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工場での生産を停止し、事業の売却を検討するということです。
テレビ向け大型パネルを手がける子会社、堺ディスプレイプロダクトでの生産を9月末までに停止します。
パソコンやスマートフォン向けの中小型パネルも、段階的に事業を縮小します。
シャープが先日発表した2024年3月期決算は、最終利益が液晶事業の不振で、1,499億円の赤字となりました。
前期も2,608億円の赤字と、2年連続の赤字となっており、立て直しが急務となっています。
その立て直しの一環で、不採算の大型液晶パネル事業から撤退します。
インドなど海外企業を中心に、売却先を検討していくということです。
また、従業員の早期退職の募集や配置転換も実施し、堺工場の跡地はデータセンターへの転換などを模索します。
今後は、白物家電や通信機器などの事業に経営資源を集中することで、立て直しを図ります。
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液晶パネルは、シャープを世界的企業に押し上げる原動力でした。
三重県亀山市の亀山工場で生産されたテレビは、 「亀山モデル」のブランドで世界市場を席巻しました。
堺工場は2009年に4,300億円を投じ、堺市に当時としては世界最大で最先端の液晶パネル工場を稼働させました。
このあたりが全盛期でしたでしょうか。
しかしながら、その後は中国、韓国勢の台頭に押され、徐々に売上は縮小します。
そして、巨額投資が裏目に出た結果、2016年に台湾の鴻海精密工業の買収を受け入れ、再建を図っていました。
シャープの液晶パネル事業からの撤退で、日本国内で液晶テレビを生産する工場は、全てなくなります。
現在では、液晶テレビ事業の世界シェアは、1位から3位までが全て中国勢です。
私が三重県を担当していた頃、亀山工場はとても賑わっていました。
時間の流れとはいえ、日本のモノづくりの衰退を感じざるを得ません。
何とも寂しいものです。
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