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DIG/MILES DAVIS これはもう暗記するくらい聴いた愛聴盤。1DIG、なんとも異様な熱気。天変地異など何かただならぬ事態が起こったかのよう。要するにこれはスイングの嵐が巻き起こったのであり異常高気圧現象の渦中の記録なのである。2IT’S ONLY A PAPER MOONは嵐が過ぎ去ったあとのウソみたいな晴れ間。カラッとして気持ちが良い。3DENIALでは、また嵐。もうスイングを止めようとしても止まらない。あとからあとからフレーズが湧き出てくる。放っておいたらこいつらはこのままずっと死ぬまでスイングしつづけるのではないかと思えてくる。仕事がない日頃の憂さを晴らすかのようにとにかく吹きまくるマイルスが圧巻。一方若きロリンズの才能も随所に現れている。CDに追加されたバラードMY OLD FLAMEは非常に耽美的で気に入っているが、クールといわれた時代のマイルスサウンドの典型がここにある。マリガンの入った十何奏団ものやつで編曲があったりすると、クールの真の姿はわかりにくい。そういうものではふわふわした感触とあいまいさが残るだけである。この演奏を聴いて以来、私はマイルスのクールの本質は耽美的なものではないかと思い、以来そのように理解している。
2002年09月24日
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SETTING STANDARDS/WOODY SHAW 元気のいいトランペッターだ。前半①~③ではフレディー・ハバードの影響が強く出ており、速いフレーズをバリバリとコルトレーンのように吹きまくる。ハバードはコルトレーン・ミュージックの影響を強く受けていて、コルトレーンをトランペットに翻訳したということはよく知られている。このウディ・ショウも最後まで速いフレーズをつなぐのに終始するのか…ああ残念と思いきや、一転④THE TOUCH OF YOUR LIPSでブラウニー直系の堂々とした歌いっぷりを見せる。実にメロディアス。よくぞやってくれました、こういうのを待っていたんです。ワンホーンアルバムだけに相当気合が入っている。全編を通してトランペッターとして十分完成されていることがうかがわれ、バラード終わりのカデンツァなどは見事だ。音量十分、音色のふくよかさなどは並居るトランペッターの中でも群を抜いているのではないだろうか。トランペットの旨みを味わえる一枚。
2002年09月20日
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SONNY’S CRIB/SONNY CLARK 冒頭WITH A SONG IN MY HEART、この理屈抜きに迫り来る勢いこそがJAZZの命である。ドナルド・バードのテーマから始まるが、「早くアドリブ吹かせてくれぇー」といったウズウズが感じられる。テーマが終わるや否や猛ダッシュで100メートル全力疾走。息の続く限り吹ききろうとするがむしゃらさに惹かれる。一方コルトレーンはマイルスのマラソンセッション当時とは違って成長しており、つんのめることはもうないが、あいかわらずせわしなく音符が上下動する。もう少し落ち着いて吹く路線を行ってくれていたらそれなりに味のある演奏もするのにと歯がゆく思う。この人が地に足のついた演奏をするにはバラード級のゆっくりペースが必要なのだろうと思う。それ以上速いペースでは蛸足シュルシュル運指で具体性がないフレーズが多くなってしまう。カーティス・フラーのほうは泰然自若、ペースがどうであろうと、ほげっとしたあの感じは変わらない。さてリーダーのソニー・クラークであるが、ホーン陣が3人もいるので隠れがち。仲間に花を持たせている格好だが、彼は地味に縁の下の力持ち役を務めるキャラなのだろうと思う。くすみ色だからこそ、フロント陣が冴えるのである。カラーコーディネートには欠かせない一着、ソニクラブランドのくすみ系といったところか?
2002年09月12日
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I REMEMBER YOU/CHET BAKER 全く、ライブは良いものだ。音空間は居心地最高でステージ目の前1.5mくらいのところに座っている感じ。チェットは快調そのもので余裕たっぷりの演奏、明るい面が良い形で出ている。ライブ共演歴のあるギターのダグ・レイニー、おなじみのイェスパー・ルンゴーのベースといっしょだからか、チェット自身が安心し切っているのが感じられる。さらに聴衆のウケのよさは普通じゃない。これだけいい環境に置かれればすばらしい音楽は約束されたようなものだ。チェットは調子に乗ってピアノ演奏まで聴かせている。トランペットをそのままピアノに置き換えたようなもので左手による和音などはないが、いかにも楽しそうにプレイしているのでこちらまで楽しくなる。もちろんペットとボーカルは、いつもながらの冴えを見せている。聴いたあと心が暖かくなる稀有なディスクだ。
2002年09月07日
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ART PEPPER with DUKE JORDAN IN COPENHAGEN 1981 ペッパー晩年のヨーロッパライブ。オリジナル曲は少なく、おなじみのスタンダード曲の数々を気持ちよく吹いている。ペッパーが熱いのはもちろんだが、リズムセクションがまたすごい。ドラムのカール・バーネットがドコドコッとなかなかの力演である。訥々としたジョーダンのピアノはハイテンポ曲では少々歯が抜けたような感じだが、⑥のYOU GO TO MY HEADなどのバラードでその真価を発揮している。つまり彼は枯淡の境地に入っているのだ。その枯れたジョーダンと、メラメラと燃え尽きようとするペッパーの対比がよい方向に出ている。バラードでのペッパーは、すべてを受け入れたかのような懐の深さ、なんともいえない暖かさを醸し出している。最後に残された時間、演奏できる幸福を噛みしめながら歌いつづける。「人生はそんなにやりきれないものではないよ」という心境がなんとなく伝わってくるようだ。とにかく本当に演奏したくてたまらなかったことがわかる。演奏意欲が基本的な「生きたい」という意欲とほぼ同一化するところにまで強まっていた点が、晩年の彼の特長だろう。生への愛が、思想によるゆがみのない形で率直に表出されているのを聴き取ることができる。
2002年09月05日
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LIGHTS OUT!/JACKIE McLEAN 50年代ハードバップのうまみが詰まっている。これはブルーノートの味噌系ではなく、間違いなくプレスティッジの醤油味系ハードバップである。④A FOGGY DAY、ゆったりしたペースに乗って展開されるすばらしいスイングに唸ってしまう。ドナルド・バードの息の長いメロディアスなフレーズがすばらしい。⑤KERPLUNKではマクリーン、バードの天空をひらひらと舞うような美しい掛け合いが見事。じっくりと落ち着いて、丁寧に歌いこまれている。各人、実に自然体のソロなのだが、その自然体のレベルの高さがもろに表れている。56年という年の豊穣、やはり底なし。
2002年09月02日
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