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2024.11.18
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カテゴリ: 政治
兵庫県知事選挙 斎藤前知事が再選 不信任で失職も


神戸市生まれの斎藤さんは47歳。2021年の知事選で初当選しましたが、自身のパワハラ疑惑などの告発文書問題で県議会から不信任決議を受け、9月に失職していました。
7人の争いとなった選挙戦では、「兵庫の躍動を止めない!」をキーワードに、若者世代への支援の継続などを訴えました。
出口調査では、斎藤さんは自民支持層の5割弱、維新支持層の5割強に加え、無党派層からも、全候補の中で最も多い5割を超える支持を集め、前尼崎市長の稲村和美さんらを退けました。
投票率は55.65%で、前回を14ポイント以上、上回りました。

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愕然とする結果と言わざるを得ません。
この結果に至った理由の少なくない部分は、斎藤を擁護する各種のデマにあったように思われます。
先の記事に書いた ように
斎藤氏のパワハラ、おねだりは捏造
自殺した局長が不倫していた
というのは、あきらかにまったく根拠を欠いています。
確かに、現時点で百条委員会でも第三者委員会でも、「まだ」斎藤氏の行為がパワハラであると正式に認定されてはいません。しかし、「パワハラではなかった」という結論も出されていません。要するにまだ結論を出していないだけです。

しかし、兵庫県のホームページに職員に対して行われた アンケート結果が掲載
これを見ると、県職員(会計年度任用職員含む)約9700人中6725人が回答(回答率69.3%)して、知事のパワハラついて「目撃(経験)等により実際に知っている」が140人(2.1%)、「目撃(経験)等により実際に知っている人から聞いた」800人(11.9%)、「人づてに聞いた」1911人(28.4%)で、合計42%の職員がパワハラを知っていると回答しています。
職員と言っても、知事と接する機会があるのは、まず管理職(の中でも本庁舎で執務している人)と、係長級以下では「官房系」と呼ばれる部署の中での限られた職員だけです。その中で知事のパワハラを「直接見た、やられた」人が140人というのは、とんでもない高率です。
そして、百条委員会には8月30日に2名の職員が出頭して パワハラを受けたという証言 をしています。

これらを総合すれば、百条委員会の最終結論は出ていませんが、パワハラの事実が存在したことは間違いないのです。にもかかわらず、これを「捏造」というのは、明らかにデマです。

そして、自殺した局長が不倫していたという話です。
そもそも、百条委員会が設置されたのは知事のパワハラとおねだり問題の真相解明のためであって、県民局長氏が不倫していたかどうか、などという「問題」を解明するためではありません。
県民局長氏が不倫をしていたかどうかと、その告発文が事実であるかどうかも関係ありません。国民民主党の玉木は不倫をしていましたが、「不倫をしていたから103万円の壁問題はウソ、捏造である」とはなりません。それと同じことです。
定年前に退職を決めていた一人の部長級職員の「不祥事」のために百条委員会だの第三者委員会などを開くわけがないのです。
したがって、「自殺した局長が不倫していた」なる話は、そもそも「本件とは関係ない」としか言いようがないのです。
それに加えて、実際のところ「自殺した局長が不倫していた」なる証拠は何一つありません。唯一、副知事が県民局長氏の公用パソコンに「倫理上問題のある文書」が保管されている、と口にしただけなのですが「倫理上の問題」が具体的にどんな文書なのかは不明です。それを勝手に「県民局長氏が不倫をしていた」と翻訳してしまっているだけなのです。


「不倫をしていた」という話自体すでに根拠不明のデマなのですが、これにさらに尾ひれをつけて、「10年間で10人と不倫した」「不同意性交罪を犯した」などという話を、こともあろうに政見放送や街頭演説でまき散らし人物がいます。いうまでもなくNHK党の立花孝志です。不同意性交罪は公用パソコンで怪文書を作ってまき散らしたことよりはるかに重罪であり、そのような事実が露見すれば逮捕、懲戒免職は免れませんし、そもそも逮捕されます。ところが、兵庫県庁が県民局長氏に下した処分は停職3か月で、停職理由には不同意性交罪なんて罪状は出てきませんし、もちろん逮捕などされていません。これもまた、デマなのです。

立花孝志はこのデマについて、例えば県民局長氏の遺族が刑事告訴した場合、罪に問われる可能性はあります。政見放送で虚偽の宣伝を行うことについては罰則の規定があるからです、また、名誉棄損で訴えられた場合に敗訴する可能性は高いだろうと考えます。もちろん、実際に遺族が刑事告訴や民事訴訟に訴えるかどうかは分かりませんが。ここまで、遺族の動きがまったく見えてこないので、裁判に訴えることには消極的なのかもしれません。
ただ、立花が刑事責任や民事で訴えられる可能性はあっても、それはあくまでも立花の行為であって斎藤の行為ではありませんから、直接的に斎藤に波及することはないでしょう。

立花という「汚れ役」がデマをまき散らし、取り巻き連がそれをSNSに転載しまくり、「ウソも100回繰り返せば真実になる」とばかりに有権者をだまして、「改革の妨害」とか「守旧勢力」とか使い古された文句のトッピングを加えて、多くの人に信じ込ませて、選挙結果を変えてしまう。
「改革」とか「守旧」は事実ではなく評価を示す言葉(レッテル)なのでそれ自体をデマとは言いません。しかし、実のところ斎藤知事の下で行政運営を取り仕切ってきたのは、片山副知事をはじめ、理事、総務部長、産業労働部長の「4人組」とされる人達です。彼らは兵庫県職員として、斎藤知事よりずっと以前から出世コースを歩んできていた、前知事時代からの「体制派」そのものであるわけです。その人たちが決める県政運営が、前知事時代と比べてどこまで「改革」なのか、4人以外の職員をまとめて「守旧派」と呼ぶことが妥当なのか、という冷静な分析はそこにはありません。



そして、その作戦にまんまと乗せられ、選挙結果が変わってしまった。これだけうまくいくのだから、今後この作戦はいろいろな選挙で次々と繰り返されることは間違いありません。暗澹たる思いです。





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最終更新日  2024.11.19 07:01:55
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