未完成のブログ

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Jul 14, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその20



「若? ジンガの事か」

「イヒ……イヒヒヒヒ……若はダンジョンで起きた出来事を知ることができる……今度はお前が攻略される番かもな……」

 倒れるマサ、ダンジョンは消滅し元の路地に戻って来る。

「大丈夫か、ジークベルト、ケン、滑田」

「全然大丈夫です」「滑田君のおかげで」「えへへ」

 ジークベルトとケンの傷は滑田が自分の肉を千切り張り付けることで瞬時に直していた。

「流石はぬっぺふほふか」

「ども恐縮です……」



「補給完了だ。小瓶1本で済むのなら容易い」

「あの……今の小瓶は?」ケンが言った。

「新鮮な血液です。華月様にふさわしい厳選した者のね」

 ジークベルトは京都地下都市『碁盤目町』にいる華月派の者の血液であることを説明する。センジョーのタレント『黒谷月』として活躍し益々支持者が増えているのだという。

「退魔組織エクレシアも華月様がタレントとして人気を獲得してファンが増える事を咎めることはできません、労働をして対価を得ることもね。仙丈隼磨は実にいい案を持ってきました」

「ああ、これは白峰家当主の立場では出来なかった事だ。仙丈隼磨にとっても我にとってもこれは両得であった」

 それを聞いてケンは仙丈隼磨の事を思い出し鳥肌を立てた。正面から戦わず争わずに利益を得て力をつけていく。人間ではなく妖がそのように立ち振る舞っていることに戦慄を覚えた。

「ケン、司令部のセイにダンジョン攻略の連絡しろ」

「あ、はい」

***

――シーア財団作戦司令部。



 セイは顎をさすりながら言った。

「……真邪王が邪眼を使ってジンガと視覚共有していると考えられるな……闇雲にダンジョンを攻略していてはジンガの当たりを引くのは難しそうだな」

「逆に見せつけたとも言えますよ? 並のダンジョンではどうにもならないって思い知らせることができるのでは?」

 勝田が眼鏡を上げながら言った。

「ふむ……敵側は黙ってられないだろうな。真邪王自らが出てこない限りあのパーティーが負ける所を想像できんからな」



 セイに向かって言う言葉と独り言が混ざりあう勝田。端末を操作して時々笑みを浮かべている。

「セイ様、センジョーから通信が入ってます」

 財団の女が言った。

「繋いでくれ」「はい」

「代わった、シーア財団のセイだ」

『センジョー広報担当の紅葉茄です。お知らせしたい事がございます。現在市内西側にダンジョンと思われる結界の渦が出現。そこから影の妖が湧き出て周辺の人間を襲っています。只今センジョーの者で影の妖の対処に当たっていますがダンジョンの攻略は勇者パーティーにお任せいただきたく存じます』

「分かった……すぐにそちらが指定した座標にケン達を向かわせよう」

***

 洛西竹林公園に現れたダンジョン。そこから現れた4つの影が周辺の人々を襲っていた。

「たまたま来てた場所でこんなの出くわすとはね」

 黒髪をかきあげるショートパンツにパーカーの少女、土蜘蛛・奥寺舞子。

「舞子さんー! 何ですかコイツらは!」

 組み立て式十字槍を取り出して構える茶髪にジャージ姿の少女、大蝦蟇・周防美古都。

「あの渦は呪術? かな? 多分……あの影は式神とかそういうのじゃない?」

「じゃあ……戦っても大丈夫なのですよね?」

「さぁ……でも放っておく訳にもいかないでしょ。一応センジョーには連絡入れといたけどね」

「流石舞子さん行動が早い!」

 渦から飛び出した大きな影が斧を振り上げて襲い掛かって来る。舞子は粘着糸を飛ばして阻止する。

「ガアアアア……」

 斧の黒い影はケンのパーティーに居た戦士ラーニーに酷似している。

「あっちのメイスみたいなの持ったのは私が止めます!」

 周防美古都が向かったのは僧侶アンディに似た影。十字槍でメイスを弾く。

「どうした! 何があった!!」

 罰ゲームで買い出しに行っていた短髪にスポーツウェアの少年が叫んだ。エクレシア所属の少年・木城二郎である。

「……待って二郎君」

 追いかける長髪ウルフカットでロングスパッツにTシャツの少女。白峰吹雪。

 木城二郎の提案で奥寺舞子と白峰吹雪の仲の悪さを少しでも解消しようと周防美古都に協力してもらいサイクリングに来ていた。

「……二郎君、勝手に行動してはいけないエクレシアに連絡しないと」

「そんなこと言ってる場合じゃないよ! 俺は怒られてもいい、吹雪さんも協力して!」

 一瞬躊躇したが「わかった」と呟いて氷の太刀を形成する吹雪。

「ん?あの影って……前に斃したはずの猫田ガイムじゃ?」「そうみえるわね。もう一人は知らない魔術師」

 仙丈隼磨の酒になったはずの猫田ガイム、もう一つの影は魔術師ネスター。

「ライトニングボルト……」「ギニャアアアアアアアアアア……」

 二郎は影ネスターのライトニングボルトを義手の右腕で受け止める。吹雪は影猫田の爪攻撃を氷の太刀で受け流す。

「たぁー!」

 右手で受け止めた電撃を吸収して影猫田に放つ二郎、吹雪は横から影ネスターに接近して氷の太刀2連撃を入れる。

「ギニャアアアアアアアアッ」「グワーーーーーッ」

 煙を上げる影猫田、凍結する影ネスター。

「美古都!」「はい!」

 舞子は美古都の体に糸を着けてハンマー投げめいてスイング。遠心力でスピードの付いた美古都の十字槍突進は盾で受ける影ラーニーの体勢を崩す。

「舞子さん!」「ええ!」

 糸を引く美古都、糸の張力を利用して舞子は矢のような蹴りを影ラーニーの顔面に叩き込む。蹴った反動で空中回転しながら背後にいる影アンディに向かって粘着弾を連射。二人をまとめて拘束する。

「美古都!」「はあい!」

 跳躍力に優れた美古都は大きく飛び上がり十字槍を構えて急降下、身動きのとれない影アンディと影ラーニーに深々と十字槍を突き刺し二人同時に貫く。

「ぐおおおおお……」「ぶふぁ……」

 塵となって消える影アンディと影ラーニー。

「ひとまずこれで変なのは消えたわね」

 舞子は髪を触りながら言った。

『なのですなのです……利用できそうなのがウジャウジャいるのです』

 どこからともなく真邪王がつぶやく。二郎たちは不審なその声を聞いて構える。

『この声が気になるなら異空間結界(ダンジョン)に飛び込むのです』

「誰だ!」「何?」「……」「嫌な感じ」

『真邪王なのです!』

「真邪王……!? 何者だ」

 二郎はダンジョンの入口に向かって言う。

『おまえたちには到底不可能な奇跡を起こせる超常的存在なのです! 上位の者とでも言えばわかりますかね?』

「何……」

『へぇ~……笑ったりとりあえず否定から入らないあたり超常現象には慣れているのですね? 流石この地域は人間も妖も多い訳です』

「グレイマンの一派か?」

『グレイ……マン? ああ、グレイか。また違う次元の連中ですね……へぇあの者達とやり合った経験があるのですか? そうですか……じゃあ連中を取り込むのもアリですね』

「なんだと!?」

『正直、手足となる魔王が人間だとすぐに死んじゃう可能性があるのです。グレイを魔王に仕立て上げればより長く『呪いの世界』を楽しめるのです』

「なに言ってるんだかよくわからないけど、お前は存在しちゃいけない邪悪だというのを感じる!」

『ハハハハハ! そうなのです! 真邪王ですからね~呪いをふりまきこの世の全てを苦しめる為に存在してるのです!!』

「堂々とそこまで言うからには人間と妖両方を敵に回しても平気なんだな」

『ハハハハハ! 真邪王に恐れるものなど無いのです! 永遠ともいえる時を過ごす間の暇つぶしには刺激が必要なのです!! さぁさぁダンジョンに入るのですもてなしますよ?』

 ダンジョンの入口からまたもや黒い影が出てくる。

『酒呑童子の闘技場で【視た】強そうなのをコピーしてみたのです。まずはコイツでお試しなのです!』

 真邪王はクレメンタイン・ヴァン・ヴァスベルゲの影に入り込む。紫色に輝く左目。

『コイツの使い方は視たからなんとなくわかるのです!』

 影クレメンタインが両手を広げると離れて様子を見ていた一般人が倒れていく。

『ブラッドスティールなのです!』

 倒れた一般人から大量の血液が噴出し影クレメンタインに集まっていく。

「お前ー!」

 二郎が突撃する。対する影クレメンタインは血の槍を突き出す。

『おや?』

 鋼鉄を貫く血の槍を二郎は右腕の義手で受け止め白い光を放つ左拳を振りかぶる。

『!?』

 二郎の左拳を受けた影クレメンタインの顔面がボロボロと崩れていく。影クレメンタインは危険を察して後ろに飛んで距離をとる。

「……」

 左後方に吹雪、氷の太刀を下段から斬り上げる、影クレメンタインの左腕を掠めた。


『え?』

 感覚がないまま左腕は凍結し砕け散る。

「今ので仕留めるつもりだったけど……反応がいい」

 吹雪が呟いた。

『あらら……これはちょっと舐めすぎたのです』

 真邪王は影クレメンタインの周囲に惑星の輪を思わせる血のリングを浮かべる。

『確かこれがコイツの得意わざなのです』

 高速回転を始める血のリング。二郎と吹雪は離れる。

『流石に警戒するのですね~じゃあジワジワと追い詰めてやるのです』

「は? 私達を無視してんじゃないわよ!」「そうだ!」

 竹林を利用してスイングする奥寺舞子、抱えられている周防美古都。

『そういえば居たのです! 今すぐ切り裂いて……』

 そこまで真邪王が言うと血のリングの回転はブレーキをかけたように落ちていく。同時に上半身と下半身が切断され地面に転がった。

『あれ?』

「ばーか! リングの内側とアンタを糸で繋げてやったのよ。自分で自分を切断したのにマヌケな反応ね」

 スイング急降下で放たれた周防美古都は十字槍で影クレメンタインの上半身を突き刺す。

『見事すぎる連携なのです……へぇ~これはこの前の勇者パーティーよりも強そうです』

 影クレメンタインは切断された下半身を操り美古都を襲う。動きを察知した舞子は美古都を糸で引っ張り回避させる。

「油断しちゃだめよ美古都」「は、はい!」

『これは……どうしたものですかね。この影ではもうお前たちに勝てない気がするのです……む~あの時あと3秒視てればチーム月光も影でコピーできたのに』

「は? チーム月光?」

『まぁこれ以上ダンジョンの外でやり合う意味もないので続きは中でするのです! さぁさぁおいでませ!!』

 真邪王は影クレメンタインを解除する。残った影はダンジョンへと吸い込まれていく。

「……センジョーから返信きてた。影の処理と一般人の誘導宜しくだってさ。それとダンジョンには入るなと。エクレシアは何も言ってこないの木城君?」

 舞子は携帯を操作しながら言った。

「えっと……出来るだけ関わるなとメッセージがあった、それだけだよ」

「ふ~ん……随分腑抜けたわね。葛野忍が居なくなって合衆国から代理が来たって話だけど。白峰家『現』当主さまの雪名もダンマリなの?」

 舞子は吹雪を見て言った。

「お母さんはわたし達にはエクレシアの仕事させたくないみたい……それとエクレシアは何もしてない訳じゃないわ、調査とか一般人への隠蔽とか装置の設置とか」

「ふーん……ま、いいけど。センジョーが動きやすくなったのは確かだし一々エクレシアの連中が絡んでこないのもいいから」

「奥寺」

 二郎が制するように言った。

「はいはい解ってるわよ……喧嘩しないってば。で、これからどうするの? サイクリングの続きって訳にもいかなくなったけど」

「とりあえず……マスドにでも行きません?」

 無理やり作った笑顔で美古都が言った。

「そうだね、腹も減ってきたし……吹雪さんもいいよね?」

「……ええ」

 二郎の問いかけに頷いて応える吹雪。

「じゃあ、それでいい。これ以上ここにいても厄介ごとに巻き込まれそうだし」

 舞子は倒れた自転車を糸で引き寄せて起こす。

「おや?」

 4人の目の前に黒い渦のゲートが出現する。二郎たちには見覚えがあった。

「おやおやおや……」

 黒谷ジークベルトが黒渦ゲートから登場した。

「貴方は……」

 吹雪が警戒すると両手を肩の高さにあげて掌を見せるジークベルト。

「そんなに警戒しなくても何もしませんよ。当主選はまだですし今から何をどうする気もないですからどうか落ち着いて」

続く





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Last updated  Jul 14, 2024 09:31:38 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
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