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2008年03月08日
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なかなか書評を書く時間が作れない。本だけは何冊も読み終わっているのですが‥‥‥。

「誰か」宮部みゆき(文春文庫)

今多コンツェルンの広報室に勤める杉村三郎は、義父でありコンツェルンの会長でもある今多義親からある依頼を受けた。それは、会長の専属運転手だった梶田信夫の娘たちが、父についての本を書きたいらしいから、相談にのってほしいというものだった。梶田は、石川町のマンション前で自転車に撥ねられ、頭を強く打って亡くなった。犯人はまだ捕まっていない。依頼を受けて、梶田の過去を辿りはじめた杉村が知った事実とは…。 (「BOOK」データベースより)

宮部みゆきは文庫本が出ると無条件に買うようにしている。そのわりには、二年前の正月の 「模倣犯」五冊 以降彼女の書評はこのブログには載せていない。実はこの二年間、彼女の作品を読んでいない。宮部の文庫は何冊かは発行されているのだが、実はすでに図書館で借りて読んでいたのである。一時期図書館に通い詰めたことがある。前の職場を辞めて、「これ以降は節約のためにすべて本は図書館で借りるぞ」と決心したためであるが、実際やってみると、常時十数冊は「読みかけの本」を作っておかないと不安になってしまう性質があるために、続かなくなってしまった。(図書館の本は長いこと借りれない)そして案外映画や読書におカネをつぎ込んでも、年間数万で済むことも分かった。(そのぐらいならなんとかなる。)で、話は前後するが、図書館通いをしていたころに単行本で何冊も宮部の本を読んだのである。そろそろそのストックも切れかけている。これから宮部みゆきの書評が増えてくるかもしれない。

さて、この本は久しぶりの現代ミステリーである。やはり宮部はファンタジーよりも、時代劇よりも、ミステリのほうがおもしろい。彼女はひつこいぐらいに一つの事象の周りの描写をする。(最近特にその傾向が顕著になってきているのだが。)その描写力があるから、ミステリとしての興味を持続できるし、最近のテーマである「事件にならない事件」も成り立つのである。直木賞受賞作「理由」から続く、宮部の新境地である。軽犯罪あるいは「未遂の故意」と言うのは、確かに魅力的なテーマではある。そういうことの中に案外「深い闇」があることが多いし、何よりも身近な「闇」だからだ。

このシリーズ、続編があるようだ。文庫化が楽しみだ。






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最終更新日  2008年03月08日 23時23分12秒
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