吟遊映人 【創作室 Y】

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2022.12.03
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カテゴリ: 体験談


私は職場でほぼほぼ強制的に促されるので、渋々ながらも受けています。
とは言え、人間ドックとは違うので、もっと簡易な、採血+胸部レントゲン+心電図+検尿+検便、てな具合です。
毎年のことなので、面倒臭いなぁとは思いながらも、通常通り済ませました。
健康診断が終わって二週間もすると、いつもならペラペラの検査結果が一枚きり入った封筒が届くのですが・・・今年は違いました。
やたら分厚い封書が届いたのです。


何やら胸騒ぎがして封を開けてみると、な、なんと、便潜血反応の2回目が(+)となっているではありませんか!!
もちろんこれはE判定「要精密検査」というやつです。
そのときの私の心情たるや、もうこの世の終わりのような気持ちで、呆然とする以外ありませんでした。


なにしろ、健康診断で引っかかったのは数年前にコレステロールの数値が高くて「要受診」の判定をくらったぐらいで、「要精密検査」などという判定なんて、これまで一度として紙面で目にしたことなどなかったのですから。
ちょうどその検査結果が届いたのは、近所のお宅に植えられている金木犀が満開で、甘く、濃厚な香りが嗅覚を刺激するころでした。
私は毎年、その香りが届くのを楽しみにしているのですが、今年は思わず、「ああ、来年の今ごろ、私はこの金木犀の香りを嗅ぐことができるのだろうか・・・?」などと考えてしまうのでした。
そんな私は、なかなか検査の予約を取る勇気がなく、ただ時間だけが空しく過ぎていくばかりでした。
洗濯物を乾していても、買い物に出かけていても、仕事をしているときも、まるで喉に魚の小骨が刺さっているかのように、精密検査のことが頭から離れないのです。



さすがにこのままではいけないと思い、意を決して近くの総合病院に予約を入れたのです。
それからはもう、検査日までがカウントダウンの日々でした。
当日までジタバタする自分は、客観的に見ても滑稽で、子どものように臆病風に吹かれていました。
それにしても大腸内視鏡の検査というものは、どうしてあんなに事前準備が大変なんでしょうか⁈
ウワサには聞いていたけれど、いざ自分がその立場になってみると、まさかこれほどまでとは思わず、疲労困憊でした(泣)
私の場合、検査日の前々日から準備に入りました。
病院からもらった注意事項を読むと、消化の良いものを食べるようにとあり、食べない方がいいものを一読してビックリ!!
もはや食べるものなどありません。
もうこうなると、頭で考えるのが面倒になり、病院の売店で売っているという検査前日食を購入することにしました。

これで食事面の憂いはクリアしたのですが、やはり検査が無事に済むまでは落ち着きません。
恐怖感、絶望感、さらには厭世的な気分にまで落ち込むのですから、自分で自分を持て余すばかりでした。
一人息子に、
「お母さん、毎晩眠れないよ・・・」
と弱音を吐くと、
「あ、俺の睡眠導入剤、吞む?」とのこと。
「けっこう効果あるぜ〜」
おそらく息子としては、更年期に突入した母の戯言ぐらいにしか思っていないのですが、私はもっと優しい言葉を聞きたかった・・何かこう・・励まして欲しいというか・・(←これは完全に私の甘えですね)

さて、そんなこんなで検査当日。
私の他に3人(男性2人女性1人)の検査待ちの方々と、前処置室なる部屋で、2ℓもの下剤を飲まされるハメになりました。
味は薄いスポーツドリンクのようなもので、決して美味しくはなく、ガブガブ飲めるようなものではありません。
それを2時間ぐらいかけて飲むのですが、これがまたキツい!!
ふだん、食後にコップ1杯のお茶を飲む程度の私が、喉も渇いていないのに2ℓの下剤を飲むだなんて・・・!
(これが真夏の炎天下で、身も心も水分を欲していたら、この2ℓの下剤も全く問題なかったかもしれませんが)
さらに、この2ℓの下剤を飲みながら、10分おきにトイレに立つのですが、これもまたおっくうなことでした。
トイレは4つあり、ドアにはそれぞれ1〜4までの数字が貼ってあるのです。
私たち内視鏡検査を待つ4名は、それぞれ決められた番号のトイレに入って用を足し、そのつどナースコールで看護師に排便の状況を確認してもらうのです。
(ちなみに私は2番のトイレでした。まぁ、そんなことはどうでもいいのですが・笑)
これを午前中の間じゅう繰り返し、排便が透明の液状になった人から順番に内視鏡室へ移動するという具合です。
年配の女性が私に話しかけてくれて、少し気がほぐれたのですが、とにかくその女性は、
「もうとっくに透明になっているのに、あの看護婦さんがまだダメだって言うの」と、ずっとボヤき続け、しまいにはトイレの前で、
「もういいじゃない。透明になったわよ」
と、若い看護師に主張すると、看護師も負けていない、
「ダメダメ〜! まだもっと透明になるまでがんばりましょ〜!」
そのやりとりが2〜3回繰り返されるのですが、まるで母娘ゲンカを見ているようで、笑えました。
男性陣は黙々と、まるでお酒でも飲むように、本を読みながら飲んでいました。
私が「あ〜もう飲めない」と、弱音を吐くと、1人の男性が、「もう少し美味しい味なら飲みやすいのにね?」と苦笑するのでした。
結局、さんざんグチをこぼした年配の女性が1番に内視鏡室へ案内され、次に私、男性2人はその後でした。
内視鏡室へ入る前に更衣室へ案内され、荷物をロッカーに預け、下だけ紙パンツのようなものに履き替えるよう指示されました。
その後は鎮静剤の入った点滴を打ち、内視鏡室へ。
診察台に横になると、「モニターご覧になりますか?」と聞かれるのですが、「いえ、勇気がありませんので」と首を振り、私はキツく目を閉じて嵐の過ぎるのを待ちました。

検査の時間は1時間まではかからなかったと思うのですが、それでも40分ほどはかかりました。
その間、ポリープが一個見つかったようで、切除してもらったのですが、はっきりと意識はあるのに痛みはなく、やれやれという感じです。
腸の中に空気を入れたり、水を入れたり、何やら腸壁をゴリゴリするような感触があったので、決して気持ちの良いものではありませんでしたが、でもまぁこれで一難去ったという安堵の気持ちで、今となってはホッとしたの一言です。
それにしてもポリープ切除という一般的には手術と言われる行為を日帰りで済ませられるというのはスゴいですよね?
今さらながら医療の日進月歩を感じました。
私の大腸内視鏡検査とポリープ切除はこうして無事に済みましたが、皆さんも健康診断を受けて、どうかお体のメンテナンスを怠らないよう願います。




最後に(^o^)/

20130124aisatsu





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最終更新日  2022.12.03 08:00:10
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