いくつも行く先に対する警句は散りばめられている。ヴァージルに依頼されてオートマタを造るロバートの「部品は人間みたいなもの 組み合わさってくると本当の姿が見えてくる」という台詞。長年の相棒ビリーはもっと露骨だ。「Everything can be faked, Virgil. Joy, pain, hate... illness, recovery. Even love.何度も偽装できるのだ 喜び 悲しみ 病気 回復 愛さえも」気心の知れた友人である彼等がヴァージルに‘あなたの見ているものは真実なのか ようく見るといい いつも美術品を鑑定しているみたいに’とでも言いたいように見える。
最後にヴァージルは思い出の場所に向かう。「お一人ですか?Are you on your own, sir?」と尋ねたウェイターに「いや 連れを待っているNo, I'm waiting for someone.」と応える。彼は偽りを暴くことより、真実を探す方を選んだのだろう。きっと彼は、もう鑑定士はやらない。