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明日、行われる配置転換によって移動するかもしれない。「それなら、行けるんじゃないか?行けるだけだけど」トワールは笑いをかみ殺している。結局、理由は聞けないまま、話は進んでいく。「お前だって自由に行けるわけないだろ。どうするつもりかは予測つくけど」トワールはレイトに直談判して行こうとしている。自分一人だけなら了承が得られる、という算段だ。「じゃあな。これから準備して来ねぇと」トワールは去っていく。ヨーディは残っているクイントに聞いてみると、「あいつと同じ道。ってことだ。覚悟しといたほうがいいぞ」翌日、入隊志願者とともに集められた中にヨーディはいる。「では早速、運動能力を図るためにナキュアに向かってもらう。 期限は3日、それ以外の条件はない。解散!」そう言われてもすぐ動ける者などいない。ナキュアという町は普通に行くと4日はかかるところにあり、急がなければならない。が、食料を中心に持っていかなければならないものを準備する必要がある。その場に立ち尽くしている者たちの中には、早くも判断力の差が出ていた。ある者たちはまとまって考えを導き、準備を分担して行動に移そうとしている。ヨーディはいち早く動いた。食料と寝る時の布さえあればいい。あとは、雨風が防げるような場所が見つけられれば問題ない。昔のことを思い出して笑いが込み上げてくる。(まさか、こんなんでキツいとかそういう話じゃないよな?)ヨーディは食料を買い集め、そのまま街を飛び出していく。地図通りに整えられた道を走っていく。知らないところに行くだけに、回り道になってでも道に迷って時間をロスすることは避けたい。1日、2日と進んでいく。ヨーディは先頭を走っている気分だ。寝ているうちに抜かれているかもしれないが、前に人影が見えることもない。時間が経つにつれ、不安が膨らんでいくものの、目的地には近づいている。坂を上っていく途中で人の話し声が聞こえてくる。まさかとは思いつつも、そこには人だかりができている。「あー、結構ギリギリになっちまったな。迷ったから仕方ねぇけど」「あの分かれ道で間違えなければな」「お前が遅れて前の奴らが見えなくなったからだろ」「まぁまぁまぁまぁ、間に合ったんだから」
2020/01/26
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レイトたちは小部屋に移動して話し合っている。「レイト様、ここはひとつ妻を娶っていただき、体制の安定を図りましょう」「できうるならば、世継ぎを授かることができれば・・・」いつの間にか話が脱線し始めている。そんな話をしている場合じゃない、と言いかけたレイトを遮り、「民を安心させることも上に立つ者の務めです」「さすれば、その妻として、どなたがふさわしいか・・・」「ならば、ウェントソン殿の孫娘が最適でしょう」ざわつく一同を「待て!」とレイトは抑え、「それは無理だな」と冷静に告げる。「お前たちには知らせていなかったが、向こうに一緒にいる。 唯一の身内だし、言ったら聞かない頑固一族だからどうにもならねぇ」それをバレないようにするため、身代わりが用意されている。「何なら、その者に頼んでみようか?」とレイトは笑い、「世継ぎについても、いざとなれば養子という手もある」それから、「今の時代、世襲にこだわるのは時代遅れだと思わないか?」さらには、「そもそも後継者を立てる必要があるか?こんな状況で・・・」レイトの言葉によって小部屋が紛糾し始めたところで、扉が開く。「休憩中でも盛り上がってますね」とゲイドモールが戻ってくる。「いや、ただの雑談だ。続けようか」レイトは休憩時間の終わりを告げる。「ご主人様、準備が整いました」そう声を掛けられてウェントソンは振り返る。「わしのことはもういい。フューリッドに帰ってくれぬか」と小声で言う。また、その話?と小声で返すのはミリィだ。「向こうに居たってひとりだし・・・」ミリィはいつ戻れるかわからないウェントソンを心配して付いて来ている。最悪の場合、もう会えないまま・・・ということが、ミリィを動かした。一行に紛れ込み、途中で見つかったものの、イグリスの手の者がいるため、ウェントソンは黙っているしかなかった。「今ならまだイグリスに気付かれてはいない。帰ることができるのは今しかない」とは言え、帰る手立てはない。それよりもミリィはこの状況を利用しようとしている。「私は帰らない。ここにいるからこそできることがあるわけだし」ミリィの狙いはフューリッドとイグリスの絶対的なつなぎ役になろうというものだ。もちろんウェントソンは反対の意思を示す。「そなたの一生を捧げる必要はない!」それでもミリィは考えを変えない。ウェントソンに何かがあれば、代わりの者が必要になってくる。「この異国の地で一人で生きていく、というのか・・・」「その覚悟はあるってこと。一緒に帰るのが目標だからね」「そうだな。一緒に帰ろう」ウェントソンは笑みを浮かべながら部屋を出ていった。
2020/01/19
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雨が滴り、微かな音があちこちから集まり始める。静かな夜が様子を変える。この雨とともに歩みを進める者たちがいる。「さぁ、行こう。余計な音はたてるなよ」水を含んだ土が跳び、足元がドロドロになる。だが、それを気にする者はいない。一行は闇夜に吸い込まれていく。三人のところにはそれぞれにつながりのある人物が次々と顔を見に来ている。それが終わると、それぞれが思い出を語る。「やっぱり手柄でいえばお前が一番だな。俺も結果出していかねぇと」トワールは息巻いたが、今後の状況は内政重視である。クイントの見立てはもっともだが、トワールには引っかかっていることがある。バフタールのフューリッドに対する態度はまさに「普通」だった。さらに、一般兵や民に対しては気を遣っているという噂さえあった。もしもそれが事実なら、心から取り込もうとしていたことになる。その上で返還してきたとなれば、その先を見据える必要があるはず。「改めて招き入れる、という算段か」確かに現状での生活水準で見れば、バフタールより劣っているとみて間違いない。そういう事態が起こりうるならば、対策を打っていかなければならないが、今にも動き出そうとするトワールをクイントはなだめる。「もうすでに上は動いてる」と指差した先にはさっきまでいたレイトたちの姿が消えている。「やっぱりお前は体力勝負だな」とクイントは目の前にある皿に手を伸ばす。「そう思ってんなら、配置転換願い出たほうがいいぞ?お前」トワールは何をするかも考えている。それは、計画の阻止。どこから逃げるかもわからないのに、どうやって阻止するのか?だが、ただ単に民が逃亡するわけではなく、必ず先導を務める者がいる。そいつを見つけ出せばいい。しかし、そう簡単なことではない。むしろ、そのあとどうするべきかを考えないといけない、とクイントは言う。「それは今、考えてんだろ?上が」今度はトワールが向こうを指差す。トワールは真顔に戻ると、「俺が調べに行く。誰かが行く必要はあるだろ?」「そこまでわかってるなら、任せる。ちょっと前なら、一緒に行ってたけど」話が途切れて、ヨーディが「俺も行きたい」と言い出す。「あれ?お前の身分て、今なんだっけ?」「一般兵・・・じゃないか?戦いにも参加したし。でも、明日の配置転換で変わるかもな」
2020/01/12
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もうすでに明け暮れてますねおめでとうございます。今年はまた始めて見ることにしますかとは言ってもいつまで続くか、未定ですけど。それでは、また
2020/01/05
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