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雑誌「小説現代」11月号に載った岩井志麻子の短篇小説です。 「火照る毒への関心と 冷える情への歓心と」女性誌でのエッセイや、TVのトーク番組での志麻子さんは、アジア各地に愛人を持つエロエロモードの放蕩女だ!なのに、彼女の本業である文学での志麻子さんは思いっきり哀しい。志麻子さんの放蕩?の原点は、岡山に残してきた幼い息子なのだとつくづくと思う。娘もいるのに、向けられる思いはつねに息子のみ。 息子が幼稚園児の年長さんにあがる頃、 娘が小学校の三年生にあがる頃、私は家を出ている。 あれからもう七年だ。 息子は中学生で娘は高校生。そして私は四十を過ぎた。 夫だった人は離婚直後に再婚をして、 すでに新しい奥様との間に子どもが三人いる。 ごめんな、七年前の春、 お母ちゃんは一人で東京に行ってしまった。 もう迎えに行けなくなった。 一ヶ月もしないうちに新しいお母さんがやってきた。 すでに身重だった新しいお母さんは・・・・。この辺りのくだりは、志麻子さんの小説に表現を替えてたびたび登場する。読むたびに胸が痛くなる箇所でもある・・・。最近、その息子と、ホテルのロビィで待ち合わせたとき、いつもなら「小さな子どもが1人」なのですぐに見つけられたのに、今回はすぐには分からなかった。息子の背丈は母親である志麻子さんよりも高くなって、鼻の下には濃い目の産毛も見えていた・・・。僕は家に居場所が無い・・・と言う息子に お母ちゃんにはそれ、言うてもええ。 今のお義母さんとお父ちゃんには言うたらいけんよ。 頑張って、居場所になろうとしとる人達なんじゃから。 お母ちゃんは・・・・あんたを、 そんな目に遭わせた奴じゃから。 恨むんなら、お母ちゃんを恨み。(本文より)取り返しのつかない悔恨を抱えて、その息子の面影を求めて、或いは、いっとき苦悩を忘れるために(?)志麻子さんはソウルへ向かう。好きになる男はみんなどこか息子に似ているという。韓国の内縁夫に隠れて、現在、逢瀬を重ねているJくんというのは容貌も年齢(24歳!)も境遇も息子に似ていて、Jくんの未熟な日本語を聞いていると幼稚園の頃の息子と一緒にいる気分を反芻できるというのだ。そして、小説は内縁夫やJくんとの激しい情交シーンになっていくのであるがそれは、「火照る毒への関心」 あるいは、 「冷える情への歓心」のどっち? 惜しむ季節はいつでも夏だけれど。 悔やむのは永遠に、七年前の春。 by 岩井志麻子
October 27, 2006
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豚でるピーチΠ 柳原可奈子(やなぎはらかなこ) みんなで応援しよう(^-^)ノ ←太めの21歳です
October 17, 2006
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