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中国の花物語(著者:飯倉照平|出版社:集英社新書) 日本にも中国にもある植物を取りあげ、それにまつわる思い出や、民話を紹介している。 もともとは、花芸安達流の機関誌に連載したものということで、一つ一つの章は短いが読み応えがある。 いつものことながら、知らないことばかり。 ネコヤナギは、枝が垂れないから「楊」かと思っていたら、「柳」だそうな。「楊」の代表はポプラ。 また、蓮と睡蓮が別物であることを初めて知った。 「スイレンが水面に浮かぶ水上葉を出すだけなのに、ハスはまずまず最初に小さい浮き葉(中国では、そのコインに似た形から銭葉(せんよう)や荷銭(かせん)と呼ぶ)が出たあと、水面から離れて立ちあがる立ち葉が伸びてきます。」(P108) とのこと。このように、中国の民間での呼び名なども紹介されている。 毎回、古典の引用もあれば、民話の紹介もある。いくら植物が好きでも、それだけでこんなにいろいろ書けるわけではない。日頃から触手を広範囲に伸ばし、材料を集めていたのだろう。
2002.08.28
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「半七捕物帳」大江戸歳事記(著者:今井金吾|出版社:ちくま文庫) 文庫化される前の書名は「江戸っ子の春夏秋冬」。 書名の通り、半七歳時記である。 「半七捕物帖」で語られている、四季折々の江戸の風俗をあきらかにしたもの。 岡本綺堂の筆によってこれこれこうと説明のあるものの引用もあれば、「あしたはお約束で出られないもんですから、繰り上げて今日ご参詣にまいりました」というせりふから、その翌日に行われる行事を推測し、それについて説明する、というのもある。 半七は全部読んだが、この本を読むと、何も覚えていないのに驚き、あきれる。 また、岡本綺堂が、周到に季節感や江戸情緒を感じさせる語を選んで使っていることに気づかされた。 例を挙げれば、「卯の花くだしの雨が三日も四日も降りつづいて」「八百屋にも薄や枝豆がたくさん積んであった」「あしたが池上のお会式(えしき)という日の朝」「節気になったせいか、寒さがこたえますね」などなど。 なおp213の引用文に、「明るく九月の」とあるのは、「明くる九月の」の誤植だろう。
2002.08.22
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