐きやがって!今度は脳みそ半分でも吹っ飛ばすか?ああっ!?」

『ハハッ!そこに居たのかエルちゃん!やっぱ蒐魅じゃんかよ!その話し方!俺っちの勘は当たってたなぁ』

「蒐魅じゃないけど蒐魅の気持ちは良ーくわかるんだよ!次イラつく事言ったら神経引き裂く炸裂弾を撃ちこむよ?生き地獄味わせてやろうか?」

『 OKOK ……軽口はここまでにしてビジネスの話に戻ろうぜ』

 一瞬で七曲は真剣な声色に変わった。オレは柄留を座らせて水を飲ませる。

『俺っちの依頼主と LOKI が繋がってるのかどうかは正直わかんねぇ。だがまずは第六地区襲撃をなんとかしなくちゃなんねぇよな?だったら LOKI ととりあえずと組んでもいいんじゃあないか?コウタロウさんを派閥の最大勢力に据えるって話も悪くないだろ?今後の事考えたら俺っちとヒビスケは院瀬見にコネができるんだからナァ』

「まずは第六地区の問題に対処か……」

『とりあえず LOKI と組む方向で話を進めてみてよ。第六地区の襲撃を防がなきゃ俺っちもどうにもならないんでね。今の話でこっちとしても動きやすくなった』

「どういうことだ?」

『キャリバー事件で失脚した鈴村功太朗を実は一番評価してるのが俺っちの依頼主だからよ、それなりに調べはついてるのさ。で、 LOKI の接触してきたタイミングと重ねりゃ色々察するだろ?』

「……」

『こう見えて俺っちも色々動いてんのよ。困った時はお互い様じゃね?競争相手であってもわざわざ潰しあう必要は無え、時には協力し合うのもアリだろこの街じゃあ』

「……そうだな。また後ほど連絡する」

『ああ待ってるぜ』

 通話を終える罅助。オレは柄留の肩を掴んで椅子に座らせる。

「時田の居場所は判明したが結局 LOKI の事は殆どわからなかった……だが七曲は興味を持っていたな」

「ええ、奴は今の話を依頼主にすぐに報告してるでしょう。あの男は街のバランスを崩さないように立ち回るでしょうから」

「こちらも上手く七曲を利用しなくてはならないな。そうだ罅助、今のうちに比留山さんにも LOKI の事を報告しておいてくれ」

 この場は功太朗が聞いている、比留山陶子が刑事という事は知られてはならない。このガレージは LOKI が既に侵入した、盗聴の可能性もある。盗聴器が無いなどという言葉は信用できない。

 罅助はサイバーゴーグルを使って比留山陶子にメッセージを送った。

【 LOKI と慎重に接触しろ。後で詳しく報告をしろ。以上】

 それだけが比留山陶子からメッセージで帰ってきたと罅助は言った。

「それで私はどうすればいいのかな罅助君?君の相談役の比留山さんはなんと?」

 疲れた顔の功太朗が言った。

「慎重に接触して欲しいとの事です」

「そうか……」

 そろそろ 10 分経つ。 LOKI が来る頃だ。

 ***

 ガレージの外に気配を感じる。かなり異質で今まで出会ったことのないものだ。

「監視カメラで確認できました。良く見えませんが二人歩いてきます」

「いつでも動けるように」「もちろん」 

 柄留の目はオレンジ色に光を帯びていた。すぐにグレイブラスターを出現させて立ち上がる。罅助は両腕とバックルに取り付けた機械をチェックする。

『鈴村功太朗さん、 LOKI の遣いです』

 ドアの外で声がした。男とも女とも判別できない少し機械的な高めの声。

「開けるぞ……」

 ドアの前にオレが立つ。功太朗を一番奥に、その前に罅助、横には柄留。

 自動扉が開くと目の前には濃紅のつなぎの全身サイバースーツを着た人物と黒に白い模様が入ったフード付きコートを着た人物が立っていた。

「……」

 先に足を踏み入れる黒いコートの人物が部屋を一瞥。フードの奥で桜色の目が光ったように見えた。

「ハート、大丈夫です。そんなに殺気立っては話が出来ませんよ」「失礼しました」

 濃紅の方の発した言葉に従うハートと呼ばれた黒白のコートの人物。

「こちらにどうぞ」

 奥の功太朗が言った。

「では失礼致します」

 濃紅サイバースーツと黒白コートの両名とも妙な気配がある。怪人とも違う。人間性をほとんど失うほどのサイバネ手術をすれば僅かな機械音はするものだがそれも無い。

「どうぞそちらにおかけになって」

「では」

 濃紅は功太朗の向かいに座るが黒白の従者は座らずに椅子の横で立って離れない。柄留と向かい合う形になった。

「私は LOKI のクリムゾン、こちらの者はハートといいます」

 濃紅の奴が言った。

「鈴村功太朗です、こちらの皆さんはボディガードです」

「諸田だ」「柄留だよ」「守山と言います」

「どうぞよろしく」

 柄留とハートはお互いに目線を合わせ続けている。

「さて……早速本題に入らせてもらいましょうか。 LOKI は鈴村功太朗さんに力を貸して院瀬見の最大派閥にしたいと考えております。理由は二つ」

「はい」

「一つは LOKI が院瀬見の動きを常に把握しておきたい」

「それは御しやすい私を担ぎ上げて院瀬見を裏から支配するつもりですか」

「正確には違いますがね。誠実で正義感が強く人気があって精神的に強い貴方に今の院瀬見を改革して欲しいのですよ。今の院瀬見はあまりに混沌としています誰かが統一すべきなのです。さもなけば院瀬見だけではなくこの街にも未来はありません」

「簡単に言いますね。もしかするとですが…… LOKI のリーダーが私と知り合いなのかな?もしくは院瀬見の人間」

「 LOKI のリーダーは貴方とは直接面識はありませんが古い付き合いの人間同士の関係とだけ。 LOKI は非営利団体とは表向きで実際は秘密組織ですからメンバーの事など全てをお話することはできません」

「……そうですか、それでもう一つの理由とは?」

「院瀬見がこの街の隠している秘密を知る為です。貴方が最大派閥になれば LOKI は動きやすい。我々は院瀬見の乗っ取りや転覆など図っていませんよ、ただ知りたいのですそして LOKI はそれを知る権利がある」

「この街の秘密……?」

「旧時代の企業である院瀬見が時代に取り残されずに存続している秘密があるのです。この街が出来た理由もそこにあるのです」

「どういう事です?」

「鈴村功太朗、貴方が最大派閥の長になった時に詳しい話はしてあげましょう。どうです?興味が出てきたのでは?」

 クリムゾンの言葉に功太朗はしばらく沈黙する。

「…… LOKI の申し出を受けましょう。ただし条件があります」

「どうぞ」

「これから影彦派閥が計画している第六地区襲撃を止めるのを手伝って欲しいのです。それが成功してここにいる全員が無事だったらという条件です」

「いいでしょう、一つお聞きしますが敵対派閥にかける慈悲は一切なくても結構で?」

 クリムゾンの言葉に功太朗は数秒考えて沈黙する。

「なるべく死者は少ない方がいい、それと影彦は生かしてくれ話をしたい弟なんだ」

「いいでしょう、では契約完了……ですね」

続く






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Last updated  Oct 16, 2022 11:53:39 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
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