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前線に追いついたヨーディは作戦を伝え、兵を二分する。「このまま進むより、直接制圧する方が早い。 ゼリクトア軍も後詰としてきている。問題はないはず」ヨーディ隊は少しずつ進路を変えて、夜を迎える。バフタールに気付かれると大軍が帰還して目的を果たせなくなるが、ゼリクトア軍が怪しい動きをしているという情報は来ておらず、ひとまず安心して休息に入る。(明日、一気に突き進むしかない)翌日、本拠地を目前にして待ったがかかる。バフタール軍の一部が戻ってきているという情報が入り、行軍を止めて考え直さなければならなくなる。「敵は疲れていて今ならまだ間に合うのでは?」「ここで時間をかけるのはもったいないかと」強行突破を提案する者もいるが、ヨーディは何かが気になる。たとえ一部だとしても、戻ってくること自体が困難であるはずだ。イグリス軍の包囲網を抜けて帰還したということは、それまでに数日かけなければならず、戦況に変化があったとみる必要がある。それから報告が届き、撤退を決意する。「バフタールが前線から後退!イグリスも包囲を解き、 追撃する様子は見られません!」「ゼリクトア軍が行軍を反転させています!」これで戦争は終結を迎え、バフタールは大きく戦力を減らす。戻ってきたヨーディは結果を報告している。「すべてはイグリス王の手の内だったというわけか・・・」レイトは落胆を通り越して呆然としている。あのまま強行していれば、バフタールとの潰し合いになり、イグリスにとって最上の結果となる。たとえイグリスからの独立をやめていたとしても、ゼリクトア軍にバフタールを攻め込ませたに違いない。「あとは大国・イグリスの思うがまま、だな」ため息をつくレイトにヨーディは殴り掛かる。「やっとフューリッドを取り戻したところだろ! これから平和に向かっていけるんじゃねーのか!?」ウェントソンに腕を掴まれながら叫ぶと、静かに腕を下ろす。レイトは頭を抱えて机に臥せっていく。「レイトが創るフューリッドを見せてくれよ。 今度間違ってたら、ちゃんと殴ってやるから」「殴るな」とレイトとウェントソンはぼそっとつぶやく。とある日、ヨーディはビルクのところに来ている。「お前が来たってことは、噂は本当だったというわけだな?」噂とはレイトがアルケデニック派の処罰を決行したことだ。「階級を下げるくらいじゃ甘いんだよ。長いこと待たせたくせに」そう言うビルクの顔は緩んでいるのが分かる。「これからは協力してくれるんだろ?言うまでもねーか」「あぁ?不利益なことはしねぇぞ。これからもな」ヨーディはビルクと別れ、建設中の水路を見つめる。(まずはこれだな。出来上がるまではまだまだけど)結
2020/11/08
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レイトは方針転換を余儀なくされる。それでも押し進めようとするなら、ゼリクトア軍のうしろを突くしかない。レイトの様子を見守っているウェントソンは誰かが来る気配を感じる。入口に向かって出迎えると、思わず声を上げる。相手も同じように再会を喜んでいて、「じいさん、戻ってきたのか!」「久しぶりだな。元気そうで何より・・・」用件を思い出して話を止める。ウェントソンのあとについてきたのはヨーディだ。ゼリクトアも援軍としてきているならば、自分も出る必要があるのではないかと確認しに来たのである。レイトはヨーディをまじまじと見つめ、「行ってくれるか?ゼリクトアを止めに」ヨーディはレイトが何を言っているのか理解できず、詳しい説明を求める。説明を聞いて理解はできたが、納得できるものではない。「どう考えてもバフタールを叩いた方が平和には近道じゃないのか?」「このままだとイグリス大陸になるんだぞ!?」「それでも平和が保たれるなら、選ぶべきなんじゃないのか? 今までもそうやってきただろ?」「このままイグリスの操り人形でいろ、ってか」「んなこと言ったって、バフタールに味方して勝算あるのかよ?」ヨーディに言われて改めて冷静に考える。イグリスの監視を逃れることにこだわり過ぎていたようだ。時間が経つにつれバフタールが不利になっていくのは必定。それならいっそのこと攻め取りに行った方が早いのかもしれない。「改めて行ってくれ。隊を分けてバフタールの本拠を狙え」うまくいけばフューリッドの領地として組み込めるかもしれない。そうなればイグリスに対抗できる力を得られる。イグリス領のままなら、どうすることもできないが、同盟国としてなら、領土は分配。独立する意味が生まれる。そのためには、フューリッドがバフタールを降伏させなければならない。フューリッドを巡ってイグリスとバフタールが奪い合ったことは忘れるわけもない。もしかしたら、ゼリクトアにバフタールを占拠させようとしているとも考えられる。「難しいだろうが、やり遂げてくれ。やり方は任せる」今度の頼みは断れず、「やってはみるけど、どうなってもしらねぇぞ?」ヨーディは急旋回して来た道を戻る。フューリッド軍は国境を越えて先に進んでいるが、何かしら手間取ることがあればすぐにゼリクトア軍に追いつかれる。はからずもここでバフタールに言った経験が生きることになる。
2020/11/01
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