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2008年03月04日
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カテゴリ: 邦画(08)
乙女千感ヤマトさんからこの前テレビでも放映された周防監督の映画 「それでもボクはやってない」

この映画は「99.9%の刑事事件は被告が有罪である。」という厳然たる事実を前に、それを説得力を持って描いていました。
だから問題は「痴漢に間違われないようにすればいい」ということではないのです。

去年この映画を見た後、たまたま名誉棄損で起訴された事件の控訴審の傍聴に行きました。一審では限りなく白に近い判決が出たので、今度は逆転できる、と数人の証人を用意して出向いたのに、冒頭裁判官は「聞く必要がない。次回で結審する」とのたまうのです。弁護士が「必要だから証人を出しているのだ」とめずらしく何度も食い下がりましたが、無駄でした。証人を採用するかどうかは裁判官の決裁事項なのです。1000人ほどの署名を集めては行きましたが、それでも世間的には全く無名の裁判です。新たな証拠が上がらず、裁判官の意向が一回目で知れたわけですから、この裁判に勝ち目はありません。事実負けました。

被告の意向もあり、控訴はあきらめました。だって、次の高裁はそのたびごとに東京に出向かないといけないのです。しかも、ほとんど逆転判決は望めません。確率がモノを言っています。被告が「萎える」のももっともです。あまりにも悔しい。確かに罰金五万円の軽い不当判決です。でも払えば済むということではありません。一生前科一犯という汚名がついて回るし、支援している側からいえば、「労働組合を作った人間に対する嫌がらせで名誉棄損発言をしたとでっち上げた」事件であって、許すことができないのです。あの裁判官は、万が一にも無罪になることは避けたかったのでしょう。明確に感情で判断しています。ああいう裁判官がうようよいるのです。

あの映画の前半にでてくる「有罪だという確証が得られなければ、その人は無罪なのです。恐れるのは無罪の人を有罪にしたのではないか、ということだけです。」という裁判官が途中で転勤(左遷?)させられて、小日向文世に変わり彼は「無罪だという確証が得られなければ、その人は有罪である」という原則で動きます。無罪判決は絶対上からは、いいようには見られない。だから、出世を考える人は無罪判決は出さないのです。あの映画で描かれていることは現実です。

これから、陪審員制度ができた時は、選ばれた人はこの映画を必ず見るように運動をする必要があるのかもしれません。





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最終更新日  2008年03月04日 17時11分54秒 コメント(12) | コメントを書く


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