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2006/03/25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
私のことを知っていたという、前述のフリーのデザイナーさんとランチをしに行った。彼は思ったより年齢が高く、16歳になる息子がいるという。Tシャツにジーンズという格好で会社に来るので、もっと若いのかと思っていた。

デザイナーとひとくちに言っても色んな人がいて、会社に所属する人、自分で会社を起こす人、企画ごとに仕事をする全くフリーな人など様々だ。フリーといえば格好はいいが、現実的にはよっぽど才能と人脈がないと生活的には厳しくなる。それに、いい仕事ばかりができる訳はなく、おカネのために好きでもない仕事を受けるはめにもなるのだ。様々な要望に対応するために色んなアプリケーションや技術を磨くのはいいことではあるが、「何でも屋」になってしまい、何かひとつのことに名をなすことができなくなるという罠もある。

このフリーランスのジョンさんがまさにこんな人だった。何でもできるので、何も達成できていないタイプの人だ。以前勤めていた雑誌が廃刊になってレイオフされ、今はフリーの仕事を渡り歩いている。それまでにも、写真、プロダクション、デザインと何でもこなしてきたので、履歴書の焦点が曖昧で雇う側が躊躇してしまうらしい。

私が長い間就職活動をしているうちに何となく覚えたことは、企業は、あるひとつの仕事に情熱を燃やしている人や、あるひとつのことに経験が深い人を探しているということだ。私の探している編集デザインの仕事にしたって、同じ編集デザインでも商業雑誌と企業雑誌(業界紙)、ハードカバーの本や文庫、新聞など細かく別れている。私がぶうぶう文句をいいながらも今の商業雑誌で働いているのは、一度ここから離脱すると、履歴書上良くないからなのだ。仮に新聞デザインの求人があったとしても、私はデザイナーであるが「新聞」デザインの経験がなく、企業側は少しでも「新聞」デザインの経験のある人を雇う。もちろん例外だって多々あるとは思うが、概してそういうものなのだと思う。

こういう企業のコンサバな現状にはタメ息がでる。結局狭い世界で人がぐるぐると回っているだけなので、私の前の子供雑誌のアート・ディレクターがジョンさんの今の上司であるというのも、とりたてて不思議なことでもないのだ。広いと思っていたニューヨーク、なんと狭いことだろう。

そして、正社員になった幸運なごく一部の人以外、私やジョンさんのように雑誌を発行している企業の外を衛星のようにぐるぐると回るフリーランスになるのである。

それが嫌なら別のデザイナー職になればいいのだ。編集デザインを辞めれば、封筒や名刺やチラシやパンフレットやダイレクトメールを作る会社は結構募集している。そういうのが好きな人はいいが(実際好きな人多いし)、私は紙やインクを選び、業者と値段交渉をしたりという雑務の多いデザイン会社の仕事が余り好きではない。辞めたいと思いつつ、次が決まるまでは、今の会社を辞めるのは得策ではないのだ。クビになったら別だけど。

ジョンさんは言う。
「今度はフォトグラファーのレップ(仕事の斡旋屋)を友達と立ち上げようという話もあるんだよ」

「いろんな企画が頭の中にあるんだけどね。今はキミの隣で、しがないフリーランスさ」

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Last updated  2006/03/29 05:06:56 AM
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