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2025年07月29日
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カテゴリ: 家族・親族
私の実家の納屋を、息子たちのワイン倉庫に移築再生することになって一年。
「実家の納屋が再生できるかも」 を参照。
昨年の納屋の片付けから解体・移築作業が徐々に進んで、基礎工事のために土を掘ったら良い粘土が多量に出てきたという。
それを見た移築工事をしている会社が「これで土壁にしよう」という話になった。
面白いことが大好きな息子は、すぐに「やろう、やろう」となったのだろう。
しかし、掘り出した粘土をそのまま土壁にすることはできない。
粘土を乾かし、粉砕し、ふるいにかけて邪魔な石などを取り除かなくてはならない。
それだけでも大変な作業だったようだ。
夫も何日か手伝いには行ったが、ほとんどは息子たちとなじみのボランティアの人達だ。

そしていよいよ今月の27日から土壁塗り作業が行われた。
私も雑用くらいは手伝えるかと、この日夫と二人でトウモロコシの差し入れと共に出かけた。
本番の作業の一週間ほど前には、土壁の粘土づくり(粘土・藁・砂を練り込む)と
土壁塗りの練習作業があったそうだ。
概略を聞いてはいたけれど、ほとんどが素人の人達でちゃんとできるのかと思っていたのだが…。
指導者は左官のプロフェッショナルの、野田肇介さん(浦河町)。
その時まで知らなかったが、「文化財修復、アート制作、ワークショップ」など
幅広い活動を通して、日本の伝統技術を未来につなごうとしている人だった。
だから、これらの一連の作業も、伝統技術の継承や啓発のためのワークショップでもあるらしい。

ということで、十数人の人が集まっているので私は出る幕もなく、葡萄畑の暴れる枝整理をすることにした。
しかし、この日も暑くて一時間半くらいの作業で私はバテてしまい、エアコンのある自宅でのびていた。

その時に土壁塗りの師匠の野田さんや、建築会社の社員、ボランティアの人たちと少しお話をすることもできた。
みんな、大変だったけれど土壁塗りが無事にできた達成感で、泥だらけの作業服も笑顔も輝いていた。
それを見ながら、きっと100年前にこの納屋を建てた時も、こんな笑顔の人達がいたのだろうなと思った。
百年前の北海道には工務店もないから、棟梁が建て主と相談して設計し、
必要な木を山に探しに行って切り出し、乾燥させ、材木を必要分だけ切って準備し、

「棟上げ式」が今でも新築の大事な行事であるのは、その時の名残だろう。
重機もないのに、あの重量感のある梁を何本も組み上げるのには、危険も伴ったことだろう。
そんなことを想像して皆さんの笑顔を見ていたら、
そこに曾祖父や祖父、顔は知らないけれど実家の蔵や自宅、
そしてこの納屋を建ててくれた小林棟梁も一緒にいるような気がしてきた。
そんな話を近くにいた馴染のボランティアの人に話すと、
「その人たち、子孫がワイン作って納屋がワイン倉庫になるなんて、想像もしなかっただろうね」と言ってくれた。
きっと、お酒や焼酎は飲んでいただろうけれど、「ワイン」なんて聞いたこともなかったんじゃないかな。
でも、こうやってしっかりと家族の歴史の証しがつながったことは、みんな喜んでくれているはず。
移築を薦めてくれたT建設の社長さん、土壁の提案を嬉々として受け入れてくれた息子たち、
そして指導してくれた野田さんや多くの助っ人の皆さん、本当にありがとうございました。





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最終更新日  2025年07月31日 09時03分34秒
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