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2013.11.29
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カテゴリ: 名歌と遊ぶ
20121116

とこしへに

同じ枝には

住みがたき

身となりぬらし

おちばと落葉


       与謝野晶子

落葉が見事だ。
禅刹では雲水が淡々と落葉をはき集めていた。
その姿は風景のひとつであった。落ちる葉と、はき集める僧が、「空」という相の中で一体となっているように見えた。
森閑とした禅刹らしい風景に引き込まれ、私はしばし時を忘れたのだ。

しかしだ、「空」なる落葉もいいが、しっとりした「艶」なる落葉もまた一興だ。晶子さんは「空」の反対側で燦然と輝くのだ。

この歌は、色っぽいなぁ、と思わないではいられない。ゾクゾクとする。

そして 『おちばと落葉』 、こういう技法は歌の中では風景のひとつになり、自然とため息が出てしまう。


晶子さんもう一首。


落葉憂し

生きたる苔に

はばまれて

石の質なる

霜におされて



晶子さんご本人は、何に「はばまれ」ても成し遂げられた。そこが素晴らしくも凄いところであり、こうやって後世まで名を残す所以なのである。

ときに我が友人は「落葉といえば奥村チヨでしょ!終着駅が最高だね。」
また別の友人曰く「落葉なら、O・ヘンリーの最後の一葉だと思う。」
古刹の落葉、おちばと落葉、そしてカラオケの落葉に最後の落葉と落葉にもいろいろあるようだ。

週末は里山で本年最後の落葉三昧に興じてみようか。

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.11.29 06:01:07
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