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2023.02.11
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カテゴリ: 旅日記
2023/02/11/土曜日/ 建国記念の日 であって
建国記念日、ではない。


昨日の雪が温んで排水溝に音なしで流れる。




未だに木下杢太郎の周囲を巡る衛星の如く、
思案する。

ナニ、伊東の食堂にて仕入れたお手製カラスミ
も未だ冷蔵庫に保存あり、夜の愉しみは続く。

丸善日本橋店で2週間待ちと言われた随筆集も
5日で届いた由

これで返却を気にせず、読みたい所にいつでも
アクセス可能。WEBではこうはいかず、紙サマ。

随筆の特筆は「海郷風物記」に見る、杢太郎の耳
とその形容

銅体から離れた一条の浪が寄せ来るに、それを
擬人化して、ある諧謔を思いついた人が遠くから話相手を認めて、笑いながら近づいてくる、と表す。

その擬音たるや。

ざ、ざ、ざ、ざ
ざっくろんー
ざざああーるろ、るろ、るろ
すら、すら、すら…

というのである。

そして、静かに心を静めて、波の為す曲節に耳を傾けると漁夫の舟歌の調子を思い出す、と言い、

「その唄のゆるやかに流れてゆく時、突然音頭を取る人の高い転向(モジェラシオン)に驚かされる事がある。それは突然大きい波が砕けた時の心持によく似て居る。…」

そして舟唄の「よう、よう、よう、よいや、よう」の綱引き掛け声をカデンツァと覚えるのだ。

という件から、いよいよ鹿島踊りの御神体に至る、海の男たちの祭=祀りの本質への描写を読むと、彼はまた文化人類学の道でも尊い仕事を為したろうと想像される。



これはその神社であろうか。

駅裏の伊東公演敷地の小高い丘上に鎮座する
鹿島神社で、杢太郎の頃はここから浜まで
一気呵成に神輿を下ろしたという。

訪ねた時は未だ七福神巡りの時期でもあったが、ここに人影はなく、ただ梅の花がひっそり紅を点していた。眼下はるかに海と空が出会っている。


この公園内にも杢太郎の詩碑がある。

また、この敷地は

李王家、すなわち 李 垠と方子 
の別荘跡地で、戦前までお屋敷があったらしいが、
詳細は掴めない。


今回の旅で、木下杢太郎という筆名の背景を知る。

黄金色に稔るみかんの実をみて、その木の下に何かの秘密があるのではないかと真剣に思案する、凡愚な農民杢兵衛の子杢太郎


がそれ、である。
当に太田正雄という人の秘密の種がここにある。
と、思うのだ。







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最終更新日  2023.02.11 09:39:56
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