未完成のブログ

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Aug 18, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその23

 十分後、アリナ達が乗るワゴン車の元に才賀愛来薔薇が現れた。

「貴女がサイガ・メグルージュですか」

 アリナが出迎える。

「そうだよ。苗字ママと名前被るし愛来薔薇の方で呼んでもらってOK?」

「わかりました。ではメグルージュ早速作戦を開始しましょう」

 フローレンスの治療で完全回復した哿がワゴン車から出てくる。

「ごめん僕があのモンスターに近づけなければ……」

「いえ、あの程度の怪我で済んで敵の情報を得られたので哿さんは何も悪くありません。あの状況で子供を見つければ救出に向かうのが普通です。本来ならわたしが最初に行くべきでした」



 フローレンスがワゴン車から下りる。

 哿のテレポートで1階の婦人服売り場に再度突入する。

「うわぁ凄い邪気……2階に向かうエスカレーターの方から漂ってるよ」

 愛来薔薇は横ピースサインの2本指の間から覗いて言った。

「それでこのフロアーに無事な人は居ますか?」

 アリナが聞く。

「えっとね……2時の方向にあるバリアフリートイレの中に大人と子供が隠れてるよ」

「ではすぐに救出しましょう」

 アリナが頷くと哿がテレポートを発動する。アリナとフローレンスはバリアフリートイレの中に瞬間移動する。

「うわぁ!」「ひぃいいい!」

 抱き合っている父親と幼い息子の姿。



 アリナが二人の手に触れる。そして哿がアリナの肩に手を触れテレポート。一度フロアーに出て連続テレポートでビルの外にあるワゴン車の前に移動した。

「え?え?」「あれ?外に?」

「後は任せました」とアリナが言うと再び瞬間移動でビルの中に戻る。

 ゾンビであふれていたはずの1階フロアーは骨が散らばっているだけとなっていた。

「このフロアーの死者は全員成仏してもらったよー骨は遺族に渡って欲しいから残したんだよ」



「2階に続くエスカレーターの先にダンジョンの入口があるね」

「あの化物のいう事が本当なら中のダンジョンは擬態だらけという事ですかね」

 フローレンスは銃をチェックしながら言った。

 ダンジョンに足を踏み入れるアリナ、愛来薔薇、哿、フローレンス。

 「ブンブブブブブーン!」

 機械音に合わせて叫ぶ声、天井が割れチェーンソーを持った男がアリナに飛び掛かってきた。

「ブンブンミンチー!」

 振り下ろされるチェーンソーアリナは合金製のブーツに仕込まれたアンカーボルトを使って瞬時に蹴り火花を散らす。

「おおっと……」

 仰け反るチェーンソー男、アリナは一歩踏み込んで横蹴りをチェーンソーの本体に叩き込む。

「おわあああ」

 吹き飛んでいくチェーンソー男、両手の指は衝撃で砕けて反対側に曲がっている。

「お、おれの――ごぶっ」

 間髪入れずフローレンスのサイレンサー付き拳銃の弾丸が喉、心臓部に炸裂する。

「あと数秒生きてるはずです。で、この男はどうですか愛来薔薇さん、人間かどうかの判定を」

「邪気に飲まれてるから人間じゃないね~」

「なら治療せず始末しましょう」

 更に頭部に弾丸を2発撃ち込むフローレンス。

「怖……TMIってプロって感じする」

 何の躊躇もなく銃弾を撃ち込むフローレンスの姿を見て愛来薔薇は思わず呟いた。

「死にさえしなければ私の異能でどうとでもなるので愛来薔薇さんは先に教えて下さると助かります」

「おっけ~……」

 暗く湿った空気のコンクリートの通路を進んでいく一行。

「う~んこの反応……邪気を持った死者がドンドン増えてるよ~邪気死者に殺された人が邪気死者になってってる……」

 愛来薔薇は携帯に表示した魂の光の点が変わっていくのを見せる。

「急いで首魁を探さなくてはならないという事ですね」アリナが言った。

「最初っから全部邪気死者ならアタシとTMIの皆で蹴散らしてドンドコ進めるんだけど生存者が結構いるからコレかなり嫌らしいよ」

「見捨てて進むなんて事は私達にはあり得ませんから」フローレンスが言った。

「せめてボスの居場所が分かれば僕のテレポートで最短ルートを進めるんですが」と哿。

「あーね……ちょい待って探す方法あるかも」

 愛来薔薇はチェンソー男の死体を浄化して骨を拾う。

「コイツの死ぬ寸前の記憶をたどって更にまた殺した奴の記憶をたどってを繰り返せば最初の奴にたどり着けるハズ」

「うまく行きます?」とフローレンス。

「正確な位置を哿さんに伝えてテレポートして邪魔な奴がいたらアリナさんが退けて生存者がいたらフローレンスさんが治療してをやりながらになりますが多分これが最短かな?」

「他に良い方法も今は思いつかないのでメグルージュさんの案で行きましょう」とアリナ。

 愛来薔薇の指示でテレポートする一行。キャンプ用品売り場に到着。そこにはブタの皮を被った男が電動ドリルを持って生存者を追いかけまわしていた。

「あのピッグマンだよ!」「了解」

 アリナは目の前にあった薪割り用の斧を手に取って投げつける。ピッグマンの電動ドリルは粉砕され手は崩壊。

「ブギャアアアアアアアアアッ!」

 接近したアリナは鞭のようにしならせた横薙ぎの裏打ちでピッグマンの顎を砕きそのまま素早く引いて裏拳を胸に撃ち込んだ。拳大の大きさにピッグマンの体は凹み背中の肉が爆ぜうつ伏せに倒れる。

「うわヤバ……それも異能なの?」

 哿と一緒にテレポートして接近してきた愛来薔薇が言った。

「いえこれは空手です。異能は使っていませんよ」

「えーカラテすごーい!」

「鍛えるのに異能は使ってきましたね。今は制御に不安が残るのであまり異能は使わない事にしています」

「は~イザって時だけ使う感じ~?」

「そのように思っていただいて結構です。それよりも早く次の記憶を読んでもらえますか?」

「おっけおっけー」

 骨から記憶を読む愛来薔薇、アリナ達はテレポートする。
 次はレストランの階に到着。

「肉サイコー! 肉ラヴー!!」

 獣のように這いつくばり人も食肉の塊も混ざりあった状態のものを頬張る長身の男。

「新しい肉か……新鮮な肉だあ!」

 包丁を投げつける男、アリナは二本指で受け止め即座に投げ返す。包丁は長身男の目に突き刺さった。

「ほぎゃああああああっ!」

「……」

 アリナは一気に踏み込んで手刀を振り下ろして長身男の脳天を粉砕する。

「次行きましょう」

 そしてたどり着いたのは映画館を思わせるフロアーだった。

「な、の、で、すー!」

 手を叩きながら少年とも少女とも判断できない声の兎仮面を着けた子供が現れた。

「素晴らしい速さなのです! 誰も助ける事が出来ずに絶望に打ちひしがれ死者にまみれて精神崩壊を起こさせるつもりだったのに驚きなのです!」

「何者ですかお前は」

 アリナはベアリング弾を準備する。

「真邪王といいますです! まぁ上位の存在というか【凶】の崇める邪神的な存在なのですよ!」

「お前が話に聞いていた真邪王ですか。ではその寄り代を倒せばこのダンジョンは消えるのですね」

「正解なのです! でもこの少年を殺すことができるかな? まだ生きてるのですかわいそかわいそなのですよ?」

「死なせなければ可能性はありますよ」

「へぇ~随分と自信があるのですね~……まぁどっちみち負けないのですけど」

「ちょいちょいちょい」

 二人のやり取りを聞いていた愛来薔薇がおもむろに前に出てくる。

「ここはアタシにやらせてよ。死者の冒涜マジで頭キテんだから!」

「なんなのです?」

「ネクロマンサー・才賀愛来薔薇よろしく!」

「鬱陶しい雑魚は消えるのです!」

 映画館の座席を複数浮かせる真邪王、手をかざして愛来薔薇に向けて飛ばす。

「舐めんなっての!」

 地面から生えた骨の集合体の腕が座席を受け止める。

「死者の話を聞いて安らかに逝ってもらう、それは大事な事だけど折角できた縁、アタシは現世でも大事にしていきたい。だから少しだけ皆に力を借りる。アタシがあっちに行ったら一杯恩返しするからねって」

「なにを言ってるのです」

「アタシは精一杯色んな事を体験して縁が出来た人達にお話を聞かせたい、武勇伝の中にあなた達(死者の皆)も居たよって言いたい」

「骨の大軍を操った所でこの子供エスパーに取り付いた私には勝てないのです!」

「デッドアンドリビングアンダーワールドコンサート(死者と生者の冥界葬奏領域)!!」

 愛来薔薇の体から波動が広がっていく。空間は塗り替えられ星の瞬く野外コンサート場に変わっていく。

「馬鹿な! 真邪王のダンジョンの一部を塗り替えるなんて信じられないのです!」

「Naaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

 骨で出来たマイクに向かって叫ぶ愛来薔薇。

「ナアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 怖気のする叫び声が一斉に響く。コンサート会場には骨達で満員状態。

「こ、こんなの只の大げさな仕掛けなのです! お前さえ殺せば……」

「無理だよお前は既に会場を敵に回してる! 一人一人はお前に敵わなくてもみんなの意思の力が合わされば恐れる事なんてない!」

「オオオオオオオオオオオオオオオッ!」

「……なんで体に力が入ら……ない」

「上位の存在だろうが何だろうが人間舐めんな! 動物も舐めんな! その少年から出ていけお前はここに居てはいけない!!」

「ウオオオオオオオオオオオオッ!!」

「だ、黙れー!」

 歯を食いしばって愛来薔薇に殴りかかる少年に取り付いた真邪王。

「それは悪手! アタシにだって近接の手段はあるし!!」

 愛来薔薇の全身を骨のアーマーが包み込む。そして真邪王の顔面を平手で打った。

「力が抜けていく……」

「あと何発でお前は成仏するかな?」

「この真邪王相手にこんな真似が出来るとは……でも邪眼でじっくり観察できたのです」

「おや退散? じゃあ少年は返してもらうよジョーイソンザイ」

「才賀愛来薔薇……覚えておくのです……絶対に殺してやるのです!」

「じゃあまたねっと!」

 追撃の平手で糸が切れたように倒れこむ少年。左目が欠損していたものの他に外傷はない。

「コンサート終了! 皆ありがとーーーーーーーーー!!」

「ワアアアアアアアアアアアアア!!」 

 デッドアンドリビングアンダーワールドコンサートを解除する愛来薔薇。

「ただいま」

 目の前にいるアリナに声をかける愛来薔薇。

「メグルージュと真邪王が突然姿を消したので驚きました。貴女の能力ですか?」

「そう、ゴメン前もって言っとくべきだったかな?」

「そうですね……ですが少年を救出できたので良しとします。フローなら問題なく治療してくれるはずです」

「良かった」

 愛来薔薇は後ろに控えていたフローレンスに少年を引き渡す。

「真邪王は逃がしてしまったけど……」

「仕方ありません。次に会った時捕らえれば良いのです。封印には勇者が必要ですが」

「勇者君じゃなきゃ真邪王を封印出来ないんだったね……」

「感謝します才賀愛来薔薇、貴女が居なければこの少年は助けられなかったでしょう。アリナも私も哿さんも少年を死ぬ寸前まで追い込んで真邪王を離れさすしか手段はなかったはずです」

「役に立ったのなら良かった……オータムホースでは取りこぼした命が一杯あったから」

 ダンジョンが消えていく。元の商業ビルに戻っていく。

「ダンジョン消滅を確認」

 アリナが携帯に向かって言った。

『こちらでも確認した。次は南側に向かって欲しい。勇者ユウがダンジョン攻略中だが周囲に漏れだした影モンスターの数が多い。対処してくれ』シーア財団の男が言った。

「了解、直ちに向かいます」



続く





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Last updated  Aug 18, 2024 10:15:35 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
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