未完成のブログ

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Aug 10, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその22

「華月さん! ジークベルトさん!」

 伝書フクロウを辿って蒸気の中から現れたケンと滑田。

「二人とも無事だったか」

「はい!」

「あの麺龍に乗っているのがここの主だそうだ」

「なるほど……」

 ケンはミスリルの鎧をまとい光の槍ゼクスミニアドを装備する。

「勇者がノコノコ出てきて良いんですかい?」



「超濃厚蒸気ブレスだ!」

 それに対してジークベルトは、

「ブラックウーズ!」

 黒い粘液状の生物をキャンバスのように広げて召喚する。
 麺龍の蒸気ブレスを吸い込んでいくブラックウーズは風船のように膨らむ。

「また蒸気で幻術を仕掛けられても困りますからね」

「おっとこいつは手ごわいな」

 大池は麺龍を空中で旋回させながら様子を伺う。

「(麵龍で強者二人を抑え勇者は自分が直接仕留めるか……)」

 麺龍から飛び降りる大池、螺旋回転する麺龍の中を通りケンの目の前に着地する。

「もらった!」



「不死鳥の剣士だ! 俺を狙って来るのは解ってたんだ!」

 ケンは大池を睨みつける。

「こいつは舐められねぇな」

 連続高速突きを放つ大池、不死鳥の剣士は刺突を体に受けながらも斬撃を返して大池をケンに踏み込ませない。

 ケンと大池を囲む回転する麺龍の外には華月、ジークベルト。



「中にケン君が居ます、これは迂闊に吹き飛ばすわけにもいかないですね」

「だったらこの場で崩壊させて始末するまで!」

 華月は靴の底から棘を伸ばして回転する麺龍に突き刺しルームランナーめいて走り出す。

「このまま麺龍の頭を破壊してくれる」

 華月は水平になりながら麺龍の体を走る。足の裏から魔力の棘を伸ばし足跡を着けていく。

「これは……なるほどこうしろという事ですね華月様?」

 手をかざして華月の残した棘跡に魔力を注ぐジークベルト膨張する魔力の爆発。麵龍の体が徐々にほぐれていく。

「ここだ!」

 麺龍の顎の下に手刀を突き刺す華月、黄金に輝く煮卵を掴む。

「これが麺龍の龍の逆鱗に違いない!」

 赤黒いオーラを纏い力づくで卵を抜き取る華月。

「ギャエエエエエエエエエエエエエエ!」

「ジークベルト!」

「はい!」

 華月の投げつけた卵を受け取るジークベルト。

「これで麺龍は無力化ですね」

 ジークベルトは麺龍の中に魔力を注ぎ込んで完全にほぐし只の麺の山に変えていく。中で戦っているケンと大池が見えた。

「馬鹿な! こんなにあっさりと俺の最大奥義麺龍が……!?」

 ケンから離れる大池。

「仕方ねぇ麺に拘って拘り抜いてたけどよーこうなったらスープも使うしかねえか」

 大池は連続バックジャンプで距離を取る。

「俺は『ラーメンはスープが命』って言葉が一番嫌いでね。ラーメンは麺に拘ってこそだ麺を食べたくてラーメンを食べるんじゃねえのか? 昔大物芸能人が言ってたのを思い出す『スープに拘ってます? スープスープってそれやったらスープ屋麺付き名乗ったらええやん』ってな。俺もそう思う。だがスープを失くしてしまってはラーメンじゃねぇ難しい所だ」

 大池は両手を地面につける。

「これが奥の手だ! 津波黄金スープ!」

 大池の目の前に透き通った黄金色のスープが湧き出し1メートル程の高さまで噴出。横に展開していく、そして大池が両手を突き出すと津波となって押し出された。

「避けろ!」「はい!」

 華月が叫ぶ。ケンを抱えて赤黒いオーラを放って飛翔する。ジークベルトは外套を黒い羽に変え滑田を抱えて上昇。

「大丈夫だよ華月さん、不死鳥の剣士を使えば俺も自分で飛べる」

「そうか」

 不死鳥の剣士の背に乗るケン、華月は上から大池を見据える。

「ハアアアアアアアアイ!」

 スープの水面を蹴り飛び上がる大池、空中に浮いている麺龍の残骸を蹴って迫る。

「ケンには近づけさせんぞ」

 立ちはだかる華月。

「アンタみたいな強者が勇者パーティーに入ってるとは大誤算だったぜ!」

 高速箸刺突連打を繰り出す大池。華月は赤黒いオーラを纏った手刀で応戦する。

「麺龍とこの出汁を最初から使われていれば我らはもっと深刻な状況に陥ってたかもな」

「わかってんだよそんな事は。だけど麺に拘らなきゃ俺じゃねえってなあ!」

「麺屋汁付きを名乗りたかったのか?」

「ハ! その方が断然マシだぜ!!」

 華月は大池の箸を見切りオーラ蹴りを放つ。大池は咄嗟に丼で受けるが一撃で粉砕される。

「気で強化した丼がこんなにあっさりと……」

「近接で貴様の気の流れはもう読めた。魔力で波長を合わせれば突破は容易い」

 そう言うと華月は赤黒いオーラを纏った10連撃を大池に叩き込む。

「が……は……バケモノめ……だが……」

 ゆっくりと落下していく大池。目はまだ死んでいないのを華月は気付いた。

「ケン! 奴が出汁の中に落下する前に仕留めろ!」

「あ、はい!」

 ケンは不死鳥の剣士に乗りながら必殺の一撃をいつでも放てるように準備をしていた。それを見ていた華月は咄嗟の判断でケンに指示を出した。

「撃槍ゼクスミニアド!!」

 螺旋の光の波動がケンの槍から放たれる。落下寸前の大池に命中、スープの波を切り開き地面を抉り大池を壁に叩き着ける。

「ぐうううあああああああ……こ、ここまでか……若申し訳ねぇ……」

 塵となって消滅していく大池。
 ダンジョンは解除され元の洛西竹林公園に戻っていた。

「これで二つ目の攻略だなケン」

「あ、はい! またジンガはハズレたけど……」

 そう答えつつも華月と共に戦えたことに満足しているケン。

「一度財団のギルドに戻りましょう、東京に向かったユウ君達の詳細も知りたいですし」

 ジークベルトは黒渦のゲートを出現させる。

「そうですね……では一旦戻りましょう」

 ケン、華月、滑田の順でゲートに入り最後にジークベルト。

***

――某所。

『許さないのです悔しいのです……ジンガ君もっと頑張るのです』

 真邪王が声を上げる。

 廃墟になったホテルに横たわっているジンガ。左半身はどす黒い紫色に変色し左目だけが輝いている。

「ざけんな……てめぇ……これ以上……」

『東京も宜しくですジンガ君! もっともっと頑張って勇者を苦しめましょう!』

「クソが……」

『京都はもう魔女アカネくらいしか使えそうなの残ってないのです! コイツではあの白峰華月を止められないと思うのです!』

「アカネをどうするつもりだ真邪王」

『白峰華月を邪眼でコピーする作戦に使うのです。まぁしょせんコピーで私が使いこなせなければクレメンタインのように無様にやられるかもですが』

「コピーするためにアカネを使い捨てにするつもりか……」

『捨てるつもりはないですよ?』

「……ところでセンジョーの暗殺者が俺を探してると思うか?」

『そりゃそうでしょう~ボスの酒呑童子に喧嘩を仕掛けたのだから……まぁでも東京の方に拠点を移せば問題ないのでは?』

「テメェは良くても俺が困るんだよ……半身がこのざまだからな」

 真邪王はジンガの半身に術をかけ、呪いで汚染し取り込んだ人間とリンクさせ東京に送り込み遠隔操作でダンジョンを造らせていた。ジンガの負担は大きいがいざという時はリンク先の呪い人間に意識を移して逃げられる。魂の定着が不安定なためにジンガに合う新しい体を用意しなければ数日で死に至る。先代の魔王であるジンガの父親はこの方法で一度財団から逃げのびたことがある。

『ならいっそのことオータムホースシティか合衆国に逃げるのもありかもなのです。【凶】復活に時間はかかりますがとりあえずジンガ君が死ななければどうとでもなりますし』

「……俺のスペアボディになりそうな悪人がウヨウヨしてる街に行きたいんだろう? ハ! オータムホースも合衆国も悪人は吐いて捨てるほどいるだろうが俺ほどの呪力のある奴がそう簡単に見つかるかよ」

『まぁ大体の目星は着けてますけどね~……自分としてもジンガ君がこのまま不能になるよりは大復活して大魔王として君臨してくれる方が楽なのです』

「どの口が言いやがる……テメェの無茶のせいで俺の体はガタガタだ」

『それならばサイバネ化しましょう! 最先端技術を持っている神名もしくは二位の院瀬見のサイボーグ手術を受けるのです!』

「馬鹿かテメェのせいで神名は無理だ。センジョーは神名と取引している俺の名前は知れ渡っているだろうよ」

『では院瀬見ですか。オータムホースシティにいけばいいですね。あ、合衆国にいけば神名も院瀬見もどちらもいけるのでは?西側は神名、東側は院瀬見の企業があるのでは?』

「合衆国に行けば邪体のある日本から離れるぞ……帰国に手間かかる」

『邪眼はここにありますしとあと一つ……邪腕でも手に入ればどうとでもなるですよ。その後は【凶】の勢力を拡大して手下に揃えさせればいい訳ですし』

「邪腕か……東京のシーア財団の保管庫から奪取するしかねえな」

『決まりなのです! 東京のシーア財団の保管庫を襲撃するのです!』

「襲撃だぁ? 優秀な部下を二人も失ってるんだぞどうするつもりだ……」

『数でゴリ押すのです! センジョーで邪眼コピーした影を放つのです!』

「邪腕が取れなければ俺たちの負けだぞ……」

『逆に邪腕さえ取れれば勝ち確なのです!』

「作戦はあるんだろうな? まさか俺に立てろってか?」

『邪眼大作戦なのです。人の多い場所にダンジョンを作ってコピーした影に食わせてつよつよに育ててできるだけオリジナルに近づけて襲撃かけるのです』

「ダンジョンの守りはどうすんだ! 財団も馬鹿じゃねえぞ」

『そこは仕方ないですけど自分とジンガ君の力を合わせて迎え撃ちましょう!』

「結局背水の陣かよ……負けたら俺の体も持たねえな」

『まぁ財団のパーティーのデータも集まってきたし何となるです』

***

――東京新宿北側

TMIのUチームである終夜アリナ、フローレンス・フランシス、哿清美と財団のギルドメンバーを合わせた四人はダンジョンが作られたとされるビルの前に到着した。

「こんなに人通りの多い場所に……」哿がつぶやいた。

「夜でもにぎわってますね」とアリナ。

「ダンジョンの周囲には影のようなモンスターが出現するとの話でしたが」フローレンス。

「そこの商業施設の中ですね。閉店時間ですが気にせずに突入しましょう」と財団の女が言った。

「シーア財団の指示ならば従いましょう」

 アリナが言うとアイコンタクトを読んだ哿がアリナとフローレンスの背中に触れ店内にテレポートする。

 店内に入ると1階の婦人服エリアは血の海と化していた。大勢の人が倒れゾンビ化した人々を襲い死亡するとゾンビ化して更に数を増やしている状況であった。

「これはひどい……」

 哿が顔をしかめる。

「ママー! ママー! 何処にいるの!?」

 幼い男児が叫んでいるのが見えた。マネキンの裏に隠れて泣いている。

「……!?」

 それを見た哿はテレポートをして男児の元に接近する。

「もう大丈夫」

「ホント?」

 そう言った瞬間、哿は背中から何者かに突き刺された。

「哿さん!」「哿さん!!」

 マネキンのスカートの中から皮をはいだような肉の触手が伸びていた。その先に付いた鋭い棘が哿の背に突き刺さっている。防刃防弾のTMIジャケットでなければ貫かれていた。

 爆発的なダッシュで哿に接近するアリナ、肉の触手に拳銃を撃ち込むフローレンス。

「哿さん、フローすぐに手当を!」

 アリナは男児から哿を離す。

「ママー! お姉ちゃんママ知らない!?」

「知りません。怪物の母親など」

 男児の後ろから飛んできた棘をガントレットの指で弾いて防ぐアリナ。

「なあんだつまんないの!」

 男児の口が裂けアリナに噛みつきに掛かる。アリナは左手指を広げて男児の口の中に突っ込んで上と下の歯を指で支えて止める。

「あが……あががががが……!(そんな馬鹿な閉じれない!)」

「マネキンと同一個体で擬態するタイプの怪物でしたか。哿さんの反応が遅れるほど見事な殺気消しですね」

「あががががー!」

 マネキンの腕が伸び襲い掛かる。対するアリナは右手のガントレットに仕込んだベアリング弾を指で弾いて撃墜、粉々に打ち砕く。

「があああああああああ」

 アリナの弾くベアリング弾は大口径の拳銃に匹敵する。

「店内のゾンビはお前の仕業ですか? 違ってもそうであっても許しませんが」

「があああ!」

 舌を伸ばして攻撃するモンスター、アリナを仰け反らせてその隙に離れる。

「ヘヒヒヒヒヒ……ここは嘘と本当を見極めるのが困難なダンジョン! あれが本当にゾンビか? それともそう見えている一般人か? それとも別のモンスターか? モンスターに見えて一般人が紛れている可能性も……あるかもなぁ?」

「ヒントを教えてわたし達を試す気ですか? 攪乱を狙った所でお前の運命は変わりませんよ」

 空気の破裂音が鳴る。モンスターの反応を超える速度で接近したアリナの放った正拳突きは音速を超えて擬態モンスターを打った。衝撃を中に残す打ち方の為その場で擬態モンスターの顔面は破裂した。

「一度外に出ましょう哿さん、フロー。財団にこのダンジョンの状況を知らせましょう」

 アリナが振り返るとフローレンスが哿を治療していた。

「そうですね……このまま進むのは危険です」「何かいい攻略方法があるかもしれませんしね」

 哿のテレポートで外に出る三人。ワゴン車に戻り財団の女に中の状況を伝える。

「なるほど……死者とモンスターと一般人の見分けが困難と……それならば」

 財団の女は携帯を操作してタブレット端末とリンクさせギルドに繋げる。

「こちら北側攻略中のUチームプラスです」

『どうした?』ギルド待機の財団の男の声。

「才賀親子のどちらかをこちらに派遣してもらいたい。ネクロマンサーの力が必要です」

『了解、すぐに動けるのは才賀愛来薔薇、娘の方だ。向かってもらう』

続く





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Last updated  Aug 10, 2024 11:06:35 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
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くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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