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2012.01.15
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カテゴリ: 映画/TVドラマ

「証人を疑ったら裁判にならない」
「だが誤認かも」
「証言台で宣誓したぞ!」
「人は間違いを犯す。もしも誤認だったとしたら?」

この作品は、過去に何度も映画やテレビなどで製作、放映され、その度に話題を呼んだらしい。
サスペンスドラマなどで度々目にするのは、法廷で検事と弁護士が火花を散らし、新たな事実や意外なアリバイが判明して、逆転無罪を勝ち取るという展開だ。
ところがこの作品は、12人の陪審員たちが別室であれこれ討論し、有罪か無罪かを評決するという、ただそれだけのドラマである。
そういう意味では、いわゆる“法廷モノ”とは多少色合いが違うような気がしないでもない。

その陪審員1~陪審員12までのキャラクターには、様々な背景があり、抱えている問題がある。
その中で、一人の人間を極刑にするか否かを討論するプロセスが、重厚に描かれている。
20120115b

スラム育ちの18歳の少年が、父親殺しの罪に問われていた。
日ごろ、父親から虐待を受けていた少年には動機もあり、ナイフを購入した証拠も挙がっていた。
さらに、近隣住民の目撃証言もあり、少年が犯行に及ぶところを列車の通過越しに見ていたというものまであった。
12人の陪審員たちは別室に通され、ほとんど皆が有罪であるかに思えたところ、たった一人の陪審員が無罪を主張するのだった。

作品のテーマはとてもはっきりしていて、とにかく“疑わしきは罰せず”の鉄則を強調するものに仕上げられていた。
それだけに、人一人の命を左右する評決の重みを感じ、いいかげんな態度では望めない陪審員のあり方を問うものだった。
登場した俳優陣の顔ぶれは、これまた見事で、テレビ向けに作られたとは思えないほどの存在感と重厚さをかもし出していた。
ジャック・レモンの冷静で客観的な問いかけには、演技を超えた孤高の魂さえ感じた。

また、ジョージ・C・スコットの際立つ存在感には、目を見張るものがあった。

20120115c

1997年(米)公開 ※日本では2003年にNHKBS2にて放映 
【監督】ウィリアム・フリードキン
【出演】ジャック・レモン、ジョージ・C・スコット

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2012.01.15 10:37:00 コメントを書く


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