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2025.07.02
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カテゴリ: 旅日記
2025/07/03/木曜日/えろう暑おす


6/27 金木かなぎ は、昨日は激しい雨だったとか。




本日は曇り。最初のV字道を左に行くとすぐ、
太宰一家が疎開した
太宰治疎開の家/旧津島家新屋敷 がある。





実は当地に来るまで、この家のことは全然知らなかった。もとよりガイドブックの類を持ち歩かなくなって久しいので、実は情報貧民かもしれない。



出会えても出会えなくても、の旅がらすは偶然を愛するのであった。


こちら入館料は千円。強気な設定かもと思いながらも、是非どうぞお入りください、と迎えてくれる館員らしき人の佇まいが好くて入館する。

ここでは館員の方のガイドがありました!


↑太宰の長兄が蒲柳の質の風情で文学青年然としている。早稲田の文学に進み同級が 井伏鱒二 だった!
左、太宰治。




疎開の家 は、長兄の新婚屋敷(= 新屋敷)と して普請された。 斜陽館 から新屋敷の一角は元は全て津島家の本邸の土地だったという。

油の小売から始まり瞬く間に青森県内の大地主になり、 貴族議員 にまでなった父と若くして家督を継いだ兄も政治に関わっていく。


斜陽館を見れば一目瞭然。貧富の格差なんぞという言葉すら穏やかに聞こえる。もはや人種が違うような差異に、多感な少年太宰の含羞が屋敷の洋間の硝子に歪む風景と重なるようだ。

↓疎開の家が、これである。


たまたま案内をご一緒した、太宰治ファンらしき女性が熱心に質問され、澱みなく応える館員の説明、太宰治への距離の保ち方などとてもよかった。
宮沢賢治 との対比なども。或いは空襲のこと。



↑滞在したのは1年半ほどか。
その間に実に23作品も成した。背の高い太宰は片膝を立て、右手で原稿を覆うようにして、この小さな机で書き上げた。机上には ゴールデンバット



ここにはいつも大勢の来客があり、太宰治に憧れる地元文学青年もいれば、酒をねだりに来る輩も。




井伏鱒二がどれだけ太宰治の面倒をみたか。兄の存在、交情があったのかもしれない。

太宰治の家族関係や地元の人との交流など、現場の中での案内は、太宰治の人となりが目に浮かぶようで、実感が伴うものだ。



それに比べると確かに斜陽館は大きいなあ、豪勢だなぁ、と見上げて通りすぎるようで、ここには太宰治の印象が伴わない。



コメが不作の年、借金した百姓は自分の田畑を担保にする。翌年返済できないならば、田畑は取り上げられる。そうして大地主が登場した。




社会正義に目覚めた少年は出自のカラクリを知り、狼狽え、傷ついた。米一俵で買われていく少女を、その貧しさの本質を見て。
理解できる。共感できる。




やがて自堕落な生活に身をやつし、情死の相手のみを死なせてしまう。その罪禍も兄の政治力で薄められ、挙句病院で投薬された薬の中毒に陥る。




大金持ちの、甘ったれたヤクザ息子。故郷金木ではみなにそんな目で見られ、また扱いを受けたろう。
当人もそんな故郷に帰る気は無かった。

しかし、母の危篤を聞いて妻美知子が背中を押したのだ。


↑客間に比べると、意外にも質素な主人室。
床さえなく、小さな書架が置いてあるだけ。夫人室の方が大きく明るく上等だった。

『銀河鉄道の父』 ならぬ『走れメロスの父』は刊行されないのか。




斜陽館を後にして、目の前の 津軽三味線会館 の、
2時からのライブへ。うーむお昼を逸してしまった。

今まで知らなかったけれど、ここ金木が津軽三味線発祥の地、だそうだ。



力強く若い奏者、難曲もこなす穂積さん。
拍手を入れる箇所などのレクチャーもしながら。




↓空腹を潤う おやき 産直メロス で購入。



今晩の宿泊先である弘前へ
津軽鉄道と五能線を乗り継いで。







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最終更新日  2025.07.04 09:57:18
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