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久しぶりにのんびりした日曜日を過ごしている。朝から雨が降っているので、洗濯もままならない。けれど、洗濯物は結構溜まっているので、昼過ぎに起き出して洗濯を始める。雨は小降り。明日片割れが休みなのを良いことに外に干しておくことにした。のんびり起き出したので、全てが遅い。ブランチも1時過ぎ。その後、柚木崎は昨日の続きを、片割れはGP01作成にいそしむことしばし。はた、と買わなければいけないものがあったことを思い出したのが午後の3時過ぎのことだった。どこまで買いに行くか、としばし悩んだが、徒歩で10分ほどの最寄り駅近くの文房具屋に行くことに決定。買うものは友人の出産祝いカードである。学生時代から今まで、仲の良かった友人の一人である。葉書が来たのが昨日のこと。初子で娘、写真を見る限り、口元が友人そっくりである。これはなにかお祝いも贈らなければ……可愛らしいカードと、そういえばとクリスマスカードを2つ買い揃え、特に他に買うものもなかったので、そのまま帰路についた。帰り道が実は難所。途中にゲーセンがあるのである。必ずと言っていいほど、柚木崎も片割れも引っかかる。今回もその例に漏れず、包囲網に引っかかる。ふらふらと釣られて入った中は、既にクリスマス一色。なぜか制服を着たお嬢さんがたくさんいる。日曜で、なぜ制服??不思議に思ったが、最近はそういうものらしいと聞いて納得したようなしないような。やはりクリスマスグッズは取りにくくされている。というより、基本的に取りにくくしてあるのかもしれない。なんとなく取ったのは生活用品。100円で取ってしまった。まあいいか。その後、下の階に移動し、片割れが熱い視線を注いでいる戦利品を狙う。が、これはどうにも取れないように設定されている。重さとアームの強さが釣り合っていない。何とか持ち上げ、途中まで持ってきたのだがアームが耐えきれず、結局落としてしまった。その後暫く頑張ってみたが、ダメだった。そうやって片割れと一緒にやっていると、背中がなんだかチクチクとするような気がした。振り返ると、柱に寄りかかった女性がこちらを見ている。腕を組んで、上目遣いに、である。なんだかよく分からないが、厭な気配である。全く知らない人なので、気にしないようにしながら遊んでいたが、怪しい人にぴったり後ろにつかれたりと妙なことが多かったので取れなかったのは残念だが、退散することにした。帰宅後も暫くゲーム。のんびり過ごすのも久しぶり、という気がしている。たまにはいいか、こういう休日も。
2003.11.30
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唐突に嬉しいことが起きた。そう言っても過言ではない。ずっとCMで見ていたから、出ることは知っていた。けれど、内容がよく分からなかったので評判を見てからにしようと思っていたゲームである。WILDARMS AlterCode:Fである。柚木崎が一番最初に買ったゲームが、このゲームの最初のもの、PS(プレイステーション)版「WILDARMS」だった。ストーリー性もさることながら途中途中にあるパズルがまた頭を悩ませてとても楽しくプレーさせてもらった覚えがある。その後、2,3と続編が出て、そのたびに買ったのだがだんだんと「ARMS」の意味が変わってきてしまって購入を辞めようかと思っていたところに、今回のこれである。思わず「買う!」とTVに向かって叫んでしまった。それを聞いていた片割れが買ってきてくれたのだ。ちょっと失敗だったな、と思っている。ゲーム雑誌を読まない柚木崎はどんなゲームが出るかをTVのCMでしかチェックしていない。あとはネット上で「いつ出るか」をチェックしている程度。だから、内容まではよく知らなかったりする。買っているゲームは『勘』で買っていたりするのだ。「これは好みのゲームかもしれない」その勘に従って買っている、と言っていい。以前のWA(WILDARMSの略)は片割れと一緒に進めて、なんとか攻略できた。今回もきっとそうなるだろう。というより、パズル要素のところは片割れが好きで横から奪われること確実である。そう思いながらゲーム機の電源を入れた。懐かしい音楽、CG画像の美しいこと。なんだか嬉しい。戻ってきた、という気がしてならない。思わず、「おかえり」と呟いてしまった。片割れが隣で笑っている。懐かしいのは柚木崎だけではないらしい。さて、今日はどこまで進めるかな?
2003.11.29
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ずっと続いていた頭の痛い作業もどうやら今日で無事に終わりそうな気配である。いくら自分で探しても、間違いが見つからない。これはどうしたものか、と頭を悩ませていたのだが一緒に仕事をさせてもらっている業者の上の人が「……大変そうなので少し手を加えてみました」と手直ししたファイルを送ってきてくれた。手直し、というより、gifファイルやらjpegファイルやらが数個増えたファイルである。基本的なところは全く直してないという。「腕を上げましたね(にやり)」そんな感じのメールももらい、なんだか複雑な気分の柚木崎である。午後からアップデート、と聞いていたのでまたもや時間が分からない状態のままで待ち続ける。その間に、勉強も兼ねて送られてきたファイルと自分で作成したファイルのどこが違うのかを検討。まだまだ初心者の域を出ていない柚木崎だから地道にソースの確認をしているのだ。一つ一つのタグから、なにが違うのかを確認していたのだが見つからないこと見つからないこと。もちろんその間に他の仕事も入ってくる。待ち人来たらず、というのもあった。今日は特に、先週代休を頂いたこともあり週一の上司たちからはなぜか大歓迎を受けることになったりして余計に捗らなかったりした。それはそれでなんだかとても嬉しかったのだが。やがて、担当の上司到着。「いいかな~?」相変わらず暢気な口調である。だいじょ~ぶ~、と声をかけると、ドアをひょっこり開けて顔を出した。「なんとかなりま~したか~?」在日中国人の上司は、日本語が上手である。しかし、時々こうやって日本語で遊ぶ。そういうときは遊んで欲しいのだろう、と認識しているので柚木崎も言葉遊びをするのである。今日は昨日よりせっぱ詰まっていないからおかげさまでというかなんというか、和やかに作業が進む。問題のアップデート。サーバが古い可能性を考えて、現在アップデートされているもののバックアップを取って消去。そして、新しいものを書き込むという作業になった。念のため、昨日と同じことをしてみるが、やはり新規に更新されないので、その手でやってみた。数分後。無事にアップデートが完了した。確認すると、間違いなくアップされている。これなら大丈夫、と一息ついたところで業者のSさんから電話が入った。「無事にアップデートできましたね。おめでとうございます」どうやら気になって確認してくれていたらしい。いつになるのか分からないというのに、本当にご迷惑をおかけしたと思う。やきもきもしただろう。本当に頭が下がる思いである。丁寧に礼を言うと、Sさんは含み笑いでこういった。「いやぁ、まだまだ頑張ってもらわないと」なんだか怖い一言である。傍らの上司を見上げると、同じような含み笑いが。背筋が冷たくなるような気分がしたのは気のせいだろうか。そんなふうに考えていたら、Sさんが続けてきた。「HTMLタグが完璧になったら~、次はJavaScriptだし~、 あ、少しそれは大丈夫だったね~。 じゃ、次はFlashだな~これも囓ってるから大丈夫? CGIも少しやったしね~、全部完璧にやろうね~」明らかに楽しんでいる声である。上司は隣で腹を抱えて笑っている。やっと一つ終わったと思ったのに、なんだか余計に抱え込んだような気がするのは気のせいだろうか?とにかく、終了! の、はず……である。
2003.11.28
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今日はもう、脳が疲れてしまった。滅多に脳が疲れ切ることはないのだが(使ってないことがばれてしまう)、今日は本当に疲労しきっている。しかも、一部分だけが、という感じである。理由は、仕事である。職場のHP関連の仕事をしているのだが、うちの職場は正直言って、PCに強い人がいない。なにしろ、ウチの部署だと柚木崎が一番強いのだ。好きで勉強しているから、とか、片割れが詳しい人だからとか、要因はいろいろだ。専門で勉強してきている後輩もいるのだが、「知りません、分かりません」の一点張りで全くなにもやらないのでお鉢が回って来るとも言える。おかげでHP関連の仕事も回ってきたというのが本当のところ。まぁ、基本的にこういうことは嫌いではないので、どちらかというと楽しんで勉強しながらやっている。しかし、困ったことはそれだけで済まないことなのだ。今回、職場のHPの更新をする、という話が来た。その話が先週の頭にあり、先週中に、という話だったのだが、結局原稿が集まらず、今週に流れてきた。もちろん手書きの原稿をHP用に作り直すのである。その時間をもらわなければ出来ない。こちらもまだまだ勉強中ということもあり、即座に「これです」と出せないのが悔しいところではあるが。作成して、問題なく動くことを確認して。そのタグ打ち作業中なのに、いろいろと質問をされるのである。その内容が、全く関係ないことだったり、別のことだったりするならば、まだ脳はこんなに疲れなかっただろう。しかし、質問されてくる内容というのがおしなべて全てPCに関することなのである。まるで見計らったかのようなタイミングである。いつもは全然違うことを話したり出来るのに、それが出来ない。少し考えなければ答えられないような質問を次から次へとされてしまう。相手が日本人だけならともかく、ネイティブの方にまで聞かれてしまったときには既に脳はかなり疲弊しきっていた。同じ領域ばかりを使っていたからだろう。いきなりなにもやる気がなくなってしまった。気分転換に行きたくても〆切がすぐそこに迫っている。しかも、その〆切が「○○時ごろ」という曖昧なものだから前もって終わらせておかなければならないのにあと少しのところでぱったりとやる気が失せてしまったのだ。しかも、思考能力すらおぼつかない。単純な四則計算が出来なくなってしまったくらいなのだ。やばい。やばすぎる。残り45分というやばすぎる時間の中で一息入れることに。香りの良い紅茶を入れて、飴を一つ口の中に放り込む。紅茶を飲もうとした瞬間、電話が鳴った。思わず飴を飲み込んでしまった……。電話の主はHPの責任者である上司。「どのくらい進みましたか~? もう、アップ作業OK?」暢気な声が聞こえてきたときには噎せていた。やっと咳を納めて、残りわずか、と答えると「じゃ、もう10分くらいしたら行きますね~」……一息も入れられなかった。仕方がない、やる気がなくてもやらねばならぬ。今日は仕事に来てから休憩が取れてない。昼休みすら曖昧なまま終わってしまった。あぁ、外を散歩しに行きたい。少し外の新鮮な空気を吸ってきたい。うわあああああああ、と思ったところで上司登場。「終わったかな~ぁ?」思わず手近なものを投げつけるところであった。その後、結局サーバー側がおかしく、アップデート作業は不発に終わる。「まだ残ってるから頑張ろうよぉ」と食い下がる上司にもう疲れたから明日にしましょう、と言い置いてとっとと帰ることにしたのだが。さて、明日は大丈夫なのだろうか……。サーバーの管理はこちらの仕事ではないので少しどころかかなり不安である。明日も脳疲労。いやだなぁ。
2003.11.27
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この時期になると、考えることがある。今年はどこで食事会をしようか、と。慌ただしくて目が回りそうなのについ、そちらに思考が行く。忙しいのはみな同じなのだが、以前遊んでいた某所で知り合った人たちとお食事会に行っていたのがちょうどこの時期。何年ほど前からの行事だろう? 覚えていないのだが、某所で知り合った人たちと始めたことだからそれほど昔の話ではない。だから、この時期になると考える。今年はなににしようか……声をかけるメンバーは毎年ほぼおなじ。6~8人程度の小さなお食事会だ。その中に結構飲めるのが3名、それなりが1名、ほぼダメが2名。だから、お酒を楽しむと言うより、食事を楽しむ方をメインで考えている食事会。飲み会ならまた別でその当時は設定していたが、なんだか疲れてしまって今ではやっていない。暫く会ってなかったけど、元気だろうか。そう思う人に声をかけて、みんなの都合の良い日を選んで場所を設定。今回はどうやら12月中旬。さて、果たして取れるのだろうか?お誘いメールを出すときには、タイトルを考えた。以前は「お食事会のお誘い」というタイトルで通じていたがなんだか面白くない気がしたので、今年は『年末恒例肉喰い大会』と称してみた。実際、ここ2年続けて肉なのである。すき焼き、しゃぶしゃぶ、とやったら今年は焼き肉しかないでしょう。そう自分で勝手に思って、このタイトルにした。すると、声をかけたメンバーから「肉♪ 肉♪ 肉~♪」との喜びの声が。みんなどうやら肉が好きらしい。いいことだ、と思いながら野菜をどう食べさせるか悩んでいる。だいたいのメンバーは揃った。さて、あとは会場を抑えるだけである。クリスマスが近いから、なにか考えるかな?そんなことも思いながら場所を選んでいる。さぁて、どこにしようかな……?
2003.11.26
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久しぶりの大雨になった気がする。柚木崎は車で出勤しているから余り気にならないのだが、片割れは徒歩&電車である。台風のような状態の叩きつける強い雨が、傘もムダにしてしまう気がして、仕事帰りに片割れを拾いに行くことにした。片割れの職場の前で待つこと暫し。同僚の方を送りがてら、帰路についた。寮に住んでいるというその方にナビをしてもらいながら濡れた落ち葉の上を走ると結構ウチの子、足回り強化されたなって気がする。その方を降ろして、捜し物があったので本屋へ寄ってお腹が空いたので夕飯を食べ、寄り道寄り道しながら自宅へ帰った。家に入って暫くしたときのことである。あんまり外の音が聞こえないリビングにいたのに子どもの大きな泣き声が響き渡ったのである。最初は何事かと思った。どこから聞こえているのか、空耳なのか。思わずきょろきょろと声のする方を探してしまった。子どもは泣きわめいている。男の子の声。ふとSくん(二軒お隣の家の男の子)が泣いているのかと思った。最近彼はいたずら盛りになっているからだ。玄関から顔を出して覗いてみると、姿が見えない。あけた瞬間に、声はさらに大きく聞こえた。玄関先に閉め出されたのだろう。さらに先の女の子かな、とも思ったのだが、やはり姿は見えない。どうやら上の階らしい。そこまで行くとあまり顔を知っている子はいないので玄関を閉めて肩を竦めた。たぶん、彼は謝るだろう。謝って、もうしないと許しを請うだろう。そうしたら親は怒りながらも彼を許すに違いない。そう思っていた。しかし、彼の泣き声はその後1時間以上響き渡ったのである。ごめんなさい、ごめんなさいと何度叫んでいただろう。泣きながら叫んでいるから、数回後には凄く咳き込みながら謝っていた。やがて声が小さくなり、泣き声も小さくなり……気になって覗いてみた。声が、しない。玄関が開いて彼を招き入れた気配もなかった。多分、泣き疲れて座り込んでしまったのだろう。覚えがないわけではないから、想像はつく。しかし……かなり冷えている。大丈夫、なのだろう、か。ウチの実家は躾は厳しかったように思う。母の機嫌を損ねて放り出されたことは何度あったことだろう。どうやって許してもらったかは覚えていないがそうとう大変な思いをした、という記憶はある。同じように放り出された子ども。ふと、自分の昔を思い出してしまった。手をさしのべてはいけないのだろう。よその人が介入できることではないはずだ。そう思いながら握り拳を固く握りしめた。虐待と躾の違いはいったいどこにあるのだろう?愛情の有無とよく言うが愛情があっても傍から見て虐待に見えたらそれは虐待になったりしないのだろうか。分からなくなってしまった。
2003.11.25
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昨晩、親たちを泊めて昼過ぎに帰っていったのを見送ってから預けておいたウチの子を引き取りに行った。水曜日に預けておいて、いろいろと手を加えてもらったのだが週末には返せないかもしれない、と言われていた。どうやら土曜日には処理が終わって取りに行っても大丈夫な状態にしてくれていたようなのだが、出かけてしまうので預けておいたのである。今回、ディーラーのYさんに預けたのには理由がある。ずっと以前から気になっていた点である。ブレーキの甘さを何とかしたかったというのがまず一つ。それに伴って、足回りを強化したいという思いがあった。購入してから一度も足回りは手を入れていない。だいぶへたっているだろうから手を入れたかったのがある。そして、電動ミラーの交換である。柚木崎も片割れも、駐車するとミラーをたたむ癖がある。その動きがかなり悪くなってきていたから交換をお願いしたいと思っていたのだ。それに加えてファンベルトの鳴きが気になっていたのでファンベルトの交換をすることになり、(これは以前、同じディーラーの別のエンジニアに半分だけ交換という妙なことをされたので、工賃無料で全部交換)そろそろ交換時だったマフラーを変え、さらに気になっていたボディの剛性を高めるためメンバーブレースを依頼した。頼んだことも多かったというのもあるが、ウチの子は一つ一つの部品がとても高価だ。電動ミラー一つで1万円以上する。それでも交換して乗りたいと思うのはこの車を柚木崎も、片割れも気に入っているからに他ならない。まだ走りたがっている。だから、走らせてあげたい。そう思ってしまうのだ。返却の際、Yさんがニヤリと笑った。「だいぶ乗り心地が違いますよ」その笑いのままのYさんに見送られ車を発進させた片割れが嬉しそうな声を上げる。マフラーを交換したからか、音がとても良い。ブレーキングに関しては無謀なことをしていないのであまり分からないが、性能はかなり向上しているはずである。ミラーは大人しく閉じるようになった。ボディー剛性は……そのうち実感すると思われる。Yさんが赤い色のメンバーブレースをウチの子に合うように色を塗ってくれたとのこと。見える部分ではないが、嬉しい気配りである。テスト走行というか、慣らし運転というか。そういう少しのドライブを楽しんで自宅に帰ってきて、二人で思わず笑ってしまった。二人とも、顔がほころんだまま元に戻らないのだ。やっぱりウチの子が一番いい。しみじみシートに座ってそう思った。この子が走りたがる限り、走らせてあげたいと思う柚木崎である。
2003.11.24
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今日は朝4時に起き出した。釣りに行くときはいつでもそうである。もっと早いときもあるが、今日は少しのんびりかもしれない。4時半に保養所を出て、目的地へ向かった。運転は片割れ、車の保有者である親父様や母は運転しない。柚木崎が運転しても良いのだが(むしろ運転したいのだが)、なぜかこう言うときは片割れが運転する。夏は既に明るくなってきていた空が、今の時期は星が瞬いている。目的地は結構な山奥なので、本当に星が綺麗である。明け方は魚もよく餌を食べてくれるのでその時間帯を狙って出かけたのだが、まだ真っ暗である。寒いと聞いていたから結構しっかり防寒してきたのだが、思ったより寒くなかったように思う。目的地に着くと、既に親父様の友達のTさんがいた。このTさん、親父様と本当によくつるんでいる。仲が良いというか、面倒見が良いというか。とにかく身が軽く、気遣いが細やかで片づけ大好き。その人が昨日、親父様から呼び出された。「明日釣りに行くから一緒に行こう」うん、と返事があって、本当に来てくれたそうなのだ。寒くなりそうだからとおでんまで仕込んできてくれていた。この人に「○○ある?」と聞くと大抵のものが出てくるから、母に言わせると四次元ポケットを持っている人らしい。昨晩から泊まりがけで待っていた、というTさんは、寒いから薪にしよう、と1年半乾かしておいた自宅の枯れてしまった松を持参していた。おかげで火は暖かく、とにかくよく燃えること燃えること。現地で薪は手に入れればいいや、と思っていたが朝露で湿気ってしまっていたため使えず、難儀していたのでとても助かった。さすがTさんである。次から次へと魚は釣るわ、料理は出てくるわで昨日以上にお腹いっぱいになってしまった気がする。途中から背中が寒くなり、火の傍から離れられなくなった柚木崎に、さらにあとから合流したOさんが使い捨てカイロをくれる。片割れの分は準備してきたのに、自分の分を忘れてしまった。そういうとOさんは穏やかに笑って「そういうものです」と。なんだか最近は親父様の友達に遊んでもらうことが多い。知っている人も徐々に増え、片割れ共々可愛がってもらえているのが嬉しいような。午後5時ごろに、そろそろ引き上げるかと片づけを開始。もう周囲は真っ暗、足下もおぼつかない。しかし、柚木崎たちの他にも子どもを連れた数家族がまだ残っている。寒くなるのにね、と呟いてあっという間に片づけ、風のように車に積み込んでしまった。今回の釣果は、ヤマメ・イワナを含めた鱒が70匹~80匹。こんなものかもしれない。(他に鹿の角を拾ったのだが、これもリストに入れるか悩んでいる)
2003.11.23
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本当ならこの連休、秋田の実兄のところに行く予定になっていた。先月、母たちとそんな話をしていたのだが、親にフライングされてしまい、いつの間にかキャンセルになってしまった秋田行き。でも、休みを取ってしまったと悩んでいたら親父様が釣りに連れて行ってくれることになった。今年最後の渓流釣りである。明日の朝早く行くと言うことで、車を預けてある柚木崎たちは、迎えに来てもらうことになった。そういう話になったら、親父様が会社の保養所を予約してくれた。ウチの自宅から車で30分ほどのところにある保養所である。昔はここまで来るのは大変だと思っていたのに便利になったものだなぁ、としみじみ思う。そういえば、幼い頃に来たときと、今の管理人さんは違うのだ。柚木崎が一番来ていた頃の管理人さんと違い、今の管理人さんは親父様と懇意である。来年定年退職の親父様。来られなくなったら寂しいだろうな、とふと思った。夏にも一度来たのだが、今回も管理人さんに大歓迎を受けた。柚木崎たちが来るから、と夕飯はいろいろ出してくれる。前回同様、テーブルが悲鳴を上げるほどの料理である。トンカツからはじまり、茶碗蒸し(前回甲殻類貝類がダメと知ったので海老がなかった)刺身、酢の物、ナメコのみそ汁、天ぷら……「こんなものを作ってみました」と出てきたご飯は零余子ご飯だった。天然の自然薯をすり下ろして海苔で包み、軽く揚げた磯部揚げもある。片割れがキノコが好きというのも覚えていてくれて今朝方取ってきたんだという天然キノコもいろいろ出てきた。ついつい食べ過ぎてしまう。親父様にはマタタビ酒。持参したお酒の他にこれをもらって上機嫌の親父様の後ろにいつのまにやら猫がすり寄ってきていた。そう、マタタビの匂いに釣られたのである。「おまえにはやらんぞ」と言いながら親父様が笑う。マタタビと酒の両方に酔った猫を想像したのだろう。さらにもう一匹、猫がすり寄る。愛らしい顔をした二匹は、親父様がなにもくれないと分かると今度は母後ろで愛想を振りまく。しかし、全てガラス越し。なにも貰えないのだが、爪を出さない前足で窓を叩いてみたり可愛らしい声で鳴いてみたりと仕草が本当に愛らしい。母は猫が大好きなので、もう目尻が下がりっぱなしである。管理人の奥さんが手に蒲鉾を持って出て行くと二匹は一目散に奥さんの元に駆け寄り、足下できちんと座ると、奥さんを見上げておねだりする。「捨て猫なのよね、あなたたち」そう言いながら蒲鉾を二匹の目の前にひらめかせておたべ、と声をかけると、二匹はようやく食べ始めた。そう、奥さんに言われるまで待っていたのだ。躾た訳じゃないんだけどね、と笑いながら奥さんが戻ってくる。その後ろを今度は年老いたコリーが追いかけてきた。こちらの飼い犬である。こんどはその飼い犬にハムを持って奥さんが外に出る。猫がまたすり寄るが、今度も奪わない。奥さんがいる間は、である。奥さんが背中を向けた途端に、犬のかじっているハムの端っこをしっかり銜えて引きちぎり、逃げていった。時々狐も見かけるんですよ、と話してくれた管理人夫婦。あと何度来られるか分からないが、また来ますね、と別れた。明日の朝は二人とも会えない。朝食も盗らずに出て行くからだ。親父様の会社の保養所は、どこか暖かい。懐かしさが少し彩りを添えているからだろうか。それにしてもお腹がいっぱいだ……。
2003.11.22
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先週の仕事の代休をもらい、今日は一日職場に行かないことになっている。のんびり過ごそう、と思っていたのだが、なんだかいろいろと動いてしまいそうな予感もある。片割れが仕事に出勤していつもなら二度寝を楽しむところなのに、なぜか目が冴えてしまい、のそのそ起き出すことに。何でだろう。いつもなら遅番の日。ぎりぎりの時間まで惰眠を貪るのだが。やっぱり柚木崎は普段は動かない人らしい。こういうときばかり体が動きたがる。嬉しくない。幸い天気も良いので、洗濯をすることに。日差しも暖かく、風もそれほど冷たくなく心地よく洗濯物を干し終えて布団も干すかな、と思ったのだがなんとなくやめておいた。(布団乾燥機を使っているから、良いと言えば良いのかもしれない)半分眠いような、眠くないような。そんな状態でジグソーパズルの続きをやりながらやっぱり眠たい、と布団に潜り込む。ずっと風邪気味だったのだが、休みの間に爆睡していたのが良かったのかもしれない。ずいぶんと体調的には良くなった。とろとろと眠りにつくまでの間、読みかけの本を読んで気づくと意識が落ちていた。目が覚めると昼を過ぎている。今日は片割れの帰りが遅い。ゆっくりでも別に良いんだな、と遅めの昼食。適当にあるものを食べる、と言っておいたので、(そうしないと、片割れはお弁当を買ってきてしまうのだ)本当にあるものを適当に。野菜不足、という事態は柚木崎家にはあり得ないことらしい。主食? 野菜。そう答えるほど野菜を食べる。煮物から炒め物から茹でたものから揚げたものまで。ラーメンにすると具が多すぎて麺が全く見えない状態になるのが柚木崎家の場合。次に多いのは魚。親父様の影響だろう。新鮮な魚は二人して大好物である。肉は……少ないのかも、しれない。そんなことを考えながら昼食終了。洗濯物はまだ乾かない。煙草をのんびりと吸いながら外を眺めるとどうしても川で遊んでいる鴨を数えてしまう。その数、41羽。少しこの間より少なくなっている。きっと上流の方やら下流の方やらでもっと溜まっているに違いない。そんな感じで今日の代休は過ごそうと思う。5連休。いい響きだ。
2003.11.21
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昨日のことである。仕事から帰って、郵便物のチェックをしたところ、電話料金の請求と宅急便の不在届が入っていた。不在届のほうは、宅配ボックスに入っているとのメモが付属。開けてみると、結構大きなダンボールが入っていた。自分の鞄と郵便物、ダンボールを抱えて片割れを入れてあげるために駐車場の扉を開ける。代車のため、車庫入れに苦労していた片割れがそのダンボールを見て目をむいた。「なにそれ?」片割れ宛ての荷物なのだが、心当たりがないらしい。柚木崎は差出人を見ているので分かっているが、内緒にしておいたほうが面白いだろうと黙って笑ってその場をおさめた。家の中に入って、まずダンボールを片割れに渡す。あて先が自分になっているのを確認しておそるおそる、といった風情でダンボールを開ける。…某懸賞の当選品が入っていた。当人、出した覚えがないと首をかしげているが、柚木崎は覚えている。毎週読んでいる雑誌に応募したもので、当たると思っていなかったものが当たったのである。どうやら柚木崎が使うことになるらしい。なんでだろう?続いて、電話料金の請求書を開ける。今月はいつもどおりの金額に戻っている。一安心、というところか。以前、驚くほど高額の請求をされたことがあり、なにごとかと思ったら、携帯電話にかけていたことが多かったことが判明している。次からは気をつけよう、と片割れともども思ったものだ。料金を確認して、通話明細書を見る。柚木崎の実家、片割れの実家、友人宅と電話番号が続き、意外なところが電話した先に入っている。…成田?成田とは、あの千葉県の、新東京国際空港のあるあの成田?覚えがない。日付的にも、覚えがない電話である。時間帯的に考えると、柚木崎がかけているのだが、どこだかまったく覚えがないのだ。片割れともども慌てて携帯電話の電話帳を見るが、やはり該当する番号がない。最近、覚えのない請求がある、という話もあるのでなんだろうと首をかしげながら昨晩は眠りについた。今日、柚木崎が調べておくと言うことで。先ほど、どうやって調べたものかと悩んでいたのだが、電話番号から場所を調べる方法を思いつき、ちょっと試してみた。一度目、失敗。二度目、失敗。どこもひっかからない番号だったらしい。どういう調べ方をするか、もう少し悩んでみて三度目。ヒット。なんと、宅急便である。最寄の宅配業者にかけたのではなく、送付者の最寄の宅配業者にかけているのだ。なんでだ? と思った時点で、思い出した。ネットで購入したある品物。一つは冷凍もの、他は常温のもの。そこのお店は、「一括して送る」といっていたのだが、最初に届いたダンボールの中には、冷凍の品物が入っていなかったのだ。特に後から届くと言う連絡もないので、どうなっているのだろうと疑問に思い、電話をかけたのだった。それは忘れるわな。そう自分であきれてしまった。「これはどこだ?」と悩んだ電話番号。納得できて良かった。これからはなるべく忘れないようにしなければ…。
2003.11.20
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職場の上司が、時々紅茶を持ってきてくれる。週一しか会えない上司の一人なのだが、この方、あまり紅茶を淹れることがないそうなのである。しかし、なぜかもらうことが多いという。「ダメになっちゃう前に飲んで~」そういって、2ヶ月に一度くらいの割合でいろいろな紅茶を持ってきてくれる。よくいただくのがハーブティー。ローズティーやらミントティーやらラベンダーティーやら。頂くと、必ず最初に淹れることにしているのだが、柚木崎実はハーブティーは苦手なのである。特にミントの香りとラベンダー、シナモンの香りはダメ。うぐぐぐぐ、と思いながら淹れさせていただく。「飲んでくださいね?」と天使の笑顔で言われると、いただかないわけにはいかない。結構苦労である。次によくいただくのはフレーバーティー。フォションのアップルティーからはじまり、レピシエのフレーバーティー、ハロッズ、フォートナム&メイスン……本当に様々なブランドの様々なフレーバーをいただいている。こちらは柚木崎も好きなものなので、一緒にいただかせていただくことも多い。紅茶は飲まない! という人も、これだと飲むことがあるから面白い。一番少ないのは、ノーマルの紅茶。ダージリンやらセイロンやらウバやらは、滅多にない。たまに柚木崎がダージリンのファーストフラッシュやらセカンドフラッシュやらを持ってくると「このマスカットフレーバーは、何の紅茶ですか?」と珍しいからか、聞かれたりすることもある。フレーバーティーじゃないんですよ、と説明するととても驚いた顔をされるのがまた面白かったりする。以前は置いていなかった紅茶。柚木崎が常駐するようになってから気づいたときに淹れるからだろう、飲みたがる人も増えてきた。自腹を切るしかないかな、と思っていた矢先にこうして持ってきてくれる上司ができた。とても嬉しいことである。先ほど、その紅茶、否、上司がやってきた。前回いらしたときに「次に持っていく」との宣言通り、3つのお茶を携えて。今回はレピシエのフレーバーティーと、ハーブのローズティー。さて、戻っていらしたらどれを淹れて差し上げようか。午後のお茶の時間を楽しみにされている方だから、すこし気合いを入れて差し上げますか。
2003.11.19
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先ほど、こういうニュースを見た。この問題については前々から興味を持っていたものの、日本側から証言をする人が誰もいず、柚木崎の身の回りの人たちは誰もが口を噤んでいたり、既に鬼籍に入っていたりする人たちばかりだった。聞きたくても聞けない。そういう問題だったように思う。海外に行くと、結構恥ずかしい思いをする。なにも知らない自分が情けなくなることも。去年行ったシンガポールは、普段は親日国だが、独立記念日だけは豹変する。その話を教えてくれたのは何度も出張でシンガポールに行っている片割れと、あちらでお世話になった片割れの友人たちだった。ここだけは必ず見に行ってね、とお願いされた場所は、日本人がなにをしてきたかを展示した場所だった。海外にいる以上、知らないじゃ済まされないんだよ。そう言ったのは誰だったか。従妹たちは、親の転勤先の中国で行った当初はよくものを投げつけられたり罵倒されたりしたとそういえば言っていたと思い出す。土下座をして謝れ、お前たちの親が、その親がいったいここでなにをしたと思っているのだと。のうのうと暮らしているお前たちが許せない、と。そう口々に叫ばれたのだ、と。日本だけがやっていた訳じゃない。そう開き直るのもおかしな話だと思う。だからといって、自分たちが悪くない訳じゃない。自分たちだけじゃないと口を拭って知らん顔。それはやっていいことではないだろう。人間としてあるまじき行為、やってはいけないことではないのか。いろいろなところから情報は入ってくる。第二次世界大戦中、日本がなにを諸外国に対してやったのか。諸外国は日本になにをしたのか。全く知らないわけではないが、情報がかなり錯綜していること、ある方向に傾いていること。それが問題なのだと思うようになったのはつい最近のことである。知らないでは済まされない。分からないでは済まされない出来事である。今回、法廷に立たれたこの方の勇気は素晴らしいものだと思う。後の代に事実をきちんと知ってもらい、人間の尊厳を奪う戦争をしてはいけないのだとこの方は全てをかけて教えてくれているのだと思う。過去に踏みにじった人たちにきちんと誠意をみせること。それが必要になっているのだろう。きちんと自分たちのやったことを理解し、こころからの謝罪をすること。これが今の日本人のやらなければいけない、最大にして最も大切なことなのではないかと思う。いろいろ考えなければならない問題である。
2003.11.18
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雨が降ると言っていた割に、今日はよい天気になりそうだ。天気が良いとなんだか嬉しい。綺麗に見える富士山を見ながら出勤して、机の上にあるメモの山にげっそりしてしまった。一つ一つを確認しながら自分のデスクへ戻る。早急に連絡しなければならないことややらなければ行けないことをまずはより分け、選別。優先的にその仕事をやらねばならない。後輩からのメモで、一日かかってやらねばならない仕事も中に入っていた。混乱しなければいいが、と思いながら仕事モード全開で午前中が終わった。お昼休みの時間帯。他の部署の人が訪ねてきて、仕事の話をしているところへ後輩がひょっこり顔を出した。「今日の会議なんですけど、出てくださいね」反射的に「分かった」と答えたら、にんまりされたのでなんか変だな、と思ったが、遅かった。一日がかりの仕事が、ある。しかも、時間限定でこちらに寄る人に対してやらねばならない仕事があったのである。慌てて後輩に連絡を取り、「こういう仕事があるから、 さっき受けちゃったけど会議出られない」そう答えたところ、済ました声でこう言われた。「やるって言ったじゃないですか。 やらないっていきなり言われても困ります。 他に誰に出ろと言うのですか」厭ないい方である。しかし、受けてしまったのは確かに柚木崎。これは、自分が悪い。そう思って、もう一度きちんと説明をした。すると、またこうである。「両方やればいいじゃないですか。 なんなら分裂でもしますか?」両方同時に出来るならば、断ることなどしないし、分裂って……人をなんだと思っているのだろう。こちらを訪ねてきた人への仕事をその間引き受けてくれるかと聞いてみたら「冗談じゃない」との返事が来た。どちらか選ばなければならないというのであれば、他にやってくれる人がいる会議をお願いするしかないだろう、と説明をしたら、明らかにこちらを馬鹿にしたような話し方でこう言われた。「出来ないくせにでかい顔してんじゃねぇよ」実際の顔はどうであれ、でかい顔云々言われるのもなんだか納得いかない気がする。しかも、相手は仕事上、後輩である。職歴や年齢は下だが、学歴は上である。だから気に入らないんだろうな、というのは分かるのだが、この後輩とだけは、巧くいかない。こまったものである。もう少し柚木崎が丸くなればうまくいくのだろうか……?
2003.11.17
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朝から呼び出しチャイムが多い日である。なんでこんなに宅急便が来るんだ? と悩みたくなるような一日だ。ネットでの買い物も、最近増えた。プレゼントなどは、ネットで買う方が面白いように最近は思えたりする。店頭に並んでいないものが出ていたりするから、面白くて見ているのもあり、実用的で良いと思われるものもあり、可愛らしいものも多かったりするので本当に頻繁に利用している、と言っていい。そのプレゼントものが、届いたのだが。一つは片割れと弟分へのクリスマスプレゼント。少し早いが、ちょっと気になったものがあったのでそれにした。誕生日プレゼントをあげわすれたので、少し奮発している。店頭で並んでいるのを見たことがないので、これはこれで面白いかもしれない。もう一つは、義妹へのプレゼント。誕生日が近いからなのだが、今まではあげたことがない。今年は、ずいぶんと義妹に面倒をかけたように思うので、そのお礼といったところだ。義母のことや義父のこと、なるべく週末はいくようにしていたが、義妹はきっと大変だったろう。それを考えて、今年はあげよう、ということになった。ピアスをしている義妹に、なにかピアスをあげよう。そういう話になり、いろんなお店を見たのだが、義妹の誕生石に関するピアスは、イマイチに思えてならなかった。それだったらちょっと変わった石、と思うとなかなかそういうものもない。悩んでいたところに、ふと目についたネット上のお店。そこで見つけた、ちょっと変わったピアス。片割れと相談して、これに決まった。それも届いたのが今日なのである。今月は余裕有り、と思っていたのに、思った以上に諭吉さんが飛んでいく。以前、先輩と「諭吉さんには羽が生えてて……」という話をしたことがあるが、本当にそんな気分にさせられる。もう少し止まっていてくれないだろうか、諭吉さん……
2003.11.16
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今年も鍋の季節がやってきた。寒くなってくると、鍋を囲んでの食事がいっそう楽しくなるのはなぜだろう。いそいそと片割れが具材を買ってきた。今日は柚木崎が仕事のため、買い物及び料理が出来ない。片割れが腕をふるってくれる日になった。「今日はね~、すき焼き」片割れはすき焼きが大好きである。一週間に2回ほどのペースで一昨年は食べさせられ、さすがに飽きてしまった覚えがある。今年はそうならないといいのだが……。嬉しそうに具材を並べている片割れには、それは言えない。鍋はじまりはやはりすき焼きか、となぜか思ってしまったのは、予感ではないと願いたい。どうやら、いい肉が見つからなかったらしい。イマイチなんだよ~、と言いながらさくさくと野菜を切っていく。白菜、にんじん、椎茸、ネギ……湯葉を入れて、くずきりをいれて、なぜか餅巾着が入った。入れたら美味しいかなと思って、という片割れの発案である。ふと気づいた。しらたきがない。片割れはどうやら、くずきりがあるからいらないと思ったらしい。味のしみたしらたきは好きなのだが、そういうと買いに走られてしまうのを知っているため、言わない。さらに気づいた。卵、2個しかない。それにはさすがに片割れも慌てた。「絶対足りない! 買ってくる」もう普通のお店は閉まっている時間なので、仕方なくコンビニで買ってきた。久しぶりの鍋は、すき焼き。あとで聞いてびっくりしたのだが、肉を600g買ってきたらしい。二人で600gは多すぎる気がするのだが、気のせいだろうか。今年は食べるのが精一杯というより、食べきれなかった。去年は600gでも足りなかったのに、と片割れが残念そうに余った肉を見下ろしている。どちらが食べなくなったのか、それは分からないけれど。今年はあと何回すき焼きをやるのだろう?何度かはしゃぶしゃぶや豆乳鍋をしてほしいな、と密かに思っている柚木崎である。
2003.11.15
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というと、聞こえが悪いかもしれないが。柚木崎の仕事は、こういうと端的に説明が出来る気がする。ある特定の時期だけ、めちゃめちゃ忙しい。そういう仕事をしている。そろそろそういう時期に当てはまりつつある。このくらいの時期から2月末までとんでもなく慌ただしい日々が続く。ピークは1月半ばから2月前半まで。これでもか、というくらい慌ただしくなる。仕方がない。世の中、同じようにあわあわするひとは結構いる。これが終わるとしばしの休息、そしてまた慌ただしい時期が4月から始まる。ところどころ、ぽろぽろと「これでいいのか?」と思うくらいなんにもない日々が入るので、以前の先輩とよく笑いながら言ったものだ。「自分たちは季節労働者である」と。この業種はもしかしたら、そういうものなのかもしれない。さて、また慌ただしくなる。その前触れが今日の夕方からあるのだ。そして、明日。慌ただしいもの第1弾がやってくる。気を張りすぎない程度にいこう。
2003.11.14
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うちの職場には面白いというか、変わった決まり(?)がある。残業した分だけ早く帰って良いのだ。たとえば早番の場合、午後4時半に帰れるはずなのだがそれを超過した場合は、超過した分だけ別の日に早く帰宅するか、遅く出勤するかが出来る。残業手当が出ないから、考え出されたことらしい。前の職場では考えられないことだったから、とても奇妙な感じがしたが、最近はそれにも慣れてきた。月曜日に30分残業したので、今日は早く帰るぞ、と思っていたのだが、そういうときほどうまくいかないのが世の中なのかもしれない。仕事を終えよう、とPCを閉じかけた時、上司の一人が駆け込んできた。「HPにアップデートして欲しいことがあるんだけど、いいかな」どうやら急ぎのもののようである。仕方ないな、と思いつつ、アップデートにはそんなに時間がかからないから良いか、と安易な気持ちで引き受けた。それから数分後、電話の応対をしていた柚木崎の元に、先ほどの上司がフロッピーを持って訪ねてきた。「テキストファイルで入れてあるから、それを……」電話の応対に気づいた上司が言葉をとめた。身振り手振りで、後ほどお伺いしますと伝えたところ、了解、と合図して、彼はフロッピーを置いて出て行った。電話を切って、フロッピーをパソコンに放り込み、内容を見て驚いた。テキストファイル、確かにある。しかし、他に二つ、ファイルがある。一つは見られるが、一つは見られない状態である。参ったな、と思いながら、先ほどの上司に電話をかけると、誰も出ない。10コール以上しても出ないところを見ると、部屋にいない。仕方がないので探し回ったが見あたらない。どうやら帰ってしまったようだと諦め、メールで確認することにした。片づけをして帰ろうと荷物を持って、ふと上を見上げたのが間違いなのか、間違いじゃなかったのか。先ほどの上司の部屋の、在室ランプがついている。「まだいる?」と同僚に聞いてみたところ、籠もっている場所を教えてくれた。PCは既に落としてしまっている。仕方がない、また立ち上げればいいだけの話だ。そう思って、上司を訪ねた。聞いてみると、全部のデータを全部アップデートして欲しいという。さっき言っていたことと違うが、やれないことではないので、引き受けてその場は下がる。一度は「お疲れ様です~」と声をかけたものの、まだ帰らない柚木崎を、同僚は目を丸くして見ていたが、フロッピーをひらひら振って見せたら肩を竦めてやれやれ、というジェスチャーを見せてくれた。とっととPCを立ち上げて、10分ほどで全て終了。今度こそ帰るぞ、と決めてフロッピーを返却しに上司のもとへ向かった。終わりました、と報告をしたら上司は驚きのあまり椅子から落ちそうになった。早速確認させてください、とPCを開く。その間、待っていなければいけないらしい。ドアを半分開けて体を半分入れたまま上司の確認が終わるのを待っていたら、驚いたような感心したような、妙な声を上げた。「早いね~、凄いね~」やったことはたいしたことじゃないので、それで大丈夫かどうかの確認を取り、今度こそ帰ろうとした。が……神様は許してくれなかったらしい。「HPの件だけどね?」別の上司がぺらぺらとファイルを振りながらやってきた。柚木崎、既に正規の帰宅時間を過ぎている。仕方がない。今日も残業である。相手は中国の方なのだが、日本語がかなり達者である。一生懸命日本語で話してくださるので、柚木崎もなるべく相手の意を汲む努力をする。時々通じない言葉を使ってみたり、主語と述語がずれたり。分からないところは根気よく分かるまで聞いて。気がついたら結構な時間になっていた。「アップデート自体は来週やりましょう」そう言って上司が去り、もらったファイルにメモを残してようやく帰宅。うちの上司たちは、どうやらエンジンがかかるのが遅いらしい。それに気づいた本日である。
2003.11.13
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仕事終了後、片割れを迎えに行く。そういう曜日が週に2回あって、たまに片割れの同僚が同席してくれたりする。今日は同僚を置いてきた片割れ。買いたいものがあるからごめん、と置いてきたそうだ。それをきいて笑ったのだが、捜し物はどうやらもうないらしい。自宅近くも職場近くも探したのだが、見つからなかった。諦めて帰る途中で、見つけてしまったおもちゃ屋さん。ふらふらと誘われるように片割れが車を入れる。そして、またもや誘われるように買ってしまったものがある。それは、ジグソーパズル。なぜか冬になると、柚木崎宅では作られる代物である。今までは1000ピースが最大で、数も一番多かったのだが、今回は思わず2000ピースを購入してしまった。絵に釣られて購入、といったところか。今回の絵は、シム・シメールという画家の『ヒマラヤン・ホーム』というタイトルの絵である。小さな白い虎2匹の間にある地球、下にある山並み、背景の美しい宇宙。それらがとても気に入って、一目惚れしたと言っていい。帰りの時間が遅くなってしまったので、帰路につきながら夕飯を食べる場所を探す。ネタが大きいと評判の回転寿司に入って食べて、お腹いっぱいと二人でお腹をさすりながら家に帰った。帰宅時間は夜の9時過ぎ。まさかとは思ったが、やっぱり二人して始めてしまった。今日は11時半まで、と決めたのだが、気づいたら12時過ぎまでやってしまった。現在、家には完成したジグソーパズルが9~10、ある。全て1000ピース以下のものばかりで、飾る場所もそれなりに確保してあるのだが、今回の2000ピースが完成したらいったいどこに飾るのだろう?持って帰ってくるのも大変だったが、飾る場所にも悩みそうである。衝動買いというわけではなかったのだが、楽しい悩み事になりそうだ。
2003.11.12
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いろんなことを聞かれる職場にいる。なんと言えばいいのだろう?日常の些細な事柄から、パソコンのことから、最近のなんとか賞受賞者のことやら……分からなければその場で調べてなんとか会話をしてしまうから、聞かれるのかもしれない。そんななか、奇妙な質問を受けた。「オークションってどうやるんですか?」……どういった形のオークションだろう?ネット上のオークションなら、いくつか手を出したことがあるからやり方は知っている。しかし、さすがに世界的に有名なオークションとかなどに手を出すような勇気はない。某古書などの入札会に関しては、多少の知識があるものの、完全なものではないし、入札の資格も持っていない。どんなものだろう、とドキドキしながらその方が続けるのを待っていたら意外な言葉が続いて出てきてびっくりした。「子どもがオークションやりたいからと言うのだけれど」どうやら、その方のお子さんがオークション関連のページにアクセスし、自分の欲しいものを勝手に入札しようとしているらしい。カードのIDやらを教えるべきだろうか、と相談されたのである。しかも、相談してきたその方は、オークションというものがどういうものなのか分からず、そもそもどういう仕組みのものか、きちんと品物は送られてくるのか、詐欺にあった場合はどうしたらいいのか等、全く知らないので教えて欲しいという。開いた口がふさがらなかった。子どもがほしがっているから?どうしたいって?思わず「もう一度説明してください」といってしまった。子どもの年齢は10代未満。欲しいものは、トレーディングカードなどのカード類。友達と遊ぶのに、強いカードを持っていないため、強いカードを購入したいといっているのだという。ちょっとまてちょっとまて! と思うのは柚木崎だけなのだろうか。そういったオークションのページを見るたびに、子どもが「これほしい!」「あれほしい!」と大騒ぎをするのだそうである。ほしがってるから買ってあげようかな、とも思うけど、やり方が分からないからダメと子どもに答えたら勝手に買うから、あとでカードで支払ってくれればいいと言われたそうである。そういうのって大丈夫? と首をかしげられて思わずくらくらしてしまった。まるでほしがるものは何でも買ってあげるような感じである。それでいいのだろうか。そういうものがなくても、楽しく遊べる方法を教えてあげても良いのではないだろうか。柚木崎を信頼して相談してくれたのは嬉しいし、知ってるだろうし教えてもらいたいと頼ってくれたのは嬉しい。しかし、これはいくらなんでも柚木崎には……そう思ったので、やんわりお断りしようとしたが、なんだか納得してもらえなさそうな感じだったので、仕方なく正直な気持ちを話した。子どものために、それは良くないと思うから、柚木崎的にはお薦めしない方法であること。子どもにカード関連の情報を与えて、勝手に買わせるのも危険極まりない行為であること。柚木崎自身がやりたくないことなのでお教えできません、と正直に正直に伝えた。いろいろ考えるところもあったようだが、その方は「考えてみます」とだけ言って去っていった。果たしてそれで良かったのかどうかは分からないが、やって欲しくないな、と思うばかりである。
2003.11.11
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今朝、仕事に来てみたら、珍しくいつもは愛想無しの後輩がにやにやしながら近づいてきた。「今日、午後から会議がありますので、出てください」開始時間が曖昧ないつもの会議である。始まるときに連絡をくれ、と言っておいてその場を離れたのだが、後輩のあの笑いが気になった。絶対なにかある。となると、この間のあの問題か?(こちら参照)あまり気分は乗らないが、出席せねばならないのであればそれなりの覚悟を決めていかねばならない。午前中、仕事をしながら笑える話だが、「傾向と対策」を練っておいた。なにを言われるだろうから、どう答えるとか、この人が多分尻馬に乗るだろうからそれをどうかわすか、などなど。半分は冗談交じりで、半分はまじめに「傾向と対策」を練りながら仕事をしていた。時間が来るまで結構胃が痛い思いをしながら過ごして、電話が鳴ってから会議室へ向かった。一瞬、録音機材も持って行こうかと思ったのだが、証人になる人たちはたくさんいる。もしそれもダメだというなら、本当に潮時なのだろう。そう思うことにした。ペンとノートを持って会議室にはいると、例のあの方はドアの真っ正面の席に座って入る人を威嚇していた。なかなかに怖い状態である。会議が始まった。しかし、柚木崎の職場の特色なのかもしれないが、いつものように、「順番通り」にはいかない。あっちの議題、こっちの報告とあちらこちらに飛び火する。たまに野次やら関係のない話題が飛び交って議事録を作るための記録係である柚木崎たちは大変な思いをするのだが、今回もそれである。もう一人の記録係の後輩は、隣で船を漕いでいる。駄目だこれは、とこっそりため息をついたとき、柚木崎が関わる報告事項がでてきた。あの方の体がぴくりと動く。これはやっぱり、とこちらも密かに臨戦態勢に入った。以前の仕事に直接関わった上司の報告が終わり、ご協力ありがとうございました、と締めくくったところで、あの方が「発言したいのですが」と手を挙げた。来た、という感じである。発言を許されたあの方は、自信満々の顔でいきなりこう言った。柚木崎を甘やかしすぎではないか。みんなが褒めるから、柚木崎が思い上がるのだ。直ちにそのようなことをやめ、柚木崎に対して厳重注意か処分を言い渡すべきである。いきなりそんなことを言われた上司たちが、呆然としたのが分かった。多分、相当に驚いたのだろう。複数いる上司たちを束ねる立場にいる上司がその方に、きちんとした説明を求めた。発言権を得たその方は、嬉しそうに顔をほころばせると先日のように機関銃の如く話し出す。内容は、正直に言って、柚木崎には分からないことばかり。そんな風に取られていたんだ、と思うことばかりである。ないことも脚色して言われていた。それはどう考えてもあり得ないから! と突っ込みたくなったが発言権はないのでとりあえず黙っておく。一番隅っこで一番の若手上司が大あくびをした。隣でまだ、後輩は眠っている。何時までも終わりそうにないその話を途中で区切ったのは、報告をした上司だった。柚木崎とのつきあいも長いので、よく性格を知っている人だ。その人は真っ先に、それらのことは柚木崎にはあり得ない、と断言してくれた。長い間、仕事上で付き合ってきているし、個人的にもよく知っている。だから、それはあり得ない、と。一番上の上司が柚木崎に発言権を与えてくれようと口を開きかけたときである。二番目の上司が口を挟んだ。(この人もつきあいは長いのだが……)断言した上司に対して、それは本当のことかどうか分からない、保証することは誰にも出来ないのだからこれは訴え出た上司の言葉を重く見て……と続けようとしてそれはおかしい、と声を上げた人がいる。遮った人を見て、柚木崎は驚いた。今まで柚木崎を見ると、嫌みの連続しか言わなかった上司だったからだ。その上司が、僕はどちらの味方でもないですけどね、と前置きをして話し出した。みんな、柚木崎に対して感想を述べているだけであって別に褒めちぎったりしている訳ではない。柚木崎は、感想を求めているわけではないし、特にかさにきているような感じは無いように見受けられる。思い違いではないか、と。他の方々の意見も聞いてみればいい、と平等案を出したのも、その上司だった。結局、このことに関して柚木崎が「増長している」と思った人は誰もいず、(あの方の意見を取り入れようとした上司は、ノーコメントを通した)孤立した形になったあの方はまたもや激怒した。自分を仲間はずれにするのか。そこまで柚木崎はみんなに取り入ったのか、と。誰もがあきれかえって、結局その後、会議はなし崩しにお開きとなった。それ以上、話し合いやらをする気力が失せてしまった、というのが本当のところらしい。あの方には期待はずれの結果になったし、柚木崎には思いも寄らぬ結果となった今回の会議。こういう会議は出来ればやって欲しくないと心底思う柚木崎である。
2003.11.10
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珍しく、片割れが選挙に行く気になっている。これまでにも何度か選挙はあったものの、片割れが行くと言い出したことは一度もない。柚木崎が大抵、「行こう?」と声をかけて出かけることになる。それが、珍しく今回は自ら「行く」と言い出した。投票が終わったら、お昼ご飯も食べに行こうと片割れはすっかりご機嫌である。どうしたんだろうと思いながら、一緒に投票しに行く。やられた。衆院選挙だけじゃなくて、まさか最高裁関連の選挙まであるとは全く思ってもみなかった。いきなり投票用紙を渡されてこれはなんだろうと首をかしげていたら「辞めた方が良いと思われる裁判官にチェックを」とある。(だいたいの文面。大雑把にしか覚えていない)そして、その紙には数名の裁判官の名前が……片割れと思わず顔を見合わせてしまった。これは、なに? と(^^;結局、適当にチェックをいれるしかなく。後に任期を見てみるとみなさん短い。……わざわざやることだったのだろうか、と疑問に思ってしまった。気に入っているパスタ屋さんに向かって、昼食。その後、某大型電器店へ行ったり、某百貨店を覗いたりしながらゆっくりと自宅へ帰ってきた。なにか面白い番組でもやっていないかとTVをつけたがどこも選挙速報ばかりで面白くない。いつも見ている番組はとりあえずやるらしいので、それまで少し仮眠を取ることにした。それにしても、なにかというと同じことしか放送しないTV。それも面白くないな、と思う。どこも特番ばかりやらなくても良いのではないか。どこか一つの局がやるだけで良いように思われる。日本人は右に倣え、が特徴なんだな、と妙なところで納得してしまった出来事である。
2003.11.09
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片割れは、柚木崎が仕事で自分が休みだとどうもパチンコに行く癖がついてしまったらしい。とはいえ、やるのはスロット。一人でいるのが面白くないからか、職場まで柚木崎を送ってくれると、その足で行ってしまうようだ。今日は一度、自宅に戻って洗濯を出来る限りやってくれたらしい。週末になると天気が悪いこのごろなので、とてもありがたいことである。しかし、その足でやはり、スロットへ……土曜の仕事は半ドンの柚木崎は、片割れからの「迎えに行けない」メールをもらうとまたか、と苦笑混じりのため息をついてしまう。朝から行っている片割れが迎えに来られないと言うことは、出ているからに他ならず、そういうときはお昼ご飯も抜きになってしまうのだ。朝ご飯も食べず、昼も抜いて。夜に厭になるほど食べるというのは、どう考えても食生活がしっかりしてるとは思えない。だから、実はあまり歓迎していなかったり、する。そんな柚木崎の気も知らず、「タクシーで帰っておいでよ」とメールしてきた片割れ。どうせ電車で二駅。たまには電車で帰るさ、とのんびり電車で帰ってきた。が、やはりお腹が空いてしまった。どのあたりに片割れが座っているのかを聞いて、その場所に向かうと、案の定出ている。今日は宅急便が16時から18時の間で来る予定なのだが、それもすっかり忘れているらしい。その話をすると、「そうかぁ」と言って、溜まっているコインをばらばらと隣の台にいれた。「暇してるの可哀想だから、一緒にやろうよ」……いくら動体視力良くても、スロットばかりはうまくいかないものなのだが。言葉に甘えて少しだけやったが、やはりダメである。疲れたから帰ろう、と声をかけてやっと腰を上げてくれたのは、16時少し前のことだった。すっかり昼時は逃している。が、食べないわけにはいかないだろう。帰り道で、美味しい焼き鳥を焼いてくれるところがあるので、そこで数本買って帰った。すっかり顔なじみのそこのお姉さんに、「また行ってたの~?」と笑われてしまう始末。照れ笑いをしながら帰ってきた。投資額を倍以上にして戻ってきた片割れ。まぁいいか、と思うのと、あんまりはまりすぎてくれるなよ、と思うこのごろである。
2003.11.08
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柚木崎の職場には、いわゆる「外人さん」も多い。アメリカ人もいればフランス人もいるし、中国人もドイツ人もいる。みなさんそれぞれ日本語が達者で、別にその土地の言葉を使わなくても、きちんと日本語で意思疎通できるのが嬉しい。たまにその土地の言語を教えてください、と言うと嬉しそうに教えてくれるのもまた嬉しい。そんな中、なぜか相性の悪い人というのもいるもので。どこにでもいる、といえばどこにでもいるのだが、この方はどういう訳だか、柚木崎が後輩いじめをしていると思いこんでいるらしく、時々意味不明なことを言ってくる方なのだ。先日のレセプションの際、料理と飲み物を担当した柚木崎だが、未だに「あの料理の○○が美味しかった」とか「あのワインはどこ産ので……」という話をされることがある。今回は少し考えて料理を出したからかもしれない。そういう形で結果が見えてくれるのは嬉しいことである。なかなか結果が形に表れない職場だから、余計にそういった「小さなこと」が嬉しかったりする。特に普段、あまりそういう話をしない人が、「あれ美味しかったよ」と言ってくれるのは大げさだが、冥利に尽きる、という感じすらある。今日、久しぶりに会った上司の一人も、挨拶の一つのように「次の時にも美味しい料理と飲み物をお願いするよ」と声をかけていってくれた。(正直、来年もやるかどうかは不明であるが)それを聞いていたこの御仁。足音も荒く柚木崎のいるところへ来ると、テーブルの上に置いてあった新聞を掴みあげいきなり叩きつけて怒鳴ったのである。「みんなに言われてるからっていい気になるんじゃない!」思わず、恥ずかしながらぽかんと口を開けてしまった。いい気になるってどういうことだろう。別に、柚木崎はそれを自慢しているわけではないし(そんなこと、そもそも自慢にもならない)褒めてくれとか言って回っているわけでもない。怒られる理由がよく分からないのだ。なぜか激高しているその方は、顔を赤くしてまで怒鳴っている。みんながみんな柚木崎をよく思っているわけではないこと。柚木崎がいることが迷惑だと思っている人がたくさんいること。思い上がるなつけあがるな謙虚にしろ言われたとおりにしてればいい。聞いているウチにむかむかと腹が立ってきてしまった。言われる筋合いではないところから言われている気がする。そもそも、難癖をつけられる理由が分からないのに、ここまで言われるのも理不尽極まりないように思われた。元々はドイツ語を母国語とする方なのだが、日本語は本当に達者である。時々早口すぎて分からないこともあるし、ドイツ語や英語が混じることもある。全身で「お前は気に入らない」と叫んでいるのが分かったので、覚悟を決めて一言だけ反撃させて頂くことにした。「気にかけてくださるのは嬉しいのですが、 もう少し言い回しや日本語を勉強なさってください。 あなたの言葉は相当な誤解を生みます」後に片割れにこのことを話したら、笑われてしまったのだが、結構辛辣な一言だったらしい。今まで真っ赤だったその方の顔が、みるみるうちに青ざめて、一瞬言葉が止まったのである。その隙をついて、週一で来ている上司の一人が口を挟んだ。「あなたの負けですよ。僕もあなたが間違えてると思います」それを聞いてさらに青ざめたその方は今度は上司に食ってかかった。なぜ自分の味方をしないのだ。自分の味方をしないのはおかしい。きちんと話を聞いていれば分かるだろう。どちらが正しくて、どちらが間違えているのかなんて。機関銃のように話し始めたその方を、上司はあきれ顔で見ながら口を開いた。「あなたの方が間違えてると言ったでしょう。 それに、なんであなたの味方をしなければならないのですか? 僕は、あなたにはお世話になってません。 味方をする理由もありません」他の上司たちも頷きながら、同じようなことを言ってくれる。気分が凹みかけていた柚木崎だが、この上司たちの気持ちが嬉しかった。最終的に、上司たちから「気分が悪いから出て行ってください」と追い出されたその方は、捨てぜりふのように一言残して出て行った。「会議でみんなにいいつけて辞めさせてやる」と。もし本当にそうなったら徹底抗戦するつもりだが、なんだか後味の悪い状態になってしまった。上司たちに謝ると、みんながみんな笑ってくれた。柚木崎が謝ることではない、と。その優しさが暖かく染みこんでいった。言葉は本当に、使い方如何で、凶器にもなる。抉られた心はなかなか癒えるものではない。気をつけて使いたいと思わせる一件でだった。別件だが、イギリス出身の方が、淹れたての紅茶を平然と飲んでいたので、「猫舌じゃないんですか?」と問いかけたところ、首をかしげられてしまった。どうやら日本独特の表現らしい。英語では似たような表現がみつからなかった。日本語は面白いと再認識である。
2003.11.07
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年末も近くなってきたからか、道路工事をしている場所が増えてきた。毎日車を使う人間としては嬉しくない事態である。本来ならスムーズに流れている道が、一車線ふさがれているために、とんでもない渋滞をしていたり、すれ違えないような狭い道でめいっぱいの車両を置いておきながら、迂回表示が出されていなくて慌てたりすることが増えるからだ。現在、柚木崎の自宅の前が工事中である。水道工事、ということである。期間は12月末まで。結構長い。仕方がないと思う反面、なぜ目の前を? と思うところがある。なにせ、駐車場の目の前の歩道のアスファルトを切って掘り返そうというのである。少しばかり驚いたのと、その間車を出すのどうしようとお知らせが来たときに戸惑った覚えがある。昼夜無しに工事をすることになろうとは、その時は思いもしなかったのだが。工事が始まって数週間が過ぎた。早番の時は良いのだが、中番・遅番の時は工事車両や工事資材の移動をしてもらわなければ駐車場から出られなくなってしまった。それは別に仕方がない。工事をしている場所によっては、そういうのもあるだろう。作業中の人に声をかけるたびに中断され、厭そうな顔をされるのも、ある意味慣れた。気の良い人だと、駐車場から出るまで誘導してくれたりする。それは嬉しいことだし、お礼を言うとこぼれんばかりの笑顔を浮かべてくれるのも嬉しい。しかしである。昼夜問わず、ということは、深夜だろうと工事をしているわけで。基本的に資材置き場は隣のファミレス(24時間営業)らしい。本当に窓越しがすぐその資材置き場にあたるのだが、深夜だろうと昼間だろうと関係なく、工事の人たちは大きな声でしゃべるのである。さすがに夜中は大きな音での工事はない。その分、声が響く。あまりにもその声が響いて五月蝿く、眠りの妨げになったもので、昨晩、とうとう窓を開けて声をかけた。深夜だからもう少し声を落として話をして欲しいと。一瞬、静けさが訪れた。大丈夫かと思い、窓を閉めた途端、またいっそう声のトーンが大きくなって響き渡った。丁寧に言った言葉が気にくわなかったらしく、悪口やら嘲るような言葉が聞こえてくる。どうしたものかと考え始めた時である。隣で寝ていたはずの片割れが勢いよく起きあがったと思ったら、足音も荒く外へ繋がる扉を開けた。「夜中なんですよ。分かってますか?」片割れは、背も高くてがっしりした体格をしているので、怒りオーラを背負うと結構怖い。寝入りばなを起こされたから不機嫌だったのと、相手方の言葉のひどさに、かなり機嫌を損ねたようだ。片割れの姿を見て、声を聞いたその人たちは一気に静まりかえり、その後、大人しくなった。扉を閉めて、カーテンを閉じて。ベッドに戻ってきながら、片割れが不機嫌な声のまま柚木崎に話しかけてきた。「残念なことにね、人を見て態度を変える人たちっているんだよ。 この人たちはどうやらそういう人たちみたいだね。 気分が悪いことになったけれど、気にしないようにしよう」その後は本当に静かで、時折話し声や大きな笑い声が聞こえたりしたが、それも一瞬だったりだったので、穏やかに眠ることが出来た。これからも増えるであろう、夜間の工事。出来ればこういう類の配慮もして欲しいと思うこのごろである。
2003.11.06
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先日、祖母の誕生日祝いで、祖母の姉に当たる人が病気で倒れたという話を聞いた。柚木崎とも気軽に話してくれる叔母の話によると、胃癌で、胃を半分以上切除したという。見つかったときには既に末期。命の残りもわずかである。その方には、柚木崎も随分可愛がってもらった覚えがあるので、動揺とショックは隠せなかった。手術後、お見舞いに行ってきたという叔母はそんな柚木崎を見て笑顔を見せてくれる。なんと呼んでいいのか分からないので、大伯母と呼んでいるその方は、叔母に向かってこう呟いたのだそうである。「なかなか上手には死ねないものだねぇ」この言葉は柚木崎の胸を貫いた。大叔母がこういう、ということは、寂しいと言うことで。こういう言葉を大叔母の口から聞いたことがなかった柚木崎は今どれだけ彼女が寂しがっているかが分かった気がした。苦しまずに長引かずに、十分楽しんだと思いながら死ねたらどれだけいいことだろう。そう呟いたという大叔母。なぜそんなことを、と悲しくなったが、自分が病気になって、家族に迷惑をかけるのが厭なのだろう。いっそ一息に、と思っているようなのだ。どうしたものかと言葉を探している柚木崎の隣で、黙って聞いていた祖母も、口を開いた。「そうだねぇ。本当に綺麗に死ぬことは難しいよ。 誰にも迷惑をかけず、惜しんで貰えるように 綺麗に死ぬというのは本当に難しい」そんな話をしていたのを、思い出した。なんだか切実な思いが込められているような、哀愁が込められているような。複雑な言葉である。人間にとってもしかして、一番の難関は「綺麗に死ぬこと」なのかもしれない。
2003.11.05
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仕事が早番の時は、片割れと途中まで一緒に行く。職場の方面が途中までは一緒だからだ。柚木崎は車、片割れは電車と、最寄り駅から一つ先の駅で別れることになる。その、片割れと別れてからしばらくのことだった。信号待ちをしている柚木崎の目の前を横断歩道の左きっちり線上を、自転車が通り過ぎた。高校生の男の子である。なんできっちり? と思ったのもつかの間。柚木崎、思わず目を疑ってしまった。いろいろ荷物が詰まっているだろうバッグを、彼は首の後ろに重たげにぶら下げていたからである。一瞬、「お前それは首が絞まるだろう?!」と思ったのだが、よくよく見てみると、紐をあごに引っかけている。そのバッグの重みと紐の太さで、あごが半開きになっているのはご愛敬と言うところか。……どちらにしても重そうだし、苦しそうである。しかし、彼はそれが当たり前のような姿勢でふら~っと横断歩道を渡りきると、先の信号のところでふらふらしながら止まった。信号待ちである。ふと隣の車を見てみると、同じように呆然と彼を見送る運転手。さらにその先のトラックの運転手も、呆然と見守っていた。危うく信号が変わったのに気づかず、彼を見送る姿勢を取りそうになったのだが、それをやってしまったら渋滞を引き起こしてしまいかねないので意識を信号に戻したのだが……職場に着いてから、同じく早番で出てきた後輩に話す。よく分からない、という顔をされたので、実演したところ、後輩は半分馬鹿にしたような顔をした。「それって無理ありすぎですよ~!」創作だと思われたようである。ちょっとそれも悔しかったので、秘密兵器を取り出した。デジカメである。証拠写真を見せたところ、今度は涙まで浮かべて笑い転げ始めた。どうやら彼の姿はかなりインパクトがあったようである。ウケねらいをしたわけではなかったのだが、結局は笑いを取ってしまった今朝の出来事である。果たして彼の「バッグの持ち方」はありなのだろうか? それとも???他の方の意見も伺いたいと思うのは柚木崎だけではあるまい。
2003.11.04
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日付が変わってから帰宅したためか、片割れも柚木崎も、昼過ぎまで爆睡してしまった。ヤバイなぁと思う反面、それだけ疲れていたのかなと思う面もある。遅めのブランチをとり、宅急便を出しにいきがてら、車のメンテナンスの話をしにYさんのところへ赴いた。もうそろそろ、車検前の点検である。車検は来年なのだが、その前に少し見ておいて欲しいところがあった。手を加えようかどうしようか、悩んでいるところがあるのだ。前に見積もりを作ってもらっていたのだが、どこかに行ってしまったので作り直しをしてもらうつもりだった。ディーラーに着いて、『専属メンテナンス』と内輪で言われているYさんに会う。話しているうちに、やりたいことが増えてしまった。どうしようと悩む柚木崎と片割れに、Yさんは見積もりを何種類か置いて席を外してくれた。当初予定していた金額より、かなり上回ってしまう。ウチの子は部品がどうしても高い。悩んだが、やっぱりやりたい、と腹をくくった。なんだかんだいっても、二人してウチの子、好きなのだ。共通の趣味といってもいい。Yさんに、お願いしますと片割れ共々頭を下げたところ、楽しそうに笑いながらこう請け負ってくれた。気になる色の違いは、塗っておいてくれると。これらを全部やったなら、今までとは全然違う感じになりますよと。見た感じのスタイルなどに変わりがないなら、出来る限り「いい」と思えることはやってあげたい。そう思っているので、仕上がりが楽しみである。預けるのは再来週。さて、仕上がったあとはどんなになるだろう?今から楽しみである。……金額は……聞かないでくださいってところだろうか(^^;
2003.11.03
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母方従姉の、子どもの七五三祝いに呼ばれた。実家に帰るとなにかと用事のある柚木崎。今回はちと用事がありすぎのような気もする。さすがに実家は少し寒かったらしく、今朝は少し風邪気味。朝っぱらから運転手を頼まれたので、母の送迎をしてから従姉の実家へ向かった。お昼時、ということもあり、みんな揃っていた。従妹と柚木崎実兄が欠けているだけで、全員である。従姉の子どもって、柚木崎から見たらどういう間柄になるのだろう?よく分からないが、お祝いにお金ではなく、小さなラジコンカーを持って行った。母たちがお祝い金を渡している中、ちびすけ(5才)を手招きすると、目を輝かせて近寄ってくる。お祝い、と小さな包みを手渡すと、ちびすけは大事そうに胸に抱えて「ありがとう」。きちんとお礼が言えた。偉い。やっぱり自分に直接関わりがあるものだときちんとお礼が言えるらしい。お金だと手渡されても首をかしげているだけなのだが(^^;早速電池を入れて遊び始めたので、その妹のちびすけ(1歳半)を探す。いた。今日はピンクのワンピースドレスを着ていて、きちんと女の子に見える(失礼)。「可愛いじゃない」と母が声をかけたら、従姉(妹)が苦笑した。「たまにはピンク着せないと、女の子だって忘れちゃうし。 でも、今日神社で『お、おかまとか……?』って いわれちゃったんだよね~(^^;」そりゃ、苦笑してしまう出来事である。手を見るときちんと女の子の手をしているのだが、髪の毛が少なく、きりきりっとした顔立ちのちびすけ(妹)は男の子に間違われやすいらしい。これから可愛くなるさ、と笑ったらちびすけ(妹)が仄かに笑った。あんまり笑わず、ほとんど喋らず、上目遣いに人を見るちびすけ(妹)。ちびすけ(兄)もおしゃべり始めたのは2才以降だったからこの子もおしゃべりは遅いのかもしれない。その代わり、話し始めると怒濤のようだが。しかし……なぜ仄かにしか笑わないのかが疑問だ。さらにもう一人。9月に生まれたちびすけをみると、大人数でわいわいやってるにも関わらず、すやすやとよく眠っている。だいぶ肉付きもよくなって、太ももなどぷっくりしている。かわいい。見ている間にもよく動いていて、危うくベビーベッドから転がり落ちそうになっていた。まだ首が据わってないから、怖くてだっこできないがもう少ししたらだっこさせてほしいな、と従姉(姉)に言うと喜んで~、と笑ってくれた。一人隅っこで従兄が膝を抱えている。いつからか、余所で食事が出来なくなってしまった従兄。昔からよく来ている家なのに、従姉の家でもウチでも食事が出来ない。飲み物すら口に出来ないという状態の従兄を見るとなんだか悲しくなってしまう。祝いの席でごめんね、と小さくなっているのをみると余計に悲しい思いが増した。別れた嫁さんに連れて行かれてしまった娘たちをもしかしたら思い出していたのかもしれない。ニットの帽子で隠していたが時々膝に顔を埋めるのが視界の隅に入って悲しかった。悲喜こもごも、いろんな人生を歩んでいる人たち。別れ際に、従兄の顔を覗き込むと懐かしい笑い方をしてくれた。はにかんだような照れたような。柚木崎はこの従兄のこの笑い方が大好きだった。「その顔、なるべくしててよ」と声をかけたら少しだけ口元に漣がたゆたった。そのあとも暫くちびすけたちと遊んで。お暇したあと、その足でペットショップへ行った。実家に新しい子を迎えるためである。ペットショップに着くと、父母は我先にと鳥のコーナーへ。柚木崎たちは、店先にいたちびわんこに目を奪われていたのだが、明るい笑い声が響いたので見に行ってみると、1羽のセキセイインコが母たちを大歓迎している。構って欲しくて遊んで欲しくて、1羽だけ大騒ぎしているのだ。母が笑いながら「ウチの子になる?」と声をかけていたが、色がイマイチだったらしい。別のインコに目がいったら、大歓迎してくれたその子は「なぁんだ」といわんばかりに隅っこに行って拗ねてしまった。その様子が凄くおかしくて笑いがまた止まらなかったのだが、結局、母が気に入った色の子を買うことになった。瑠璃色に少し空色が混ざったような色合いの子。名前は早々に「ごろう」とついた。……なぜだろう? 分からないが。実家に戻ったらなんだか疲れてしまった。母はごろうと遊んでいるし、父は風呂に行ってしまった。柚木崎たちも用事を済ませてくるか。
2003.11.02
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恥ずかしながら、今まで祖母の誕生日を知らなかった。特になにがあるわけでもなかったので、知る機会がなかったとも言えるし、柚木崎や兄は、いわゆる「本家」筋の者ではないので別に知らせる必要もなかったとも言えるのかもしれない。今回は、春先の祖母の状態があったためか、本家筋長男である従兄が企画してくれた。珍しく声をかけて貰えた、という感じである。ちょうど三連休ということもあり、久しぶりに祖母の顔が見たかったのもあって2ヶ月ぶりに実家に帰った。場所は実家近くの蟹料理専門店。祖母が蟹好きだということから、従兄が決めたそうである。残念ながら柚木崎は、蟹を食べることが出来ない。アレルギー体質で、食べると大変なことになるのだ。でも、他の料理を頼めばいいや、と気楽な気持ちで行ってきた。祖母は84才。まだ、予断は許さない状況である。お祝いに、胡蝶蘭とシクラメンの寄せ植えを持って行った。久しぶりに見る祖母は、少しだけ小さくなっていて不覚にも涙が出そうになる。以前よりさらに穏やかな顔になっていた。兄と従兄の一人、叔父の一人が来られなかったのを除いて祖母の子どもである父たち兄妹夫婦、その子ども、さらにその子どもまで、合計15人が集まった。こんなに集まって貰えて、と祖母の声が潤む。一人一人からお祝いを手渡されて、さらに涙が。そんな祖母を見ながら、改めて従兄にお礼を言わせて貰った。その席で、親父様が兄貴の子どもが無事退院したことを報告。祖母が嬉しそうに笑った瞬間をデジカメで捉えた。今年の正月は無理だろうけど、来年は腕に抱きたいと祖母が意欲的に希望を口にする。そういう姿を次々とデータに納めた。子ども全員に囲まれる祖母、孫全員(曾孫も含む)に囲まれる祖母、義理の婿・嫁・孫のつれあいに囲まれる祖母……いろんなパターンで祖母を囲み、みんなで写真撮影である。囲まれて嬉しそうに笑っていた祖母の顔を、柚木崎は忘れることはないだろう。帰りがけに、祖母が、つと近寄ってきた。寄せ植えは重たいから車まで運ぶ、と言っておいたので、花を見に来たのかな、と思ったのだが、祖母は柚木崎のコートのポケットにすっと片手を入れた。「良かったら使ってね?」他のいとこ達や伯父、叔母たちに見つからないように隠れて何かをくれるのは、昔からの祖母の気遣いだ。そんなに気を遣ってくれなくて良いのに、といつも思うのだが、祖母は堂々と渡せない後ろめたさがあるようで、いつもこう、何かあるごとにものをくれる。その気持ちが嬉しく、また辛い。小さくお礼を言って、花への水やりの説明をして誤魔化すと、祖母はくしゃくしゃと顔をゆがめ、泣き笑いの顔で呟いた。「本当にありがとねぇ。ごめんねぇ」なにに対して謝ったものかわからないのだが、多分、今までの柚木崎や実兄への思いなのだろう。そう思うことにして、笑った。謝ることは何一つないのだと。これからもたくさんのお祝いをしたいから、いっぱいいっぱい長生きをして欲しいと言うと、目尻から溢れた涙を一生懸命に拭っていた。またね、と手を握ると、そっと握りかえされた手のぬくもり。絶対に忘れない。そう誓った。実家に戻ってから、デジカメのデータを確認したところ、母も柚木崎も目を疑うものが出てきた。親父様も驚きのあまり声を失っていたデータ。なんと、祖父が写っていたのだ。柚木崎が小学校低学年の時に亡くなった祖父である。誕生日ケーキを目の前に、照れ笑いを浮かべる祖母の脇に叔母の煙草の煙が入り込んでいるのだが、その煙草の煙が、祖父の形を取っている。それを見た親父様が涙ぐんだ。「みんなの顔と、喜ぶばぁさんの顔が見たかったんだろうなぁ」そうかもしれない。そうなのかも、しれない。しかし、プリントアウトするのはどうしようか、悩む一枚になってしまった。さて、次に会うときに持って行くデータを整理するか。
2003.11.01
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