“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2017.02.18
XML
テーマ: 日本料理(368)
日本の和食の頂点のひとつ

本日は、新橋の名店の『京味』で日本料理のお勉強します。
今日はメモを取らなかったので、記憶していた内容で、順番も前後していると思います。
すいません、あしからず。

 カウンターに座ると、店主西建一郎さんがカウンターの一人一人にナプキンをつけるために回られます。
些細なことですが、距離感が近く感じますね。
ナプキンクリップでとめていただくわけですが、はねでワイシャツを汚してクリーニング屋で染み抜きの常習犯の行儀の悪い私にはぴったりです。

 寒い季節と言うことで酒粕汁からスタートです。
先付は、鮑とこのわたをのせた青大根と菜の花の辛子和えです。


 続いてズワイガニ。
足と爪には綺麗に包丁が入り、簡単に身をほぐすことができます。
手前にはほぐし身と蟹味噌が添えてあります。
蟹酢つき。
足は身にしっかりとした蟹の味わいがあり、上質です。
蟹ミソはとてもクリーミーかつ、濃厚です。
これは間人でしょうか。あるいは京都側に漁をした津居山でしょうか。

 蛤の土手煮。暦はちょうど雨水の頃。雨水の最後は上巳です。
ということで、蛤のお皿がこれから増える時期ですね。
可愛らしい器で一人前ずつ提供された土手煮。
温度感の高い土手煮にすることで、その季節の移ろいを感じます。


 筍と子持ち蛸の炊き合わせ。
昨日は気温が20度を超えた東京。
雨水は、雪氷がとけ雨水となる季節ということで、この炊き合わせは春の足音を感じる皿ですね。

 炊いた芋茎。ぬるっとした口触りの後、シャキッとしたテクスチャがよく、しっかりした強めの出しの味わいが良い。出汁が強いということで好みが分かれるのかもしれませんが、私としては、生姜と木の芽の葉を散りばめてあり、強い香りでうまくまとまっていて、これがまた好きなお皿です。

 お造りは真鯛と虎魚。

虎魚はコリコリとした歯応えがあり、巻いてある芽ネギのシャキッとした食感と合います。
結構脂があり、あたりの優しいポン酢につけると脂が広がります。
真鯛は食感を残しながらも、噛み締めると十分旨さが広がります。あしらってあるうど(かな)と一緒に食べると、二人の食感が共鳴し、真鯛の旨さと合わさり、これまた美味しい。
そして、なんと言ってもあしらってある脇役が美味しい。
紫芽が添えてあるのもさすが一流店です。
細部にも手抜かりがない印象です。

 続いて、白魚と芹(かな・・)の天ぷら。白魚は一匹一匹揚げるスタイル。
短く切った芹(だと思う)はしっかりした塩のあたりのがある。
ころもはふわっとした衣。

 渡り蟹のしんじょうの椀。あしらいは蕨、吸い口は芽葱です。
この蟹しんじょうがすばらしく、なめらかなのに、蟹感があり蟹の味わいもあります。
上側の黄色い部分は内子でしょうか、ざらっとしていて、この口触りがしんじょうのなめらからを倍増させている印象です。

 焼き物はぐじ。ぐじは、ある程度焼いてから、皮を剥きせんべいにしています。
このせんべえ、表は鱗を立てずに上手に焼き上げる京都の『 山ばな平八茶屋 』の若狭焼きのようですが、裏側から見ると面白いです。この比重が低く感じる、せんべいのサクミはすばらしく、私のおいしさの加点で言うと+20点ですね(笑)。
ちなみに、「鱗を立てて焼くぐじの松笠焼きという方法もあるがせんべいにした方が美味しいからこうしている」と西さんが直々にレクチャー。
「ぐじは皮の下の脂が美味しいから、いきなり皮を剥いて、直接焼くのも良くない」とも。
勉強になります。この皿だけでも元がとれた印象です。
 前盛りは切り昆布のようなものと和えたものだったと思います。
美味しかったが、メモをとっていないために詳細を覚えてないですね。
というか、ぐじのせんべいに海馬の多くの用量が使われたみたいです。

 熱々の器で、中にひき肉が入った百合根饅頭。
かなりしっかり加熱してありとても厚いです。

 西さんが「お腹の具合いはいかがですか?」と問いかけていただきましたので、せっかくなので、追加をしてみます。これが良かったです。西さんが自ら揚げて、提供していただたからです。
出てきたのは、『 ちゃわんぶ 』のように牛かつかなと思いましたが、鮑のフライ。
二箇所に包丁を入れた鮑、酢橘とウスターソースにて。
鮑の肝のフライが後からきます。
カリッとした衣とややコリっとした鮑のテクスチャの組み合わせが良いですね。
酢橘でもウスターソースでもいけます。

 〆は鮭のご飯。
程よい火入れの鮭とその皮目のせんべい。三つ葉をあしらっています。
漬物がこれまた美味しいです。壬生菜、赤蕪、大根などが盛りだくさんです。
なので、おかわりします。

 デザートは葛切りに。
やはり、目の前で葛切りを仕上げます。まるで、『 くろぎ 』そっくり。
たっぷりの黒蜜濃厚で、われわれの食べっぷりか、葛切りも大盛りです。

 とても、おいしく、楽しい時間を過ごすことができました。
会計4万6千円ちょっと。思っていたより安かったというレビューが食べログにありましたが、これはとてもいい表現だと思うのでした。

最後に・・


西先生と。
ありがとうございました!

京味
東京都港区新橋3-3-5
電話 03-3591-3344





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2018.02.13 23:17:25


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Profile

四方よし通信

四方よし通信

Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

【お台場】ひるがお… New! TOMITさん

昨晩の握り寿司! New! てくてく7281さん

プロフィール 食の匠のお助けまんさん

「夏の月」 丁寧な暮らしさかもとこーひーさん

食べ歩き紀 ByeByeさん
竹田陽一ランチェス… ★竹田陽一ランチェスター 東京・西村のNo.1経営・裏のブログさん
釣って満腹! ~ボ… 秀龍さん
うまい営業・へたな… なにわの進藤さん
●Hokkaido & Travel … wind0625さん
HACCPコンサルと美味… HACCP加藤さん

Category

大久保一彦のひとこと情報

(1842)

ワイン会、フードなど大久保の教室

(141)

大久保一彦おすすめのおいしい店の情報

(214)

大久保一彦の商人のための情報

(171)

おいしい料理情報

(84)

食を考える

(73)

雑誌などメディア出演

(27)

大久保一彦が見たエンターテイメント

(34)

愛犬日記

(51)

(162)

よっしー

(97)

よっしーパート2

(112)

よっしーパート3

(179)

よっしーパート4(2010年3月17日以降)

(375)

よっち&こーちゃん

(369)

海外視察

(104)

カリフォルニアクイジーヌ

(5)

フランスの店

(30)

ジェームズオオクボセレクション【怪人のいる店】

(9)

世界のベストレストラン&ホテル100

(77)

世界のベストレストラン更新前の記事

(227)

大久保一彦の二つ星と三つ星の間

(276)

大久保一彦的二つ星のレストラン&ホテル

(221)

大久保一彦の二つ星西日本

(232)

大久保一彦の二つ星ワールド

(22)

大久保一彦の一つ星の店、ホテル

(266)

大久保の一つ星(愛知より西)

(241)

大久保一彦の一つ星の店、ホテル(海外編)

(22)

北海道のうまい店

(72)

東北のうまい店

(41)

関東のうまい店

(133)

東京のうまい店

(269)

目白・雑司が谷界隈の店

(27)

甲信越と東海地方のうまい店

(140)

北陸のうまい店

(76)

関西のおすすめ

(159)

四国と山陰、中国地方のうまい店

(75)

九州のうまい店

(101)

沖縄のうまい店

(28)

スイーツ研究所

(235)

Cafe研究所

(84)

カレー・スパイスの研究所

(4)

すし協同研究所

(38)

すし協同研究所・現地勉強会

(121)

会員向け日本料理研究会

(23)

魚アカデミー

(278)

鮨行天

(56)

『ラ・フィネス』『ミチノ・ル・トゥールビヨン』勉強会議事録

(32)

フランス料理店経営研究室

(33)

蕎麦店開業協同研究所

(71)

料理の技法や食の知識

(2)

ジェームズオオクボ的視点で選んだ心に残るあの店のあの料理(名物料理百選)

(19)

各地名産品及び各地名物料理

(176)

大久保一彦の野草のワークショップ

(30)

産地・生産者訪問

(127)

今日の大久保一彦のしごと

(1100)

経営者のための連続コラム

(1657)

飲食店は人づくり

(4)

修行について コーチの予備軍の方へ

(8)

これから開業の方向けコラム

(290)

飲食店開業講座

(65)

子供たちのためにコラム

(42)

偉人の言葉、今日の親父からの言葉

(28)

“経営思想家”大久保一彦の次の世代への哲学

(51)

補足◆【いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか】補足◆解説

(11)

残念ながらブログ掲載後閉店してしまったお店

(159)

ジェームズオオクボのホテル&お宿見聞録

(277)

長山一夫器美術館(解説付き)

(107)

会員・塾生訪問

(124)

何でも食材ランキング(ブログ掘り下げ編)

(2)

ジェームズ昆虫記&ジェームズ植物記

(474)

中国料理研究

(63)

BAR研究

(1)

外食調査録

(80)

業態研究

(82)

ジェームズオオクボ書店

(12)

惣菜・弁当・食品売場研究

(369)

寿司盛り合せ研究

(67)

商品研究・料理研究

(842)

素材・材料開発研究

(45)

焼肉店訪問

(8)

ラーメン研究

(2)

スパイスカレー店・インド料理店・ネパール料理店研究

(29)

別冊四方よし通信

(7)

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: