音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2018年05月14日
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カテゴリ: 映画


スケージュールに合ったのがこの映画だった。
コーエン兄弟が長年温めていたストーリーに、クルーニーが検討していた実際にあった白人による人種差別暴動事件を組み合わせている。
アメリカでの代表的な批評は「社会風刺、人種差別への言及、殺人ミステリという3つの要素のごった煮」というもので、まとめ切れていないという見解だ。
日本でもあまり良い評価ではなかったが、当ブログ的にはとても楽しめた映画だった。
ただ、劇場であえて見るほどの映像ではなく、DVDで十分であることも確か。
帰ってからチラシを見たら、なろほどと思わせるところがあった。
主人公のガードナー・ロッジ(マット・デイモン)のメガネが割れているし、ワイシャツの襟に血が付いていたり、ガードナーの妻(ジュリアン・ムーア)の姉マーガレット(ジュリアン・ムーア二役)の持っているコーヒーカップのフチがかけている。
それに「この二人、何かおかしい」というキャッチコピー。

ストーリーはさすがコーエン兄弟と思わせるもので、得体の知れない恐怖や、悲惨な殺人場面がこれでもかと出てくる。
そこにシニカルさやユーモアが混じり、何とも複雑なコメディー・タッチのミステリーに仕上がっている。
冒頭1950年代のアメリカのニュータウンの風景が映る。
我々のイメージするアメリカの裕福な街そのものの美しい風景だ。
ところが、白人ばかりの街に黒人のマイヤーズ一家が引っ越したことで事件に発展する。
これは実際にニューヨーク郊外のベッドタウンであるレヴィットタウンで発生した住人による暴動。
この暴動に関するドキュメンタリーが youtube にアップされている。
映画では暴動の発生理由から丹念に描かれていて、普通の人たちが扇動によって暴動を起こす恐ろしさがよくわかる。
ただし、映画の本筋からは完全に外れているため、かえって殺人事件の恐怖が薄められてしまった。
強盗に入られたほうが、何となく後ろ暗いところがあるのだろうと感じるが、強盗が入った理由はさっぱり分からない。

特に目立つのは保険調査員のバド・クーパー(オスカー・アイザック)。
マーガレットを巧みに誘導して、保険金詐欺を白状させるところはなかなか見もの。
ガードナーの息子のニッキー(ノア・ジュプ)がなかなかいい演技を見せていた。
ジュリアン・ムーアは老けすぎで、ミスキャストだろう。
音楽は「シェイプ・オブ・ウォーター」のアレキサンドル・デスプラット。

レトロ感があるのも、1950年が舞台の映画に相応しい。
最期にニッキーが隣のマイヤーズ一家のアンディ(トニー・エスピノサ)とキャッチボールをする場面で流れる「playing catch in the son」が優しく柔らかい音楽で癒される。
1950年代の小道具がなかなか凝っていて楽しい。
アメリカではテレビ放送が1941年に始まっていて、1954年にはカラー放送も始まっている。
映画では白黒だったが、ブラウン管が四角ではなく、楕円形に近い形をしていて、名前はわからないが、懐中電灯みたいなものをテレビに向けて、チャンネルを切り替えていたのが興味深かった。
ところで、二人組の強盗のズボンがつんつるてんなのは何故だったのだろか。


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Last updated  2018年05月14日 18時11分04秒
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