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人の波で浜辺が埋め尽くされ、それは時間とともに大きくなっていく。砲弾の無力化を目指すが、未だに場所を掴み切れていない。それでも上陸する人数が増えるとともに、前線を押し出していく。「向こうのほうが守りが厚い。こちら側に引き付けて、その隙を突け」作戦通りに事が進み、ついに砲弾のある場所を見つけ、その一帯の機能を停止させる。夜までには海岸線を制圧、一夜を過ごすことになる。明日からは敵の反撃を防ぎ前線を守るように、と通達が届く。仲間たちがここに来るまで、前に進むことはない。翌朝、再び現れた敵軍によって苦戦を強いられる。今日のヨーディはうしろから参加することになり、戦況を眺めていたが、追い込まれる状況を見越して前線へと送りこまれる。その甲斐もあり、どうにか守り切ってこの日を終える。「今日出てきたのは、昨日とは違う部隊でしたね」「あれが主力部隊だとは思うが、まだ奥の手が残ってる可能性もある」「仲間たちが来るにはあと1、2日かかるだろう。 明日はこちらも主力を前面に置く。耐えきれなければ意味がない」防衛・2日目。予想にも増して激しい抵抗に遭う。陽が高く照らす中、じりじりと追い詰められていく。やむを得ず全軍投入。これ以上に状況が悪化すると撤退、つまりは失敗を意味する。そんなとき、緊迫感を破るような発射音が鳴り響く。砂煙が舞い、人の惑う声が広がる。統率にずれが生じ始める。その隙を見逃さず、反撃となる流れを掴む。砲弾が飛んできたのはうしろから、つまりは海。それを可能にしたのは、「うまく着弾したぞ。次の準備に取り掛かれ」「船体にも異常なし。発射の反動も思うほどないな。上出来」バフタール船団が次々と領海に侵入してくる。難なく上陸を果たすと、さらに勢いを増して敵軍を蹴散らしていく。先行していたヨーディたちはあっという間に置いてけぼりを食らう。「足を止めるな。とにかくついて来てくれ」どこからともなく聞こえたが、空耳ではない。当初の予定とは違うが、フューリッド兵もその言葉に導かれて前に進む。うしろをついていくだけとなり、休むことができる。「建物が見えてきた。街・・・みたいだな」市街地に入る前に別々の方角に分かれて制圧を目指す。フューリッド兵もそれぞれに分かれてあとについていく。ヨーディはそのまま市街地へ進入する。
2018/04/29
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ヨーディが息を整えている間も船は進んでいく。島に近づいては船を捨て、離れては船に乗る。それを繰り返す。荒波にもまれて疲れもたまり始め、進み具合も鈍くなる。「疲れてるとは思うが、一緒に漕いでくれ」ずぶ濡れになりながら少しずつ進み、陸地が見え隠れしている。島からの砲弾は相変わらず一定間隔で前線に標準を合わせてくる。予想では、ある程度近づければ、撃ち込めなくなると見立ててはいるが・・・。(こんなんで本当にたどり着けるのか?)そんな思いが交錯する中、轟音の合図が体中に響く。同じ手法が繰り返され、体力が持たず、離脱する者が現れ始める。それでも前を向き、ひたすら進み続ける。「早く上がれ、船が傾く」戦場における余裕のない言葉に何も言い返さず、ようやく乗り込む。「無理なら降りろ。うしろにいる本船まで戻れば休める」そう言われて引き下がるわけにはいかない。次が飛んでくる前に少しでも進ませておかなければならない。そしてまた砲弾が発射される。と思っていたが、実際はそうならなかった。波の音だけが広がり、もう飛んでこないのかと思ったそのとき、「くるぞ」という声に次々と海に飛び込んでいく。でも、ヨーディは一歩遅れる。足が引っ掛かり、船が転覆する。その直後、船底に弓矢が突き刺さる。ヨーディはひっくり返った船の下に潜り込み、呼吸を整える。そこへもうひとり、入ってくる。「大砲の射程距離は抜けたみたいだな。・・・これは使える」そう言うと、船に隠れながら泳いでいけば、安全に上陸できる。と説明する。ふたりが前に進んでいくと、それに気づいた仲間がひとり、ひとりと集まってくる。入りきれない人数になると、他の船を目指して行き先を変えていく。だが、上陸を前に限界が訪れる。船底が弓矢を受け止めきれなくなり、割れていく。「散らばるぞ。健闘を祈る」ヨーディも別々の方向をたどり、上陸を目指す。まとまっていた弓矢の雨も次第にまばらになる。傷を負いながら浜辺に足を踏み入れていく。海から陸へと戦況が変化する。ヨーディもついに砂の上に足を乗せる。感傷に浸る間もなく、敵が攻め寄せる。「くそ。休ませてくれるわけねぇよな」ヨーディは唯一背負っている剣を抜いていた。
2018/04/22
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さらに時は進み、デジャ島攻めがいよいよ始まろうとしていた。しかし、来るべき一団がいくら待っても来る気配がない。催促をしてみても、「もう少し待ってくれ」としか返ってこない。「懸念はしていましたが、この話自体が策略だった。ということです」これでは今までやってきたことが水の泡となりかねない。今後、この状況が広まってしまえば、絶望感に包まれてしまう。「ならば、我々だけでもやるしかないでしょう」「そんなことできるわけが・・・」という反応を抑え、まずはバフタールの狙いから改めて見直そうと言い始める。もともと兵を貸すつもりがないのなら、事が判明すると、元フューリッド兵に反乱の種を蒔き散らしているようなものだ。そうならないようにするためには、フューリッドが諦めたと伝える必要がある。それを誤報として認めさせるためには、実際に攻め込み情報を送り込むことで、出兵せざるを得ない状況を作り出すことができる。「本当に来るでしょうか?その情報も操作されるのでは?」その可能性もあるが、多方面から流せばそう簡単に抑えきれないはずだ。「このまま黙ってるわけにはいかない。策略を仕掛けてきたことを後悔させてやる」すぐさま情報を流し、少しずつ浸透していく。これにバフタールも気づき始める。「どうやら本当に攻めるようです。なくはないとは思いましたが」「出兵を許可する。行くからには成果を上げてこい」前線ではいよいよ出航。というところで、バフタール出陣の情報が届く。「もう出してきたのか?思ったより早くないか」「向こうも予想していた、ということでしょう。 こうなれば、どちらの軍が早く落とすのかが鍵となります」どのくらい島攻略に関わるか、この成果によって戦果も変わってくる。「あいつらもこちらに向かってる。あいつらを生かすためにも、我々が道を開いていくぞ!」船団が海を渉る。気候も視界も良好。波の揺れも穏やかだ。「そろそろ来るぞ。遅れるなよ」「飛び込めっ」一斉に海に飛び込み、後方の船に向かっていく。空になった船は海を漂う。それも束の間、轟音とともに海面が跳び、船は沈む。荒れた波に押し出され、船のへりに何とかして指がかかる。「ぶへっ、たすかったぁ」「おいおい、しっかりしてくれよ。まだ始まったばかりだぞ」
2018/04/15
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デジャ島攻略に向けて準備が進んでいく。「泳ぎが得意な者を選りすぐり、訓練を始めたいと思うのですが」「任せる。上陸できるまでにどのくらい兵力を維持できるかが重要だからな」新たな方針が追加され、各方面がざわついていく。ヨーディにとっては今のところ変化はないが、仕事量は増えていく。「これで、トワールたちが帰ってくる!」一方でクイントは微妙な表情である。そのわけは厳しい戦いになると予想しているからだ。それでも受け入れるからには攻略の糸口があるのでは?とも思っている。「俺も泳ぎの特訓しておこうかな」「そうだな、上陸までがひとつのポイントになる。頼むな」月日が経ち、ついに港が完成する。「ひとまず、これである程度の船なら入港させられる。 今後も拡張させていくことにはなるが」一旦、人員を港から造船に回すことになる。ヨーディもそのひとり。着々と準備が整っていく中で、侵攻時期をいつにするか考え始める。「軍の連携をとれるように早めに申請するべきでは?」「さすがにそれは受け入れられないでしょう。 今更ですが、本当に寄越してくるのかが不安です」案の定、バフタールに打診したところ、にべもなく拒否される。「そのときが来れば、申請には応じます。それまではこちらで訓練させておきます」それから、兵士の受け渡し方については、「国境線まで送り届けるという形で。その前に少し修正させていただきたい。 あなた方を信用しているわけではないのですが・・・」と前置きしたあとには、戦いが終わるまで代わりとなる保険が欲しい、という内容だった。保険とは言うものの、対価となる物などありはしない。残る選択肢はフューリッドにおける重要人物に限られてくる。「しばらく留守を頼む。こんなことでもめてる場合ではないからな」「お待ちください!そのように急いで決めることでは・・・」だが、引き止めたところで務まる者は他にいない。「行くからには得るもの得て帰ってくる」その旨がバフタールに伝えられ、承諾に至る。「へー、レイトが人質で来るんすか?あいつらマジで必死っすね」「さぁて、これからどうすっかな」「またまたぁ、もう決まってるんじゃないすか。まさか、またなんか・・・」「いつも言ってるだろ。思考は止めるなって」
2018/04/08
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ゲイドモールはゾイロの口ぶりから憶測を広げる。「おそらくですが、島から砲弾が飛んでくるはずです。 その飛距離を図るためにも効果的な方法かと思われます」あと必要となるのは船であるが、調査するだけなら簡易的なもののほうが使いやすい。そう考えれば新たに作るまでもなく、既存の船でも対応できるかもしれない。物は試しに一回やってみるとして、調査地点を4か所設定、その後続に2艘、合わせて6艘準備する。「砲弾が飛んでくる場合、どうやってその中を進んでいくのですか?」「砲弾が来る前に逃げる・・・」「砲弾をやり過ごせれば・・・」「となると、空船を浮かべる。ですかね」「そうか。調査方法と同じだ。危険区域に入ったらうしろに逃げる。 そうすれば、砲弾をやり過ごして侵入できる」「いやしかし、次の砲弾が飛んで来るのでは?」「それこそ同じことであろう?後続の船に乗り継いでいけばいい。 人数が増えれば、馬力も増えるだろう」「なるほど。では、後続の船は大きくしていく必要がありますね」何艘もの船を乗り継いで上陸を目指していければ、兵力を維持させられそうだ。だが、上陸したあとはどこに何があるかもわからない。「基本的には力攻めになるのでしょうか?」「交渉できる環境に持ち込めればいいが、相手次第だからな」その判断は現場の指揮官に任せる、ということで一区切りをつける。間もなくして調査隊が出航。予想通りの日程で全員が無事に帰還を果たした。「やはり砲弾が飛んできました。天候が良かったこともあり、 発射音が聞こえてきたため、逃げることも可能でした」また、一斉に発射してきたことからみても、統率の取れた部隊がいると分かる。そして、少なくとも4門は確実に設置されているということも。「思った以上に配備されているとみて、間違いないでしょうね」「偏った考え方かもしれませんが、外を厚くするということは、 中のほうに不安がある。という表れだとも思いませんか?」「まあ、それは空論として止めておいたほうがよろしかろう。 守るよりも攻める方が何倍もの労力が要るのだからな」「とにもかくにもなお一層、港の者たちにはがんばってもらわねば」それに対して「人手を募集しますか?」と提案する。「追加で募集してどのくらい集まるか。 来てくれる者がいるならやるべきか」
2018/04/01
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