未完成のブログ

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Jan 28, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその3

「ちょっとマズくねーか?」

 ハオランが言った。

「どうしよう……とりあえずネコマタネコ引っ込めようか?」

「いや、そのまま茂みにでも隠せ。タイミングみてパトカーのサイレンでも真似させればいい」

「でも……」

「ああいうのは一回大人しくさせて話をさせんだよ。野蛮だけどシンプルな方法だ」

 指を鳴らすハオラン。ユウは【ゴリラボクサー】のカードを取り出す。

「着装! ゴリラボクサー!!」



「ナンダナンダナンダー!? テメェらもボコすぞ!?」「喧嘩祭りかよ」「ストレスカイショージャネーノ」

 何の躊躇も無くハオランの頭部目掛けて全力でボルトレンチを振り下ろす男。軽く回避するハオラン。

「人殺し上等な勢いだな」

「ギャハハハハハ! どうせ俺は無罪になんだよ!! 今まで5人ほどいじめ殺してやったがこのとおり大学生活満喫できてるぜ!!」

「ハ! クソ野郎が!!」

 ハオランは風のように踏み込むと男の顔面鳩尾に打撃を一瞬の内に叩き込んだ。

「ガ……は……」

 糸の切れた操り人形のように倒れこむ男。

「さて……色々聞かせてもらおうか……なっ!」「ごふっ」

 呆気に取られているマイナスドライバーを持った男を飛び後廻し蹴りの一撃で肋骨を砕いて沈黙させる。

「クソガッ! 頭カチ割ってやる!!」



「グ……」

 きれいに意識を飛ばされ気絶する男。その場に倒れこむ。

「何か様子がおかしいよ」「同感、いくら何でもキマり過ぎだぜこいつら」

 ハオランは鼻を鳴らす。

「コイツらの体からヤベェ臭いがするぞ……」



「ああ、通常の【臭い】じゃねぇ。邪気とか呪いとかそういうのだ」

「操られてるとかそんな感じなのかな?」

「何とも言えないが……コイツらを連れて帰って調べるわけにもいかんしなぁ。他にも居ないか探してみようぜ」

「そうだね」

 坂になっている敷地内を進むユウとハオラン。街灯は少なく数メートル先は闇である。

「進めば進むほど臭いは強くなってるぜ」

―ズル……ズルズルズル……

「何今の音?」「お?」

「……こんな所で何やってんだ?」

 暗闇から現れたのは通常の5倍はある丼を持ったパンチパーマの男。

「誰?」「なんだアンタ?」

「部外者がこんな所きたらだめだぞ、俺は大池って者だ」

 超巨大丼の中にある麺をすする。

「なんでこんな所で麺を?」

「習慣なんだ麺をすするのが。さて、部外者のお前たちがここに来た訳を聞こうか? 俺はここから先誰も通すなって言われてるんだ」

「え、そうなんですか」「ん~?」

 近づく二人、大池は超巨大丼を掲げると不意に投げつけた。煮えたぎったスープが二人を襲う。

「うわぁ!」「テメェ!」

「シャアアアアアアアアッ!」

 箸で突きにかかる大池、ハオランは足刀蹴りで受け止めた。

「大丈夫かユウ?」

「ゴリラボクサー着装してたから平気だよ」

「このまま帰って忘れるなら見逃してやる。そうでなければ後悔するぞ」

 箸で掴んだハオランの足を捻り体勢を崩しにかかる大池。

「把!」

 ハオランは拳を繰り出す。大池は丼で拳を受け止めた。

「なんだと!?」

「弾丸を弾き返す衝撃吸収耐火丼、チタン合金の箸、食べていた麺は常人にはとても噛み切れぬ超硬麺……麺道拳は食べる事すなわち鍛錬」

 箸で掴んだ足を大きく捻る大池、ハオランは体を捻じって転倒を回避、両手で着地するとハイエナ獣人変身する。

「珍妙な……だがこの箸は離れんぞ?俺の箸摘まみ力は1トン、このまま足を潰すことも可能だ」

「ハオランを離せー!!」

 ゴリラボクサーを着装しているユウが飛び掛かる。渾身ストレートは丼で受け止められた。

「オオオリャア!」

 ハオランを掴んだ箸を大きく下から回して遠心力を使って振り回しユウに衝突させた。

「くう……」「くそ、何てパワーだ」

 ハオランは反対の足爪蹴りで箸の指を狙う。しかしその動きを読んでいた大池はハオランのバランスを崩して地面転げさせた。

「コイツ……崩しもできるのか」

「お前の動きの情報は丸わかりだ。触れているからな、何か動きを起こす瞬間こちらは把握できる掴まれた時点でお前は詰んだのだ」

「だったらこれはどうだ!」

 ハオランはポケットからコインを取り出して投げつける。

「無駄だ」

 丼で受け止める大池。

「今だユウ!」

 ユウに声をかけると同時に追撃のコイン攻撃、ユウは立ち上がってストレートを撃つ。

「フン」

 ハオランを離してコインを箸で摘まむ大池、そのままコインをユウに投げつける。

「うぐっ」

 ユウの肩にコインが突き刺さる。

「さぁどうする?帰るか進むか」

 箸と丼を構える大池。

「テメェ……【凶】(マガツ)の者か?」

「その名前は軽々しく口にするもんじゃないぞ若者。今のは聞かなかった事にしてやる」

「そうか……」

 ハオランはユウの前に立ち腰を落とした姿勢で大池を睨みつける。

「ユウ……退散したほうが良さそうだぞ、アイツは簡単にどうこう出来そうにない」

「痛てててて……ゴリラボクサーの装甲を貫くなんて……確かにあの男は強敵だね」

「見逃してくれるってんならありがたく甘えさせてもらおうぜ、な?」

「う、うん……」

 ゆっくりと下がるユウとハオラン。

「賢明な判断だ。あと3日は来るな、次に来れば遠慮せず始末する」

 大池はそう言うと闇の中に消えていった。

「……久々に冷や汗かいたぜ。あれは【凶】の幹部かボスの側近だな。息子の護衛をしてるんだろう。アイツの靴裏からワゴン車と同じ匂いを感じた」

「って事はワゴン車に乗ってあの男はこの街に来たんだね。息子の護衛の為に」

「撤退して立て直そうぜ。アイツはあと3日と言ってたのが気になるが」

「あと3日で何が起きるんだろう……放っておいてはいけない気がする」

「この大学にターゲットが潜んでる可能性が高いと分かっただけで今日は十分だ。残り2日で何とかしようぜ」

「あの男の対策も練らなきゃね」

***

 拠点に戻るとケンとターニャの姿が見えた。呪符を結界で囲んでいる。

「ケン、順調?」

「……人の事気にしてる余裕あるのか?」

 ケンは一々話しかけるなと目で訴えながらユウを睨んだ。

「俺たちのコレが気になってるのかな? 話してもいいけどユウも何か有益な情報教えてくれないかな? そうじゃなきゃ対等じゃない」

「いいよ」

 任務でお互いが競争相手なのは分かっていてもユウにとってケンは弟だし気遣って当然だった。ケンは任務に真剣に取り組み兄であろうが何だろうが絶対に勝つ気でいる。

「ユウから言ってくれよ、大した情報じゃなきゃこっちは教える必要ないんでね」

「……わかったよ」

 ユウは監視カメラの映像に映っていたワゴン車を追い大学の敷地内で様子のおかしい若者と【凶】の幹部らしき強者・大池のことを話した。

「……へぇ、中々やるじゃん。なるほど……じゃあやっぱりあのアパートは調べるべきか」

「ケン?」

「ああ、まぁ教えるかどうかギリギリの価値かな? この呪符はパー券として配られてるみたいでね、大学内ではかなりの数出回ってると考えて良い。触れただけで発動するタイプの呪いが込められてるからこうやって触れずに調べてる訳さ」

「あと3日とか言ってたけどそのパー券呪符と何か関係あるのかな?」

 ユウは近づいて呪符を眺める。

「3日後にパー券配った奴らを集めて何かデカい事をするかそれとも何かの時間稼ぎか。なんにせよ早く動いた方がいいのは確かだね。呪符に操られてるのは一般人だしあまり乱暴な事は出来ない数が増えれば増えるだけ厄介だ」

「確かにね……大池の方はどうするの?」

「まともに相手する必要なんてないだろ? 首領の息子さえ捕まえればいいんだ。遭遇しても俺は豊富な手札を駆使して離脱する、消耗すべき相手じゃないなら戦わないね」

「放って置くって事?」

「それがどうした? ゲームじゃないんだから中ボス倒さなきゃボスにたどり着けないとかないし」

「倒せるならここで倒して捕まえた方が俺は良いと思う」

「あっそ、じゃあユウはその大池を倒せるように頑張りなよ。その間に俺は首領の息子を捕らえてさっさと任務完了するから。その方が被害も少ない」

「あの大池ってのが邪体の一つを所有してるかもしれないじゃないか」

「確かにそうかもしれない、もし邪体が確認されたら財団が動くだろう。流石に試練だからって全て丸投げしないさその為に監視役がいるんだろう」

 ケンはストーブの火を眺めているドレス女を見て言った。

「ユウはユウの考えで動けよ。俺は俺の考えで動く、必要なら情報交換もする。これで良くないか?」

「むむむ……」

 ユウはそれ以上言葉が出なくなりあてがわれた部屋にハオランと向かった。

「どうしよっかなぁ」

 ユウはカードをデッキから出してベッドに並べる。

 獅子王
 狼の銃士
 鮫の闘士
 蛇の暗殺者
 天馬の騎士(ペガサスナイト)
 樹の神官
 鰐王
 キョンシー(飛僵)
 チョウチンアンコウ
 怪盗コウモリ
 ネコマタネコ
 ゴリラボクサー

 メインのカード12枚を手前にして眺めている。

「後のカードはなんだ?」ハオランが言った。

「後の38枚はアイテムとか魔法とか特殊カードだね。メインと合わせて使ったりアイテム同士組み合わせたりするんだ」

「へぇ~……」

「俺は着装で戦うのが得意だからメインの12枚に合わせてデッキを組んでるんだよ」

 ユウは嬉しそうに語る。まるで少年が好きなゲームの紹介をするようであった。

「大池に対抗できそうか?」

「魔眼と獅子王を使えばきっと……」

「良かったぜ、全然勝ち目無いとか言われたらどうしようかと。アイツ全然本気じゃなかったしな、こっちは最初から全力で行かねえと」

「問題は……」「ん?」

「獅子王使って殺してしまわないかって事なんだ。今までの訓練とかは全部通さんの用意したカードモンスターだったし遠慮なくやれたんだけど……さっきの連中を殴った時も怖かったんだやり過ぎたらどうしようって」

「そっか……まぁ始めてならしゃーねぇわな。むしろ健全ていうか最初からブッコロシテヤル! とか言ってる奴が勇者にふさわしいとは思わねーし」

「手加減して勝てる相手とは思えないしでも殺してしまうのは怖い……」

「向こうは殺す気満々で来るだろうし難しいよな」

「うまい具合に弱らせて捕まえたい……」

「協力は惜しまないぜ! 俺も無用な殺しは避けたい。ユウ、カード色々見せてくれよ一緒に作戦考えようぜ」

「うん、ありがとうハオラン!」

***

 ケンは自分のあてがわれた部屋で呪符を眺めている。

「どれだけの数この呪符がばら撒かれたのか……これを使って首領の息子は何をしようとしてるのか……3日で完成する事とは何か……まさか邪体……」

 ケンは携帯の地図を表示する。

「ユウが遭遇した強敵はここ……その先に大学の建物……全方位にカードモンスターを配置して包囲網をつくるか……今は夜だから一般人もそれほど入ってこないはず」

 ケンはカードデッキ2つを取り出し窓から大量に放出させる。次々と具現化するカードモンスター、ケンの指示した配置に向かって行く。

「よし……今から謎のアパートに向かおう。その後は大学の中だ行くぞターニャ」

「はい」

 栄養バーを齧ってミルクで流し込むとケンはバックパックを背負って部屋を出る。

「ユウ! 俺は先に行ってるからな!」

 ユウのいる部屋にむって叫ぶとそのまま玄関に向かった。

続く





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Last updated  Jan 28, 2024 08:03:23 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
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