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街の中に入るにつれて、ヨーディにも土地勘がなくなり始める。それでも大通りを進めば宮殿街にはつながっているが、果たして中に入れるかどうか。それまでに親が見つかるならそれに越したことはないのだが。不安をよぎらせながら、ついに宮殿街入口にまでたどり着いた。大きな門には門番が立ち、とてもじゃないが子供だけで入れる雰囲気ではない。(事情を話して何とかするしかないか)ここまで来て立ち止まるわけにはいかない、門番へと立ち向かう。「お前たち、親はどうした?」「迷子なんだ、中へ通してほしい」「迷子、か。なんかエラそうな口の利き方だな」門番は迷子と聞いてあることを思い浮かべたようだったが、すぐ考えを改める。「迷子なのは俺じゃない、こいつの方だ」ヨーディはレイトを指差す。レイトは訴えるような眼をしている。「迷子なら親も探してるだろ?まぁ、ここで待ち続けてもいいが・・・。 そもそも通行証がなければ、誰であろうと通すことはできんからな」(通行証がねぇから頼んでんのに・・・)「はぐれたのは昨日なんだ。家に帰った方が早いはず」ヨーディが言いすがる一方でレイトは懐を探り始めた。「昨日?それならなおさら親も探してるだろ。ん?なんだ、あるじゃないか、通行しょ・・・」門番の表情は一変し、声も上ずる。「#!’&%@*¥家の御じそく、レイト様ですか!?」レイトがうなずくのを確認するや否や、どこかへ連絡し始める。「失礼いたしました。ご無事で何よりでございます。 まもなく配下のお方が来られますので、お待ちください」ヨーディは呆然と見ていたが、ようやくレイトに話しかける。「え?なに?お前、エラいやつなの?」そう口を開くと同時に上からどつかれる。「なんという口を利いている!リヴァニア王家を知らないのか!?」「リヴァニア王家!!?」「ほんとにお前に任せて正解だったよ」レイトは微笑んだ。
2017/01/29
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翌朝、辺りはいつもと変わらず静かだ。気づいたときにはもうレイトは起き上がっていて、外に出ていた。陽を浴びたその姿は土にまみれていてもなお輝いて見える。「起きたか、行くのか?」ヨーディは行こう、と言いかけるのをやめ、家の中から何かを持ってくる。「恰好が目立つな、これ被れ」渡された布は触れるだけでボロボロと土がこぼれる。「身ぐるみはがされるよりはマシだろ?」レイトはずっとつまんだまま、動けずにいる。昨日は誰にも襲われないままここまで来られたのは奇跡だぞ。と、ヨーディはつぶやく。二人は出発する。相変わらず腹は減っているが、依頼をこなせば飯にありつけるはずだ。この想いだけがヨーディを動かす原動力になっている。しかし、水を差すような声が聞こえてくる。「お?今日もしぶとくいきてやがんな」「ちっ、うるせぇ奴が来やがった。飢え死にじゃ、死にきれねぇんだよ」こんなときに現れたのは、厄介者のビルクだ。ときどき現れては微々たる報酬で仕事を押し付けてくる。「ん、そっちのやつは見たことねぇ顔だな」そして必ず、イヤなところに目をつけてくる。「あぁ、最近知り合った。仲間がいりゃ、助け合えるからな」「なんだ、その言い草は。俺が仲間じゃねぇって聞こえるぞ?」「そう言ってんだよ」ビルクには体よく利用されるだけで、それを思い出すだけでしかめっ面になる。「まぁいい、今日は様子見に来ただけだからな。じゃあな」独り言のように吐き捨てながら去っていく。「よし、さっさと行こう」「余計な時間を食った、って顔だな」「あぁ、余計腹減った」街までは思っていたよりも苦労なく来られた。あとはどうやって中まで入るか。なぁ、ちょっといいか?そう言ってレイトは路地裏に進む。ヨーディが後を追うと、レイトはぼろ布を投げ捨てる。「恰好が目立つな、これでも被っとけ」一枚脱ぐと投げ渡してくる。「白い目で見られるのはイヤだろ?」「くそ、立場変わってんじゃねーか」
2017/01/22
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いきさつが静かに語られる。事件はその日の昼に起こった。白昼堂々、盗賊に襲われたという。「命は金にならん、荷物だけ置いていってもらおうか」「ふざけた奴らだ。捕まえて街の治安を正させてもらう」「ずいぶんと仰々しいな、血を見るのはあまり好きじゃねぇんだが・・・」会話が一通り終わると、不安げな視線に気づいて、こちらを向く。「大丈夫です、若君。何も心配することはありません」しかし、その言葉は青空へと消えていく。赤と青の光景が強く脳裏に刻まれている。お逃げください、その最後の言葉だけを頼りに街を駆け抜ける。知らない道をひたすら走り続け、いつの間にか日も落ちて町並みも荒れていた。「それで、ここで誰かが来るのを待ってたわけか」「誰でもいいわけじゃない、信用できる者を、だ」それを聞いてずいぶん変わってるな、と思う。もし、逆の立場なら信用できると到底思わない。が、人数は少ないとはいえ、何人かは通り過ぎたはずだ。そいつらに比べればまだまともに見えるのかもしれない。「ということは、家に帰りたいってことだな」目的が分かってさらに聞きたいことが増える。「見たところ街に住んでるってのはわかるが、どこに住んでるんだ? いや待てよ、・・・町並みがわからねぇんだから、宮殿街、か?」「あぁ、そうだ。走ってきた距離なんだから、そんなに遠くはなんだろ?」「まぁな、けど何事もなく安全に帰れるとは限らない」「そこのところはよくわかってる。それに、礼はしっかりとさせてもら」その言葉に決意は固まる。「よし、その依頼引き受けた。俺はヨーディ、よろしく」「僕はレイト。よろしく頼む」二人の間には暗闇の中に光が差している。だが、出発は朝まで待った方がいい。これから夜が更ければ姿をくらませながら進むことができるが、その一方で危険な輩も増えてくる。そうなるとレイトを守りながら逃げ切れない可能性が出てくる。そのためヨーディの家で寝ることにする。「外で寝るよりかはマシだろ、狭いのは我慢してくれ」小屋のように小さい家だが、二人分寝るスペースはギリギリあった。しばらく話した後、眠りに誘われる。
2017/01/15
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「あー、腹減ったな・・・」夜の町を一人歩く。今までずっと空腹に耐えてきた、これからもこの戦いは続く。こうなってはもう寝て忘れるしかない、経験上わかっている。(明日も生きていられる、よな・・・)ふわふわとした足取りで帰り道を進む。その途中、意識の奥で何やら気配らしきものを感じる。何かいる、と感じる一方でこれ以上労力は使いたくない。こんなところにいるのはロクな奴じゃない、そんなことはわかりきっている。自分を含め、ただ必死に今だけを乗り越える、今日が終わればまた明日、その繰り返し。だが、無意識に視線が移動する。どうやら相手に見られているらしい。相手は建物の陰に隠れていて未だ闇に包まれている。暗闇の向こうに対してこっちは月明かりの下、向こうからはこっちがよく見えているはずだ。この無様な姿を見れば、食い物も金もないことはすぐにわかる。改めてみてみると、服はもうすでにその役目を終えてなお働かされている。それでいてなお、相手の視線はこっちに注がれている。一体何の用があるのか、しかしそれに付き合ってやる必要は全くない。そう思ったものの、行くことにした。その理由は、(こっちに取られるものなんかねぇんだ、奪えるもんがありゃ儲けもんだな)視線に向かって歩き出した。近づくにつれてぼやけた輪郭がかたどられ始め、しゃがんでいることがわかった。「俺になんか用か?」できるだけ声を低くして話しかける。「・・た、助けてくれないか?」震える声がよどみなく響く。その姿は自分とは対照的で、土であちこちが汚れているが、きれいに整っている。(いいとこのヤツだな、こいつ助けりゃそれなりの褒美がもらえるかもしれねぇ)「俺にできることなら構わねぇが・・・、その前に食いもん、あったりしねぇか?」相手は少し戸惑いを見せたが、これしかないけど、と渡してくれた。見たこともないものであったが、考える間もなく口に入れる。「あまっ」驚いたことに相手も驚き、口に合わなかった?と聞いてきたが、すぐ否定する。「で、どう助ければいい?」と、慌てて本題に入る。
2017/01/08
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だいぶ明け暮れましたがおめでとうございます今年もゆるゆるとよろしくお願いしますまだまだ平成29年に見慣れてないんで、書き直してばかりですではでは、ぼちぼちやっていきます
2017/01/07
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