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この本は訳者の最初の翻訳だった。ウィーン大学で、同じ学生通しで学びあいながら、相手からウィーン方言を教わり、街の人でないとわからないセリフを学び、「これはヤクザ者、これはコチコチの官僚、これは政治好きの老人」と識別していったらしい。それから5年後の1971年に刊行。そして長い眠りについたという。この本を発掘した編集者に敬意を払う。
私はドイツ並びに西洋の歴史にも文学にも疎いので、この大部の書物の価値を客観的には評価出来ない。しかし、ここで試みられている、たった独りで、やがて20数年後に迫り来るホントのドイツ最期の日々を警告するために、クラウスが始めた「世界を劇場化する」努力は、普遍性があると私は思う。
現代も一部分ならば、クラウスのような試みはなされている。例えは松元ヒロの「憲法くん」。一度聞けば分かるが、それはそれで秀逸。しかしクラウスのしたことは、松元ヒロの舞台の数十倍或いは百倍の世界を独りで演ったということなのだろうと思う。もし、現代に1人のクラウス現れば、彼は秘密保護法や共謀罪をくぐり抜けながら、十数人の情報収集家、演出家、役者、IT専門家を使いながら、YouTubeで先ずは狼煙をあげて、出版、やがては秘密出版、やがてはゲリラYouTubeと進んで行くだろう。
天の声
攻撃は大成功 夜は狂乱に過ぎた
神の写し絵 人間は破滅した!
(深い沈黙)
神の声 アニ吾ガ志ナランヤ。(エピローグ344p)
2017年3月25日読了
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