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"LIVE" AT THE VILLAGE VANGUARD/JHON COLTRANE ついにこの重量級名盤登場。とにかくCHAISIN’ THE TRANEこの一曲に尽きる。コルトレーンは鬼神のごとく吹きまくるが、この異常さはエルビン・ジョーンズに負うところが大。とにかく前後不覚狂信的に辺りそこらじゅうを飛び跳ね回るサックスとベースとドラム、このみさかいのなさ。何も考えずに聴くべし。コルトレーンはこのバンガード盤以降、ブルースなどを長時間吹きつづけある見境のない境域に突入していくことが多くなるが、63年辺りまでが一つのピークだろう。それ以降彼は「プッツンした向こう側」に行って戻って来れなくなった。私は見境なしモードに入った彼の演奏を聞くと、いつも笑ってしまう。あまりにも熱烈な生真面目一本槍の没入演奏に、笑うしかないのだ。凄さが極まって滑稽さに変わる瞬間。正統派ファンを自称する人々には申し訳ないが、こういう演奏を聴いて笑うのがコルトレーンの楽しみ方の一つであると思う。だって実際、笑うしかないほど凄い演奏なのだから。
2002年01月29日
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HANK MOBLEY SEXTET(HANK MOBLEY WITH DONALD BYRD AND LEE MORGAN) 理屈抜きのノリノリ大会。ブルーノートはこういうのがあるから楽しい。近所の悪がきども、やんちゃ坊主どもが集まり「おい、ちょっくら思いっきり遊んでスカッとしようぜ!」…てな感じで一気に吹き込んだのだろう。年長組のモブレーは仲良しグループのお兄ちゃんだからやっぱりみんなより少し落ち着いて、普段と同じように遊んでいる。しかしモーガンのはしゃぎようといったらすごい。最近仲間に入れてもらったので嬉しくてたまらないのは分かるが、もうやりたい放題、年長組をはるかにしのぐやんちゃぶりはモブレー・バードもたじたじだ。「新顔、やるな!」と年長者の面子でモブレーも頑張り、バードも頑張るのがなんとも微笑ましい。しかし遊ぶとうまいところを仲間に見せ付けて一番楽しんだのはモーガン。昔近所に1人ぐらいは野球やSケンなどでやたら目立つようなヤツがいたものだが、まさに彼がそうなのだ。2DOUBLE WHAMMYでのテンポに完全に乗り切ったソロ、3BARREL OF FUNKでの天才的歌いまわしなど、周りから見ればまことに末恐ろしいボウズだったに違いない。言い忘れたけど、ホレス・シルバーもしっかり頑張ってます。
2002年01月27日
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MAKIN’ THE CHANGES/JACKIE McLEAN プレスティッジのマクリーン盤の中では一番よく聴く。①Bean And The Boys、これはLover Come Back To Meのコード進行を借りたもので、勢いよく吹きまくる。余りのスイングに背後で誰かが「あー」とか「うー」とか唸っているのが聞こえる。音も生々しい。少し乾いてかすれたマクリーン独特のアルトの音が、非常に鮮明に捉えられていてGOOD。私が一番好きなトラックが④I Hear A Rhapsody。ピアノ伴奏のみでゆったりとテーマを歌い上げ、ミディアムテンポへするするとすべりだしていく音空間。この瞬間が最高なのだ。雨の日、ゆるい坂道をのろのろと自転車で登る。丘を登りきった瞬間、雲の切れ間からさあっと太陽が差し込み、ふわふわっとペダルから重みが抜けていく。さあ、すばらしい下り坂の始まりだ。こういう素晴らしい瞬間を賞味すべし。タイミングが醸し出す旨み。単なるビ・バップ的アドリブとはちょっと違う、ハード・バップ期ならではの熟成された旨みがあるのだ。
2002年01月21日
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STANDARDS/BILERI LAGRENE これは輸入版で購入。ジャンゴの再来と言われたギタリスト。①C’est Si Bon、どうしようもなく粋な演奏。歌ものの歌いまわしに、一貫して「センスのよさ」が感じられる。なんというか、音楽の隅々にまで神経が非常に行き届いているのだ。全曲、期待する以上の演奏でもって答えてくれる。凡百のスタンダード集に食傷している人をも驚かせ、有り余る満足を与える。暖かいギターの音色もまたいい。聞き終わるとおなかいっぱい。抜群のスイング④Stella By Starlight、⑧Donna Leeなど早弾きの技量は驚嘆すべきものだが、この人の音楽的天分は単なる技量にあらず。私が何を言いたいかは、バラードを聞けば分かる。⑤Smileの繊細さとやわらかさ、⑪How Insensitiveの、けだるいリズムの中に突如きらりと光る天才的フレーズ。まことにご馳走様なアルバムである。
2002年01月14日
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HOUSE PARTY/JIMMY SMITH(THE COMPLETE JIMMY SMITH’S SUPER JAM Volume1) これはオリジナル盤(と同じ選曲の日本盤)HOUSE PARTYよりも、中古で日本側編集盤CD「THE COMPLETE JIMMY SMITH’S SUPER JAM Volume1」を聴いたほうがよい。何せ分散収録されていたセッションの全貌が録音順に70分近く聴けるのだから。すごいのはリー・モーガンとジョージ・コールマン。①J.O.Sから特にこの二者は尋常ならざるハイテンション。スミスはホーン・セクションを完全にのせ切っている。バイクでワインディングロードを攻めるがごとき音楽。先の見えないコーナーに時速100キロで突っ込むことを恐れない連中ばかりが集まってジャズをやったら、こんな風になるだろう。恐れず前に突き進む精神が、アドリブ音楽に必要不可欠であることをまざまざと見せつける。二者は何かにとりつかれているごとき。モーガンの演奏は非常に直感的・感覚的で、考えるよりも先に手が出るタイプと言ったら彼に失礼かも知れないが、明晰なブラウンとはまた違うタイプ。コールマンのほうもハイだ。ジャンキーのモーガンとつるんでこの日さてはコールマンも…?といういらぬ推測をしてしまうほどの、ホットな演奏に脱帽。
2002年01月11日
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CHET BAKER MEETS ART PEPPER(THE ROUTE) この盤は1956年LA録音だが、様々な編成で吹き込まれており、チェットとペッパー、リッチー・カミューカのセクステットや、各人のワンホーン、しまいにはピート・ジョリーのピアノトリオまで入っている。しかし、編集されて後半に詰め込まれたと思われるワン・ホーンの各曲(⑥Ol’ Croix以下)のほうが、出来がいい。ことにペッパーの演奏は絶品で、音楽全体の艶というか、フレーズに漂う濃厚な香りを堪能できる。旬のものがもつ旨さ。軽やかさを特徴とするウエストコーストジャズだが、ペッパーにとってはジャズの範疇など関係なかった。彼にとってジャズ=アドリブ以外の何物でもないことが、ここでの演奏を聴くとよく分かる。煮るのでも焼くのでもなく、生きている魚をいけすから出し、すぐにとびきりいきのいい刺身を目の前の客にさばいて出すような、そういう音楽だ。彼の演奏を聞くとき、我々は、その瞬間ごとに活きのいい音楽ができていくさまを、目の前で眺めているのだ。リッチー・カミューカの⑩If I Should Lose Youは、そのうちはっとする旨いフレーズが飛び出す。中にソースが隠れているデザートのよう。最後はジョリーのピアノでお口直し。こう見るとこのアルバム、実にうまく出来たフルコース料理だ。
2002年01月10日
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PARIS COLLECTION MASTER TAKES/CLIFFORD BROWN ジャズで歌心といえば、クリフォード・ブラウンのことについて書かないわけにはいかない。この録音は1953年、彼がライオネルハンプトン楽団の一員として渡欧した際、リーダーの目を盗んでパリのミュージシャンらとレコーディングしたものだそうだ。しかし聴いていて思わず驚きと感嘆の声をあげずにはおれなくなるほどよく歌っている。「何だコリャ。すげえ。ちょっとよく聴かないと」と言ってもう一度CDの再生ボタンに手をやってしまう。およそあらゆる楽器でこれ以上に歌い尽くすことは、ブラウン以後の者にとって至難の業だろう。どこを切っても歌と喜びに満ち溢れた金太郎飴だ。短い一生の間に言いたいことを言い切るには一瞬たりとも無駄にしてはならないことを、予知していたのではないかと思えるほど、密度が濃い。アート・ファーマーが彼のトランペットの腕に嫉妬していたというが、単に技術に対してだけでもなかろう。文章で言い表すのは難しいが、ブラウンの場合音楽そのもののレベルが他のミュージシャンと全く違っていて、コード進行ごとにパートに分かれた楽曲を即興で作曲していくがごときハイレベルな演奏。しかもそのコード進行ごとの作曲が、全部有機的に時系列的に曲として一本の線で見事につながっている。マイルスだったかが、「ヤツ(ブラウン)は曲を縦割りにして演奏する。でも、オレは横割りにする」みたいなことを自分のモードジャズの説明で言っていたそうだ。しかしブラウンは単なるコード曲芸師ではない。とにかくあらゆるフレーズの質が高いのだ。どうしようもなく歌いたい衝動と歌が心に溢れ返っていて、さらにそれを表現するための完璧な技術を身につけている、といったほうがよいだろう。きわめて落ち着いて、次に出したい音を迷いなく一瞬で選んで、完璧に思い通りの音を出すことができるのだ。そうでなければ偶然に勢いだけでこんな音楽ができるはずがない。エリントンが、「この世の音楽は二種類しかない。いい音楽と、悪い音楽だ」といったというが、これは間違いなく「いい音楽」だ。できれば全テイク入り盤を揃えることをお薦めします。
2002年01月08日
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LAST QUARTET FAREWELL/CHET BAKER 1988年オランダでの録音で、文字通りチェットのスモールコンボでは最後となった録音。本当のラスト録音はビッグバンドでのものだが、私はまだ聴いてない。しかし彼はビッグバンドよりもこうした少人数編成でこそ映える。トランペットの音が小さいのでドラムレスをよく望んだというが、単なる勢いのよさではなく緊密なコラボレーションを目指していたのだろう。ここでは、ずっしりと太い音が強調されたMarc Abramsのベース、流麗に舞うNicola Stiloのフルート、結構うまくてびっくりするLuca Floresのピアノとともに、チェットものびのびとプレイしている。冒頭のIf I Should Lose Youが最高。彼のフレーズは聞いていて心地よいのが特徴で、スイングのつぼを心得ている。凝ったところを的確かつ適度にマッサージする優秀な按摩師のよう。しかもそれを実に自然にやってのけている。冒頭曲ではソロを取り始めてからしばらくして途中でソロを止める。(晩年のソロは気分が乗らなければ短いことも多かった。)しかしサイドメンはソロをとりはじめる様子もない。「もう少し聴かせてくれよ」というサイドメンの願いと聞いたか、延々と水を得た魚のごときソロを展開する。このあたりラストレコーディングにふさわしいドキュメント。トランペットに比べて、ボーカルのほうは好みが分かれるところで、チェットという人間そのものと付きあう気がなければ、きついかもしれない。それだけ生身の人間の生き様が如実に現れているからだ。最後のIn A Sentimental Moodは白鳥の歌。曲・フレーズを慈しむように吹く。もはや人生に何も悔いがない、プレイできることへの感謝の念にあふれているような演奏だ。ミュージシャンの最晩年の演奏を聞いていていつも思うことだが、その人が最後に到達した人間的な内面の境地が、どうしてあれほどまでに如実に現れるのだろうか。アート・ペッパーしかり。晩期のピーキー音は、毎晩酔っ払っていきなりくだを巻くのがくせになった親父のようだ。しかしそこにこそ、生身の人間の偽らざるありさまが最もよく表れているのではないか。
2002年01月07日
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DISCOVERRY AT THE FIVE SPOT/THELONIOUS MONK これはセロニアス・モンクのアルバムとはなっているものの、演奏を聴けばコルトレーンのアルバム。すさまじいエネルギーで次から次へと吹きまくるコルトレーンは、スポーティだ。コルトレーンミュージックにはいわゆる口ずさむような歌がない。しかしこれはある意味彼の独特な世界で、②IN WALKED BUDなんかを聴くと、純・器楽音楽演奏的に良く歌っているのが理解できる。この曲のスムーズなマイナーメロディラインをこれほどまでに生真面目に吹き切ることはなかなかできるものではない。彼の場合、ジャズをサックスで演奏するという「行為」の中に、ある異常なまでの投入をした結果、こういった音楽が生まれたのだということが納得できる演奏。コルトレーンの音楽の場合、演奏したい音楽が先にあるのではなく、演奏「行為」からどのような音楽が生まれ出るかを彼自身も実験している。どんな即興演奏もそういう性格をいくらかはもっているだろうが、彼の音楽の場合それが突出しているのではなかろうか。ハイデガー(/ニーチェ)の芸術論に似たところがあると思われる。
2002年01月06日
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ZOOT SIMS ON DUCRET THOMPSON/ZOOT SIMS これはしょっぱなから快盤の登場ではありませんか。1956年、ズートがパリを訪れた時のアンリ・ルノーとのセッション。冒頭曲の出だしからして雰囲気がいい…パリの風か。ズート・シムズは、しかし良く歌う。サックスでこれだけ歌うことができるのは、 あとソニー・ロリンズくらいではないか。スタン・ゲッツよりも暖かみのある語り口で、魅力的なフレーズ満載、口笛でコピーしたくなる(といっても私は実は口笛が吹けないが)。最近は私はもっぱらズートにはまっていて、彼を持ち上げたくなる。良いジャズマンの条件は、やはり魅力的なフレーズを作り出すセンスにある。ジョン・アードレイのトランペットも良く歌っており、明らかにズートに刺激され、また刺激している。かなり以前に東芝EMIからCDが出ているが、そのCDではオリジナル盤にない4曲が追加されている。この4曲は本番レコーディングの前日にリハーサル的に録音されたもののようなのだが、これがあまりにもいい。レコーディングという精神的制約から解放されているのか、ノリのいい曲ばかりが続く。⑩アイヴ・フォンド・ア・ニューベイビーが最高。アメリカ(パリ?)の田舎の酒場でスインギーなお祭騒ぎ?といった風情。この4曲は、最近ジャズインパリという安いCDのシリーズで出たものの中に入っていたような気がします。
2002年01月05日
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