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65. クウパースタウンコクテール【注79】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に ゴルドン・ドライジン 三分の二オンス マルチニー・ロシー・ベルモット【注80】 三分の一オンス オレンジビタ 一振り 薄荷の葉 二、三葉 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注79】「クウパウズタウンコクテール」は、「クーパーズタウン(Cooperstown)」の名でサヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的なカクテルだが、そのレシピ(ジン、ドライベルモット、スイートベルモット各3分の1ずつ、ミントの小枝)は前田氏のと異なっている。【注80】「マルチニー・ロシー・ベルモット」とは言うまでもなく、マルチーニ社のスイート・ベルモットのこと。…………………………………………………………………………………………66. クラブコクテール【注81】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に カナデアンクラブ・ウイスキー【注82】 一オンス アンゴスチュラビタ 一振り グレナデン 一振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之に一個のマラスチノー・チェリーを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注81】「クラブコクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも同名のカクテルが登場するが、レシピは異なりジン・ベースである。この前田氏のレシピは後年1937年出版の「カフェ・ロイヤル・カクテルブック」に登場する同名カクテルのレシピとほぼ同じである。【注82】「カナデアンクラブ」とは言うまでもなく、今日でも「C・C」の愛称で知られるカナディアン・ウイスキーの雄。…………………………………………………………………………………………67. クリームソンコクテール【注83】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ジン 三分の二オンス 伊太利ベルモット 三分の一オンス オレンジビタ 三振り を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注ぎ、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注83】「クリームソンコクテール」は、「クリムゾン(Crimson)・カクテル」のことか。1910~20年代には欧米で飲まれていたが、当時の一般的なレシピはジン3分の2、ポートワイン3分の1、レモンジュース2tsp、グレナディン・シロップ1tspで、前田氏のレシピとはかなり異なっている。前田氏が何を参考にしたのかは不明。…………………………………………………………………………………………68. クロンデックコクテール【注84】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に アップルジャック・ブランデー 二分の一オンス フレンチベルモット 二分の一オンス オレンジビタ 二振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之に一個のオリーブを入れ、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注84】「クロンデックコクテール」は、現時点では前田氏のカクテルブックだけで見られるカクテルである。…………………………………………………………………………………………69. クローバクラブコクテール【注85】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ジン 三分の二オンス フレンチベルモット 三分の一オンス 玉子の白味 一個 グレナデン テースプーン半杯 ライムジュース 少量 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラス或いはワイングラスに注いですすめる。【注85】「クローバクラブコクテール」は、「クローバークラブ・カクテル」の名で有名な古典的カクテル。ハリー・マッケルホーンのカクテルブックやサヴォイ・カクテルブックにも収録されており、1900~1910年代にはかなりポピュラーだったカクテルと伝わる。なお、今日ではベルモットは加えないレシピが一般的で、ベルモットを加える場合ではスイートベルモットを使うことが多い。…………………………………………………………………………………………70. グレードエイコクテール【注86】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に アブサンペルノード 三分の二オンス ピパーミント【注87】 三分の一オンス を加え、最も強く且(か)つ永くセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注86】「グレードエイコクテール」は、「グレードA(Grade A)」と思われるが、現時点では国内外の同時代のカクテルブックでは、その名が見当たらないカクテル。前田氏の創作か。【注87】「ピパーミント」とは言うまでもなく「ペパーミント・リキュール」のこと。…………………………………………………………………………………………71. グルームコクテール【注88】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ゴルドン・ドライジン 三分の二オンス 伊太利ベルモット 三分の一オンス グレナデン 一振り アブサン 一振り を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注ぎ、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注88】「グルームコクテール」は同時代の国内外のカクテルブックには見当たらない。レシピからみる限り、「グルームレイザー(Gloom Raiser)」という準スタンダードカクテルと酷似している(伊太利ベルモット→ドライ・ベルモット)ため、おそらくはこのバリエーションと思われるが、前田氏の創作かどうかは不詳。…………………………………………………………………………………………72. マンハッタンコクテール【注89】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に ウイスキー 二分の一オンス 伊太利ベルモット 二分の一オンス アンゴスチュラビタ 一振り キニラソー【注90】 二、三振り アブサン 一振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之に一個のマラスチノー・チェリーを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注89】「マンハッタンコクテール」は言うまでもなく、「カクテルの女王」と称される古典的カクテルの代表格。誕生の逸話も様々なバリエーションが伝わる。かのジェリー・トーマスは、彼の有名なカクテルブック(初版1862年)の1887年の改訂版で初めて紹介している。材料は現在では、ライ(またはバーボン)・ウイスキー、スイートベルモット、アンゴスチュラ・ビターズの3種が基本だが、1920~30年代当時は、さまざまなビターズやキュラソー、アブサン、シャルトリューズなどを少し加えるのが流行っていたという。【注90】「キニラソー」は他の箇所から類推すると「キユラソー」の誤植と思われる。…………………………………………………………………………………………73. マアテニーズコクテール(米國)【注91】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に オールドトム・ジン 二分の一オンス フレンチベルモット 二分の一オンス キユラソー 一振り マラスチノー 一、二振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之に一個のオリーブを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注91】「マアテニーズ」とは言うまでもなく、カクテルの王様「マティーニ」のことと思われるが、前田氏の本の出版当時、米国では禁酒法が施行されており、おおっぴらには飲めなかったであろう。前田氏が紹介しているレシピは当然、禁酒法以前の1910年代より前の時代のレシピであろうが、現代のようなドライな味わいではなく、甘口に仕上げるのが主流だったようだ。…………………………………………………………………………………………74. マアテニーズコクテール(英國)【注92】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に プリマウス・ジン 二分の一オンス フレンチベルモット 二分の一オンス オレンジシロップ 一振り アンゴスチュラビタ 一振りを加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之に一個のオリーブを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注92】「マティーニ」はこの時代(1920年代)、英国では花形カクテルの一つだったが、このレシピでは甘口の「プリマウス(プリマス)・ジン」をベースにしており、米国流レシピと同様、やや甘口の味わいに仕上げられている。………………………………………………………………………………………… こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/03/30
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一昨日、出張で東京へ行ってきました。(開店した浅草サンボアのお祝いのために)浅草にも行ったのですが、観光客が少ないように感じました。デパートは営業時間を短縮していましたが、電車の間引き運転は想像したほどではありませんでした。 電力不足による節電のため、街や地下鉄やターミナル駅の灯りは半分くらいになっていて、夜歩いているとかなり暗い感じもしました。また、駅のエスカレーターは軒並み節電のため止められていました(エレベーターは動いていましたが)。 しかし街の灯りについて言えば、10年前の日本の大都会は、夜でもこの程度であったのじゃないか、今の都会が照明や広告看板、イルミネーションが派手になり過ぎて、結果的に電気を使い過ぎているのではないかとも言えます。今の東京の夜の明るさでも、目が慣れてくると、さほど不自由には感じません。 考えようによっては、この大震災が、電力浪費型の現代社会を見直すきっかけを与えてくれるかもしれません。 一方、飲みに来る人が減った夜のBARでは、マスターからこんな話も聞きました。「大企業が接待で銀座を使うな、飲むなと社員に言っているそうです。だから、今は接待でも銀座以外のエリアか、銀座でも安い居酒屋、料理屋で済ませて、BARやラウンジまでは行かないんだそうです」。 企業の社会的責任もあって、被災地への寄付や無償の支援をしなければならないのに加えて、とくに東北地方に生産設備があったような企業は、多かれ少なかれ被害を受けて復旧費用がかかります。計画停電もあって、今後の生産・販売ペースが落ちるのは確実です。企業が接待費を減らし、社員にも節約を呼び掛けるのはやむを得ないのかもしれません。 ミネラルや氷など営業に必要な物資は、「なんとか手に入ります」と答えたBARが多かったので、ひと安心しました。しかし東北出身者も多い東京の場合、東京で修業をして故郷に帰ってBARを営むマスターも多いのですが、とくに仙台のBARのひどい被害状況を聞いて心が痛みました。 震度7~6強のエリアだった仙台では、ビルの3階より上に店があったBARではボトルやグラスがほとんど割れて、店が再開できないところも多いと聞きました。そうした店に対して、東京のBARのマスターらが協力して支援しようという動きも出ているそうです。 阪神大震災では、神戸の三宮、元町で「ようやくなんとなく復興してきたかなぁ…」と感じられたのは5年ほど経ってからでしたが、今回の被害規模を考えると、おそらく10年はかかるでしょう。しかし、「いつかは必ず復興できるんだ」と信じて、今はみんなが助け合い、頑張りましょう。
2011/03/30
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今回のような大災害に遭っても、安全な国をつくるために、せめて人間の命が守られる国をつくるために、うらんかんろの願いです。専門家の(とくに科学者の)皆さん、政治家や経済界の皆さん、ぜひ真剣に考えてください。1.日本全国の電力周波数を統一すること。ご承知のように、東(50HZ)と西(60HZ)で周波数が違うため、今回のような大規模災害で発電所が被害を受けた場合、電力を融通し合うことが簡単にはできません。将来のことを考えると、ぜひとも、どんなに時間やお金はかかっても、日本国内の周波数をどちらかに統一してください。2.原発事故のような災害の際、人間を危険な場所に送らずとも現場で作業できるようなロボットを開発してください。アシモをつくれるような高い技術を持つ日本です。きっとつくれるはずです。3.巨大津波が来たら、木造家屋はひとたまりもありません。今回は鉄筋コンクリート3階建ての家屋も倒れました。しかし地上部分の家は流されても、防水機能を持った地下室があれば助かったのではないかと、そんなことも考えるのですが、実現は不可能なのでしょうか?4.まだ寒い避難所では、灯油も十分でなく、電気が来ていないため、暖房機器が必要なだけ動かせません。ここは昔のようなマキ・ストーブを見直してはどうでしょうか。電気代もかからず、材料費も安くつきます。マキ・ストーブを全国の指定避難所には常備するようにすべきです。5.計画停電を機に、電気を使いすぎる現代社会を見直すでべきです。都会の繁華街の灯りは多すぎます、明るすぎます。電気を使う派手なビルの看板が多すぎます。外国の街は、たとえ首都の繁華街でも、夜の通りは日本ほど明るくはありません。企業経営者や飲食業界の皆さんもぜひ考えてほしいと思います。
2011/03/27
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すみません、こちらも東日本大震災発生前の話です。久々に富山への出張(3月8日~9日)がありました。で、仕事の後、BAR巡りを楽しんでまいりました(富山のBARにお邪魔するのは本当に久しぶりで、たぶん15年ぶりくらい)。 BAR巡りの前には、空きっ腹はよくない。まず神戸の懇意なBARのマスター(富山出身)から教えてもらった富山駅構内の「立山そば」の「かき揚げそば」。名産の白エビも使ったぜいたくな「かき揚げ」は実に美味(これで390円!)皆さんにもおすすめです。 以下、お邪魔した4軒のご報告ですが、今回の4軒はすべて居心地の良い「グッドBAR」でした。私の「おすすめBAR」リストにもすぐに加えたいと思います(写真右=富山と言えば、「薬売り」が有名。JR富山駅前にもモニュメントが)。【仏蘭西屋・洋酒肆】駅前から路面電車に乗って5分ほど、荒町という電停で降りる。そこから徒歩数分。総曲輪(そうがわ)というエリアにある。仏蘭西屋は、1961年創業。ことしで半世紀を迎える富山一の老舗BARである。しっとりと落ち着いた店内は、老舗の風格に溢れている。バックバーに並ぶオールド・ボトルは見事というほかない。 聞けば、仏蘭西屋という名はかつて大阪ミナミの道頓堀にあった老舗BAR「仏蘭西屋」からもらったものという。Nマスターは現在79歳。現在、早い時間は他のスタッフ3人に任せておられる。マスターは店に出られるのは通常午後8時半頃といい、今回は残念ながらお会いできなかったが、スタッフの温かい接客に僕は十分満足して、「体に気を付けてお元気で」との伝言を託し、お別れした。【Bar・リクオル(Liquor)】仏蘭西屋から歩いて数分、同じ総曲輪エリアにある。Sマスターは、東京の有名なBAR「コレヒオ(現コレオス)」の出身。コレヒオで、名バーテンダー・大泉マスターについて修業した後、地元・富山へ帰り、さらに仏蘭西屋で修業。12年前に独立した。 大泉マスターは、私が先頃ブログで取り上げた「秋山徳蔵氏のカクテルブック」をお持ちの方としても知られる。僕が復刻版連載を思い立つきっかけをつくった1人でもある。そういう意味でも、Sマスターの店を訪れることには何かの縁を感じる。もちろん、僕はを「復刻版」を一冊プレゼントした。 Sマスターは現在47歳。富山でも一番脂の乗った、実力あるバーテンダーとして有名だ。頼んだギムレットはキリッとした味わいで申し分なかった。これからますます楽しみなBARである。【舶来居酒屋・白馬館】3軒目にお邪魔したこの店も、今年で創業50年近くになる老舗の一軒である。以前は総曲輪エリアにあったというが、25年ほど前、現在地の富山駅前に移ったという。移転後の店はビルの2階だが、店内に入ると老舗の雰囲気がしみ込んだ、しっとりした内装。 店は現在は、Uマスターと息子さんのお二人で店を切り盛りされている。今年77歳になるというUマスターだが、大阪の昔の盛り場や店のことも実に鮮やかに覚えておられておられる。「あのMというクラブはどうなったかなぁ…。(大阪で)誰かに聞いて教えてください」という宿題もいただいた。 話好きのUさんは、他にも忘れられないお客さんと出会いをあれこれと話してくれた。僕は時間を忘れてただ聞き入った。年季の入ったマスターの話には、教えられることが多い。Uさん、味わい深い話の数々、本当に有難うございました。【Jazz&Liquor ジェリコの戦い】ジャズの曲名「ジェリコの戦い」を店の名前にしていることを考えただけでも、きっとこだわりあるマスターなんだろうなと思っていた。実際お邪魔してみると、やはり、酒や音(真空管アンプとフィンランド製のスピーカー)にこだわった酒場だった。 長髪を後ろでくくった独特のヘアスタイルのマスターは一見、近づき難い雰囲気もあったが、会ってみると、実に気さくで話好き。「こだわりのスピーカーに興味があって」と、大阪で僕がよくお邪魔するBar・Cに突然現れたりする、神出鬼没ぶりも面白い。 居心地が良くて、お値段も実にリーズナブル。富山駅からも徒歩数分という最高のロケーション。確実に、富山での行き付けの一軒になること間違いなし。【おまけ】富山ではいまご当地ラーメン「富山ブラック」がブーム。濃いくち醤油を使い、粗引きの黒胡椒加えた独特の塩辛いスープ。ネギは多めで、チャーシューは細切れで入れるのが主流とか。 私は「富山ブラック」の中でも一番人気のある老舗の「大喜」にお邪魔した。麺はやや太めで、少し固め。スープはやや辛い印象だったが、食べ慣れると病みつきになる可能性を秘めたラーメンだろう。皆さんも富山へ行かれたら、話のタネにぜひ一度お試しを(土産物としてもあれこれ売っています)。【仏蘭西屋・洋酒肆】富山市総曲輪1-9-15 電話076-431-1012 午後6時~午前1時 日祝休 【Bar リクオル】富山市総曲輪1-1-12 桜木町リンカーンホール1F 442-6020 午後5時~午前0時 日休&月曜の祝日休 【舶来居酒屋・白馬館】富山市桜町1-3-9 ビル2F 432-0208 午後6時~11時半 日祝休 【Jazz&Liqour ジェリコの戦い】富山市桜町2-3-24 ビル2F 441-5261 午後7時~午前3時 無休 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/03/27
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すみません、東日本大震災からまだ2週間なのですが、そろそろ震災以外の話題をテーマにしても怒られないかなと信じてアップします。先月(2月)の話なので少し恐縮ですが、忘れないうちに高知でのBAR巡りについて、簡単にご報告を。 今回まわったのは4軒。まずは前回(2010年10月1日の日記)行ったのと同じ「バール・バッフォーネ」で腹ごしらえ。再会した青野マスターとあれこれとお話しながら、美味しいワインと前菜盛り合わせを堪能した(2杯目でいただいたのは、なんと人生初めてのインド産のワイン。インドでワインが造られているとは驚き)。 で、BAR巡りですが、今回は少々不作だった。3軒回ったうち、良かったと思ったのは1軒だけ。最初に行ったAというお店。老舗の一軒ということは聞いていたのだが、マスターは不在で女性が一人いただけ。カクテルを頼んだが、その出来は悲しいほど(おまけに、グラスの選択も誤った)。 都会でも地方都市でも、これまで老舗BARを数多く訪ねたが、概ね評価は大きく分かれる。「期待通りで、もの凄く良い」か「老舗という看板が泣くような味と接客にがっかり」か、だ。今回のAという店はむろん後者になる。まぁ、長い間BAR巡りをしていると、こういうこともある。 気を取り直して2軒目のBというお店に転戦する。今度は大阪のあるBARのマスターの紹介(推薦ではなく)なので、まず、大丈夫だろうと思った。しかし、その期待も裏切られた。フルーツ・カクテルがウリと聞いていたので、地元・高知の文旦のカクテルを頼んだ。 カクテル自体はまぁ平均点の味わいだったのだが、出てきたお通しを見てびっくり。「和風ポトフ」なるものが出された。ここは居酒屋か? フルーツ・カクテルに和風ポトフを合わせるセンスに唖然である。マスターは合うと思っているのか? これなら、かわきもので充分だ。 しかも、地方都市のBARにしては結構強気の値段設定とチャージだった。僕的に言えば、「少しぼられた」かなという印象。このBARはたぶん、「もう2度目はない」店に入るだろう。贅沢は言わないが、お通しを出すなら、客が頼んだ酒に合うものにしてほしい。 で、再び気を取り直して、3軒目へ。帯屋町の飲み屋街からそう遠くない追手筋という場所にある「Bar・POURER(ポアラー)」=写真左上&右=というお店。オーセンティックで、落ち着いた雰囲気はまず合格点。 店は繁盛していて、マスターは忙しそうだったが、出張で訪ねたという僕にも、気さくに話しかけて応対してくれる。ようやく心落ち着ける空間に出会えて、ひと安心。ウオッカ・トニックと余市のロックを頂いたが、お値段も普通のレベル。 聞けばオープンは1985年というから、もう開業26年。マスターはどんなに忙しくても笑顔を絶やさず、すべての客に平等に対応している。常連でも一見でも同じ接客だ。繁盛している理由がわかる。「BARの善し悪しは結局のところ、マスターの全人格の反映である」と言った人がいたが、僕も同感である。 「POURER」は最初の2軒とは違って、確実に「もう一度訪れたい店」として、僕のBARリストに入るだろう。【Bar・POURER】高知市追手筋1-8-21 プランタン・パート3・1F 電話088-822-3321 午後6時~午前1時 無休こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/03/26
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1.被災地では仮設住宅の建設が始まっているところもあります。しかし、きょうテレビで見た専門家は「日本国内のメーカーの仮設住宅の供給能力は、不況の影響で住宅メーカーの生産設備が減っていることもあって、阪神大震災時の4割しかない。それを政府は知っているのか。足りない分は、いますぐにでも海外のメーカーに手配・発注しないと、被災地が必要としている分を供給できない」と訴えていました。そういう実態(事実)は、なぜか新聞やテレビではあまり報じられていません。政府はこの事実をきちんと把握しているんでしょうか? 2.放射能汚染騒ぎで野菜が売れないと聞きます。出荷制限以外の地域の野菜まで買い控えが起きて、売れないと八百屋さんが嘆いていました。我が家は市場で出回っている野菜は、これまで通り、必要なものは必要なだけ買っています。風評だけで買い控えるなんてバカなことはしていません。 万一、1日の許容量を超える野菜を食べたって、気にしません。1年間毎日食べ続ける訳ではないのですから(小さい子供にさえ気を付ければいいと思っています)。僕は言いたいです。「みんな賢明な大人の行動をしよう。普段通りの購買・消費活動をしようよ! 逆に、必要以上の買い占めもやめようよ!」 皆さんもご協力を!3.被災地のペットたちのことが少しずつ報じられるようになってきました。しかしその状況は必ずしも喜べるようなものではありません。被災者にペット嫌い、ペットアレルギーの人がいるため避難所で飼い主と一緒に暮らせないペットたち。やむを得ず避難所とは別の場所で管理されていると聞きます。 津波で飼い主とはぐれ、被災地をさ迷うペットたちもたくさんいるとのことです。各地の獣医師会や自治体、NPO、ボランティアができる範囲で一生懸命、保護活動しているようですが、十分ではないでしょう。ペットが安心できるような状況になれば、きっと人間にも笑顔が戻ると思うんですが…。 4.パ・リーグと足並みを揃えず独自に29日(当初は25日)開幕してようとごり押ししていたセ・リーグがついに折れましたた。政府と世論・ファンと選手会の猛反発を前に、ようやく目が覚めたようです。 この騒ぎで一番馬鹿さを露呈したのは、巨人軍の幹部でしょう。その言動はこっけいで、驕り以外の何者でもありませんでした。巨人と言うチームの威厳を汚し、自らの人間性も疑わせるようなものでした。 何も異議を唱えなかった原監督や選手たちも同罪でしょう。貴方がたは、チームの一員である前に、まず立派な一個の日本人で、社会人であるべきでありました。自分の頭で考え、行動し、意見表明する人格でなければならかったのです。貴方がた「考えない・行動しないロボット」であってほしくはありません。 言いなりになったという意味では、加藤コミッショナーも、他のセ・リーグ5球団(中日、阪神、ヤクルト、広島、横浜)のオーナーら幹部も一緒でしょう。皆さんは、自らの情けなさを笑うしかないでしょう。世論(ファン)をなめてはいけません。ファンあってこそのプロ野球だとうことを忘れて野球ができないのですよ!? 猛省すべきは貴方がたでしょう。 【追記】26日付の夕刊によれば、政府は、国産の仮設住宅だけでは不足することが確実なことから外国メーカーの仮設住宅を輸入する方針を表明したということです。先手先手の早い対応こそが今求められる時なのです。その決断は良しとしましょう。
2011/03/25
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いま気になっていること、腹立たしいこと。 1.ほとんど報じられない被災地のペットたちのこと、被災地の動物園、水族館の動物たちのこと。今は、人間優先だからやむを得ないのかもしれないが、少しは報じてほしい。 津波で亡くなったペットは可哀そうだけれど、被災して飼い主とはぐれたりしているペットは今どうしてるんだろう。飼い主が避難所に逃れたため家に置き去りにされているペットはないだろうか。どこかのNGOが、そういう被災地のペットたちのことをケアしているんだろうか。 2.放射能汚染でホウレンソウが出荷できなくなった野菜農家や原乳を出荷できなくなった酪農家が気の毒だ。最終的には、東京電力(あるいは政府)が補償するのだろうが、ほとんどを現金収入に頼って暮らしているような小規模農家の人たちは、出荷停止となれば、とたんに生活に困るだろう。 「原乳を出荷できなくても牛のエサ代は要る。どうすればいいのか。廃業するしかない」と嘆く酪農家の声も聞いた。政府は当面の事業支援や生活援助をすぐにやるべきだ。 3.ガソリンがないので車で病院に行けず、薬がもらえない人が多いらしい。そういう人たちのケアはきちんとされているのだろうか。薬が手離せない僕にも他人ごとではない。食物アレルギーの人もきちんとケアされているのだろうか。 4.パ・リーグと足並みを揃えようとしないセ・リーグの頑強なオーナーたち。球団オーナーに対して、指導力を発揮できない、情けない加藤コミッショナー。そんなことで、ファンや被災者に理解が得られると思っているのですか。他の5球団のオーナー、球団代表・社長の皆さん、そんなに巨人が、あの渡辺・前オーナーが怖いのですか。パ・リーグを小馬鹿にしたような、ある球団代表の発言(「交流戦をやめたっていいんだよ」)には唖然とします。選手会の声を真摯に聞くべきです! 5.計画停電をやるとかやらないとか、猫の目のように方針をころころ変える東京電力。「やる」と発表したら(その日の電力需要に左右されることなく)その通り実施するべきです。 方針が二転三転するから、市民は混乱するんです。やると決まったら、みんな(仕方がないから)従いますよ。
2011/03/22
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「大災害時、日本人のモラルは高い」と先日書いたばかりなのに、被災地の被災家屋に入って空き巣をする大馬鹿者がいるようです。 昨日、テレビでそんなニュースを伝えていました。誰もいない被災家屋に入って、テレビなどの電化製品や金庫など金目のものを探して持ち去っているとのことです。 同様のことは、阪神大震災時でも何件か聞いたことがあります。被災者を装って他人の家に勝手に入りこみ、盗みを繰り返すのです。知人でも被害に遭った人がいました。 犯人は、おそらくは被災地外からやってきた不届きな輩(地元の人間がこんなことをするはずはないと信じたい)でしょうが、他人の不幸につけこんで悪事を働く輩は、通常よりも思い刑罰を加えてやるべきでしょう。 被災地域の防犯にまで、被災者は手が回りません。ここは他の都道府県から応援に来た警察官の皆さんに、ぜひ頑張ってほしいと思います。
2011/03/21
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今回の東日本大震災では全国各地はもちろん世界中で義援金の受け付けが始まっていて、幅広い善意が寄せられています。本当に嬉しいことです。うらんかんろ家も、赤十字やさる厚生文化事業団へ(ささやかですが)義援金を送りました。 有名企業や有名人・著名人からの義援金申し出も相次いでいます。目立ったところでは(うらんかんろが知る限りですが)ソニーやパナソニックが3億円。これで驚いていたら、ユニクロが柳井会長が個人で10億円、会社として別に4億円と肌着30万着を贈るというニュースを聞いて腰を抜かすほど驚きました。ほんとに立派です。ユニクロがますます好きになりました。お金を持ってる人(や企業)はそれなりのチャリティをするべきであるという今の時代の責務を自ら実践されたわけです。 で、他の有名企業はどうなんでしょう? まだあまり報道されないので、詳細はよく把握していません。ひそかに援助している企業もあるでしょうが、僕はもっと(援助したことを)オープンにした方がいいと思います。その方が波及効果も期待できると思います。 有名人の義援金ではどうでしょう。現時点で僕が知る限りですが、柳井会長の10億円は別格として、AKB48が(グループとして)5億円、イチローが1億円、ペ・ヨンジュン7200万円、ダルビッシュ、松井や安室奈美恵、イ・ビョンホンが5千万円、浜崎あゆみ3500万円、GREY2千万円、ドリカムが1千万円とかですが、きょう、久米宏が個人で2億円を寄付したというニュースを聞きました。凄いですね。一応引退したはず人なのに…。もっと稼いでいるはずの人たちはどうするんでしょうね。 イチローや松井、ドリカムも形なしですね。「イチローや松井だったら、3億か5億くらい出せるやろ。ドリカムも5千万円くらいは出せよー」という声も、街では聞きました(僕も同感です)。まぁ有名人であろうと、誰がいくら出すかなんて、僕ら庶民がどうこう言えることじゃないのですが、持ってる人はこんな時くらい、目に見える形のチャリティを何かやれよ!と言いたいです。 あるブログではこういう意見もありました。少し長いですが、まったく同感だったので紹介します。 * * * 「名もなき大衆のおかげで稼いで高収入を得ている人たちには、国や国民が死にかけているような危機の時には、それなりのチャリティの義務があると僕は思っています。私たち庶民と芸能人は同じ人間ではありますが、その収入は大きく違い、使い道も天と地、いやそれ以上に違います。一生かかっても住めないような豪邸に住み、何千万円もする車を娯楽で何台も集め、その言動は、贅沢三昧で時に不愉快ですらあります。 そうした人たちこそ、こうした日本の未曾有の大災害の時に、自腹をきって被害にあった人たちへ、私たちができないくらいの寄付を是非してほしいものです。でも、そういう人、いないみたいで、本当にがっかりです。 もう一つ、他の方も書いておられましたが、芸能人のチャリティー活動です。自分のお腹をいためない、こうした活動は売名行為以外の何ものでもないと私は思います。スマップだってロンブーだって他の人だって、被害にあった地域での売上がどれだけあって、ファンがどれだけいて、そのおかげで自分たちの生活が成り立っているということをわかっているはず。 チャリティー活動をするなら、個人名で相当の寄付をしたうえで取り組んでほしいと思います。ずっと心の中に持っていたもやもやです。同じような思いをもっている人が多いと知って、すっきりしました」 * * * 「有名人は、チャリティ活動するなら、まず個人でその収入に見合った金額を寄付したうえでやれ」というのは当然だと、僕も思います。自分の懐は痛めずに、形だけの(スタンドプレーの)チャリティ活動なんてのは、「偽善だ」と言われても仕方がないでしょう。 また、チャリティ活動をせずに、「(僕には)いいプレーをして被災者に勇気を与えることが唯一できること」なんて口にするプロ選手もよくいますが、(少なくとも今は)出来る限り義援金を送る方がよほど現実的に被災者に勇気を与え、貢献できるという基本的なことを知るべきです。 普段は「名もなき大衆」のおかげでしっかり稼いでいるはずなのに、まだ個人的な義援を何もしていない芸能人、スポーツ選手、著名人らが、この大震災でどういう行動に出るのかに僕は大いに注目しています(とくに、北野たけし、タモリ、ダウンタウン、さんま、島田伸助、とんねるず、みのもんた、和田アキ子、松坂、高橋尚子、石川遼、本田、三浦カズ、中田ヒデ、B’Z、EXILE、SMAP、サザン、ミスチル、ユーミン、長淵剛、小田和正ら億単位で稼いでいる皆さんの処し方に)。「日本ガンバレ!」などと書いたTシャツを着たり、 同情や激励のコメントを出すだけなら、誰にでもできます。 有名人は寄付をしたら、名前を出すのを嫌がる人もいると聞きますが、僕はむしろ堂々と名前を明かしてほしいのです。売名行為で十分いいのです。名前が出ればファンも協力するだろうし、その効果は一般大衆へも必ず良い方向へ広がります。「有名人である自分自身の存在効果」を、こういう時こそ生かしてくださることを心から願います。 【追記1】ちなみにネットでの情報によれば、今回の大震災で、(大リーグではなく)日本のプロ野球界からの義援金は、ダルビッシュの5千万円を除けば(21日現在)最高額は1000万円(城島、藤川、金本)で最低は50万円だそうです。寄付者のリストにはなぜか、小笠原、阿部、下柳、岩隈、岩瀬、山本昌らの名は見当たりません。とくに巨人の高額所得選手の名は1人もありません(球団から個人での寄付はするななんて言われているんでしょうか?)【追記2】芸能人じゃないけれど、鳩山・前首相様、使い道に困るほどたくさん財産をお持ちの貴方も、一個人として、恥ずかしくないような義援金を送るべきではありませんかねぇ…。【追記3】ブログの友人から教えてもらった主な企業(企業人)、団体などからの義援金の現況、主なものは以下の通りでした(その後増えているかもしれませんが)。ファーストリテイリング柳井正会長、日亜化学工業 10億 楽天社長三木谷浩史 10億単位 コカ・コーラシステム 6億、マルハン 5億+3000万、ゴールドマン・サックス 5億+2000万、ジャパネットタカタ 5億+充電式電池セット1万台、三菱電機、三菱重工、NCJJapan 5億 東芝 5億相当、三菱商事、三井物産、伊藤忠、住友商事 4億 丸紅 4億相当 ファーストリテイリング 3億+1億+ヒートテック、ジーンズ、タオル7億円相当 パナソニック 3億+ラジオ1万台+懐中電灯1万個+乾電池50万個、ホンダ 3億+カセットガス発電機1000台+カセットガスボンベ5000本、ソニー 3億+ラジオ3万台、サントリーHD 3億+ミネラルウオーター100万本、キリンHD 3億+清涼飲料20万本 任天堂、トヨタ自動車、キヤノン、日本郵政、生命保険協会、JT、武田薬品、日立、リコーグループ、台湾政府、楽天、カゴメ、生命保険協会、青山商事、東京エレクトロン 3億、KOMATSU 3億相当 大韓赤十字社 2億4200万、ブリヂストン 2億+自転車及び寝具1億円相当、セガサミー、味の素、エーザイ、ウォルト・ディズニー 2億 米マクドナルド 1億6000万、オートバックス 1億+携帯電話充電器3万9000個、花王 1億+生活用品、旭化成 1億+サランラップ50万本、川崎重工 1億+物資1億、伊藤園 1億+飲料100万本 三菱東京UFJ銀、三井住友銀、みずほフィナンシャル、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、野村HD、大和証券、日興コーディアル証券、かんぽ生命、オムロン、シャープ、王子製紙、資生堂、小林製薬、NEC、ニコン、富士通、田辺三菱製薬、京セラグループ、JRA、アステラス製薬、積水化学、電通、三菱ケミカルHD、YKKグループ、サムスン、カプコン、コナミ、日本マクドナルド、アサヒビール、日本ハム、EPSON、ブラザー、第一生命、新生銀、京都中央信用金庫、シチズンHD、LG、リクルート、ダスキン、高島屋、エイベックス、日本野球機構、アドバンテスト、第一三共、ロート製薬、モルガン・スタンレー、TOTO 1億
2011/03/20
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福島原発の状況がどうなるか分からないので不安なのに加えて、首都圏の物資不足が日増しにひどくなってきたので、都内23区内に住む娘が一時避難のために子どもを連れて(関西の)我が家へ帰ってきました。 娘の旦那は可哀そうですが、仕事もあるので東京に1人で居残りです。ただ、計画停電のあおりで交通機関が間引き運転をしているので、通勤が大変なようで気の毒です。 娘らは原発危機が終息に向かう目途が立つまで、こちらにとどまるつもりですが、4月からは仕事に復帰する予定なので、そうのんびりもしていられません。いつ帰れるか気が気でありません。東京で働いたり、子育てをしている人たちは本当に大変です。 こういう事態になると、つくづく一極集中の功罪を思います。日本も、もう少し人口分散の政策をとった方がいいのではないのかと思います。東京に会社の機能や社員を集中させようとしている大企業も近年目立ちますが、ほんとにいいんですか?と言いたくなります。 関西でも、買占めの影響で、物資不足が目立ってきました。単一電池、マスク、無洗米、レトルト御飯、カセットコンロ&ガスボンベが店頭からほとんど姿を消しました。ウェットティッシュ、インスタント・ラーメン、紙オムツも結構少なくなっています(我が家はこういうものは普段からある程度備蓄していますので、あわてて買い集める必要はありません) とにかく、今は早くガソリンや生活必需物資の流通をきちんとやってほしい。そして、もちろんですが、原発の危機的状況を早く終息させてほしいです。
2011/03/19
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阪神大震災から16年も経って、その間、世の中はいろいろと進歩したはずなのに、今回の東日本大震災では「救援の進み具合が遅い!」という印象がぬぐえません。 阪神大震災と比べて、今回の東日本大震災は、 (1)被災の範囲が広すぎて、避難所の数もケタ違いに多い (2)津波のせいで道路網が寸断されているエリアが多く、救援物資が十分に届けられない (3)携帯電話、固定電話という通信インフラが被災地で機能していないため、的確な情報が伝わらない・得られない (4)阪神大震災時より停電が長く続いているため、テレビ視聴や暖房、温かい食事づくりなどに十分対応できない (5)発生時刻が執務時間中だったこともあって、地元の公的機関(役所や警察、消防)の職員が数多く犠牲となり、庁舎も大きな被害を受けているので、まだ十分に機能できていない --という5点が救援・復旧の大きな壁になっているようです。 しかし、救援の手法もこの16年で確実に進化しているはずなのに、なぜこんなに手間取っているか。腹立たしい思いです。国や各県は、英知を集めて、人手も集めて、今はとにかく、以下の5つのことに最優先で取り組んでほしいと心から願います。 (1)全力をあげて、救援のスピードをもっともっと上げる。道路がなければもっとヘリを活用し、空から救援物資を落とす。 (2)避難所ごとのニーズを十分に把握し、必要なものを必要な処へ届けるために情報集約・管理を一元化する (3)ガソリン、医薬品、水、オムツ、ミルクなど被災地で不足して困っている物資をとにかく十分供給する (4)携帯電話の移動基地局を増やし、被災地での電力供給を一日も早く復旧させる (5)被災地の公的機関に、他府県からもっと人的支援する 寒い夜に震えている被災者も皆さんのためにも、みんながもっと知恵を出し、政府や行政機関に対して声を上げたいと強く思います。
2011/03/17
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今回のような東北大震災クラスの大災害が起こった場合、世界各地の最近の大災害のケースをみると、(日本以外では)被災地での略奪行為などの犯罪が多発するのがほとんどだった。 四川でもハイチでもスマトラでもニューオーリンズでも、街では略奪行為が相次いで起こった。一方、日本では阪神大震災時でも略奪行為は(僕の知る限り)まったく起きなかった。今回の大震災でも、被災住民たちはお互いが助け合い、整然と行動している。略奪行為など皆無だ。 これは日本人が、単に我慢強いとか、災害慣れしているからということではない。モラル自体が高いのだ。政治家のモラルは低くても、一般の日本人はこうした高潔なモラルを持ち合わせていることを、僕らはもっと誇りにしていい。世界へもっと自慢していいと思う。 被災地の救援活動はなかなか思うように進まない。しかし今は、とにかく、皆で助け合って耐えてほしい。もうすぐ必ず本格的な救援がやって来る。それまでなんとか頑張ってほしい。 遠いところにいる僕だが、被災した皆さんのために、自分に何ができるかを考えたい。自分にできることで、皆さんの力になりたいと思う。
2011/03/14
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昨日、たまたま徳島へ出張していて、今回の大地震に遭遇しました(揺れは当然ですが、まったく感じませんでした。地震発生は事務所についていたテレビの一報で知りました)。 徳島にも大津波警報が出たので、少し驚き、緊張もました。幸い徳島への津波はたいしたことはありませんでした…。 大阪の会社の同僚や後輩は、一時、「**の安否がわからん」「連絡がつかん」と心配したそうです。 僕は大丈夫でしたが、その後次々に伝えられた東北や関東地方の惨状には、言葉を失いました。数多くの犠牲者が出て、家を失われた方もたくさんいるので、本当に心が痛みます。 阪神大震災を経験した身としては、犠牲になった皆さんは、津波の警報が出てから、安全な場所へ逃げる時間はなかったのだろうか…と思うと、残念で残念でなりません。 生きていれば、またやり直せるけれど、死んでしまっては…。 警察も、救急も、消防も、自衛隊も、大災害だと発生から2~3日間はアテにはできません。それを僕は阪神大震災で学びました。 「想像を超える災害は起こるんだ」ということを常に自覚して、自分や家族の身は、自分たちで守る、せめて2~3日は自力で耐え抜く備えをしておくしかないのかもしれません。 亡くなられた数多くの方々のご冥福を心から祈ります。そして、行方不明の方々の安否が一日も早く分かりますように。
2011/03/12
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55. ソーダコクテール【注66】 砂糖 テースプーン二杯 アンゴスチュラビタ 二振り 氷 一、二塊 平野水 適量 をソーダグラスに入れ、之にレモンの小片を加え、冷たい平野水を満たしてすすめる。【注66】「ソーダコクテール」は、1920~30年代の日本国内の文献にのみその名が見られる極めてシンプルなカクテル。日本人バーテンダーのオリジナルか。…………………………………………………………………………………………56. ラインコクテール【注67】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ジン 三分の一オンス ベネヂグチン【注68】 三分の一オンス 伊太利ベルモット 三分の一オンス アンゴスチュラビタ 二振り を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注ぎ、之に小さいラッキョ一個をつぶし加えてすすめる。【注67】「ラインコクテール」は、現時点では前田氏の本にのみ見られるカクテル。「ライン」という名は、前田氏の勤務先だった「カフエライン」に由来するのかも。【注68】「ベネヂグチン」とは言うまでもなく、ハーブ系リキュール「ベネディクティン」のこと(8頁の【注8】参照)。…………………………………………………………………………………………57. ラケットクラブコクテール【注69】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に ジン 二分の一オンス フレンチベルモット 二分の一オンス オレンジビタ 二振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注69】「ラケットクラブ(Racquet Club)コクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的なカクテルだが、そのレシピ(ジン3分の2、ドライベルモット3分の1、オレンジビターズ1dash)は、前田氏のと分量比が異なる。…………………………………………………………………………………………58. ウイズバングコクテール【注70】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に スコッチウイスキー 三分の二オンス フレンチベルモット 三分の一オンス オレンジビタ 一振り グレナデン 一振り アブサン 一振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注70】「ウイズバングコクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも「ウィズ・バン(Whizz-bang)」の名で登場する古典的なカクテル。前田氏のレシピはサヴォイとまったく同じ。…………………………………………………………………………………………59. ウオルエイコクテール【注71】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ウイスキー 四分の二オンス オレンジジュース 四分の一オンス レモンジュース 四分の一オンス グレナデン テースプーン半杯 を加え、最も強烈にセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注71】「ウオルエイコクテール」は、現時点では前田氏の本にのみ見られるカクテル。「ウオルエイ」という名の由来も不詳。…………………………………………………………………………………………60. ウイスキーコクテール【注72】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ウイスキー 一オンス 伊太利ベルモット 少量 フレンチベルモット 少量 ガムシロップ 二振り アンゴスチュラビタ 一振り を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注ぎ、之に一個のマラスチノー・チェリーを入れてすすめる。【注72】「ウイスキーコクテール」は、かのジェリー・トーマスのカクテルブックにも登場する最初期のカクテルの一つだが、トーマスのレシピはウイスキー(1グラス)、ガムシロップ3~4dash、ビターズ2dash、レモンピールで、前田氏のレシピとはかなり異なっている(ベルモットは加えていない)。ちなみにサヴォイ・カクテルブックにも同名のカクテルが登場するが、レシピはトーマスの本とほぼ同じ。…………………………………………………………………………………………61. ウイップコクテール【注73】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に アブサンペルノード【注74】 四分の一オンス フレンチベルモット 四分の一オンス ブランデー 四分の一オンス キュラソー 四分の一オンス を加え、最も強烈にセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注73】「ウイップ(Whip)コクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的なカクテル。ただし、サヴォイのレシピ(ブランデー2分の1、ドライベルモット4分の1、スイートベルモット4分の1、キュラソー3dash、アブサン1dash)は、前田氏のとかなり異なっている。【注74】「アブサンペルノード」は言うまでもなく、薬草系リキュールの「アブサン」または「ペルノー」のこと。…………………………………………………………………………………………62. ヴエロシチーコクテール【注75】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ジン 三分の二オンス 伊太利ベルモット 三分の一オンス オレンジ 小片 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注75】「ヴェロシチーコクテール」は、「ベロシティー(Velocity)・カクテル」の名でサヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的なカクテルだが、ジンとスイート(伊太利)ベルモットの比率は前田氏のレシピとは逆となっている。ちなみに「Velocity」とは「速度、速さ」の意。なお、これとは別にウオッカ・ベースの同名のカクテルも存在する。…………………………………………………………………………………………63. ヴアンダービールコクテール【注76】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に オールド・ブランデー【注77】 二分の一オンス チェリーブランデー 二分の一オンス ガムシロップ 一、二振り アンゴスチュラビタ 一振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之に一個のマラスチノー・チェリーを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注76】「ヴァンダービールコクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的なカクテルだが、そのレシピ(ブランデー4分の3、チェリーブランデー4分の1、シロップ3dash、アンゴスチュラビターズ2dash)は前田氏のと異なっている。現代の表記では「バンダービルト(Vanderbilt)」が一般的。【注77】「オールド・ブランデー」とは、熟成年数のことを言っているのか、それともオールド・ボトルを使えという意味なのかは不明。…………………………………………………………………………………………64. クインコクテール【注78】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ジン 三分の一オンス フレンチベルモット 三分の一オンス 伊太利ベルモット 三分の一オンス オレンジ、パインアップル 小片 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注78】「クインコクテール」は、「クイーンズ(Queen’s)・カクテル」の名でハリー・マッケルホーンのカクテルブックやサヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的なカクテル。前田氏のレシピはマッケルホーンの本とほぼ同じだが、サヴォイ・レシピ(ジン2分の1、ドライベルモット4分の1、スイートベルモット4分の1)とは分量比が少し異なっている。………………………………………………………………………………………… こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/03/09
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43. カッフェコクテール【注53】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ポートワイン 一オンス ブランデー 二分の一オンス 玉子の黄味 一個 シュガーシロップ テースプーン半杯 を加え、よくセークしたる後、ワイングラスに注ぎ、之にナツメキ【注54】の粉末少量を振ってすすめる。【注53】「カッフェコクテール」は現時点では前田氏の本以外では見当たらないカクテル。【注54】「ナツメキ」とは言わずもがなだが、ナツメグのこと。…………………………………………………………………………………………44. ヨルクコクテール【注55】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に ウイスキー 三分の二オンス 伊太利ベルモット 三分の一オンス オレンジビタ 二振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉してすすめる。【注55】「ヨルク(ヨーク=York)コクテール」は、1910~20年代には欧米で飲まれていたカクテル。標準的なレシピはウイスキー2分の1、スイートベルモット2分の1、アロマチック・ビターズ1dash、オレンジ・ビターズ1dashで、前田氏のレシピも分量比以外は、ほぼ同じ。なお、同名のカクテルで、ジン4分の3、マラスキーノ4分の1、オレンジ・ビターズ3dash、アンゴスチュラ・ビターズ1dash、レモンピールというレシピも存在する。…………………………………………………………………………………………45. ターキシユーコクテール【注56】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に ドライジン 三分の二オンス フレンチベルモット 三分の一オンス オレンジビタ 二振り アンゴスチュラビタ 二振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にアブサンの少量を落としてすすめる。【注56】「ターキシユーコクテール」は、「ターキッシュ(Turkish)・カクテル」と想像されるが、現時点では前田氏の本以外の文献でその名が見当たらない謎のカクテル。…………………………………………………………………………………………46. カンツリーコクテール 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に ウイスキー 一オンス オレンジビタ 三振り アンゴスチュラビタ 二振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモンの皮の小片を搾り込んですすめる。…………………………………………………………………………………………47. カナデアンコクテール 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に カナデアンクラブウイスキー 一オンス ガムシロップ 二振り アンゴスチュラビタ 二振り イタリアンベルモット 少量 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にマラスキーノチェリー一個を加えてすすめる。…………………………………………………………………………………………48. タキシユードコクテール【注57】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ジン 二分の一オンス 伊太利ベルモット 二分の一オンス アンゴスチュラビタ 一振り セリー 少量 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注57】「タキシユードコクテール」は、「タキシード(Tuxedo)・カクテル」としてサヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的なカクテルだが、サヴォイ・レシピでは、伊太利(スイート)ベルモットの代わりにドライベルモットを使っている。…………………………………………………………………………………………49. タンゴーコクテール【注58】 調合グラスに ジン 三分の二オンス ウオヅカ 三分の一オンス レモンジュース 四分の一オンス オレンジビタ 四振り ガムシロップ 三振り 玉子の白味 一個 を入れ、之に平野水の少量を加えて静かに混ぜ、泡を立て、シャンペングラスに注いですすめる。【注58】「タンゴーコクテール」とは「タンゴ(Tango)・カクテル」と思われるが、ハリー・マッケルホーンが考案した同名のカクテル(ジン・ベース5分の2、スイートベルモット5分の1、ドライベルモット5分の1、オレンジキュラソー5分の1、オレンジジュース2dash)とは中身が大きく異なる。現時点では別の人が考案したカクテルか前田氏のオリジナルかは不明。…………………………………………………………………………………………50. タルフコクテール【注59】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に プリマウス・ジン 二分の一オンス フレンチベルモット 二分の一オンス オレンジビタ 一振り マラスチノー 一振り アブサン 一振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にオリーブを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注59】「タルフ(Turf)コクテール」は、現代の表記では「ターフ・カクテル」。欧米では1910~20年代から飲まれているカクテルで、前田氏のレシピもほぼ同じ。なお、フレンチ(ドライ)ベルモットの替わりにイタリアン(スイート)ベルモットを使うレシピもある。…………………………………………………………………………………………51. ダイキリコクテール【注60】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に バカルデー・ラム 三分の二オンス ライムジュース 三分の一オンス グレナデンシロップ 若干 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注60】「ダイキリコクテール」は、1890年代後半に誕生したと伝わる古典的カクテルの一つで、ハリー・マッケルホーンの本(1919年刊)やサヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にも登場している。「ダイキリ」の名はキューバのダイキリ鉱山にちなむというのはあまりにも有名。…………………………………………………………………………………………52. ダンプセーコクテール【注61】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に カルバド【注62】 三分の二オンス ジン 三分の一オンス アブサン 一振り グレナデンシロップ テースプーン半杯 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注61】「ダンプセーコクテール」は、「デンプシー(Dempsey)・カクテル」のこと。1920年代にはすでに欧米で飲まれていたが、なぜか欧米のカクテルブックでは紹介されることが少ない。当時の標準レシピは、カルバドス30ml、ジン30ml、アニス・リキュール1tsp、グレナディン0.5tspで、前田氏のレシピとは少し異なっている。【注62】「カルバド」とは、言うまでもなく「カルバドス(アップル・ブランデーの高級品)」のこと。…………………………………………………………………………………………53. ダイキダイキコクテール【注63】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に カルバド 五分の三オンス カロリック・ポンチ 五分の一オンス グラツプフルユイ・ジュース【注64】 五分の一オンス を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注63】「ダイキダイキコクテール」とは、「ディキディキ(Diki-Diki)・カクテル」の名でハリー・マッケルホーンのカクテルブックにも登場する古典的なカクテルだが、そのレシピ(カルバドス3分の2、スウェディッシュ=カロリック=パンチ6分の1、グレープフルーツ・ジュース6分の1)は、前田氏のと分量比が異なる。【注64】「グラツプフルユイ・ジュース」の表記には少々驚かされるが、もちろんグレープフルーツ・ジュースのこと。…………………………………………………………………………………………54. レーモンドハッチコクテール【注65】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に 伊太利ベルモット 一オンス レモンジュース 四分の一個分 オレンジビタ 一振り パインアップル 小片 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注65】「レーモンドハッチコクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも「レイモンドヒッチ(Raymond Hitch)」の名で登場する古典的なカクテルだが、前田氏は、サヴォイ・レシピのレモンジュースをオレンジジュースに替えている。………………………………………………………………………………………… こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/03/06
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滋賀県というのは、京都に近いせいかどうかは知らないが、「オーセンティックBARの不毛地帯」という評判をよく聞く(滋賀県のBAR経営者の方、ごめんなさい)。実際、洋酒メーカーのHPでのBARガイドを見ても、まず滋賀県の県都・大津には1軒くらいしか出てこない。同県内の他の地域にしてもBARは数えるほどしかない。 大津や草津辺りに住んでいる人に聞くと、「たいてい京都まで飲みに出てしまう。だって、選択肢が多いし、JRで15分ほどで行けるんだもん」との答えが返ってくる。でも、滋賀県にも素晴らしいオーセンティックBARはある。少なくとも僕はその店を知っている。場所は県北西部の彦根。ご存じ国宝・彦根城のある井伊家の城下町である(今じゃ、「ひこにゃん」の方が有名かな?)。 今回おすすめするのは、いずれも同じオーナーが経営する2軒。一つはお城に近いエリアにある「Bar Thistle(シスル)」=写真右=と、JR彦根駅からすぐのところにある「Salon Bar Thistle」=写真左下。Thistleとはスコットランドの国花「アザミ」のこと。この名前からもオーナーのBARに対する愛と意気込みが感じられる。 先般、私は久しぶりにお邪魔した。オーナー・バーテンダーのMマスターは、コンクールでも優秀な成績をおさめた経験もある凄腕の方だが、それよりもホテル出身のバーテンダーらしい、柔らかく温かい接客が大好きだ。 今回まず、Bar Thistleにお邪魔すると、Mマスターはおらず、気さくなお弟子さん・Kさんが出迎えてくれた。Bar Thistleはウッディで、オーセンティックな空間だが、決して堅苦しい雰囲気はなく、これほどクオリティの高い酒場は銀座や北新地にも数少ないと言ってもいい。滋賀県人のBAR愛好家は、彦根にThistleがあることをもっと自慢していいと思う。 Kさんも師匠に劣らず、素晴らしい丁寧な接客をしてくれる(Mマスターの教育が行き届いているからだろう)。早速、K君のつくってくれた美味しいジン・リッキーをいただき、のどを潤す。 聞けば、半年ほど前に彦根駅前近くのホテルの1階に、2軒目をオープンし、Mマスターは現在はそちらに出ているという。「それなら、せっかくだから帰りに寄っていくから」と、2杯目の酒をいただいた後、Kさんに歓待の礼を言って、急ぎ足で駅方面へ向かう。 「Salon Bar Thistle」は駅前のビジネスホテルの1階にあるが、店に一歩足を踏み入れると、そこには程よい照明に包まれた、静かで落ち着いた空間が広がっていた。まずは「予約席」という札が置かれたカウンターの席に腰を落ち着ける。 そして、Mマスターに「ご無沙汰しております。お久しぶりです」と挨拶。「本日はわざわざ有難うございます。**さんがまもなく着かれるとThistleから連絡がありました」とMさん。Kさんが僕が店を出た後、すぐに電話しておいてくれたのだろう。「予約席」の札の意味が分かった(Kさんの心配りはさすが)。 Mさんとお会いするのは、恥ずかしながら約5年ぶり。でも、前回、「Thistle」でお会いした際の温かい接客・サービスは今もよく覚えている。Mさんとは、積もる話をたくさんして、私は持参した秋山徳蔵さんの復刻本「カクテル(混合酒調合法)」を一冊差し上げた。 Salon Bar Thistleはまだ新しい店だが、座り心地のいいカウンターの席でMさんの美味しいオリジナル・カクテルを味わっていると、実に心地よく、リラックスした気持ちになれる。たまたま、この夜はカウンターに大阪のBARにも詳しい地元のお客さんがいらして、うらんかんろも意気投合。おやおや、楽しく過ごしていると、そろそろ電車の時間が近づいてきた。僕はMに再会を約して店を後にした。 彦根は大阪から1時間半ほどかかり、なかなか行く機会がないが、この2軒のThistleは何度でも行きたい店だ。今度は、北陸からの帰りにでも、途中下車してでも寄ろうかな。Mさん、心温まるもてなしを本当に有難うございました!【Bar Thistle】滋賀県彦根市本町1-12-12 ファーストハウス1F 電話0749-22-1230 平日午後6時~午前1時(土日=午後2時~)月・火・木・金はランチタイム(午前11時半~午後2時)も営業 水休 【Salon Bar Thistle】彦根市旭町9-14 ホテル・サンルート彦根1F 0749-22-7071 午後6時~午前1時 日休こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/03/05
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33. チャイニスコクテール【注40】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に ジャマイカ・ラム 一オンス アンゴスチュラビタ 一振り マラスチノー 二振り キュラソー 二振り グレナデン 二振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに注ぎ、之にマラスチノー・チェリー一個を加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注40】「チャイニスコクテール」とは、「チャイニーズ・カクテル」のことで、ハリー・マッケルホーンのカクテルブックをはじめ、数多くの文献に登場する古典的カクテル。前田氏のレシピはマッケルホーンの本とほぼ同じで、ステアでなくシェイクでつくる点だけが違う。なぜ「チャイニーズ」という名が付いたのかは不詳。…………………………………………………………………………………………34. チッペラリーコクテール【注41】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ジン 三分の二オンス 伊太利ベルモット 三分の一オンス オレンジジュース テースプーン半杯 グレナデン テースプーン半杯 薄荷の葉 二葉 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注41】「チッペラリーコクテール」は、「ティぺラリー(Tipperary)・カクテル」の名でサヴォイ・カクテルブックなど様々な文献に登場する古典的なカクテル。ただしレシピは、ウイスキーベース(30ml)でスイートベルモット(30ml)、シャルトリューズ・グリーン(1tsp)というのが多数派で、前田氏が紹介するジン・ベースのものは少ない(スイートベルモットの代わりにドライベルモットを使うレシピも)。「ティぺラリー」はアイルランド南部の都市名。…………………………………………………………………………………………35. チュッケードコクテール【注42】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に バルネット・ジン【注43】 二分の一オンス フレンチベルモット 二分の一オンス マラスチノー 一、二振り オレンジビタ 一振り アブサン 一振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注42】「チュッケードコクテール」は、現時点では前田氏の本以外では見当たらないカクテル。「チュッケード」の英文表記(綴り)もわからないため、詳細不明です(ご情報をお持ちの方はご教示ください)。【注43】「バルネット・ジン」とは、現代の表記では「バーネット(Burnett’s)・ジン」。1950年代まで人気のあったジン「ホワイト・サテン」を製造していたバーネット社を、1960年代に入ってシーグラム社が買収。味わいをクセのない辛口タイプにし、名前も変えて発売を始めた。日本では現在キリン・シーグラム社がライセンス生産している。…………………………………………………………………………………………36. チョコレートコクテール【注44】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に エイロー・シャートリユーズ 二分の一オンス ポートワイン 二分の一オンス 玉子の黄味 一個 粉末チョコレート テースプーン半杯 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注44】「チョコレートコクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的カクテルの一つ。サヴォイでは2種類のチョコレート・カクテルを紹介しているが、前田氏のレシピは、そのうちの「No.2」のバリエーション。…………………………………………………………………………………………37. リユイジーコクテール【注45】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ジン 二分の一オンス フレンチベルモット 二分の一オンス グレナデン テースプーン半杯 コイントロー【注46】 微量 蜜柑ジュース 半個分 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注45】「リユイジーコクテール」は「ルイージ(Luigi)・カクテル」の名で、ハリー・マッケルホーンのカクテルブックやサヴォイ・カクテルブックにも登場する。前田氏のレシピは両著とほぼ同じ。【注46】「コイントロー」とは、言わずもがなだが、ホワイト・リキュールの「コアントロー(Cointreau)」のこと。…………………………………………………………………………………………38. リベラールコクテール【注47】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に ウイスキー 一オンス 蜜柑ジュース 四、五個分 ピコン(アミヤ) 二三滴 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注47】「リベラール(Liberal)コクテール」は1920年代に出版された日本のカクテルブックにはその名が見えるが、海外の文献には見られない謎多きカクテル。ネット検索では、「ウイスキー30ml、スイートベルモット30ml、アメールピコン4drop、オレンジビターズ少々」というレシピで紹介しているサイトに1件ヒットしたが、残念ながら由来などには一切触れていなかった。…………………………………………………………………………………………39. オリベットコクテール【注48】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に プリマウス・ジン 一オンス オレンジビタ 一振り ガムシロップ 一振り アブサン 一振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にオリーブを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注48】「オリベット(Olivet)コクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにもその名が見られる古典的なカクテル。前田氏のレシピはサヴォイとほぼ同じだが、サヴォイはステアでなく、シェイクでつくる。…………………………………………………………………………………………40. オレンジブロッソムコクテール【注49】 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に ジン 二分の一オンス オレンジジュース 二分の一オンス オレンジビタ 一振り グレナデン 少量 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。【注49】「オレンジブロッソムコクテール」は現代の表記では「オレンジ・ブロッサム(Orange Blossom)」は、ハリー・マッケルホーンの本やサヴォイ・カクテルブックにも登場する代表的な古典的カクテルの一つ。前田氏のレシピは両書にほぼ同じ。…………………………………………………………………………………………41. ワックスコクテール【注50】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に プリマウス・ジン 一オンス オレンジビタ 二振り を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にマラスチノー・チェリー一個を加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注50】「ワックス(Wax)コクテール」は、ハリー・マッケルホーンのカクテルブックやサヴォイ・カクテルブックにもその名が見られる古典的なカクテル。前田氏のレシピはサヴォイのとほぼ同じだが、サヴォイはステアでなく、シェイクでつくる。マッケルホーンのレシピはジン2分の1、アブサン(またはアニス)2分の1、ガムシロップ1tsp、卵白1個分となっており、まったく別物のカクテルの様相。…………………………………………………………………………………………42. カセリーコクテール【注51】 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に カセリヤ【注52】 二分の一オンス ライ・ウイスキー 二分の一オンス を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。【注51】【注52】「カセリーコクテール」は、現時点では前田氏の本以外には見当たらないカクテル。「カセリー」「カセリヤ」ともにどんな酒類なのか不明です(ご情報をお持ちの方はご教示くだされば幸いです)。………………………………………………………………………………………… こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2011/03/04
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