試合直前のウェイティングエリア、ふたりが背にする壁には次の一節が書かれている。 「If you can meet with Triumph and Disaster and treat those two impostors just the same.(栄光も挫折も虚像として等しく扱えるならば)」 勝負が決まった瞬間、勝者は天に向かって叫び、敗者はタオルで泣き顔をくるむ。“炎の男と氷の男”はわかりやすキャッチフレーズだが、あくまでこれは周囲が見たイメージにすぎない。本当の彼等は、センターコートで戦った相手が一番知っている。