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楽天ブログを開設して、今日で10周年となりました。10年のあいだに、うるう年が3回あったので、3653日での達成です。当時は、ホームページと掲示板くらいだったウェブに「ブログ」が登場し、楽天は「日記」という名前でサービスを提供し始めたので、「なんでインターネットに日記を公開するんだろう?」という素朴な疑問をもったまま、興味本位でアカウントを作ったのを憶えています。その後、疑問が解消しないのでしばらく放置してしまい(笑)、次に一転して毎日書込みをする日が続き、最近は事務所にいる日に無理なく書く程度で落ち着いていますが、結局記入率は5割に届かず、内容もなんでもありでドランクン・ライターの「野次喜多道中膝栗毛」のようなブログになっています。今日の10周年を期に、これまでの内容を少し見返してみたら、最近は雑誌をきっかけに往年の情熱が復活してしまった蒸機のネタが多いことに気づきまして、最近新たにRAILWAYSブログをスピンアウトさせました。これで、開設しているブログの数は19となりました。http://mack-inomata.cocolog-nifty.com/これからも、努力せず反省せずをモットーに(?)、適宜続ける所存でございますので、相変わらず引き続きのご贔屓のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。感謝!
2013年02月28日
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BERNACHONは「ベルナション」と読みます。フランスのショコラトリー(チョコレート店)の名称です。先日、ここのチョコレートを頂く機会があったのですが、その美味しさに驚いて、思わず声を上げてしまったほどでした。私がいただいたのは、Le cube de Palets d'orという、メゾンのスペシャリテで、親指の先大くらいのキューブ型チョコレートなのですが、ひと口食べると、50%くらいのビターチョコレートのなかに、冷たさを感じる上品な甘さのスムーズなガナッシュクリームが隠れていて、あくまでチョコレートの香ばしさと甘さが口のなかで溶けながらも、それと同時に苦味と香りが鼻腔に抜けていく複雑な大人の味わいです。さらに、ガナッシュクリームの奥底には、本当に極々微量のバターが閉じ込められており、最後のフィニッシュのところで若干の酸味を感じる小技が効いていました。その結果「おぉ!」と声を上げてしまったのです。本当に本物のチョコレートとは、こういうものかと思いました。さて、このベルナションというお店ですが、フランスの南東部にある都市リヨンにしかありません。パリでも、タブレットと呼ばれるキューブ型のチョコレートは一部で入手できるようですけれども、芸術的ともいわれるケーキは、リヨンの本店でしか食べられないそうです。もうお分かりかと存じますが、そう、ベルナションは、チョコ好きのなかでは、ブランドのなかのブランドなのです。ブランドという観点、あるいは市場的な視点からいえば、ベルナションとは、・フランスのショコラトリーで、・リヨンに1店舗しかなく、・今では数少なくなった、カカオ豆のブレンドからチョコレートを製造する、・今年で創業60年の老舗で、・毎日美食の街リヨンの人々を唸らせている。と形容されるでしょう。しかし、ショコラティエの業界でのブランドといえば、・ベルギーのブリュッセルで、・ベルギー王室御用達で、・一番古いメリーは創業1942年、・みなさまお馴染みのゴディバは、世界中に1000店を超える店舗展開をしている。とブランド力の違いを感じさせます。さて、ここで出てきた「ブランド力」という言葉を、少し考えてみたいのですが、「ブランド」とは、経営学的には超過収益力と説明されますので、ブランドに消費者を惹きつける魅力があれば、ない企業に比べて売上も利益も差がつくことになります。上記の例でいえば、ゴディバは正しくその通りでしょう。では、ベルナションはどうか?一部のチョコレート・マニア(そう、チョコレートにはマニアと呼ばれる人々が存在する)だけに、熱狂的に受け入れられている、やはり強力な訴求力をもつブランドです。ならば、ベルナションもゴディバのように、世界中に多店舗展開すれば、現在とは比較にならない収益を上げられるのではないか?しかし、これはベルナションを知らない人、あるいは一人歩きする「ブランドだけ」を愛好する人の意見です。ベルナションをベルナションたらしめているのは、独自にカカオを輸入、ブレンドして、焙煎するからこそ生まれるフレッシュで複雑な味わいです。これは、残念ながら現代のハイテクを駆使して、衛生管理された近代的な工場を世界中に散らばせて、100%自動生産をしようとしても作れないでしょう。なぜなら、合理性が特徴の機械生産では皮肉にも非合理性が求められるため、経営合理性を失ってしまうことと、消費者である人間の味覚の方がはるかに高性能だからです。ベルナションは、そこに立脚して美味しいチョコレートを提供し、顧客はそれを欲してリヨンの店舗へやってくる。この強さこそが本物のブランドではないでしょうか。そして、この強いブランドを作り出している本質は、他のショコラティエが手掛けるのを止めてしまった「手作り」にあり、その違いがブランドを作り出している。昨今は、ブランドという言葉が、証券化されたがごとく、いとも簡単に一人歩きする社会になっていますけれども、本質的なブランドは名前だけが勝手に歩き出すようなものではありません。昨今では、よくブランディングと称して、ブランドが論として語られ、差別化という言葉と一対になって用いられて賞賛されていますが、差別という言葉が、本来誤った視点から使われるものとして賞賛に値しないのと同様に、ブランディングという言葉もまた誤った視点から使われていることに気づくことが、本来のブランド成立の第一歩と言えます。けだし、違いを作り、受け入れられ、その違いに名称がついたものがブランドだからです。本質的な差異化を訴求し、強く長く受け入れられるものこそが、商売的にも、販促的にも、市場的にも、経営的にも、ブランドと呼ばれる資格に値するでしょう。他人と違うことから始めましょう。※この記事は、メルマガ記事の加筆・修正版であり、ビジネスに関する情報はメルマガを優先して公開しています。いち早く最新情報をお読みになりたい方は、まぐまぐから無料でメルマガ登録できます。 感謝!
2013年02月27日
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上野の国博で開かれている書聖 王羲之展を観てきました。王羲之という名は、書を習った憶えのある人なら誰もが知っているというほどの有名人で、死後1700年余りが経過した現代でも神様級の扱いなのは、「書を芸術にした男」という展覧会サブ・タイトルでも明らかでしょう。国博の平成館の前に立ったとき、そのあまりにもコマーシャル寄りのコピーに驚きましたが、書聖というレッテルだって本人の意図とは無関係だったと思います。とはいえ、この人の字が人類史上最高峰であることは疑いのないことを発見する展覧会でもあります。現代でも日常的に漢字を使用する唯一の国民国家である日本人にとって、もっとも美しい言語表現に触れられる非常に貴重な機会だと解釈したら、今回の展覧会は正しく国博の仕事であったと断言してよいでしょう。さて、肝心要の王羲之の文字ですが、現存していないという致命的な問題を乗り越えてをなお、孤高の存在感に充ちています。その美しさというべきか、存在感というべきか、オーラというべきか、そういう言語を超えたものでありました。特徴を問われれば、横画がきちんと整って並んでいて、対して斜め画は抑圧された横画と対比するように、力強く(あくまで比較として)自由奔放に長く引かれています。もちろん文字には縦画もありますが、縦画は全体のバランスを取るように自由かつ絶妙に空白を埋めています。一文字を取ってみれば、特段に美しいというほどではなく、絵画に例えればピカソと同じようなものでしょう。しかし、視野を広げ全体を鳥瞰してみると、富士山の頂上から雲海の下の大地を眺めるように美しい。それは一見なんということもない一文字一文字が完璧な安定感で、隙なく、小手先の技術ではなく、当然ごまかしもなく書かれていることから成り立つ圧倒的な構築感と言ってもいいでしょう。この高度なバランスの完璧な安定感こそ、誰もが学びたく、しかし誰もが到達できない書の世界の境地なのです。まっさらに白い紙の上に墨を落としていくということは、行為の前に意識のレベルで完成していることが必要であり、それを形に完成させるには手に脳あるいは意識もしくは自律神経があるに違いありません。それこそが字を書かせる書聖の正体であり、哲学でもありましょう。感謝!
2013年02月26日
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毎度おなじみ特選外車情報の月刊誌。特選外車情報F-ROAD(エフロード) 2013年3月号 (雑誌) / マガジンボックス現在発売中の3月号の特集はランボルギーニのカウンタック論で、興味深い記事が掲載されています。それは、表紙にもあるように、カウンタックはイオタの化身だという仮説です。自動車評論の業界は、その社会的認知度に比べて市場の大きさはさほどでもないようで、誰かが新説を唱えるとすぐに議論が始まるのを耳にしますが、このJの化身というのは目新しいものではありませんけれども、世界中では他に耳にしませんので、ユニークな説として捉えられているようです。さて記事の内容ですが、冒頭に企画当初はミウラとカウンタックを試乗してのインプレ記事だったとエクスキューズから始まっていて、読み手としては裏側を暴露して大丈夫なのか?と心配になりますが、記事を進むにつれて分かってきます。詳細はもちろん紙面に譲りますが、Jの化身論はランボルギーニの歴史と生産車、生産技術などの諸点から結論付けられる推論ですが、一方で素朴な疑問も存在し、それはキーパーソンとして登場するボブ・ウォレスの役職がテスト・ドライバーだったということに由来します。一介のテスト・ドライバーが車両開発の方針から生産技術まで決定する権限を持っていたのか?ということです。推論だから仮説として成立するし、雑誌だから読みものとして面白いし、だからいっそのこと検証までして欲しい、というのが熱心な読者の率直な感想です。これまで幾度となくJの化身論が発表されてきましたので、ここまできて本人がアメリカでご存命というのですから、ぜひとも本人にインタビューをして、さらにビッサリーニやガンディーニなどにも裏取りをして、マガジンボックス社の仕事の結晶として発表をしてもらいたいと思います。ならば、不況や世知辛さやマイナーなブランドイメージから、景気やビジネスやその他多勢と隔絶した、歴史のなかの仕事をしたことになるでしょう。だから、我々は集大成が完成するのを期待して待とうと思います。そのきっかけになるであろう特集記事でした。感謝!
2013年02月25日
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小田急線の下北沢駅が明日、地上から地下ホームに変更になるそうです。つまり、本日が地上線の最終日です。下北沢というと、シモキタの愛称で親しまれる学生の街として有名ですけれども、私は小学生の頃からうろちょろしていましたので、深い思い入れのある街です。その街から、中心的なシンボルの駅が姿を消すというのは、とても寂しい出来事で、厳しい寒さは去って早く暖かくなってほしいと思うのと同時に、今年も別れの春がやって来たのかとも思います。今日の最終運行後に地上線を撤去して、地下に敷設済みの新線と繋ぎ替え、明日の始発からは地下鉄よろしく地下ホームになるわけですが、すると下北沢駅前は、戦後の闇市の名残りである下北澤驛前食品市場に代表される貴重な世田谷の風情と一体となっていた景色も変わることになります。昔の駅によく看られた、駅ホームに迫り出す信号放送案内室も過去の風景になるでしょう。これで、昭和の景色がまたひとつ消えることになりました。間違いなく、確実に、時間は不可逆なものとして流れていることを感じます。追記:小田急線下北沢駅の地下化は、2月23日ではなく3月23日でした。記事を参考にされた皆さま、関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありませんでした。感謝!
2013年02月22日
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飲んでから随分と時間が経過してしまったので、もはや細かいテイストはすっかり忘却の彼方になりましたけれども、せっかくですから、ご紹介しておきましょう。ひとつ目は、CARN MORというブランドのシングルカスクで蒸溜所はトマーティン、アルコール度49.8というもの。私は、このときトマーティンを本当に久しぶりに飲んだのですが、以前の機会というのは、何も知らない学生のときに、ただ「安い」という理由だけで購入したオフィシャルの印象があまりしっかりしたものでなかったので、ただ酔いたいというときに消化した記憶があって、バーテンダーさんから勧められたときも、いまいち乗り気ではなかったのですが、ボトラーズのアルコール度がウリではないという点に興味をそそられ飲んでみましたら、思いのほかフルーティでまろやか、スペイサイドの良さが出ている一本だと思いました。このことは、私自身があまりスペイサイドは好みではないということを改めて発見する機会でもありました。もう一本はポートエレン。26年もので、56.9%ポートエレンを頼んだということは、ピートと樽熟成の高いバランスを求めたということなのですけれども、1979年の蒸溜というのは、その後の蒸溜所閉鎖直前に比べてピート濃度は高くなく、むしろソルティな風味の方が前面に出た味わいでした。考えてみれば、昨今はビールの分野ではホップの香りを利かせ、ウィスキーの分野ではピートやシェリーの香りを利かせた風味を強調する味が多いのですが、本来の味わいの方に特徴のあるウィスキーというのはあまり見かけません。そういう意味で、大変貴重であり、いつまでも無くなってほしくない、ゆっくり味わいたい一本だと思います。さすがはブラッカダーと嬉しくなりました。感謝!
2013年02月21日
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シングルカスクの試飲会では、実際にテイスティングをする前に「シングルカスク」の説明が行なわれました。これも、マニア垂涎の企画です。シングルモルトが好きだと仰る方がバーに通ったりするようになると、そのうちに変わったボトルとか、珍しい銘柄を珍重するようになることは、自然なこととしてよくあります。それは例えば、オフィシャルボトルの12年からスタートして、17年、20年、25年と単一蒸溜所のバリエーションを試したい、あるいは様々な蒸溜所のオフィシャルボトルを試したいというところから一歩進んで、限定生産の商品を試したい、ボトラーズの商品を試したいのと同様に、単一の樽の強い個性に興味をそそられるのは自然なことでしょう。そのジャングルの奥地にある秘境のようなところが、シングルカスク愛好だと思います。私もすっかり虜になってしまっていると白状します。ここまで来ると、この先は独自ブレンドしかフロンティアが残されていませんので、シングルカスク好きこそが通だというような雰囲気がありますが、それは落とし穴であって、さらにブレンドに進むとか、カスクの個性違いからウィスキーをデザインする嗜好に進むというオプションもあると思います。とはいえ、いかに樽の種類で分類ができたとしても、厳密に考えればひと樽ひと樽違いがあるわけですから、整理は仕切れず管理の分野になってくるわけです。その整理と管理の最大活用が、美味しいウィスキーを作るもうひとつの要素でしょう。一般に、スモークやピートの香りとか、シェリーの甘さとかが個性の代表のように語られることが多いですけれども、味わいのうち大きな部分を占めるボディやミドルのテイストは、酵母や樽が作っているからです。酵母によるバリエーションは作り手だけが知る特権ですが、樽のバリエーションは、先の整理の知識で素人でも対応が可能になるはずですので、その引き出しを多く持てると、飲み手の経験値だけでなく、ブレンダーの基礎素養としても大切な財産になると思われます。セミナーでは、シングルカスクができる工程を教えていただいたのですが、これは先の管理の知識ですね(笑)感謝!
2013年02月20日
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少し前のことになりますが、友人とバーへ飲みに出掛けたら、その日はウィスキーセミナーの開催日でした。バーにはキャパシティというものがあり、セミナーは申込み制ですので、当然その日は貸切状態になっているわけです。しかしそこをマネージャーが機転を利かせて、なかに入れてくれました。当日はどうやら試飲会だったようで、2本のシングルカスクを前にブレンダーがその商品の解説をしてくれるという、業界の仕組みを知っている人なら垂涎のような企画で、我々はなんとラッキーかと喜んで会場の人となったのでした。今回の試飲の対象は、余市の18年ものと宮城峡の10年もので、あえて特徴を分かりやすくするために、蒸溜所も熟成年数も大きく振ったものを提供したようです。細かいティスティングノートは、私も書き出したのですが、いま手元にありませんので、ブレンダーのノートを写しておきましょう。■シングルカスク余市 1994樽番号:400749 樽詰日:1994年2月2日アルコール分:62% 樽種:リフィルバット香り:しっかりとしたボディと樽熟成香。甘いオークの香りとビスケットのような麦芽の香ばしさが豊か。クリーミーでスィート、穏やかなピート香が全体を包み込む。陽だまりのガーデン。味わい:オーキーでバニラのような甘さ。あたたかでわずかに土っぽい。厚みのある味わい。ほろ苦いビター感が心地よい。フィニッシュ:穏やかで塩あめのようなピートの余韻。■シングルカスク宮城峡2002樽番号:102949 樽詰日:2002年12月13日アルコール分:62% 樽種:リフィルバット香り:トップに華やかなフルーティさと薔薇のようなフラワリーな芳香が立ちのぼる。マスカットを思わせる爽やかさとふくらみ。モルティでやわらか。エレガント。優雅で貴婦人のようなたたずまい。味わい:シルクのようななめらかな舌ざわり、軽快でスイート。ドロップのような甘さと麦の香りが口中に広がる。フィニッシュ:すっきりとしたフィニッシュ、ややドライなキレ。感謝!
2013年02月19日
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チョコレートに合うお酒といえば、ブランデーとウィスキーが代表格ですが、なかでもウィスキーは「ボンボン」という名前のついたお菓子があるくらいですので、おなじみでしょう。ハーフ・ビターの、フレッシュで複雑なチョコレートに似合うウィスキーといえば、若いピートでモルティングしたヘザー香豊かな、例えばハイランド・パークのようなものが最適ですが、かのボトルはデザインを刷新してから原酒も若めになったようですので、今回のチョコレートに負けてしまいます。そこでご登場願ったのが、海を隔ててメインランド側、ハイランドのなかでも最北端に近い、クライヌリーシュ蒸溜所のヴィンテージ38年ものでした。これならば、フレッシュで複雑なチョコレートと自信を持ってベストマッチといえるでしょう。フレッシュなチョコレートが求める熟成感と、甘いチョコレートが求めるキレのよいアルコールとが同居しています。ここまでは、チョコレートとウィスキーのマリアージュの話ですが、個人的なことを記すのを許していただけるのならば、こういう味わいこそが、私の好みの味だと改めて教えてもらえる機会でもあるのです。すなわち、風味豊かで、素材の甘みがほんのり薫り、しっかり熟成した味わいがフルボディの上で踊りつつも、その過程ではヘザーの蜂蜜のようなアロマと、トーストブレッドのような乾いた麦の味わいが彩り、フィニッシュは長すぎず短すぎずドライに切れ上がる。どこか、田舎にでも帰省したような、温故知新を感じさせる味覚です。それは、焙煎による不均一な焦げ臭さであり、手作りによる手間のかかった熟成感であり、忘れたころに再び強かに感じさせてくれる新鮮さそのものです。しかし、こういったものこそが、長年人間が生活する過程で蓄積してきた文化というもの、また洗練を経たその頂点ではないかとも思えます。世界の極西で作られたものを、極東にいて頂けるというのはだから今生の幸福であるに違いありません。感謝!
2013年02月18日
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今年のヴァレンタインは、フランスのショコラをいただきました。「ベルナション」と読みます。普段あまり甘いものは口にしませんが、チョコレートは例外で、ビターチョコレートは子どもの頃から大好きです(笑)。さて、このベルナションというショコラティエはパリではなく、ベルギーのブリュッセルでもなく、リヨンにただ1店舗だけを構える、今年で創業60周年の老舗だそうで、いただいたのはLe cube de Palets d'orという、メゾンのスペシャリテです。これが親指の先大くらいのキューブ型チョコレートなのですが、ひと口食べると、50%くらいのビターチョコレートのなかに冷たさを感じる上品な甘さのスムーズなガナッシュクリームが隠れていて、あくまでチョコレートの香ばしさと甘さが口のなかで溶けながらもそれと同時に苦味と香りが鼻腔に抜けていく複雑な大人の味わいです。さらに、ガナッシュクリームの奥底には本当に微量のバターが閉じ込められており、最後のフィニッシュのところで若干の酸味を感じる小技が効いていました。そして、ハードな外側とソフトな内側との食感のコントラストは上等なフライや天ぷらを想起させます。もう、これはもはやお菓子のカテゴリーではなく、高級レストランの一皿と同等のカテゴリーで語られるべき、大人の人生のパートナーのようなショコラで、男にとってのクルマ、女にとってのジュエリーのようなものでしょう。まさにこの寒い冬の時期に、暖炉で暖まりながら食べたい美味しさです。日本にいて、このショコラティエを語るなら、ただ1店舗リヨンにしかないとか、美食の街リヨン人をうならせるとか、手垢の付きそうな形容詞で語られることになるのでしょうが、そんなお手軽な演出を振り払った先に、はじめて本物の美味しさとして扉を開いてくれるような世界の代物です。気になるお値段は、キューブ1個500円ほどといえば、おそらく泣く子も黙るでしょう?次回はリヨンまで出掛けて体験したいですね。感謝!
2013年02月15日
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昨年も書きまして、1年ぶりのパート2でございます。冬の風物詩といいますか、毎年恒例行事といいますか、柿の木の剪定作業をいたしました。柿の木というのは、毎年非常に多くの枝を出して成長しますので、剪定をして枝を落とさないでいると、数年で10メートル伸びるなんてことも珍しくありません。都会/地方に限らず、非常に背の高い柿の木があるのは、冬の時期に剪定をしなかった証左ですが、もし柿を捥がずに生らしておくのならば、それは秋に美しい日本の風景を演出してくれるので、それも由と思います。然れども、秋に美味しい柿を捥いで、澄んだ空気と冷たい水から点てたお茶を味わいたいならば、この寒い時期の剪定は必須作業というわけです。そういうわけで対峙する柿の木はこんな状況。去年の1年間で、枝が先に伸び、さらに太い枝のあちこちから新芽が伸びています。これを放置すると祭りになってしまうので、思い切って真っ直ぐ伸びる枝を止めます。これらの剪定前/選定後の写真を見ると、こんなに切ってしまうのかと思われるでしょう。単なる剪定だけなら、ここまで切ることは稀ですが、木全体の大きさを一回り小さくしたいので、最先端の一つ手前の節で落としているのです。作業に入る前に、木の全体を眺めると、どこにどうやって鋸を入れたらいいのか皆目見当がつかないものですが、場数を踏んで経験豊かになってくると、木の下から眺めたときにどこに鋸を入れたらよいかイメージができるようになります。あとは精度の問題ですが、この精度を高めていることができれば、名人級にもなれるでしょう。今年はターさんに近づけたかな!感謝!
2013年02月14日
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今年は、正月以来の不摂生が積もり積もって現在ダイエット中です。先日の週末も、多摩川の土手を朝からジョグして小腹が空き、「さて脂肪を燃焼させたところで、健康的な食事でも美味しくいただこうか」と思いながら川から戻ってくると、津久井道の辻からなにやらいい香りが漂ってきます。辻の角にあったのは、歴史の風格を感じさせる昔ながらのとんかつ屋さんで、今や暖簾を出して開店しようかという間際でありました。そうとなったら、こちらも急いで戻って着替えて出直し、さっそく何を注文しようかと思ったところ、ランチメニューのホワイト・ボードに書かれていたのは「おさしみ定食」なる、魅惑的な言葉が踊って(文字通り踊って♪)おりました。そこが進むか戻るかの思案橋でございまして、ならば、ええいままよと両方頼むのが正攻法でございます。聞くところによれば、釣り好きのご主人が海で釣ってきた成果をお店に出しているそうで、それがとんかつ屋さんに刺身定食が堂々と並ぶ理由だそうですが、それ以上に堂々としているのはもちろん市場からではなく、産地直送の魚の鮮度の良さ。いわゆる釣れたての魚がもつ「モチモチ感」があって、身が輝いているのです。後からやって来た常連さんと思わしき御仁は、椅子に腰掛けるなり「おさしみ」の一言でオーダー完了。後は楽しみに待つだけと言わんばかりに無言でございました。もちろん刺身だけでなく、手前に並ぶヒレかつの揚げ具合ですが、衣はさくさく中はジューシーで、これも素材だのご主人のこだわりだの何処からか見つけてきた理由の逸品だのではなく、間違いなく年月を積み重ねて築き上げられた技術というものでしょう。だからこそ、ここは本物なのです。美味しゅうございました。ダイエット頑張ろう♪感謝!
2013年02月13日
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JR東日本が蒸気機関車1両を新たに復元するとのニュースは、昨年秋に報道を見て驚いたことのひとつでした。驚いたのは、すでに3両の蒸機をイベント列車用に動態で保有しているのにもかかわらず、更に1両増やすということであり、ひと言で言えば蒸気機関車のニーズが高い、もう少し具体的に蒸気機関車のレストアに1億円、さらに各種運行設備の整備や乗務員の養成、保守体制の構築等々の総費用込みで約10億円近くを投資をしても算盤が合うという、市場の強さを感じたからです。これは、上場企業が営業として列車を走らせるのですから、震災復興とか蒸機技術の継承などの項目が報道では優先されていますけれども、採算が合わなければ復旧の見通しが経たない路線が続出しているなかで説明がつきません。驚きはともあれ、蒸機好きとしては諸手を挙げて大歓迎すべきニュースで、その後師走に入って復原作業の進捗状況が報道公開され、大宮工場内で修繕が進んだ秩父の363号機と共に並んでテレビ画面に収まっていました。報道によると、長年の静態保存で動輪に歪みが出ているとのことで、ボイラとともに大阪へ送られ、こちらは住金で修正されるのでしょう。動輪といえば、昭和11年刊行の「図解 機関車名稱事典」によれば、車軸はSF54、輪心はSC41、タイヤはTY80、クランク車軸とクランクピンはSF54に使用材料が指定され、輪心が柔らかいことが分かります。図を見るとスポーク動輪ですが、書籍刊行当時はボックス動輪といえばD51しかなかったわけであり、とはいっても国鉄の金属材料記号は規格化されて共通だったことから、ボックス動輪のC58も同様でしょう。もっとも現代なら素材の調査など朝飯前だと思います。それよりも、SC41のCは鋳造を示しており、スポーク動輪と同様にボックス動輪の輪心も鋳造ですから、その歪みを直すとなると相当の技術力が要求され、失敗は許されないような種類の工事ではないかと思います。よもや失敗したとして他の静態機から動輪だけ流用するようなことも現実的ではないでしょう。C58という形式だけとるなら、363号機で蓄積したノウハウが活きますが、復原は国鉄時代の大宮工場ですから現在とは直接無関係で、復原ノウハウは昨今のC57以降の技術活用となるはずです。そんななかでの動輪心の修正ですので、これまでとは一段異なる復原技術へのチャレンジだと思いますが、なんとか成功に漕ぎつけて元気よくドラフトを響かせてくれる日を待ちたいと思います。感謝!
2013年02月12日
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穴があったら入りたいと申し上げた私めのために、T社長がご馳走して下さったウィスキーというのがこれです。ザ・ディスティラーズ・エディション/ラガヴーリン・ダブルマチュアードオークラのバーというのは、モルト・ウィスキーのボトルが200本以上もズラッと並ぶ、それは壮観な風景のカウンターなのですが、高鳴る胸の興奮をなんとか抑えて冷静に見回すと、それは錚々たる高級なボトルばかり(例えばカリラの32yoとか)なので、簡単に「それ美味しそうだね、じゃあよろしく」というわけにも参りません!そんななかで久しぶりに出会って懐かしかったのが、このラガヴーリンのディスティラーズ・エディションです。日本で出会うのは初めてで、前回は蒸溜所を訪問したときに、蒸溜所限定ボトルとして説明を受けたものでした。ひと口含んでそのことを思い出しました。現在では定期的に日本にも入ってきているようで、検索するとペドロヒメネス仕上げとか何とか表現されていますが、ペドロヒメネスって何だ?と思ったら、シェリー酒の銘柄のことだそうですね。ラガヴーリンのオフィシャル16年は、ピート強くヨード香強くアルコール強い、プロボクサーのストレート・パンチのような破壊力抜群のウィスキーですが、こちらはシェリーの甘さが上品にコートされた逸品で、蒸溜所限定として幻性を出してもいいのではないかと思います。テイストとしては、ダブル・マチュアードのラベルの通り、いつものラガヴーリンの原酒をシェリーバットに詰め替えてマリッジさせたものでしょう。シェリー原酒特有のシェリーボディともいうべき舌に纏わり付くような甘いコクはなく、あくまで全体の印象を上品にするギリギリの割合で熟成しています。これは、ラガヴーリンの個性を知り尽くしたうえで、さらにその上をいく装飾を施すことができる一級のブレンダーや蒸溜長の技術の賜物です。穿った見方かも知れませんが、蒸溜所限定モルトが一般の市場に流通するようになったことを考慮すると、これはディアジオの商品企画力と製造管理能力とマーケティング力の総合力の勝利かもしれません。それが証拠かどうか、改めて同社のクラシックモルト・シリーズを眺めてみると、私の好みのボトルばかりが並んでいるではないか!だから、これぞプロの見識だと恐れ入るのです。感謝!
2013年02月08日
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Merci pour vos messages d'anniversaire en sns ( ´ ▽ ` )ノ et me aussi désolé de ne pas avoir répondu´~`,j'ai passé mon anniv au fond de mon bureau!昨日は誕生日でした。標題はフランス語の誕生日の意で、けして表参道の結婚式場ではありません(笑)。あろうことか、携帯を忘れてしまったため、電話が不通となってご迷惑をおかけしてしまったり、お祝いのメールを頂戴したのですが、返信が今日になってしまったりと、相変わらずの不始末に、迷うどころか恥じ入るばかりでございます。大変有難いことに、こんな私でも前日にはオークラで印刷会社のT社長からマティーニをご馳走していただいたり、昨晩は成城の寿司屋で好みをご馳走になったりと、私めは果報者でございます。この一年は、迷わず気負わずなお一層精進のうえ、皆さまのお役に立てますよう、限りある時間を無駄にせずに投入して参りたいと存じます。新たなディケイドの始まりに、今後ともご贔屓の程、どうぞよろしくお願い申しあげます。感謝!
2013年02月07日
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昭和15年7月24日 日本車輛 製造昭和15年8月 追分機関区 配属昭和15年10月 函館機関区昭和20年8月 尻内機関区昭和43年10月 厚狭機関区昭和47年4月 廃車(走行距離 2,030,683km) 交通博物館展示(前頭部・キャブ部)という車歴なのですが、現在でも”走っている”機関車となっているのを知りませんでした。神田の交通博物館で展示されていたときは、前頭部が博物館入口近くの外にあり、キャブ部は博物館内にあったのは記憶していました。その後交通博物館が閉館になり、鉄道関連の展示が大宮の鉄道博物館に移転する際に同時に移動されて、ただ同じように展示されているものとばかり思っていたのですが、同博物館の展示物の目玉として蒸気機関車の運転シミュレータが開発され、そのキャブとして再活用されたとのことでした。機械モノの操縦訓練施設として、シミュレータによる習熟を行なうのは、航空機をはじめとして鉄道や、昨今ではF1のようなレーシングカーでも取り入れられていますけれども、すでに現役期を過ぎた蒸気機関車で運転士シミュレーションシステムを作るのは、実用性の観点から第一級品とはいえないのではないか?と思ったものの、よく考えてみればJR東日本には3両の現役蒸機があり、他社の機関車の整備等も入れれば7両の動態保存に携わっているわけですから、第一級のニーズがあることに思い至りました。そうなると、蒸機のシミュレータとはどんなものなのか、と思って運転台に座ってみましたら、これがまったく本格的なシミュレーターとなっていて驚きます。聞けば、普段は来館者が利用できる体験施設として使用されていますが、必要なときにはJRの乗務員訓練設備として、業務上の研修でも使用されるそうで、もちろん技能を評価する定量的な計測システムも装備されているそうです。機関士席で機器類を操作すると、加減弁も逆転ハンドルも弁類も思いのほか軽く、実際の蒸機とは操作感は異なるだろうと思いましたが、しかし欲張って加減弁を引き、逆転ハンドルを絞るとキャブの振動が大きくなって空転状態を再現する精密さで感嘆しました。もちろん運転に必要なインフォメーションとしては、眼で観る前方だけでなく、排蒸気等のドラフト音や振動等も提供されるわけですから、いわば五感を総動員して機器類の操作に当らなければならない点は、まさに蒸気機関車の運転そのものといっていいでしょう。早く機関車の限界を肌で感じ取れるようになって、勾配線区にチャレンジしたい気持ちが掻き立てられる対象です。不惑に際して、大いに迷うものを見つけてしまいました。感謝!
2013年02月06日
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さて、先日の朝刊に興味深いニュースが掲載されました。2007年に富士スピードウェイで開催されたF1日本グランプリの運営トラブルで、主催者に責任を認め賠償を命じたものです。原告の訴えは、・来場手段に限定されたシャトルバスがスムーズに運行 されず競技観戦や帰宅に影響が出たことと、・3時間に亘る限度を超えた待ち時間、・トイレ不足、等です。これに対し判決は、シャトルバス運行の管理と確保、長時間の待ち時間に対して過失を認め、一方トイレ不足は大規模なイベントであることによる想定の範囲内として請求を棄却する、妥当な内容だと思われます。今回あえて本稿で取り上げるのは、原告の主張をみると・実損害より精神的苦痛の割合が大きいことと、・その賠償の確定にイベント後5年以上も経過したこと、・そしてなにより、事案の内容が「補償」ではなく 「賠償」だということです。この事案については、イベント開催時にニュースとなり大きく報道されましたので記憶にありました。これだけ社会性が高くなった事案ですので、私は当然主催者が補償をして解決済みだろうと思っていたのですが、今になって判決が出たことに驚いています。なぜこのような事態になったのか。じつは、このイベントは私も友人から観戦に誘われ、結果行かなかったのですけれども、現地の状況は報道より詳細に知っていました。その友人からの話では、レーシングカーが走るサーキットコースに対して、観戦スタンドの設置角度が緩かったため、スタンド上段の人たちはコースが見えず「音が聞こえるだけ」だったそうです。今回の原告全員がこういった人だったとは限りませんが、積もり積もった不満が「補償」で決着できず、「損害賠償」になってしまったのでしょう。しかし、その結果が約1950万円の請求に対して約80万円の認定です。5年の期間を要したことや訴訟費用を考慮すると、誰のためにもならない不幸な事件だったといえます。被告でイベント主催者の富士スピードウェイは、賠償額が大幅に減額されたため、一見よかったように見えますけれども、この会社はトヨタの子会社ですので国際的に大規模なイベントで補償対応が上手くいかず損害賠償訴訟となってしまったのは、非上場とはいっても看板に傷がつかなかったとはいえないと思います。今回の事案は、イベント開催の運営に対して過失責任を認めた判例となりますので、今後開催される大規模イベント、例えば誘致が成功した暁の「2020年東京オリンピック」などでも運営指針として影響が及びます。判決の内容は、請求に対して妥当な判断をしたとはいえ、認定額は事案によって変動しますので、運営ノウハウと損害賠償リスクは背中合わせの関係、と明らかになった先例になるでしょう。今回の事例はイベントだったとはいえ、オペレーションの巧拙と利益が直結しているのは、事業経営一般に通じることに違いありません。※この記事は、メルマガ記事の加筆・修正版であり、ビジネスに関する情報はメルマガを優先して公開しています。いち早く最新情報をお読みになりたい方は、まぐまぐから無料でメルマガ登録できます。 感謝!
2013年02月05日
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「あかし」という名のウィスキーのことは、お恥ずかしながら今まで存じ上げませんでした。ひょんなことから寄り道した酒売り場で見つけたもので、何か珍しいシングルモルトはないかと思っていたら、正に珍しいものを見つけた!という具合です。あかしというのは兵庫県明石市のことで、ご当地にある江井ヶ嶋酒造というマルチ酒造メーカがウィスキーを製造しています。メーカの名前は、購入してからそういえばと思い出したのですが、シングルモルトを出しているところまで調べていませんでした。裏ラベルをみると「瀬戸内海を望むウィスキー蒸溜所で造ったモルト原酒をシェリー樽、バーボン樽等で貯蔵し、バッテイングしました。地ウィスキーならではの、特徴のある味と香りのシングルモルトウィスキーです。」と書かれていて、確かにシェリーの甘さとバーボンのバニラテイストが順番に現れるウィスキーです。あまりの珍しさに目を奪われてしまって即買いをしたのですが、よく看るとラベルにも外箱にも熟成年数の表示はなく、若い原酒おそらくは3~5年程度の熟成のものを多く使っているのではないでしょうか。アルコール度数は46度ですが、エステル香が非常に強く舌の上で未貯蔵原酒の特徴であるパチパチと跳ねるような刺激感がします。しかし私個人的には結構好みのタイプで、一般に美味しいウィスキーといえば熟成年数長くシェリー原酒で甘い風合いをつけた「飲みやすいお酒」というワインの販売ストーリーのようなものが多いなかで、原酒樽の甘い風味はするものの野趣溢れる強い酒を主張する個性は昨今では貴重な存在です。このウィスキーをベースにハイボールを作れば、きっと新しい感覚の大人向け本格ハイボールができると思いますし、ブランデーやカルヴァドスと同じように考えればスィーツに使う新用途もみつかるでしょう。改めて調べてみたら、シェリー樽熟成の14年というオフィシャルがあるそうですが、それはそれとして、この原酒を使った14年熟成のブレンドなら、もっと本格的な地ウィスキーとして名乗りを上げられる実力は十分に兼ね備えています。そういえば「あかし」というのは、蒸溜所のある地名でしたね。この無限の可能性を秘めた新しいモルトウィスキーにもっと注目していきたいです。感謝!
2013年02月04日
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SHBとは、Strictly Hard Bean の略で、グアテマラ産アラビカ豆の最高等級を示すものです。写真はストレートな茶色ですが、実際はもう少し濃い色をしたフルシティです。コーヒーという国際商品で、国の名称を冠した最高等級品なのですから、品質管理のしっかりした上質なプロダクトというイメージを擁きますけれども、これが見事に大らかというかバラつきが大きく、小豆大くらいのピーベリーから、小指の先大くらいの平豆まで、本当にスクリーンを通したのか?と思うような大小さまざまな豆が入ってきます。ここで、出口であるコーヒーという飲み物のクオリティを考えるとき、もちろんスクリーン18クラスで均質なら最高なのですが、上述の通り現実はそうは問屋が卸さないので、焙煎なり抽出なりの後工程で調整、あるいは回復を目指すことになります。つまり、何が言いたいかといえば、コーヒーの味は豆そのものよりも、焙煎やさらには抽出による影響の方が大きいということで、このことが焙煎や抽出技術一定の大手メーカの製品では飽き足らない街の中小コーヒー専門店が受け入れられている理由だろうと思いますが、とはいえそれは同時に味の幅、または品質の上下が無段階で存在しうることの理由でもあります。最終的には、飲み手の嗜好によって美味しいかどうか、好みかどうかが決まりますので、それはそれで結構なことですけれども、やはり嗜好品だからゆえに「美味しいコーヒーが飲みたい」と思うのが人情というものですから、こういった現状を集約したうえで起点に戻ると、やはりクオリティ管理のしっかりした豆のポテンシャルが大切という話になります。それが大変ありがたいことに、ここ2、3度ほど入手した豆はスクリーン17のきれいな平豆で、多少水分が多くて蒸らしが難しかったのですが、最終的にはふっくらと仕上がって6日経っても充実した熟成感を含んだ味わいとなりました。いつもこうならどんなに嬉しいだろうかと思って、コーヒーを飲んでいます(笑)感謝!
2013年02月01日
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