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2020年08月02日
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テーマ: 中国&台湾(3305)
カテゴリ: 訃報、消息
 李 登輝(リー・テンフイ)氏は、1923年1月15日、台湾新北市三芝区生まれ。
 第4代中華民国総統(7期途中昇格・8期・9期、1988年 - 2000年)。
 第3代蒋経国総統を副総統として補佐し、その死後は後継者として中華民国の歴史上初めての民選総統となった。
 中華民国総統、中国国民党主席に就任し、中華民国の本土化を推進した。
 2020年7月30日、満97歳で死去。
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 国共内戦の一方的な終結宣言により、内戦を口実にしてきた動員戡乱時期臨時条款を廃止し中華民国の民主化と「批判する自由」を実現した。
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 日本統治時代に使用していた名は岩里 政男(いわさと まさお)。
 流暢な日本語を話し「21歳(1945年)まで日本人だった」「難しいことは日本語で考える」と公言し、訪日時は日本語を使用した。
 1943年9月、台北高等学校を卒業。
 同年10月、京都帝国大学農学部農業経済学科に進学。
 大学時代は「農業簿記」を学び、同時にマルクスや河上肇などの社会主義関連の書籍に親しんでいた。
 1944年、学徒出陣により出征した。
 大阪師団に徴兵検査第一乙種合格で入隊。
 台湾に一時帰って基礎訓練を終えた後日本に戻り、その後名古屋の高射砲部隊に陸軍少尉として配属され、終戦を名古屋で迎えた。
 1945年8月、日本の敗戦とそれに伴う台湾島の中華民国への返還を受けて、日本軍が台湾を撤退した後の1946年春に台湾へ帰り、台湾大学農学部農業経済学科に編入学した。
 1947年、二・二八事件が発生。
 李登輝氏は台湾人および日本人としての経歴から、粛清の対象になる可能性が高かったため知人の蔵に匿われた。
 1948年、農学士。
 1949年、台湾大学を卒業し、同大学農学部の助手として採用。
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台湾の李登輝元総裁が死去 
2020年7月31日 BBC NEWS
 台湾の元総統で、「台湾民主化の父」と呼ばれた李登輝氏が30日、死去した。
 97歳だった。
 李氏は1988~2000年、台湾(中華民国)の総統を務めた。
台湾で独裁体制を終わらせ、多元主義と民主主義を定着させた 功績がたたえられた。
 一方、評価が分かれた人物でもあった。
 中国からの独立を主張し、中国政府との緊張を高めた。
 中国は台湾を身勝手な地方と位置づけ、いずれ統一されるべきだとしている。
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総統の直接選挙を導入
 李氏の死因は、敗血性ショックと多臓器不全。
 台北市内の病院に半年ほど前から入院していた。
 総統在任中、憲法を改正し総統直接選挙を導入するなど、民主化を推し進めた。
 現職の蔡英文総統は李氏について、「プライドと私たち独自のアイデンティティの上に築かれている民主主義の基礎をつくった」などとツイートした。
This is a day of mourning for me & all Taiwanese with the passing of our former President Lee Teng-hui. He laid the foundation for a democracy built on pride & our own identity, & his legacy will guide generations of Taiwanese to face the challenges ahead with courage.
ー 蔡英文 Tsai Ing-wen (@iingwen) July 30, 2020
 台湾で取材するBBCニュースのシンディ・スイ記者は、「台湾に早期に民主主義を根付かせるとともに、台湾独立を訴えて中国との緊張を高めた李氏のレガシー(遺産)は、その死後も影響を持ち続けるだろう」と説明した。
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中国に対抗
 李氏は、台湾を吸収しようとする中国に対抗することで台湾内の支持を拡大した。
 台湾が「民主主義と自由、人権、尊厳の国」になることを望んだ。
 1988年、前任の蒋経国氏の死去を受けて総統に就任した。
 1996年には、台湾初の直接総統選挙で圧勝。
 2期目に入った。
 中国はこの選挙までの数カ月間、投票に影響を与えようと、台湾海峡周辺でミサイル演習などを繰り広げた。
 1940年代の国共内戦以来、中国は台湾を、いつかは復帰する中国の一部とみなしている。
 一方、台湾市民の多くは台湾を事実上の独立国と考えている。
 様々な世論調査からは、台湾市民が正式な独立は求めず、現状維持を望んでいる状況が浮かび上がる。
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 現職の蔡総統は李氏の弟子とされ、同氏の路線を継承している
 中国本土とは距離を置き、アメリカから支持を獲得している。
 台湾と中国の緊張は近年、新たな高まりをみせている。
 状況が悪化した場合、アメリカは台湾をめぐり中国と戦うとの見方もある。
 ただ、米中とも戦争は望んでいない。
 中国の台湾外交部は31日、李氏死去の知らせは聞いているとした上で、「台湾の独立は行き止まり状態にある」と述べた。
 中国共産党系の英字紙「環球時報」は、李氏を「台湾独立の親玉」と呼び、「李氏の死去は中国本土のほとんどの人にとってはまったく悲しいニュースではない」とする記事をウェブ版に掲載した。
  ― 引用終り ―
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 李登輝氏は領土問題で日本よりの発言を行い、台湾国内で批判を集めた。
 「日本人より日本人らしい」とも評される李登輝氏は、日本の独立の行く末を案じていた。
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台湾の民主化進めた巨人・李登輝氏の
日本人への遺言
「日本は米国に頼らず自立せよ。
 憲法改正して対等な関係を」
 吉村 剛史
2020.8.1 JBpress





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最終更新日  2020年08月02日 20時00分05秒
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