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2020.07.19

煩悩とはどういう心の状態か（3）

カテゴリ：正法誌No.45

煩悩とはどういう心の状態か（3）

わが子を愛するというその愛も、純粋にわが子の幸せを願う心があれば、

子供の自主性を尊重して、子供をして自由に行かせ学ばせることができるが、

煩悩執着の愛の場合は、子供が少しでも親の考えていることに反すると

忽ちにして、その愛が憎しみに変り、怒りに変る。

愛と憎しみとは裏表であるとよくいわれるが、憎しみに変るような愛は本当に

正しい愛ではない。

そこには自己中心の、「こうなけれぱならない」という相手を自分の思う通りに

したいという、相手を束縛する思いか潜んでいる。

真実の愛は相手をして自由に行かしめるのである。

そうした時、相手もまた真に自分を愛してくれることになるのである。

親は子をして自由に行かしめることである。

そうした時、子は自分の自由な心で親に感謝し、親孝行すべきであることを

知るのである。

恩着せがましい愛は必ず裏切られる。

「あなたのためにこうしたのに」「お前のためにこしたのに」だが裏切られた

という悲劇が跡を絶たないのは、それを恩とか愛とかとい相手も周囲も反対する

わけにゆかない言葉をもって、相手の心の自由を束縛してしまうからである。

肉体を綱で縛ることも不自由で苦しいが、より以上に苦しいのは、心の綱で

相手の心の自由を縛ってしまうことである。縛られると相手はその縛りを

ほどいて自由になりたいと反抗することになる。

記事は、正法1982年5月号第45号より抜粋　原文のままです）

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