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November 11, 2015
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みなさん、こんばんは。野球選手の処分が出ましたね。打ち切りが噂されているクローズアップ現代では派遣社員の苦悩が描かれていました。派遣から正社員になりたいと思っている人が殆どなのに、世の中では派遣社員は4割。小泉首相の時の構造改革で、企業が費用を安く上げる方法を見つけてしまったのですもの。そうそう労働者に対して都合のいい方法は出したくないですよね。

さて、こちらは年内に3冊も新刊が発売されたレオ・ペルッツの作品です。


ボリバル侯爵
Der Marques de Bolibar
レオ・ペルッツ

つくづく、レオ・ペルッツはタイトルのつけ方がうまい。同作家のスウェーデンの騎士においても、読み終わってみるとなるほどこれはまぎれもなく「スウェーデンの騎士」の物語であり、本作もまた読み終わってみると「ボリバル侯爵」の物語であった。たとえ侯爵が序盤で命を落としたとしても。そう、これは死者に生者が踊らされる物語なのだ。

 ドイツのとある騎士領領主ヨッホベルクが書いた回顧録には、かつてスペインに遠征した折、ラ・ビスバル市において<ナッサウ><ヘッセンの公子>両連隊が壊滅に至った経緯が綴られていた。

 皇帝ナポレオンがヨーロッパを席巻していた時代、皇帝の兄が即位した同盟国スペインでは、ドイツ連隊が民衆たちのゲリラ活動に悩まされていた。ナッサウ連隊の少尉として従軍していたヨッホベルクは、村で姿を見かけたボリバル侯爵が誰にも挨拶を返さない様子に不審を抱く。後に侯爵がゲリラ軍の指揮官と接触していた場を目撃した者が現れ、その謎は解ける。侯爵はゲリラ軍に対して、自分が3つの合図を送るので、合図のあるごとにある作戦を遂行するよう指示していたという。侯爵は変装の名人だったが自分の名前を呼ばれると反応するので、その訓練のための無視だった。

 さあ、変装の名人である侯爵と、合図を知った連隊の知略を尽くした攻防が始まる!と意気込みました、読者のみなさま?残念、その予想はあっさり覆される。変装した侯爵がその変装を見破られることなく、内緒話を立ち聞きしたというつまらぬ理由で5人の兵士に殺されてしまう。なんだこれ!話が終わってしまうじゃないか!



  『スウェーデンの騎士』においても、天使達は男が願った予言を言葉違えず叶えるが、それは男が本当に願ったことではなかった。本作も同様、兵士達は「お前がしなきゃならんことは、俺達が変わりにやってやる」と、侯爵の正体も知らぬまま言ってしまい、「汝らは誓い、主は聞き届けられた」と侯爵の末期の言葉通りの事が起こってしまう。いやぁ、何と意地ワルなのだろうか、わが主は。これではまるで神というより、あの人(ヴォルデモートではない)…おっと、くわばらくわばら。そう言えば、生きたくて生きたくて仕方が無かったボリバル侯爵がいたかと思えば「普通死ぬだろこういう状況下で」と思われた戦況を何度もくぐり抜ける、死ねない男も登場して、一歩間違えればドタバタコメディになりそうな本作に幻想テイストを加えている。

「ああ、誰かれ構わずネタばれしたい!」と高揚する一方で「なんて馬鹿馬鹿しい!」と憤慨。まだ未読の皆さまも、レオ・ペルッツが仕掛けた悦楽と憤慨の日々へ、いざ赴かん。









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最終更新日  October 5, 2019 10:27:30 PM
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