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オススメ経済本第7位「まともな日本再生会議」 中野剛志・柴山桂太・施光恒著オススメ経済本1位2位3位を独占した著者の中野剛志さんと、オススメ経済本6位に紹介した著者の柴山桂太さん、それに加えて同じく若手精鋭の施光恒さんの対談本です。既にオススメ経済本で紹介している著者の三橋孝明さんもですが、ここら辺のメンツは経済思想がかなり似ています。主流派経済学からは大きく外れていますが、ずっと様々な所で情報発信を続けているので、今では似た考えを持った日本人はかなり増加していると思います。しかし日本の未来や日本国に対する考え方は若干異なります。日本は大丈夫、日本の未来は明るい、という主張を続けている三橋貴明さんとは異なり、中野剛志さんは日本に絶望しています。皮肉たっぷりに、時には激高しながら、色々な場面で日本が如何にダメかを論じています。柴山桂太さんは、一歩引いた歴史的な観点からグローバルに日本を見るスタンス。施光恒さんは、どのような状況であれ日本の文化や日本人としての考え方は大切に守っていく必要がある、というスタンスです。中野剛志さんは、京都大学の藤井教授の下で仕事をしている時代に初めて討論番組に登場しました。経済産業省の役人が京都大学に出向している状態にもかかわらず、痛快に論客をぶった切っている姿を見た多くの視聴者は、とても大きな衝撃を受け、中野剛志さんに惚れ込みました。僕も惚れ込んだ一人です。それ以降、中野剛志さんは相変わらず歯に衣着せぬ物言いで熱狂的なファンを獲得しています。ただ、中野剛志さんはそのような環境に辟易して、すぐ表舞台に出ることは殆どなくなりました。自分の考えの表面的な部分が大衆に受け入れられているに過ぎない、そんな中で情報発信したくない。身を置いている組織での立ち位置もあり、メディアの露出ではなく自分の考えを本にして出版することが多くなりました。僕は中野剛志さんが大好きです。この本は、色々なテーマで著者の3人が議論をするという形式をとっています。経済の勉強にもなりますし、なにより単純に面白い本です。ケインズ派とハイエク派という、経済政策の考え方が真逆で仲が悪い2つの派閥についてもテーマに上がっています。このテーマは歴史上様々なところで議論されているテーマです。海外では多く議論されていますが、日本ではあまりこのテーマでの議論は見られません。僕はこのテーマでの議論が好きなので、非常に楽しく読ませてもらいました。3人それぞれの考え方も面白いです。新自由主義、基軸通貨、英語と日本語、グローバル経済、世の中の複雑化。『「改革」や「グローバル化」に対する違和感に適切な言葉を与える』。『今の政策が見落としている「歴史感覚」』。『「まともではないシステム」は必ず崩壊する』。正しく物事を理解している見方の異なる3人が、色々な経済テーマを論じるのは非常に面白いです。まともな日本を再生するのは、僕たち日本国民一人一人です。日本は絶望的に間違った政策が支持され、長期的に国民が貧しくなり続けました。誰の責任でしょうか?僕たち国民の責任です。もう少し言えば、投資家優遇政策の責任です。労働者から投資家に、多くの富の移転が行われました。多くの投資家が膨大な利益を上げ続けています。その利益はどこから来ているのか?労働者や低所得者でしょう。多くの中流階級が低所得に陥り、そして低所得者は貧困層になっていきます。長期的に貧困層が増加し続けているのです。日本がこのような社会になったのは、グローバル化の名のもと、デフレ期に投資家を優遇しすぎたツケでしょう。投資家を富ませても日本国の利益に繋がらないことに気が付くべきです。投資家は消費しないのだから。多くの企業が借金せずに預貯金を増やしている。企業が配当を出しても投資家は再投資に回す。必要な所にお金が回っていかない。本当にフローが滞る。日本がどんどん窮乏していく。一人当たりのGDPは本当に目も当てられない。この本には外国の知識人やカタカナの専門用語がちょくちょく出てきますが、それらの殆どは非常に長い補足説明が設けられています。それら一つ一つ読むことでもかなり勉強になると思います。柴山桂太さんは「グローバル恐慌の真相」「グローバリズム その先の悲劇に備えよ」(※)という本を中野剛志さんと共著で出しています。中野剛志さんと柴山桂太さんは波長が合うのか、一緒に討論していることが多い印象です。柴山桂太さんの人柄もあるのでしょうね。2人とも予見力をもった歴史上の知識人が書いた古典を読むのが好きなようです。施さんもとても人柄がよく、しゃべり方も人の好さが滲み出ています。メルマガなどの文章は顔文字乱発でちょっと読む気が失せる感じがしますが、内容はとても良いことを書いています。取り入れるべきものと守るべきもの、バランスが大切です。一度壊れると再構築ができませんので、守るべき文化や風習が何かはよく考えないといけませんね。守るためには変えなければいけない。何を目的とするかのビジョンを明確に。どのような国家にしたいかの国家観が重要、ですね。※長期投資家であればこの2冊も読んでおいて損はありません。非常にオススメします。
2019.10.28
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オススメ経済本第6位「静かなる大恐慌」柴山桂太著資本主義の本質は借金経済。グローバル化が避けられないと言われ続けていた2012年当時に出版されたにも関わらず、この本で著者は、グローバル化は進んだり後退したりしているのが歴史の流れで将来ずっと続くようなものではない、という主張をしていました。グローバル化はショックに対して脆弱になるため、それを補うような政府活動をむしろ大きくするという歴史の趨勢に逆らえない、というものです。また、グローバル化は福祉の拡充を合わせて進めなければ国家の安定はできない。小さな政府の元ではグローバル化は不可能、という斬新な視点についても書かれています。この本の中で、著者の柴山桂太さんは、そう遠くないうちに必ず脱グローバル化の流れがやってくる、と予言していました。そして数年後、世界は徐々に脱グローバル化に舵を切り始め、現在では完全に脱グローバル化の流れになっています。今とは違いグローバル化は不可逆的なプロセスだと思われていた当時、歴史を見る限りグローバル化はある時点で必ず反転する局面を迎える、というような主張をハッキリと明言していた人は、僕が知る限り他に居ませんでした。しかし、実際は著者の言う通りになっています。株式投資とは違い、経済は歴史に学ぶことがとてつもなく大切なのです。この本はケインズの投資に対する考え方も書いてあります。この本を読めば、ケインズが資本主義の本質を何に見出そうとしていたか、問題視していたのか、が分かります。金融が資本主義に対して果たす役割と、資本主義が不安定化させる要因は何か。元を辿っていくと、ここで最初に書いた一文、「資本主義の本質は借金経済」となります。僕の考えも同じです。資本主義とは突き詰めると、お金を借りれば金利が発生すること、です。何度かこのブログにも書きました。著者は、著作物だけではなく、討論番組での発言内容も筋が通っていて非常に分かり易いです。若いのによく勉強しています。「グローバル化」「国家主権」「民主政治」は論理的に2つしか選択できないトリレンマになっている、というハーバード大学の経済学者ダニ・ロドリックの驚きの主張も、柴山桂太さんがこの本で取り上げてから日本で広まったように思います。比較的地味で目立たないですが、歴史に学び、現在の常識を疑え、というのが著者のスタンスではないかと思います。目立たないのであまり知らない人も多いかもしれませんが、この人はチェックしておいて損はありません。余談ですが、僕の父親は読書家でした。家には本は殆どありませんでしたが図書館で毎週のように5冊位借りてきて、週末や就寝前に読んでいました。ただ、非常に残念なことに経済知識はほとんどありませんでした。数年に一回僕が実家に帰った際にたまに経済の話をしたりすると、全く話がかみ合わず口論になってしまう。そんな僕が父に人生で唯一、この本を読んで少しは経済のことを理解してくれ、と郵送で本を実家に送ったことがありました。それがこの「静かなる大恐慌」です。読んだかどうかは知りません。相変わらず父とは経済の話がかみ合いません。ところで、多くの投資家が勘違いをしていることがあります。それは、会社は投資家のものだということです。会社が投資家のものだというのは会社法で決められているだけであって、会社法は一つの考え方に過ぎません。今の資本主義社会が会社法というルールに従っているのであって、それが絶対ではありません。お金を持っている人が偉いということもなく、投資家が従業員よりも地位が高いということもありません。従業員は投資家を富ませる為の単なる労働力か何かと勘違いしている投資家が居ますが、非常に残念です。いや、その投資家の頭が。日本には奴隷文化はなじまない。歴史的に日本人は、誰かに働かせて自分がラクになろうという考えは持っていない民族なんです。会社の従業員をこき使って自分は悠々自適の生活に、なんていうのは合わないんです。株で儲けてアーリーリタイヤ生活したいとかバカみたいなことを言っている投資家増えてきてますが、そんな考えをインターネットで公開しないで欲しい。絶対影響される人出るから。日本にそんな自堕落人間量産されても困る。配当生活とか口に出すのもやめて欲しい。いいから黙って他人の幸せのためになるようにしっかり働け、と言いたい。株式投資が仕事だと思われても困る。その仕事で他人がどのように幸せになったのか。お金がない人に資金を回すのが目的なのか、裁定取引やって利ザヤを稼ぐのが目的なのか。深く考えているのかいないのか、理解しているのかいないのか。何も考えずに投資をするのではなく、自分で社会の仕組みを考える癖を付けなければいけません。グローバル化は避けられないものでそれに従うしかない、というのが間違っているのと同様、アメリカ式の資本主義社会が永続するという考えも間違っています。資本主義のルールは欺瞞の上に成り立っている砂上の楼閣で、永続するものではありません。国がどのような社会を選択するかは国民が決めるべきで、国民民主主義と資本主義を混同してはいけません。自分が資本主義社会で不当に利益を得ている側だという認識を持たないと、いつの日か足元をすくわれるでしょう。個々の個人投資家が、日本にとって利益を生み出す投資家でなければいけません。
2019.10.22
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オススメ経済本第5位「経済ニュースが10倍よく分かる日本経済のカラクリ」 三橋貴明著「経済ニュースが10倍よく分かる「新」日本経済入門」 三橋貴明著外装も主張している内容も同じような本なので、2冊まとめて紹介します。著者は両方とも三橋貴明さんです。※三橋貴明さんの書いた本には、他にも似た内容の本が数冊あります。というか10冊以上あります。稀に外れもありますが、基本的には良い本が多いです。三橋貴明さんはグラフを多用します。データが根拠になるからです。また、言葉の定義を大切にします。定義が明確でないと言いたいことが正確に伝わらないからです。日本には、データを用いず、定義もあやふやなまま、イメージだけで経済を論じている知識人・専門家と呼ばれる人が多いです。その人の発言の多くは正鵠を欠き、間違った方向に世論を動かしてしまいます。そしてその方向は政治にも反映され、日本は間違った方向に経済政策が取られます。政治家が正しい政治を行うためには、正しい知識を国民がもち、正しい政策を行うように政治家に働きかけることが重要です。今の日本の政治家は、非常に高い割合で、多くの国民同様にイメージで経済を捉えています。そのイメージがあやふやで、正しく物事を理解していないから、経済学者や財務官僚の間違った説明を鵜呑みにしてしまいます。大切なのは、正しく理解すること。正しいことが書かれている本で知識を増やすことが重要です。経済の基礎なんて難しいことは何もない。パズルみたいなもんで、個々の正しいパーツを組み合わせて全体を理解する。部分的に間違った理解では全体像を正しく把握することはできません。イメージや先入観で捉えようとするから、幾つかのピースが正しい形にならず、全体像が正しい形で見えないのです。重要なのは、国内の純金融資産と金融負債の和はゼロになるということ。政府が(国の借金と称する)政府の金融負債を増やしている分、政府以外の純金融資産が増えている。国家は政府と企業と家計に分かれている。政府が金融負債を急増させている間、企業と家計は純金融資産を急増させている。その間、法人税減税と消費増税が継続して行われている。つまり、政府が金融負債を急増させて、その恩恵を投資家が得ているということ。これを投資家がどこまで理解しているか?個人投資家の多くはこの構造を理解していない。キャピタルゲインにかかる税金を減税しないと日本は駄目だ、とかのたまっている始末。アホか。お前ら投資家から税金をもっと取るべきなんだよ。いや、違う。僕たち投資家から税金をもっと取るべきなんだよ。株の利益も普通の給与所得と合算して所得税などの累進課税を掛けてしまえば良い。その税収で公共投資をしたり、低賃金労働者の賃金を上げれば良い。その方がずっと景気が良くなって、日本が豊かになる。株所得の税金を上げるという話に拒絶反応を受けるぬるま湯投資家は、自分たちが優遇されすぎている、という自覚を持った方が良い。現在の投資家儲けさせても国家経済の発展にとって非効率だ。投資家が利益を得たって殆ど使わないんだから。複利の力を知っているんだから、株の利益はまた再投資に回すだけだ。利益の大半は使うはずがない。その「株式投資」が資金を必要としている企業に回るか?今の上場企業のほとんどは潤沢な資金の使い方に悩んで預貯金をしている始末。バリュー投資家なんて優遇したって日本のためにならない。バリュー投資家という存在は、非常に非効率だ。市場の多様性には一役買っているが、それ以上でもそれ以下でもない。逆張りしないでモメンタル投資だとか言って喜んでいるバリュー投資家は自分たちがどれだけ日本国家の発展に寄与しない存在か、本当に不思議なほど分かっていない。彼らは自分たちが日本の役に立っていると真剣に考えている。アホだ。アホ丸出しだ。鏡を見たらアホ面したアホが映るよ、と教えてあげたい。内側からにじみ出るアホが良い味を醸し出している。「日本企業に投資をしているボクは日本の役に立っている」と言ってみろ、アホが。他にも三橋貴明さんのオススメの本は幾つもありますが、読んでいて特に面白かった2冊を紹介します。「日本のグランドデザイン」「民主党政権で日本経済が危ない!本当の理由」順位的にはちょっと甘めの評価です。分かり易いということで今回オススメの順位を5位にしました。
2019.10.16
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オススメ投資本第4位「日本経済を凋落させた七人」 三橋貴明著ほとんど売れていない本(というかこの本を書店で置いているところすら見たことがない)で、余程の読書家でもない限り、読んだことあるどころか存在すら知らないと思います。著者の名前で検索してもこの本に辿り着くのは至難の業です。作りも荒い。本と冊子の中間くらい。でも何故か紙質は良い。そんな本が今回紹介する本です。※僕は、紙質と内容は結構比例することが多い印象を持っています。この感覚、分かってくれる人多いんじゃないかな?この本が発売されたのは2009年。もう10年も前になります。当然ながら、当時と現在では経済環境が大きく異なっています。現在と状況が大きく違う記載がありますが、それでも主張は正しい。この本で、著者は日銀が国債を買い取れば政府の返済負担が減少してインフレ方向に進む、と主張しています。しかし近年ではずっと日銀が膨大な量の国債を買い取り続けているにも関わらず、デフレが続いています。それは政府が財政投資を絞っているからです。金融政策だけの片輪走行ではダメなのです。最初のアベノミクスの第二の矢である「財政政策」を疎かにしたので第一の矢の「金融政策」を拡大してもデフレが続いているのです。この本を出版した頃、著者は金融政策に重きを置いていた感じがあり、金融政策を絞り続けている日銀批判を行っていました。実際は金融政策だけではダメなのです。当たり前ですが財政政策を絞っている中で金融政策を拡大しても効果は得られません。リフレ派と著者では考え方が大きく違うので注意して下さい。この本は、日本を凋落させた人物を挙げ、何故その人が日本を凋落させたのか、を説明しています。内容もかなり分かり易いです。本も驚くほど薄いので、あっという間に読めてしまいます。著者は有名な三橋貴明さん。良くも悪くも、まだ著者が洗練されきっていない10年以上前の本ですので、興味があれば読んでみることをオススメします。この本で、日本経済を凋落させた七人は・橋本龍太郎・財務官僚・日銀総裁・小泉純一郎・竹中平蔵・アラングリーンスパン・鳩山由紀夫となっています。今著者が七人をあげるとしたら・橋本龍太郎・財務官僚・安倍晋三・小泉純一郎・竹中平蔵・野田佳彦・消費税増税論者になるでしょうかね。僕は共著含めて三橋貴明さんの書いた本を20冊位読んできましたが、一番を上げるならこの本です。意外でしょう。はっはっは。今ならアマゾンで1円で大量に売ってますよ。送料350円かかるみたいですけどね。
2019.10.10
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「目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【戦略編】」 中野剛志著前回オススメした本の続編です。目からウロコが落ちる奇跡の経済教室は最初から2部構成で書かれており、前回紹介したのは本書ありきの基礎編となっています。戦略編では、最近話題のMMT(現代貨幣理論)や、現在の日本がどのような政策を取るべきかを記述が詳細に書かれています。また、基礎編に引き続き、現在の日本が如何に間違った政策をとっているかが分かり易く書かれています。一応、曲がりなりにも政府側の組織に属している著者がここまで書いて大丈夫なんだろうか?と著者の未来を心配してしまいますが、一人でも多くの日本国民が本書を読んで、理解を正すことを望みます。今まで日本はどのようなことをやってどうなったのか、本当はどのようなことをやるべきだったのか。そしてこれからどのようなことをやっていくべきなのか。結局大切なのはこれだけです。正しい理解をすれば正しい結論になります。そこにイデオロギーが入る余地はありません。今現在まで主流派経済学と呼ばれている人は、いずれ主流派から外れることでしょう。世の中の動きがそうなってきています。結論は一つ。日本政府はデフレ脱却のために財政出動を増やす。それが出来ない理由は何でしょうか?長期的に日本国民が貧しくなっている理由が、政府が国家のバランスシートを家計と混合してプライマリーバランスを気にしているから、ではお粗末すぎます。いくら何でも酷すぎる。笑えない。日本は長い歴史があり、その歴史で風土や文化が成り立っています。今進もうとしている方向は、日本が進むべき方向なのでしょうか。我々は日本に住み続ける日本人であり、それは子や孫も同様です。このまま進んでは、将来、主権を奪われかねません。守るべきは何でしょうか。日本をどのような国にしたいかの国家観です。みんなが正しい知識を身に着け、正しい政策を求める。そうすれば、いずれ正しい政策が行われ、日本はデフレを脱却できるでしょう。一刻も早く普通の経済状態に戻すことが、子や孫の為なのです。子や孫にとって大切なのは財政赤字を減らすことではありません。「国民国家」「民主主義」「グローバリズム」、全部は選択できません。バランスが重要です。バランスを決めるために必要になるのは国家観であり、これは外圧を受けずに日本が主体的に選べるものです。逆らえない流れなどありません。ここが株式投資をしている人が誤解しがちなところです。この本には、最初に【基礎知識編】のおさらいがざっと載っています。これももちろん分かり易く書かれていますが、やはり内容は【基礎知識編】を買って読むことを強くオススメします。内容を理解している人はこの本から買っても良いですが、内容を理解している僕が読んで【基礎知識編】から読むことをオススメしているので、やはり【基礎知識編】→【戦略編】と読むのが一番良いです。付録として、現代貨幣理論MMTの説明などがついています。当然、著者はMMTの支持者です。現代貨幣理論が今後の経済政策に大きな影響を与えることを期待している感じがします。日本の未来に絶望し続けている著者が、MMTに一縷の望みをかけている。それはとても大きなことですね。MMTの内容自体は著者や三橋貴明さんなどが主張してきた内容そのままで、目新しいものがないようにすら思います。しかし、著者や三橋貴明さんがブログや書物や勉強会などで長い間ずっと主張しているにもかかわらず、そられの意見が広まることはありませんでした。経済学的に立場の高い人が主張していなかったからです。今回MMTは経済学的に立場の高い人が主張していることで、主流派経済学の人たちにボロクソ言われながらも脚光を浴びているのです。正直、【戦略編】はかなり簡略化してレベルを下げています。この本は前回紹介した【基礎編】の発展形ではなく、【基礎編】の補足、という位の位置付けかなという印象を持っています。そういう意味においては順位をもっと下げるべきなのですが、【基礎編】の次に【戦略編】を読んでもらいたいとこの順位にしました。この本に書かれていないことは多くあります。この本は必ずしも十分な内容ではありません。しかし、MMTの説明含めて読んでおくべきでしょう。経済知識が全くない人は、まず「目からウロコが落ちる奇跡の経済教室」の【基礎編】と【戦略編】を読んで理解を深め、それから是非経済本1位にオススメした「富国と強兵」も読んで欲しいです。一人でも多くの人が「富国と強兵」の素晴らしさに触れてもらえたら嬉しいです。
2019.10.03
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