こちらは耳納平にある林道開通記念の石碑です。
これは山の神様が怒っているに違いないと考えた村人は、村にある観音寺の住職の金光坊に相談した。
比叡山で学んで帰国したばかりの若い和尚の金光坊はこれは化け物の仕業と思い、その夜、村の豪傑・三次とマキオを従えて稜線を目指した。
行けども行けども道なき道を進み、そして、峠近くの雑木の中で、金光坊は座禅を組んで経を唱え始めた。
「南無…、山を動かし、良民を困らす怪しきものよ。言いたきことあらば、姿を見せて申してみよ」
経文を唱えながら、和尚は見えない化け物に語りかけた。
そこへ視界を塞いでしまうほどの巨大な物体が姿を現した。それでもなお、金光坊は経文を途切れること唱え続けた。
表れた化け物は体長は優に5㍍を超え筋肉隆々の牛鬼であり、首から上は牛の頭である。角は、一突きで何ものをも砕いてしまいそうにいきり立っている。
牛鬼は、角を震わせながら金光坊に襲いかかろうとするが、金光坊の激しい読経に阻まれた。
そして、金光坊は剣のさやを払うと牛赤鬼の手首と耳たぶを切り落した。
牛鬼は泣きながら、元々は山に住む鬼であったが、山を荒らす人間が谷川に毒を流し、その毒水を飲んだため、牛鬼に 変わり果て、人間に仕返ししようとしていたと語った。
事情を聞いて同情した和尚は、牛鬼を山に戻して観音寺に帰ってきた。
金光坊は、その日から三日三晩、牛鬼の安泰を願って祈り続けた。
そして、金光坊は切り取った手首は寺の宝として永久保存し、朝な夕な供養の経を唱え、自分の罪を償うこととし、そしてもう一方の耳たぶは、切り落した足代(むかしの耳納山の呼び名)の山中に埋めた。
そして、「耳納」の名前は、金光坊が牛鬼の耳を納めたこの時のことに由来している
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