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「“運命ではない”“人生は自分で築く”パパが残した言葉だ。未来の僕がパパに教えたんだけどね。・・・とにかくこういう事だ。未来は運命が決めるものではない。自分の手で切り開くんだ」「(おまえの)母さんは未来を変える気だ」「たぶんね」前作に続く2作目となるこの「T2」のすごいところは、ターミネーターが無機質な機械の塊などではなく、液体金属で出来ているという点である。しかもそのことが有利に効いて、様々な人間に形を変化させたり、格子の間をくぐり抜けたり、手を鋭利な刃物に変化させたりなどとにかく変幻自在に操れるすごワザの持ち主という設定なのだ。21世紀に突入した現代では、恐怖や慄きを感じる対象というと、例えば感染力の強い猛毒性ウィルスであったり、得体の知れないスピリチュアルなものであったり、外観的な特殊性には飽和状態にある。それほどまでリアリティを求められるようになった今でも、この「T2」は充分に恐怖感を抱き、文字通りのドキドキハラハラ感を得られる最高傑作なのだ。前作において、サラ・コナーはカイル・リースとの間にジョン・コナーを儲けた。本作では、サラ・コナーが精神異常者として精神病院に収監され、息子のジョンは養父母に引き取られ非行に走るというプロローグを見せる。ある日、時空を越えて2体のターミネーターが現代に送り込まれる。1体はT-800型で、未来のジョンが自分自身を護るためにT-800型を再プログラムしたもの。そしてもう1体は、変幻自在の液体金属の体を持つ最新型モデルT-1000型で、10歳の少年となったジョンを抹殺するために送り込まれたのだった。80年代、90年代、そして現代。悪役も時代とともにずい分とその様相を変えた。いつの頃からか、「13日の金曜日」に登場するジェイソンにはほとんど恐怖を感じなくなってしまい、「エイリアン」や「プレデター」では恐怖と言うより気持ち悪さを感じるというのが本音なのだ。そんな中、このターミネーターシリーズは、まだまだイケるという感触を得た。アクションと恐怖感と、そしてラストのちょっぴり切なさ感がいい案配にまとまった、完成度の高い作品である。1991年公開【監督】ジェームズ・キャメロン【出演】アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトンまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2009.06.28
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「命令されて来たの?」「志願した」「なぜ?」「伝説の人物、サラ・コナーに会いたかったから。息子に戦闘と組織の方法を教えこんだ人だ」「ターミネーター」に続く「T2」、それに「エイリアン2」あるいは「タイタニック」など素晴らしい作品を手掛けたジェームズ・キャメロン監督には、一つの法則があるように思える。それは、ヒロインの女性が強くたくましく生き抜く力を持っていることだ。このことがどんな意味を持つかなんて、それは観る側の問題でしかないけれど、吟遊映人はそこに“母性”とか“変わらぬ愛”を見たような気がする。そういう人間の底知れぬ深い情愛は、いかに高知能を持つスーパーコンピューターと言えども、太刀打ちは出来ないと表現しているように思えるからだ。当時、ボディビルダーとして活躍していたアーノルド・シュワルツェネッガーも、役者としては全くの素人で、彼を一躍有名にしたのがこの「ターミネーター」なのだ。無名のボディビルダーを主役に抜擢したキャメロン監督の先見の明には、もう脱帽と言う他ない。人工知能を有するターミネーターが、核戦争を引き起こして人類を絶滅させようと企む未来。人類は、生き残った戦士のうちの1人が指導者となり、ターミネーターと戦う。彼の名はジョン・コナー。母親であるサラ・コナーから戦闘と組織の方法を徹底的に教え込まれている人物であった。一方、ターミネーターはジョン・コナーに恐れを抱き、過去にタイムスリップすることで母親サラ・コナーを歴史から抹殺するべく1984年(現代)のLAに送り込まれて来た。70年代に“ウーマン・リブ”という言葉が流行した時期がある。いわゆるフェミニズムの一端であるが、キャメロン監督の描く女性たちは、強くたくましく男性と肩を並べて生きて行こうとする世界中の女性たちを味方につけた、あこがれの女性戦闘士なのだ。まだまだ男性優位の社会にあって、その荒波に揉まれながらも勇敢に戦う女性は素晴らしい。そんな女性たちに向けた、キャメロン監督からのエールようなSF映画に仕上がっているのだ。1984年(米)、1985年(日)公開【監督】ジェームズ・キャメロン【出演】アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトンまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2009.06.26
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「奴はツイてなかった(笑)」「クソッ!」「時計で身元が割れたのか? ありがたい時計を使うのはやりすぎだとは思ったが、おれの家におびき出すにはいいエサだ」「貴様の背骨をヘシ折ってやる!」「命令するのはおれだ!」この作品は以前にも日曜洋画劇場で観た。プライベートでは心身ともに疲労のどん底にいる時で、ただ漠然と茶の間でぼんやり観ていたような気がする。だが映画というのはスゴイ。いつの間にか視聴者を作品の中に引きずり込み、現実を置き去りにしたパワフルで華やかな世界観に迷い込ませる。その時の吟遊映人は、「スピード」が展開するこれでもかこれでもかという畳み掛ける勢いにまんまと乗せられ、あっと言う間のスリリングで楽しいひと時を過ごすことができたのだ。「スピード」は、アカデミー賞受賞作品であり、内外ともに評価の高かったアクション映画である。犯人役のデニス・ホッパーは、いかにも知能犯らしく鼻でせせら笑うような冷酷極まりない悪役を、見事に我が物にしていた。主人公を演じたキアヌ・リーブスも、若さだけに頼ることのない見事な演技力で作品を盛り上げているのだ。舞台はロサンゼルスのオフィスビル。乗客たちがエレベーターに閉じ込められる事件が発生。ロス市警のジャックとハリーは、乗客たちを救出するためエレベーターに取り付けられた爆弾を死にもの狂いで排除する。一方、爆弾を仕掛けた犯人は、なんと元警察官で爆発物処理班に在籍していた人物だと判明。処理中の爆発事故により、手に障害を負ったことで警察を逆恨みしての犯行であった。 アクション映画は時代とともに進化しているため、正直なところ、90年代前半の作品に触れることで稚拙さやリアリティに欠けるところが目につくのも否めない。それはCG技術の急激な発達に頼ることが多いからだ。だが、役者のダイナミズムな動きや存在感は、今も昔も変わらぬ高度な演技力を必要とされる。我々がアクション映画から得られる娯楽性や悦びは、次世代でも先細りすることなく、連綿と受け継がれていくことだろう。1994年公開【監督】ヤン・デ・ボン【出演】キアヌ・リーブス、デニス・ホッパーまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2009.06.22
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「“娘を幸せにできるのか?”と誰かが言った。ずっと悩んで出した答えがこれだ。この世に完璧な人間などいない。だが俺は誰よりも娘を愛してる。その気持ちに勝るものはない。娘がいれば俺は生まれ変われる。決してあきらめない」この作品は・・・そう、近未来版グラディエーターとでも表現しようか。人権とか更正とか、そんなキレイゴトは通用しない過激な世界観なのだ。端的に言ってしまうと、民間企業が掌握する刑務所内における囚人たちの、死闘のレースである。漠然と観ていると、ありえない世界観に気持ちが追いついていかないかもしれないが、娯楽という観点から作品を堪能すると、ドキドキハラハラ感に時間を忘れてしまうほどの勢いを感じる。2012年、近未来。アメリカでは民間企業が刑務所を運営している。凶悪犯を収容するターミナル・アイランドでは、利潤追求のため“デス・レース”と呼ばれる過酷なカーレースが行われていた。それらは世界中に中継され、所長のヘネシーは莫大な利益をあげているのだった。フツーに驚いたのは、どんな凶悪犯でもそのデス・レースで5回優勝すれば晴れて自由の身になれるということ。だが逆に負ければ死が待ち受けているという、生死を分けた博打なのだ。こういうことが実際にはありえないことでも、発想としては実におもしろい。国家の経済状態がパンク寸前ならば、刑務所を民間に委託するというのはあながち考えられないわけでもないからだ。主役を演じたジェイソン・ステイサムは、どんな役柄を与えられようと、いつも涼しげで洗練された身のこなしなのだ。全身タトゥーだらけにしようと、ピアスを開けようと、ジェイソン・ステイサムは最終的に、いつの間にか、洗練された英国紳士にちゃんと戻っている。そんなジェイソン・ステイサムの、危機迫るカー・アクションを手に汗握る思いで堪能していただきたい。2008年公開【監督】ポール・W・S・アンダーソン【出演】ジェイソン・ステイサムまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2009.06.16
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「海老原真一さんも本間恵さんも全員無事です。吉岡も生きてます」「今どこにいる?」「くろーばー号のファンネルスペース。煙突脇を通って表までつながってる梯子だと思います。・・・吉岡はここに来る途中で爆発の衝撃で閉じ込められました。救出にはカッターが必要です。これから上まで登ります。ヘリの用意をお願いします」世間で話題沸騰中の時、もちろん吟遊映人も人並みに興味が湧いた。マンガは読まなくても、せめてテレビドラマでチェックしなければと。それが「海猿」である。噂には聞いていたが、この映画が公開されたことで、海上保安庁のイメージアップに多大な貢献を果たし、しかも海上保安官の志願者数が激増したとのこと。おそるべし、メディアの力。あれだけ湧いた「海猿」現象も下火となり、今さらではあるが、何となく・・・と言うより向学のために鑑賞しなくてはと、思い至った次第である。鹿児島湾内で座礁したフェリーでの救助活動のため、出動が命じられる。海上保安庁機動救難士である仙崎大輔は、任務遂行のため現場へ急行。大型フェリーは予想以上の速さで浸水、傾いていくのだった。簡潔な感想で申し訳ないが、「感動した」としか言いようがない。命を張って救助活動をする海の男たちをモチーフにしたこの作品に、どうしてケチなどつけられようか!三等海上保安監指揮官の下川役を演じた時任三郎は、実においしい役柄を見事にそつなくこなしていた。「コレだよ、コレコレ!」みたいなテレビドラマの王道ここにあり的風格を見せつけられた気がする。余談になるが、時任三郎と言えば、1983年に放送されたTBSドラマ「ふぞろいの林檎たち」が代表作としてあげられるだろう。名脚本家・山田太一の作品とあって本人も力を入れた役柄ではあったと思うが、すでにこの時からテレビドラマの王道を反れることなく、堂々と歩いていたような気がしてならない。今回の「海猿」にしてもそうだが、役者が視聴者に何を求められているのかを非常によくわきまえた俳優さんだと思う。「海猿」を観ると、“ドラマとはこうあるべきだ”と、映像・脚本・演出・音楽の全てから教えられる作品なのだ。2006年公開【監督】羽住英一郎【出演】伊藤英明、加藤あい、時任三郎また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2009.06.14
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「仕事に飢えた顔するな。お互い時間のムダになる」「彼の時間もな」「ベネディクトの話はよせ。聞かれたらすべて話せ。話は聞き逃すな。それに忘れるな」 「何を?」「聞くことを」うん、やっぱり「オーシャンズ」シリーズは傑作だ。誰が何と言おうとこの作品からかもし出す登場人物のエキサイティングな行動は、もはや痛快としか表現しようがない。「オーシャンズ12」は前回と比べると、ストーリーにかなり気を使った作品に仕上げられているような気がする。単純な泥棒稼業のプロセスを披露したものではなく、登場人物も入り組んでいるし、今回の窃盗では否が応でもやらなければならない理由などもあるし、ラスティと女性捜査官との色恋沙汰、親子の対面シーンなど、相当な背景が隠されている。まず、舞台からしてこだわりを感じたのは吟遊映人だけだろうか。設定としては、前回のカジノ強盗によりアメリカ国内では仕事がしにくいことからヨーロッパを舞台に繰り広げられるというわけだ。今回のターゲットは、ローマの美術館で展示される「ファベルジェの卵」を盗むというものだ。(泥棒のプロとしてのプライドをかけ、様々な監視カメラや警備の網の目を掻い潜り成し遂げる。)そんな中、作品では2世泥棒という泥棒のサラブレット(?)役として登場するマット・デイモン(38歳)が、実にユニークなのだ。何と言うか、仲間内では専ら三枚目で、いつも親の七光り(?)に苦悩する青年という役柄なのだが、この天然ぶりがおかしいのなんのって。だがこのマット・デイモンという人、実は秀才でハーバード大学を中退している。下積み時代はずい分と苦労も多かったようだが、2007年にはフォーブス誌によると、映画出演料においてトム・ハンクス、トム・クルーズを抑えてトップに輝いた。また、人権問題にも詳しい人で、慈善活動家としても名高いのだ。そんなマット・デイモンだからこそ、どんな端役でも体当たりの演技で視聴者を釘付けにする魅力を持ち合わせているに違いない。2004年(米)、2005年(日)公開【監督】スティーブン・ソダーバーグ【出演】ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2009.06.10
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「前代未聞の大仕事だ。綿密なプランと人手が要る」「銃は?」「必要ない。警備は堅いが報酬は・・・」「狙いは?」「1人8ケタ」「(狙いは)どこだ?」「・・・ラスベガス」息切れしてしまうほどに四六時中DVD鑑賞に明け暮れた昨年を反省し、今年はじっくりと腰を据えて、一つ一つの作品と向き合っていきたいと思う。更新が滞りがちのように感じられる読者もおられるだろうが、そんなわけで、吟遊映人のDVD鑑賞をする心構えが若干変わったことをお知らせしておきたい。あしからず。新作を次から次へと観ていくことだけが映画人としてのあり方ではないはずだ。過去観た作品でお気に入りのものを繰り返し観ては、どこがどんなふうに自分の心のひだに触れたのかを咀嚼してみるのも楽しいかもしれない。吟遊映人は、ソダーバーグ作品が大好きだ。特に、「オーシャンズ」シリーズはことのほか良い。「オーシャンズ」については、すでに過去記事を書いているため今さらのような気もするが、改めてご紹介したい。しかし今回は内容についてではなく、出演者について少しだけ記述しておく。「オーシャンズ」という作品は、端的に言ってしまえば天下の大泥棒たちがいかにして盗みを働くかという物語であるが、“人を殺めず、女を犯さず、貧しき者からは盗らず”の、ねずみ小僧みたいな盗人集団なのだ。(ねずみ小僧よりはもっとスケールが大きいけど)「オーシャンズ11」では、刑務所に4年間服役していた窃盗犯ダニエル・オーシャンが仮釈放されるところからストーリーは展開する。標的はラスベガス。カジノの地下にあるぶ厚い壁に覆われた巨大金庫室から巨額の金を盗み出すまでの物語なのだ。主人公オーシャン役はジョージ・クルーニー(48歳)が、非常に洗練されたイケてるプロの泥棒として好演。2006年にはPeople誌で“最もセクシーな男性”に選ばれている役者なのだ。犯罪者の風貌はたいてい極悪非道な顔立ちか、あるいは逆に貧相でずる賢くいかにも一癖ありそうな、と言うのがごくごく一般的なパターン。それがどうよ、ジョージ・クルーニーが演じてしまうのだから単なる犯罪者集団の物語では終わりますまい。また、オーシャンの右腕であるラスティ役で、ブラッド・ピット(45歳)を起用していることもニクイではないか。「オーシャンズ」は娯楽映画の王道をゆく作品で、いつ観ても色褪せることのない鮮やかな役者の色彩と、機微な個性に溢れているのだ。2001年(米)、2002年(日)公開【監督】スティーブン・ソダーバーグ【出演】ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2009.06.07
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