吟遊映人 【創作室 Y】

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2009.02.07
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カテゴリ: 映画/ヒューマン

「お金を募るためのパーティーよ。」
「会場の人々が武器を集めるんじゃない。CIA、イスラエル、エジプト、パキスタンが秘密裏にやる。全員をキリスト教に改宗させる気か?」
「私はキリストに救われたのよ。宗教の自由を広めたいの。共産主義者はそれを認めず、殺す。」

詳細について触れてしまうと、非常にデリケートな問題なので、善悪の判断を誤ってしまうおそれがある。
そんなわけで吟遊映人として着目したのは、この作品中の主人公チャーリーが、その人柄と持ち合わせた幅広い人脈により、これだけ大きなプロジェクトを成功させてしまったのだというサクセス・ストーリーを楽しむことにしてみた。
端的に言ってしまえば、冷戦時代のアメリカがソ連軍の侵攻を食い止めるために、現地人を使ってゲリラ訓練を指導し、武器の密輸をした・・・という内容である。
しかし、そこに至るまでの様々な人間模様、駆引きがユニークなのだ。

テキサス州選出の下院議員チャーリーは、平和を愛する政治家。


そんなチャーリーを支持するため、テキサスで六番目の大富豪で反共産主義者のジョアンや、個性的で毒舌家のCIA捜査官ガストが全力でバックアップする。

本作は、決して反戦映画的な類ではない。
アメリカン・ドリームよ再び・・・的な、一介の議員があの手この手を使い、その人間クサさに惚れ込んだ仲間たちに支えられ、冷戦の状況をアメリカに有利な風向きに変えたという事実に基づいた自伝である。
この主役を演じたトム・ハンクスは、好色で軽薄そうな、だけど実は敏腕政治家であるチャーリー役を好演。
人間クサく、親しみのある人物として明るく陽気に演じてくれた。
また、富豪でありキリスト教主義者のジョアン役をジュリア・ロバーツが、小悪魔的でしかも個性いっぱいに好演。
「プリティ・ウーマン」では娼婦役、そして本作では富豪役。
この自在な演技力がプロたる所以であろう。
ラストではチャーリーがアフガニスタンに学校の建設を提案して、議会で却下され、エンディング・タイトルが流れる。
そんなところも、計算し尽した一連のプロジェクトにも失敗はあるものだと教えてくれる。
泥クサく、人間クサく、社会の裏と表を表現した作品なのだ。


【監督】マイク・ニコルズ
【出演】トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.02.07 06:39:37 コメントを書く


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